つれづれぶらぶら

5月の反射炉ビヤ行きますよー!酔い蛍グループの皆さんにまた会えるかな?

『琥珀の夢で酔いましょう』

前回、松本城公園でのクラフトビールフェスティバルに行ってきた話をしましたが、その帰りにヴィレヴァンに寄って、漫画を何冊か買ってきたんですよ。

sister-akiho.hatenablog.com

というわけで、買ってきたのはもちろん、こちらです。じゃん!

元々、MAGCOMIマッグガーデンが運営するウェブコミックサイト)で無料公開されている連載を時々思い出して読む程度だったんですけど、うっかり読み飛ばしてしまった回もあるし、やっぱり紙の本で読みたいわ!と、思いましてね。

仕事が認められず苛立っていた剣崎七菜は、偶然入った居酒屋「白熊」でクラフトビールに出会う。

すっかりクラフトビールに魅せられた七菜は、店主・野波隆一に頼まれ、カメラマン・芦刈鉄雄と共に「白熊」の集客を手伝うことに……⁉

(1巻カバー裏より引用)

magcomi.com

テーマは「クラフトビールと料理のペアリング」です。

毎回、個性的なクラフトビールと、京都や高知の家庭料理を中心とした「おばんざい」などの組み合わせが提案され、読んでるだけでめっちゃ美味しそう!うわぁ食べたい!飲みたい!ってお腹が空く漫画です。

また、ビールに組み合わせるのは料理だけではなくて、まさかの甘~いデザートだったりもします。ビールにスイーツを合わせるだなんて、想像できます?!私は考えたこともなかったですよ!

だって、我々が知っているのはいわゆる「日本の宴会」の「とりあえずナマ」って注文して運ばれてくるビール(ラガービールピルスナー)ですもんね。目の前に並んでいるのはたいてい枝豆、串揚げ、冷ややっこ、ソーセージってなとこでしょう。そういうものだって思ってましたよね。疑問にすら感じたことがなかったですよ。ペアリングなんていう概念すらなかったですもん。

でも、ビールはピルスナーだけではなく、さまざまな醸造方法、さまざまなスタイル、ブリュワーのこだわりの詰まったさまざまな味と香りを持つ奥深い飲み物。それらの個性を活かす料理も千差万別。そして飲む人の好みによって、その組み合わせは無限大。この漫画では、隆一、七菜、鉄雄を中心とした登場人物がしばしば「ペアリング会」を開き、それぞれの舌で、持ち寄ったビールに合う料理を探していきます。鴨肉ステーキにIPA、かぼちゃの甘煮にトラピストビール、ようかんにフルーツビールなどなど、うわーっ試してみたい!って思わせる提案がいっぱい!好奇心をむくむくと刺激されちゃいます!

 

そして、この漫画のもうひとつのテーマは「不自由からの開放」。

派遣社員として働くということ、女性がひとりで飲みに行くリスク、アルコールが苦手な人に優しくない飲み会、自己主張することの難しさ。思い込みという名の拘束にがんじがらめになっている私たち。「自分らしく生きる」って何?

でも、クラフトビールの世界は自由だ。ラガーにエールにランビック、苦いの酸っぱいの甘いの、色も薄いの濃いの赤いの黒いの、澄んでいるのも濁っているのもあって、アルコール度数もさまざま。わたしの大嫌いなビールがあなたの大好きなビールだとしても、ちっとも問題ない。他人に合わせる必要なんてないんだよ。誰もが自分の好きなその1杯を楽しめばいいんだ。

多様性こそ希望だと気づくことで

状況はいつでも変わる

絶望的な未来にあっても

そう信じている

(3巻 P102)

3巻で開催される「十月はたそがれのビール」というイベントが最高に楽しそうなんですよね。映像と音楽、謎のガイド役のレクチャーで、クラフトビールとお料理の組み合わせを楽しむ「白熊」主催イベント。準備と運営がめっちゃ大変そうだし、MAKOTOのような非才の協力なしには成功しないような気もするけど、でもこの場にいられたらどんなに楽しいだろうって思うんです。こういう機会があったら参加してみたいなぁ。

 

