その他の、最近のお気に入り絵本をいくつか。
『ポテト・スープが大好きな猫』(作:テリー・ファリッシュ/絵:バリー・ルート/訳:村上春樹)は、テキサス在住のお爺さんとその飼い猫の雌猫の、ちょっとした行き違いと仲直りの物語。絵の色使いの優しさと、淡々とした物語に惹かれます。
訳者あとがきによると村上氏がアメリカの本屋で偶然見つけて衝動買いし、すぐに翻訳してしまったのだそう。
お爺さんと雌猫の心の距離感は年老いた夫婦にも似て、お互いにもはや好きと言い合う仲でもないけど、でも相手がいなくなると寂しさに気づく、みたいな微妙な感じは村上氏の小説にも通じるところかな。
雌猫がね、ちょっとツンデレさんなんです。可愛いの。
『どこいったん』(作:ジョン・クラッセン/訳:長谷川義史)は昨年度の絵本大賞だったか、とにかく今一番話題になってる翻訳絵本です。
なくした帽子を探す熊が、色々な動物に尋ねていく中で、帽子を盗んだ犯人を見つけて………というお話。
丸っこいタッチで描かれた絵(版画)は一見可愛らしいんだけど、ラストでちょっとブラックなオチが待ち構えているので油断できませんぞ。
しかしなんといっても長谷川氏の翻訳が良いのですよ!
柔らか~い関西弁で訳してはるんですわ。
「ぼくのぼうし どこいったん?」
「きみのぼうし しらんなぁ」
「そうか おおきに」
とぼけた絵柄にほんわかとした関西弁がジャストフィット!なんだか可笑しくて(亀が笑える)ちょっぴり不気味な、印象的な絵本です。
『ゆかいなさんぽ』(作:土方久功)は古い絵本なんだけど、図書館でたまたま見つけて思わず嬉しくなっちゃった絵本。
あのね、『ぶたぶたくんのおかいもの』って絵本知りませんかね。割と有名な絵本なんだけど、かなり癖のある絵柄(お世辞にも可愛いとは言えない)で描かれた絵本で、その中に出てくる「かおつきぱんのじょうとうぱん」が子供の頃めっちゃ好きでぇ~、…えっと、『ゆかいなさんぽ』に話を戻すと、同じ作者さんの絵本なのね。
んで、推して知るべし、これもやっぱり絵柄がすんご~く奇妙です。特にトラが!トラと言われなければ分からないレベルの!www
このトラの顔と、オナガ(鳥)の鳴き声「じぇぇ」だけでも子供は腹をよじって笑い転げます。
コレは見んと伝わらんので探して見て下さいませ~w