旦那が「なんか面白そうだったから」と漫画を買ってきました。
藤栄道彦さんの『最後のレストラン』(新潮社)。月刊コミックバンチ掲載中。むむ、どうして私ら夫婦が気になる漫画はマイナー誌に偏るのじゃろうか。球場ラヴァーズもヤングキングアワーズじゃしなぁ。本屋で探しにくいこと探しにくいこと┐(-。-;)┌
ま、それはさておき漫画の中身ですが。
レストラン「ヘブンズドア」を経営するシェフ・園場凌は、腕はイイのにネガティブ思考。それというのも客が全然来ないから………orz
ところが、そんなヘブンズドアには時折【奇妙な客】が訪れる。
ある時は、本能寺から脱出しようとする織田信長が。
またある時は、処刑台に向かう途中のマリー・アントワネットが。
またある時は、近江屋で襲撃を受ける真っ最中の坂本龍馬が。
今まさに「天国の扉」をくぐらんとする歴史上の偉人達が、なぜか現代のレストランに迷い込み、望みの「人生最後の料理」を口にする物語。
もうねぇ、この発想だけで面白そうだと思いませんか?
で、突然の客の突拍子もないリクエストに、園場とスタッフ達が見事に応えてみせる。その料理を考える過程において、歴史上の背景や偉人達の知られざるエピソードが織り込まれていて、勉強にもなります。いや本当に面白いです。
アルバイトのウェイトレス達(有賀さんと前田さん)もキュートで楽しい。
特に前田さんは歴史に異常なほど詳しいうえにラテン語やらヘブライ語やらペラペラ喋れるという謎の女子高生w
また、途中から園場を「神」と崇めるジャンヌ・ダルクもウェイトレスに加わることとなり、ヘブンズドアの店内はいつだって波瀾万丈。
マリー・アントワネットやアドルフ・ヒトラー、ビリー・ザ・キッドなど、歴史上「悪役」に描かれることが多い人物も、この作品中においては苦悩とコンプレックスを抱えた「人間」として描かれています。スプーンを取り美味しい料理を喜ぶ、ごく当たり前の人間として。
また、時には知恵比べのような駆け引きもあったり。人生の退屈をもて余す女王クレオパトラとの「勝負」に、園場が用いた秘策とは――?
とりあえず3巻まで買ってきているんですが、旦那によると新刊が出てるようなんですよね。チェックしなくちゃ。