ところで、4巻で隆一たちが実際にブルワリーを見学に行くエピソードがあるんですが、そのブルワリーというのが「奈良醸造」さん。ほら、私が松本城のフェスで飲んだ「MIDSUMMER NIGHT's DREAM」や「MCGUFFIN」を世に送り出したブルワリーさんですよ。松本からの帰りの電車の中で読んでて、思わず「あっ!奈良醸造さんじゃん!」ってビックリしちゃいましたよ。MCGUFFINめっちゃ美味しかったなー。もっぺん飲みたいなーって思うんですよねー……諏訪近郊で取り扱ってるお店ないのかしら……。

 

さてさて、この漫画の中では、色々なビールの楽しみ方を教えてくれるのですが、そのうちのひとつが「ホットビール」。

4巻ではキリンのクラフトビール「SPRING VALLEY」シリーズのフルーツビール「JAZZBERRY」をレンチンして飲むとホットワインみたいな味わいになるよというエピソードがありました。ちなみにホットビールの作り方はキリン公式サイトでも紹介されてますよー。

drinx.kirin.co.jp

ホットワインは寒い日に好んで飲むけど、ビールを温めたことはないなー、どんな味になるんだろ?と気になっていたところ、スーパーで「SPRING VALLEY」のウィートエール「シルクエール」を見かけたので、じゃあこれでやってみよう、と。

そうは言っても、まずは普通にグラスでシルクエールを飲んでみます。おー。飲みやすい。クセがない。でも「いつものビール」の風味もある。これ、初めてエールを飲んでみようって人のお始めの1杯にちょうどいいんじゃないですかね。なんせクラフトビールは最初に個性的すぎるのに手を出しちゃうとしんどいですからね。かつて「地ビールは美味しくない」という風評が立ったのもそのせいかと思うんですが。その点、大衆の好みを熟知している大手ビールメーカーが作っている「SPRING VALLEY」は、いつものビールから半歩進んだぐらいの絶妙な距離を維持してくれているような気がします。

前書きはここまで。さぁさぁ、本来の味を知ったところで、これをホットビールに変身させていきますよ。

マグカップに注いで、レンジで30秒~1分ほどチン。ほんのり温もったところで、蜂蜜をとろ~りと垂らして、仕上げにシナモンの粉をぱふぱふ。さぁ、どんなお味になったかなっ?

おお、うんま~い。ってか全然違うものになってる!マドラーで軽く混ぜるとふわっと泡立って、シナモンの香りが舞い上がります。マグカップを両手で抱えてゆっくり飲むと、蜂蜜の甘い味に、ホップの苦みが絶妙に絡み合って、なんとも不思議な味わい。でもこれ寒い日に良さそうだよね、晩秋や早春の野球観戦にちびちび飲めたらいいのになーって想像しちゃいました。今回は単品で飲みましたが、スイーツと合わせても良さそうな気がします。

 

クラフトビールの自由さ、ペアリングの楽しさを教えてくれる『琥珀の夢で酔いましょう』。ビール好きさんにもそうでない方にもオススメです!ついでに言うと、いかにもテレビ東京の「あの枠」でドラマ化されそうな漫画だな、なんてことも思ってみたりするのですがどうなんでしょね……。

ビアフェス信州2022 クラフトビールフェスティバル in 松本

ここ数年、クラフトビールにちょっと興味があります。

きっかけは、以前にもお話ししましたとおり、コロナ禍の始めの頃に図書館で『もやしもん』を借りて読んで、その中で「地ビール」が取り上げられていたことで、そういえば地ビールってなんとなく敬遠していたなぁ、飲みもしないで勝手に美味しくなさそうって決めつけてたなぁ、と気づかされまして、試しにヤッホーブルーイング(長野県軽井沢町)の「水曜日のネコ」を飲んでみたら、意外と美味しくてビックリした、という経験がございましてね。

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それ以来、水ネコは私にとっての定番ビールになってしまったわけですが、まぁ、ヤッホーブルーイングのビール(よなよなエール、インドの青鬼など)は今や長野県内のみならず、全国のスーパーやコンビニで手軽に買える、最も身近なクラフトビールという存在になっていますね。

