つれづれぶらぶら

5月の反射炉ビヤ行きますよー!酔い蛍グループの皆さんにまた会えるかな?

カープと忍者とガンダムな休日〜その1【神宮球場観戦記】

というわけで(前記事からの流れで)、あずさ6号を降りたらそこは東京駅〜!

そのまま有楽町駅まで移動して、賑わう銀座をぽてぽて歩けばちょうどランチタイム。

銀座でお腹がすいたなら、ハイ、広島県アンテナショップ【Tau】で広島風お好み焼きを食べにゃーいけません。

なんかもう東京旅行記のつどお好み焼き食べてますけどね、Tauのお好み焼き旨いんだもん。もちろん私は唐辛子を練り込んだ【三次唐麺焼】をオーダー。これめっちゃ好き。ピリ辛だけど旨うまなんよぉー。

 

さて、今回の旅の主目的である神宮球場でのヤクルトVS広島戦は、今日はナイターで行われるので、開場時刻の午後4時半まで3時間ほど空いています。

さーて、何しましょ。神宮球場の近くで息子と遊べる場所と言ったら…そうだ、アレだアレ!

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東京タワー!

 

うわーめっちゃ久しぶりに来た気がする。前に来たのは姉貴が結婚したてで義兄が東京で仕事してた頃に、義兄に連れてきてもらった時じゃないかな。うわぁ何年前だ。数えるのが怖いぞ。

 

そんな東京タワー、ただいま特別に【外階段の開放】を行っておりまーす。大展望台まで600段ある階段をひたすら歩いて昇ってみやがれ、というサドい企画でございます。日頃の運動不足を補うべく、チャレンジしてみます。

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真っ赤な階段がひたすら続く。眺めは最高。ときどきノッポン兄弟からのメッセージが掲示されていて、苦行を楽しませる工夫が利いております。

ウルトラマン、お台場の観覧車、ゴジラ、ピラミッド、ピサの斜塔のうち一番高いのはどーれだ、というクイズがあって、それぞれの高さに応じた場所に回答が掲示されている仕掛け。

ん、正解は…って?東京タワーに行って見てらっしゃい( ̄ー ̄)

あと、脚がかなり疲れてひーひー言ってた瞬間に現れた『そこのオカン、頑張れよ』というノッポン兄の掲示版がタイムリー過ぎて息子大爆笑。くそう!ノッポン兄、このドS野郎め!

そんなこんなでようやく大展望台にたどり着くと、こんな認定証が貰えます。

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下りはさすがにエレベーターを使いました。あんだけ苦労して昇ったのに、エレベーターだと一瞬です。

 そのあとは東京タワーの中にある小さな水族館を見て、ちょうど良い感じの時間になったので、いよいよ神宮球場に向かいます。

 

地下鉄を降りたら…あれ、球場ってどこやねん。このへん土地勘ないから分からんぞ。

…と困っていたら、後ろから「球場はあっちですよ。良かったら一緒に行きましょう」と、感じの良い男性が声を掛けてくれた。もちろんその人もカープのユニフォーム姿、背番号19といえば野村祐輔

もちろん親切に甘えて同行させて頂く。ちなみに球場付近でこういうファン同士の助け合いはよくあること。こないだナゴヤドームでは私らが他のカープファンを道案内したしな。カープファンに悪い人はいないのである(断言)

その男性(以下、仮に『19さん』と呼ぶ)とカープ愛を語りながら歩く。

「好きだった外国人選手」という話題でばっちり歳がバレる。ハイ、同世代ですね。ハイハイ、市民球場世代ですね。

 

やがて沿道はカープファンでぎっしり埋めつくされ、その先に見えてきたのは明治神宮野球場

東京のど真ん中に建つレトロな球場。うわぁこの感じすごく懐かしい。昔の広島市民球場によく似てる。神宮が関東カープファンの聖地と呼ばれる意味がよく分かるわ。

19さんが「でも数年後には取り壊されちゃうんですよね…」と遠い目をする。東京都はオリンピック後に新球場を別の場所に造る計画なのだ。新球場は嬉しいけど、この味わい深い神宮球場がなくなるというのはなんとも寂しい。

