『ごろごろにゃーん』以外の好きな作品は、
『キャベツくんシリーズ』
『へんてこライオンシリーズ』
『ゴムあたまポンたろう』
『みみずのオッサン』
『なにをたべたかわかる?』
などなどなどなど。キリがないね。
何が好きって、どの作品も設定への説明がまるっきり無いコトなんですよん。
頭がキャベツの少年がトートツに草原を歩いてくる。なぜ頭がキャベツなのかとか説明は無い。
頭がゴムボールの少年がトートツに空を飛んでいく。なぜ頭がゴムボールなのかとか説明は無い。
ライオンが変身できることや、みみずの名前がオッサンなことにも何ひとつ説明は無い。当たり前のようにそこに存在する。周囲もそれを一切気にしない。そしてブタヤマさんはひたすらキャベツくんが食べたくてたまらない。
この1ページ目から読者をほったらかす感じ、たまらんです。でも子供は全然気にならないんだよねそーゆーの。わーい、って手を叩いてる。
大人は「子供向け」としてなるべく易しく分かりやすく解説したモノを用意するけれど、なに、子供のほうが大人よりよっぽど理解力高いです。長新太作品を読んでるとホントそう思う。
とりわけ好きなのは『キャベツくんのにちようび』。
キャベツくんとブタヤマさんが草原を歩いていたら謎の招き猫が現れて、「いらっしゃい、いらっしゃい、おいしいものがありますよ」と言う。誘われるままについていくとそこにはなんと…!という内容なんだけど、これは絵本自体を見てもらわないと伝わらない。びっくりして「ぶきゃ!」と叫びたくなりますよ。
あと『みみずのオッサン』の展開のむちゃくちゃぶりも好きやわ。最終的にはみみずのオッサンが地球を再生させてしまう壮大なスペクタクル。このはちゃめちゃぶりはNHKの『みいつけた!』で時々やってる「おててえほん」のノリに近いもんがあります。
長新太さんは時期によって絵柄が違うのだけど、晩年になるにつれてどんどん荒削りになっていく。
『へんてこライオン』なんて子供の落書きみたいだけど、実は背景をいったん全部黄色に塗った上に更にピンクを重ね、その上に絵を乗せて、複雑な色合いを出してる。こういうセンスも好き。
あ~!やっぱ言葉では伝えられない!
とにかく、読んでみて!