それで、図書館でクラフトビールの種類について説明する本を借りて読んでみたり、MAGCOMIなどで連載中の漫画『琥珀の夢で酔いましょう』などを読んでいるうちに、本当にビールってめちゃくちゃ種類が多いんだなぁ、味も色も香りも全然違うんだなぁ、と初めて知りました。

だって、職場の飲み会で「とりあえずビール」といえば、たいていキリンラガーかアサヒスーパードライで、味の違いなんてほとんど気にしたことなかったんですもん。実際のところ、そういう飲み会では、自己主張しないと勝手にビールが運ばれてきちゃって、そんなに美味しいとも思えないのにどんどんグラスに注がれてうんざり、っていう記憶しかなかったんですもん。それって、私にとってもビールにとっても不幸な巡り合わせですよね。もっと自由に、その日の気分に合わせて選べる飲み物だって知っていたなら、もっと楽しく飲めていたはずなのになぁ。

苦いビールが苦手な私としては、『琥珀の夢で酔いましょう』の中で紹介されていた「フルーツビール」というものがとても気になります。ケーキやパイといったスイーツ類にも組み合わせ(ペアリング)できるビールと聞いたら、それはいったいどんなものかしらと気になるじゃありませんか、ねぇ。

 

そんなことを考えていたら、この16日~19日の4日間、松本城公園でクラフトビールフェスティバルが開催されるというニュースが飛び込んできたわけです。長野県下はもちろん、全国あちこちのブルワリーから直送された、とっておきのクラフトビールを飲み比べできるイベントなんだって。以前から開催されていたらしいんだけど、ここ2年間はイベントの自粛を受けて開催されなくて、今年、3年ぶりに復活の開催!ってことらしいです。

これは絶好の機会だ。松本なら電車で行けるから、お酒を飲んでも帰って来れるし(都会の人には分からんでしょうが、田舎は自家用車じゃないと行けない場所がたくさんあるんですよ……)、松本城公園に行くのも久しぶり。行こう行こう、ぜひ行こう!

唯一心配されていたのが台風に伴う天候の変化で、横殴りの雨の中、寒さにブルブル震えながらビールを飲むことになったらイヤだなぁと不安だったんですが、松本駅に着いてみると太陽サンサンで蒸し暑い、要するに絶好のビール日和だったのでした。わぁい。

松本城公園は、たくさんの人で賑わっていました。ビールフェスに来た人もいれば、お城に上りに来た人もいっぱい。ちなみに、松本城の本丸庭園から向こうは、飲食物の持ち込みは禁止、飲酒してからの入場も禁止です。なので、松本城とビールフェス両方を楽しみたい人は、まず先にお城に上がってから、がお約束ですね。

ビールフェスの会場はこんな感じ。まず本部でビールのチケットを買います。1杯チケット(紙)は650円。専用アプリで電子チケットを買うと50円引きの600円。3枚組チケットや特製グラス付きチケットなどもあったけど、自分が果たしてどんだけ飲めるか自信がなかったので、まずは紙のチケットを2枚購入して、会場内をぶらぶら見て回りました。

長野県内のブルワリーがずらっと横並びで出店していて、その両端にゲストブルワリーのビールを販売するブースがありました。ゲストのビールはその樽が完売してしまうと次の樽に入れ替わる仕組みになっているらしく、ホワイトボードに現在販売しているビール名が表示されています。

しかしながら、まだクラフトビールの種類がいまいちよく理解できていない私にとっては、書かれているビールのスタイル名を見ても、それがどんな味わいのものなのか想像ができません(せいぜい、IPAは例のめっちゃ苦いやつだなーってぐらい)。

そんなわけで、ホワイトボードに書かれた「スパイスビール」という謎の言葉が理解できません。スタッフさんに「スパイスビールって何ですか……?」って聞いたら、「スパイスが入っているビールです」と、至極あたりまえの回答が返ってきました。ああ、ええ、そうなんでしょうね、えーっと、要するに「飲んだら分かる!」ってこっちゃな、と思ったので、まず1杯目はそのスパイスビール、奈良県奈良市からお越しの奈良醸造さんの【MIDSUMMER NIGHT's DREAM】にしてみました。もう名前の時点でかっこよすぎて痺れるぜ。

国宝・松本城を眺めながら飲んでみます。
おっ?飲みやすい。それほど苦くもないし、すんなり入ってくる。スパイスって言うから辛いのかと思いきや、そんなことはない。でも、舌の上をチリチリチリッと小さく刺激するような、この感覚は何だろう。最後にビール本来の深い味わいがふわっと広がって、後味は爽快。何が入っているんだろう?