ちなみになんと、チケットを確認したら19さんと席がめっちゃ近くだった(同列で5席隣)。

息子はすっかり懐いてしまい、なんとポテトとウインナー盛りまでおごってもらう始末。言っておきますがついさっき会ったばかりの赤の他人ですよ。

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それにしてもいい球場だなぁ。

グラウンドに目をやると、ヤクルトのマスコットにして日本球界きっての畜生ペンギン、じゃねぇや、ツバメのつば九郎カープの選手達(主にキクマル)とキャッキャたわむれてます。

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さっそくビールを飲みながら、夕方の風に吹かれつつ、しばし練習風景を眺めます。

  

そうこうしているうちに、3塁側の観客席は続々とカープファンで埋まり始める。

前の席に、一人でぶらっと遊びに来た感じのおっちゃん(アロハシャツ)がいて、私が落ち着きのない息子を叱りつけていると「アンタ広島の人かい」とニヤリとされる。

「オレも広島の出なんだよ。市民球場にはよく行ったなぁー」と言われて、「わぁ分かります、昔はみんな野次とか飛ばしてましたよね。おんどりゃーなにしょんならー、言うて」と答えたら「そうそう」とニッコリ。

ちょうどその時、グラウンドで黒田がキャッチボールを開始したので、19さんを始めカープファンは一斉にそれを見にフェンス際に集まる。

アロハおじさんも「おお、昨日の負け投手の顔を拝みに行くか」と皮肉を言って立ち上がるので、「それ、広島人っぽい台詞ですねー」と言ったらニヤリとされた。

そう、広島人はツンデレなのだ。愛する選手達を野次らずにはいられないのだ( ̄▽ ̄;)ナンダソリャ

 

やがて、私の仕事仲間にして野球友達であるYさんが到着。

Yさんは私なんぞ足下にも及ばぬガチの野球ファンで、プロ野球セ・パはもちろん、メジャーリーグ高校野球にとあらゆる野球を徹底的に愛する凄腕才女。

つい先日も日帰りで仙台に楽天イーグルスの応援に行ってきたばかり。ちなみにセ・リーグではヤクルトのファンで独身時代は神宮に通いつめたとのこと。

でも申し訳ないけど今日だけはカープ女子になって頂く。大瀬良新人王ユニとカンフーバットを着用して頂いた。

 

そして時刻は6時、プレイボール!

 

ちなみに今日の試合について、うちの息子が19さんに対して予言をしております。

カープが6点とって、向こうが3点とる」だそうです。

この大予言をYさんにもアロハおじさんにも伝えておく。

「はー、6点も取れるかねー、今のカープ打線が」とアロハおじさんは懐疑的。

そう、なんせこの春からのカープ打線は絶不調。全然打てない。先発ピッチャーが揃って絶好調なだけに、野手がバットで点を取ってやれない皮肉な事実がつらすぎるのであります。

まぁともあれ息子の大予言は3対6でカープの勝ち、これ覚えといてくださいな。

 

本日の先発投手は、ヤクルトは石川、カープは今季から入った外国人投手のジョンソン。

ジョンソンはこれまでの試合でものすごく良いピッチングを続けており、ピンチの場面でも冷静に対応してくれているので期待が持てます。

なお、ジョンソンはお祖母ちゃんが日本人というクォーターで、美人モデルのフィアンセがいる。このフィアンセが書く日本滞在ブログが写真満載でカープファンに大人気。もちろん英語だけど。

 

さて試合はというと、ジョンソンも石川もナイスピッチングで、サクサクと試合が続いていく。

このまま今日もいつもの貧打戦か…と思った矢先の2回裏、ヤクルトの雄平がレフトへの2ベースヒット。これにカープの悪送球エラーが重なり1点を先制されてしまいます。

…嫌な予感。こういうエラーから自滅するパターン何回目かな…なんて暮れなずむ空を仰ぎ見る。

 

打戦はというと、今日は頼みの菊池がからっきし駄目。

せっかくフォアボールで塁に出て、続く丸がバントを決めたのに、なぜか2塁を通りすぎて3塁に向かってしまう。バントでツーベースを狙うなんて誰がどう考えたって阿呆だよキク。

しかも田中がヒットで塁に出て、よっしゃ菊池、得意のバント決めたれ!って時にまさかまさかのバント失敗。しかもその後に限って珍しく打戦が繋がったりして、あーもうさっきのキクのミスが無かったら良かったのにィィィ!とイライラする場面が多発。

たまたま私は旦那に借りた菊池ユニを着ていたのだけど、アロハおじさんが振り返って「もう脱いぢまえそんなの!」と言ったぐらい3塁側のカープファンはイライラMAX。

  

そんなイライラを吹っ飛ばしてくれたのは陽気なドミニカンの「おさむちゃん」ことロサリオ。

自らの走塁ミスを取り戻さんと懸命に走る、走る、走りまくる!

