細田守監督の最新劇場用アニメーション『バケモノの子』を見てきました!
細田作品はじっくり集中して見たいので、息子は旦那に預けて1人で岡谷市の映画館へ。
余計な先入観を持ちたくなかったので、今回は事前の情報はほとんど見ずに行きました。
ぼんやりと「前々回が家族の物語(結婚)、前回が母と子の物語(出産)、んで今回は父と子の物語(子育て)」って感じで、監督自身の身の回りの出来事が反映されてるらしいよ、ぐらいは聞いてたけど。
で、見た感想なんですがね。
うん、まぁ、感想は既に色んな人が語っているので今さら私が言うまでもないし、しかもこれから見に行く人もいるだろうからネタバレもしたくないしね。
というわけで、以下は「作品を見ている間に“私”が感じたこと」をつらつらと並べるに留めておきます。あくまでも私の主観なんで、あまり参考にはならんと思うよ。
【序盤】
・少年「蓮」の物語。
⇒うーん。なんか硬い。おおかみこどもでも感じたけど、細田さんは「都会」を描くのが苦手なんじゃなかろうか。ちょっと窮屈な感じがするなぁ。
・渋天街へ。
⇒おお…ううむ、なんか多くのヒトが「千と千尋」を思い浮かべそうな展開と描写。意図的にやってるのだとしたら挑戦的だけどなぁ、どうなのかなぁ。
・卵かけご飯をまずそうに喰らう。
⇒おっ、なんか段々ノッてきたかな?
・食卓での追いかけっこ。
⇒キタ―――(゚∀゚)―――― !!細田の定番「同ポ」キタコレ!!やっぱ、このしつこいぐらいの同ポ演出を見ないと細田を見た気がしねぇぜ!
・諸国漫遊。
⇒これこそファンタジー映画の醍醐味、センス・オブ・ワンダー、美しい描写の連続に圧巻。浮遊する壺とか幻の蝶とか、こういうのはやっぱり映画館で体験して頂きたいシーンです。
・木の下での修行。
⇒おおかみこどもでもあった、経過時間を一瞬に短縮してみせるやり方。これも細田ならではの演出ってゆーか、キタコレ!って感じっすなー。
【中盤】
・成長した九太。
⇒いきなり声が変わった。落ち着きのある大人の男になってんし。でも喧嘩の仕方は変わらないというね。
・渋谷。
⇒うーん。やっぱり都会になるといきなり描写が硬くなるなぁ。なんつーか、渋天街の描写は「感性」でぐいぐい押す感じなんだけど、渋谷のシーンになると「理屈」で計算した感じになっちゃうなぁ。
『白鯨』のあたりなんかも、言いたいことは分かるけど、もうちょっと…お得意の比喩表現とかで…こう…うーん。
⇒つか、けっこう自由に行き来できるんだね(^^;)
・壁(フェンス)ドン。
⇒細田作品のヒロインは根性据わってないと務まらないとゆーお約束。
・宗師戦。
⇒細田さんお得意のアクション描写。グルングルン回り込みます。激しいカウンターの応酬。迫力満点、これも劇場で見てほしい。
剣が高く飛んでいくあたりで『ウテナ』7話を思い出す。『ウテナ』7話、幾原監督にアクションシーンが複雑すぎて無理、と否定されかけた橋本カツヨ(細田)氏は、自分が原画を切るから何とか通してくれと訴えたんだっけなぁ。
・影絵。
⇒お馴染みの演出ですが、このシーンで使ってきたか。うーむ。
【終盤】
・クジラ。
⇒えーと、異世界で暮らした少年が本の表紙を見ただけでどうしてすぐに「クジラ」と読めたのか、あとバケモノの世界にクジラの概念はあったのか、そのへんは疑問に思っちゃダメっすかね(^^;)
⇒てゆーか、サマウォのOZのクジラを思い出す。思い出してほしいの、か、な?
・剣。
⇒序盤のいくつかの台詞が伏線。
・ラスト。
⇒入道雲と椅子。細田作品にはよく出てくるモチーフなんだけど、このシーンで不意に思い出したのは『ウテナ』29話。
瑠果と樹璃の関係性と、この作品とでは全然内容が違うんだけど、でもどっか奥底に流れている空気が似ている気がしてね。いや、29話も濃密な内容でしたから。喪失感の奥底に流れる温かさ。深い魂の交流――という点では、共通点がなくもないかな、と。
うん、ネタバレを避けつつ感想を述べようとするとこんな感じにしかならない。それぞれのキャラクターについても色々と感じるものがあったんだけどね、それ語り出すとお話の中身に触れちゃうからね。
ともあれ、「面白かった」です。是非とも劇場に足を運んでみてください。金曜ロードショーだとカットされちゃうぞー。