家に帰ってから、奈良醸造さんのサイトで調べてみました。

narabrewing.com

和ハッカ!なるほど、あの舌の上を駆け抜けるような爽やかな刺激はこれだったのかぁ。それと八角スターアニス)とカカオニブかぁ。そういう組み合わせもあるんだ、ビールって本当に何でもアリなんだなぁ。夏の野外の音楽フェスとかで、軽く身体を揺らしながらゴクゴク飲みたい感じの、とっつきやすいビールですね。

 

お次は何にしようかな。長野県内のブルワリーのブースを眺めていたら、これまたどんな味なのか予想もつかないようなビールがあったので、2杯目はこれに決めた。

長野県野沢温泉村からご参加の、JB里武士(リブシー)タップルームさんの【Farmhouse Blend】です。

libushi.com

数種類の木樽熟成ビールをブレンドし、野生酵母と一緒に熟成したもの、だそうですが、そもそも「ファームハウスエール」とは何ぞや、熟成したものをさらに野生酵母で熟成するとはどういうことなんだ、と頭の上に疑問符が浮かんだ状態で、まぁこれも飲んでみんと分からんっちゅーこっちゃな、と。

おおおおお~~~、酸っぱい~~~。これはけっこう酸っぱいぞ。でも嫌な感じの酸っぱさじゃない。おまけに口の中で色んな香りや味が複雑に混ざり合って、すっごく面白いビール。

小腹が空いたので、近くのキッチンカーで「松本一本ネギ」を使ったネギ餃子を買ってきてペアリングしてみたら、おっ!これは!すごく合うぞ!?ネギ餃子のポン酢の酸っぱさとバランスが絶妙に合うし、餃子の味も引き立つし、後味もすっきり!

ちなみに、ファームハウスエールというのは、要するに「セゾン」のことだと後で分かりました。あ、だから酸味があったのか。つっても、セゾン自体が千差万別あるらしいから、単純にセゾン=酸っぱいと思い込んではいけないらしい。奥が深い……。

 

普段は晩酌もしないような中年女性がビールを立て続けに2杯も飲んだせいで、このあたりでちょっと足にキテます。ううう、どうしよう、最初に買ったチケットも終わったし、もう帰ろうかなぁ。でも何となくまだこの場所にいたいな……と、お堀のほとりに座って、ぼーっと過ごします。

たくさんの人々が前を通り過ぎていきます。ビールを片手に記念写真を撮る人、ジェラートアイスを買ってもらって嬉しそうな子ども、お城を眺めている老夫婦。その賑わいを眺めていると、コロナ禍で外出さえも許されなかった頃とはずいぶん変わってきたなぁと思います。たくさんのイベントが中止になって、飲食店も休業を余儀なくされて、誰かと外食をしようものなら後ろ指をさされていた、あのギスギスした日々。そりゃあ最初の頃は重症化する患者さんが多かったから仕方がないなと分かってはいたけれど、やっぱりこうやって人が集まる場所に久しぶりに来ると、ああ、いいなぁ、嬉しくなるなぁ、って実感しちゃうじゃないですか。なんぼオンラインが普及したって、バーチャルが進化したって、テイクアウトが利用しやすくなったって、それでは代えられないんだよなぁ。そうなんだよなぁ。

そんなことをぼーっと考えていると、ゲストブースのホワイトボードの表示がさっきまでのとは変わっています。何だろう?と思って近づいてみると。

「フルーツビール」だぁぁぁぁ!そうだ、そうだよ、そもそも私、これを飲みに来たんじゃん!これを飲まずに帰るわけにはいかないじゃん!