ロサリオの走塁でなんとか同点に持ち込み、6回にもタイムリーヒットで逆転。

 

でもまだ1点差しかない。最近のヤクルト打戦の好調ぶりを思うと、このまま安心なんかしていられない。

 

誰か、誰か助けてー(/≧◇≦\)!

 

と叫びたい時には、そう、あの男がいる。代打の切り札、小窪哲也がな!

 

田中、丸、新井が必死で繋いだ満塁のチャンスに、緒方監督が「代打、小窪」をコール。

緒方監督に何かを囁かれた小窪がバッターボックスに姿を現すと、3塁側観客席は悲鳴にも似た大絶叫の嵐。

ここはもう、犠牲フライでもフォアボールでも可。とにかく最低限1点でも欲しい!

「こくぼぉー!頼むぞー!」の声を浴びた小窪のバットは、ピッチャーの投げた初球を叩き、美しい軌道を描くボールは外野を越えて――

 

――カープファンで真っ赤に埋めつくされたレフトスタンドへ!

 

悲鳴。絶叫。3塁側の全てが興奮のるつぼで総立ち。

だって満塁ホームランだよ?グランドスラムだよ?一挙4点。犠牲フライで可、なんて思ってた我々の期待を上回る最高にして最良の成果。これで興奮しないヤツはおらんやろ。

打ち鳴らされるカンフーバット。終わらないハイタッチの嵐。周囲のファン全員とカンフーバットを打ち合わせ続ける。

♪宮島さんのー神主がーおみくじ引いてー申すにはー今日ーもカープはかーちかーちかっちかち♪を歌い終わる頃にはファンみんな仲良し。

息子は後ろの席のおばさん(応援歌を全部完璧に覚えていた)に手作りのカップケーキのお裾分けを貰って大喜び。

 

9回裏、ジョンソンに続いてマウンドに上がったのは「どんちゃん」こと中崎翔太。ちなみに、なぜどんちゃんなのかというと、鹿児島出身で体型的に西郷どん的な雰囲気を醸し出しているからなのです。要するにややぽっちゃり。可愛い。

そのどんちゃん、2アウトまではサクサク討ち取ったもののタイムリーを喰らって1点失ってしまう。でもへーきへーき。小窪のおかげでまだ4点も上回ってるもん。落ち着いて最後のバッターを片付けたら、オッケー!カープ勝利!

 

もう今日は小窪に尽きる。あとロサリオの必死さが流れを呼び込んだかなぁ。

ヒーローインタビューはもちろん小窪。なんと満塁ホームランはプロ初とのことで、小窪もニッコニコ。

 

日帰りのYさんに別れを告げ、周囲の席の皆さんともお疲れ様でした、と言い合って席を立つ。

忘れちゃいけない、19さん。19さんは息子を見ると「君が言ったとおり、カープは6点取れたねー」とニッコリ。

そうとも、スコアは2対6。大予言の成就にはヤクルト側に1点足りなかったけど、それはこの際どうでもいいかな。19さんにたっぷりお礼を言って、球場を後にする。

帰り道のカープファンは誰も彼もゴキゲンで足取りふわふわ。地下鉄の駅までの長い道のりを、知らない者同士が友達のように語り合う。

Yさんに貸していた大瀬良新人王ユニを、なんとなく息子に着せてみたら、行き逢うカープファンに「可愛い大瀬良っすねー!背番号14、津田の炎を引き継ぐ少年だな!」なんて、やたら話し掛けられる。

「これで今日はようやくスポーツニュースが見られるわ」と言う若いお母さんに「ですよね!」と相槌を打ってみたり。

なんかもう、気持ちふわふわ。みんなふわふわ。ふと見ると東京タワーは美しい虹色に光っていて、なんだか見るもの全てがキラキラ。神宮球場ありがとう。神宮球場よ永遠に。 

 

  

…しかしカープは未だに最下位なのでありますよ。

とにかくこの借金7を解消しない限り優勝には近づけないのだ!まだまだ頑張れ!カープ