追加でチケットを1枚買って、3杯目、今回ラストに選んだのは、またまた奈良醸造さんの【MCGUFFIN】でーす!

narabrewing.com

マクガフィン。映画監督のアルフレッド・ヒッチコック曰く、物語において「重要ではあるが他のものに置き換えがきくもの」。それが物語を引っ張るけれども、それに囚われてはいけない。ウラニウムでもダイヤモンドでも、本当はどっちだっていいんだ。

奈良醸造さんの商品名っていちいちカッコいいよね。カップルだったら夜更けのバーで恋人にドヤりたくなるレベルでお洒落なんだわ。

それはさておき、さぁ、肝心のお味はどうかなっと。

きゃー!美味しー!!!これ好きー!ポニョ、これ好きぃー!!!

3杯目で、もう舌もたいがい麻痺してるっていうのに、これが一番飲みやすくて、一番お気に入りでした!パイナップルの甘く華やいだ香りと、ココナッツとスパイスの香りもアクセントになって、飲んでて楽しい!苦みも全然ないし!

最後にお気に入りに出会えて、嬉しくなって、チケット売り場のスタッフさんに「御馳走様でした!美味しかったです!」と伝えてから、松本城公園を後にしました。

「ビール」への固定観念を打ち破る良い機会になりました。参加してみて良かったです。ビールって苦いだけで全然美味しくないわ、と思っている人や、飲み会での「とりあえずビール」にうんざりしている人は、こうした機会に色んなビールを経験して、あ、これは好きかも?と思える1杯に出会ってほしいです。実はIPAにも色々な種類があって、ただ苦いだけじゃないらしい……。ゆくゆくは苦いビールにもチャレンジしてみたいです!御馳走様でしたー!!!

もしかしたら既に「ホムペ管理人」という概念は消滅したのか

ここんとこ、はてなブログさんはあれこれと新しいサービスを提供なさっておられますな。こないだ「おとなり日記」を始められたと思ったら、今度は「グループ」とな。

グループは「共通の話題について書いているブログ同士が集まって交流できるコミュニティ」とのことだが、私のようなインターネット老人会の人間からすると、ついつい「懐かしの【同盟】……みたいなものかのぅ……」などと、古の言葉に翻訳してしまいたくなる。

【同盟】って。うひゃ、懐かしい。あの頃、そこのアナタも参加してたでしょ、【同盟】。ちっこいバナーを「Myホームページ」の下のほうにずらずらたくさん並べてたりさぁ、ねぇ、してたでしょぉ、ねぇ?イラストを描く人だったら「オリキャラ大好き同盟」とか「うちの子自由にお描きください同盟」とかさぁ。ああ、書いてるだけで懐かしくて変な汗が出るわ。そんでだいたいその隣に「毒吐きネットマナー」のバナーが貼ってあるんだよね、ふふふふふふふ(;^ω^)

 

それはさておき、はてなさんの「グループ」ですよ。まぁ、私もはてな村の端っこのほうに住まう者として、とりあえず試してみようと思い、公式グループの「邦画」と「読書」と「野球」に参加してみた。

邦画レビューの記事とかはよく読ませてもらってるんですよ。なんぼテレビで派手に宣伝を打っていても、実際に幕が開いてみるとなんじゃこりゃあってことがあるでしょう。そういうのは実際に観てきた人の意見が一番参考になるしね。ブログの書き手の好みによって評価が分かれるとはいっても、何人かのレビューを重ね合わせるとだいたいの傾向は分かるもんだし。そういうレビューの相見積もりみたいな作業に便利かなと思いましてね、グループ。

しかしながら、はたして使い勝手が良いのか否かは、今のところは未知数ですな。どのようなサービスであっても、だいたい最初のうちは混乱が生じるもので、そこを上手く乗り切れないサービスは急速に衰退の途を辿ることになる。端的に言えば、サービスの本来の趣旨を無視して活動する参加者が増えると、単純に「荒れる」。昔で言うと、チャットや掲示板の「荒らし(嵐)」とか。2ちゃんねるみたいにメンタルつよつよの連中が集まってる場所ならいいが、個人サイトでやられるとけっこう対処するのに骨が折れる。うまく対処しないと常連まで巻き込んで場の雰囲気を荒らされてしまう。

コミュニティ(同盟など)の場合は、ただ単に閲覧数を稼ぎたいだけの、コミュニティのテーマに沿っていない参加者(広告目的とか)が乱入してくると面倒だ。そういった手合いは他の参加者に無差別攻撃のように絡んでいく。「こんにちは!はじめまして!」と来られると、つい「どうぞよろしく」と返してしまうものだが、その後は延々と違う話を一方的にまくし立てられたりして、もう面倒なことこの上ない。相手にしないのが一番なんだが、去ってくれるまでずーっと待つのもしんどい。他のメンバーと遊びたいのになぁ、あいつまだ居座ってるよ、とイライラさせられてしまったりする。

そんなわけで、とりあえず参加はしてみたけれども、今後どうするかは成り行き次第。そもそもオンラインでもオフラインでも人付き合いはあんまり積極的にしないほうなんで、面倒になったらすぐに抜けるかもしんない。どうなることやら。

 

そんでね、ここ数ヶ月、ちょっとモヤってることがあるんだけどね。

うちの会社にも、そういうネット掲示板っていうか、よろず交流スレッドみたいなサービスが、半年前ぐらいにようやく出来たんですよ。以前は営業所同士の交流イベントみたいなのがちょこちょこあって、そういうイベントを通じて他の営業所の社員と仲良くなったりできてたんだけど、コロナ禍でそういうのがいっぺんになくなっちゃったもんだから、本社のほうで何か代替措置みたいなことをしなきゃって考えたんでしょうね。

私としては、ずっと昔から、うちの会社はどうしてネット上の交流の場を設けるのに消極的なのかなぁ(昭和体質なんすよね)って思ってたもんだから、そりゃ喜びましたよね。ようやく重い腰を上げてくれたか!じゃあさっそく賑わせねば!と、最初のスレッドを立てましたよ。もちろん文章は練って、あんまり重くなり過ぎないように配慮して、私はこれこれこんな感じの人間ですよ、皆さんよろしくね、同好の士がいらっしゃったら仲良くしましょう、って初心な感じで書き込みましたよ。書き上げた後も、おばさん構文になっていないか、無意識でハラスメント発言をしていないか、しっかりと確認してから送信ボタンを押しましたよ。こんな雑な性格の私ですが、TPOに合わせて文体を使い分けるぐらいの常識はありますよ、ええ。

そんで、スレッドを立ててみたはいいものの、まーーーーーーったく反応がない。びっくりするぐらい反応がない。もしかして私ひとりだけネット環境が違うんだろうかというぐらい、本当に何の反応もない。

うっそでしょう。え、これ、本社が作った新サービスだよね?それなりに費用も投入して、ちゃんと上層部の決裁も受けて開設したサービスだよね?え、なんでなんで?

スレッドの内容が良くなかったのか。あるいは単に私が嫌われているとかさ。まぁ、それはあるかもしれん。だけど、それなら別のスレッドが立つはずだ。それなら、その賑わっている別のスレッドに対して、自分のスレッドのどこが悪かったのか検証することもできる。それはそれで自分にとっては有益なことだと思うのに、いつまで経ってもスレッドは「1件」のまま。私の、無邪気を装った白々しい書き込みが、まるで河原の晒し首のように、いつまでも晒し上げられたまま放置されている。消そうにも管理者権限がないから消すに消せない。か、悲しい……。

 

そんで、ようやく気づいたのだ。

もしかして、本社の連中は、インターネットの交流サービスというものは、その「場」を提供しさえすれば、後は勝手に盛り上がってくれるもんだと、そう思ってるんじゃないのか?

もし、そうだとすれば、考えが甘い。甘すぎる。あまあまのあまおう1粒1500円である。インターネットの交流ってもんを舐めてんじゃないよ。

何の手入れもしないで、ただ種をまいただけで大きく美味しく育つ野菜があるなら持って来いというのだ。土を耕し、肥料を混ぜ込んでならし、水と日光を適切に与え、病害虫獣や日照り干ばつ水害と戦いながら、ようやく美味しい野菜をスーパーの店頭に並べることができるってんだ。

インターネットの世界も同じなのだ。はてなの運営さんを見てみろ。毎日あんなに膨大な個人ブログを読み込み、人気ブログのランキングとは別に、こういう弱小ブログにもちゃんと陽が当たるように適宜ピックアップしてくださったりする。本文の中で使えそうな一文を切り抜いたり、要約コメントをつけたりして、他のブロガーの興味を引くように色々創意工夫をしてくださっている。おとなり日記やグループもその一環だ。ついでに言うと、公式ブログの最上部に表示されている呟きみたいな一言が更新されているとすごく嬉しいんですよ運営さん。中の人が透けて見える感じでね。

そういうことを、うちの本社の連中はどうやら気づいていないみたいだ。サービスを提供してくれたのは嬉しかったが、その後がガッカリである。

 

そんでそんで、また、気づいたのだ。

もしかして、これを運営している本社の連中は、ひょっとして若いやつらばかりなのか……?

あの「個人ホムペ」全盛期の、00年代を経験していないメンバーなのだろうか?

インターネットといえば、TwitterInstagramTikTokあたりのSNSしか経験していないんだろうか。アカウントを取って、何か書きこんだり写真を上げたりすれば、誰かがイイネを押してくれたりフォローしてくれたりする。たまに気に入らん人がいたらブロックするか、あるいは非公開にする。SNS時代にあっては、管理するのは自分のアカウントであって、「場」ではない。

個人でホームページを作って運営していた時代の感覚は、もう通じないのか。HTMLもスタイルシートCGIも、正直なんのこっちゃ全然分かってなかったけど、他人のホームページを見よう見真似で何かそれっぽい感じに仕上げて、気合い入れてイラスト描いてTOPに飾って、文字をキラキラ点滅させたり、右から左に流したりして、調子に乗ってページをめくるアニメーションやらオルゴールのBGMやらつけたら参加者に「重い」って文句を言われて大慌てで外したりして、キリ番を踏んでくれたらTOPにお礼の文章を書いたり特別な何かをプレゼントしたりして、とにかくもう、参加者に居ついてもらうために、やれることは何でもやったよね。無駄に必死だったっつーか、全然スマートじゃなかった。でもあの頃、ほんま皆それやってたよねぇ。

で、最初の話に戻るんだけど、掲示板とかチャットの管理っていうのが、これまたけっこう神経を使うもので。基本的には参加者に自由に喋ってもらうんだけど、盛り上がっていなかったらちょこっと顔を出して、それとなく話題を変えたり、あるいはオフラインで連絡が取れる人気があるメンバーにメールでヘルプを出して、「ちょこっとでいいから、あそこの掲示板に入って盛り上げてくんない?」って頼んだりもして。

あるいはメンバー同士で口論になったり、はたまた荒らしが来たり、そういう時なんかはもう管理人はすんごく大変で、下手に介入すると逆に炎上したりするから、またまたメンバーにメールを出して、とりあえずこの場は退出してくれって頼んだり、他のメンバーが口論に加わらないように警告を出したり、最悪の場合は一時的に非表示にしたり閉鎖したりして、とにかくこのホームページは私の「場」なんだから、私が全責任を負って平穏を維持するんだみたいな、そういう…………今になって思い返すと、よくもまぁあんな面倒くさいことを毎日やってたね私ら。パケット代もアホみたいに高価かったのにね。

そういう「ホムペ管理人」的な概念って、もしかしたらもうこの令和の時代には存在していないのかもしれないなと、ハッと気づいたのだった。今の若い子たちにとって、「管理人」って言われたら、ひろゆきあたりのイメージしかないんじゃなかろうか。あのね、ひろゆきはね、管理人っつっても、創造主に近いレベルの人だからね、ああいう天上の人と一緒にしないでね。あなたの隣の席でぼんやり電卓叩いてるその冴えないおじさんおばさんたちがね、ほんの20年ほど前、自分のホームページを作って管理してたんだよ。ネチケットを守りましょうってね、必死で叫んでたんだよ。ううん、コンプライアンスとかリテラシーなんて言葉は、なかったんだよ。その時代にね、たくさんの黒歴史が生まれてね、その中から、これやったら自滅するぞっていう経験則をまとめたものがね、今の時代のネットリテラシーの源流になってるんだよ。おじさんおばさんたちが血反吐はくような恥ずかしい思いをして作り上げてきたんだよ。ね。

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