つれづれぶらぶら

カセットテープミュージックで久々に「レインダンスが聞こえる」を聴いた。こんなカッコいい曲だったかな。懐かしいな。

広島とカープと涙雨(マツダスタジアム観戦記2015)

今回の帰省、一番の目玉はそらもうやっぱりマツダスタジアムでの試合観戦。春からチケット取って(職場の休暇申請が通るかどうかも分からんのに^-^;)、めちゃくちゃ楽しみにしてました。

しかも、別々にチケットを取ったにもかかわらず兄貴一家と偶然同じ日に観戦することになり、気づけば一族総出のカープ応援という状況になっていたわけです。

 

ちなみに私がカープファンになった原因は兄貴ですね。物心つく前から、兄(歳がかなり離れている)の膝の上に座って、テレビ観戦をしていた記憶があります。兄が津田を応援する声がかすかに耳の中に残ってます。

なお、父はタイガースファンなので、私が子供の頃、市民球場にはよく連れて行ってくれましたが、タイガース側に座らされていたような気がします。まぁ、あの頃の球場はどこに誰が座るとかあんまり決まってなかったんですけどね。応援歌も宮島さんとコンバットマーチぐらいじゃったし。

 

で、前日から兄と電話でワクワク打ち合わせ。

 

「お前、何時ごろ行くんや?」

「お母ちゃんは指定席じゃけギリギリでええじゃろ言うとる」

「母さんは野球観戦ゆぅもんを分かっとらんのぅ!」

「ほうじゃろぉ?最低でもスタメン発表までには入らんといけんよねぇ?」

「当たり前じゃろぉが。開門と同時に走りたいぐらいじゃわ、わし」

 

…ごく平均的な広島県民の会話を繰り広げる兄妹www

 

ところが。

 

なんの因果か、その日に限って、朝から、雨!!!

なんでなん、なんでなん。昨日も一昨日もめっちゃ晴れとったじゃん。なんで一族総出のカープ観戦日に限って雨なん。私なんも悪いことしよらんよ?

空を見上げて恨み節。出かけていた父までもが「タクシーの運転手が『今日はカープが九里でヤクルトが小川、勝てそうもない試合だから中止になればいい』って言ってたよ」と言う。

おどりゃあ、何をカバチたれよんかタクシーの運転手よ!確かに九里くんは2軍の成績もイマイチ、対して小川(通称:ライアン)はここ2年ぐらいカープが全く勝てていないヤクルトのエース。敗色は濃厚、しかし戦う前から中止を願うなぞカープファンとしてあるまじき考えじゃぞ!

 

弱い雨だから試合中止にはなるまい、ということで雨中観戦用の準備を整える。急いで人数分のレインコートを100円ショップで調達。球場では傘をさせないからね。

自宅近くの駅で兄一家と合流。すっかり老けて後頭部がかなり寂しいことになっている兄と久々に対面し、電車に揺られながらカープ談義。最近の兄貴は2軍の追っかけをしているらしく、由宇やら鳴尾浜やらに足しげく通っているそうな。元気やなぁオッサンのくせに。

私が永川ユニを見せると「えらく渋いチョイスやなぁ。しかも永川、また2軍に落ちとるしのー」と半笑い。ええやんけ、ほっといてくれ。

 

そんなこんなで広島駅。ビトビトと降りしきる雨の中を、各地から集まった赤装束の人々がマツダスタジアムを目指して進む。

スタジアム周辺は、去年来た時よりもまた賑やかになっていて、新しいカープの室内練習場が隣に建っている。沿道にはカープの歴史を描いたイラストや、選手を紹介する看板などがずらりと並び、それらを眺めながら進む。

 

4時45分頃にスタジアムに着くと、場内アナウンスが流れた。

 

「ご覧のような天気ですので、本日の試合開始時刻は6時45分といたします」

 

あらま、45分延期か。でもまぁ、とりあえず中止にはならないと知り、ホッと胸を撫でおろす。

試合開始まで2時間あるので、コンコース内のグッズショップへ。職場のアルバイトさん達へのお土産になりそうな小物類をいくつか買う。ついでに息子が靴下を濡らして騒いでいたのでスラィリー柄の靴下も買う。

それから息子とコンコースをぐるっと一周。選手プロデュースメニューの球場飯を食べ歩き。

「丸のモンブランヘルメットパフェ」と「新井の地元広島産の赤鶏カレーライス」を食べてみました。

ヘルメットパフェは小さなヘルメット型の容器の中に紫芋のアイスやモンブランクリーム、さつま芋のフライが盛り付けられたもの。可愛い。新井さんのカレーも美味しかったです。

 

そうこうしているうちに6時45分、試合開始。弱い雨はやみそうもなく、選手も観客も雨に打たれながらの試合となりました。

先発の九里くんの状態は…っと、うーん、やっぱあんまり良くなさそう。ボール球が先行して自分で自分を苦しめるピッチングになっているのが、観客席からも見て取れる。うーん。

対してライアンは雨をものともせず、さすがの安定感。うーん。

 ちなみに、なぜ小川投手が「ライアン」と呼ばれているかというと、足を高く上げるピッチングフォームが元メジャーリーガーのノーマン・ライアンに似ているからなんですね。

なお、私が好きな永川投手も、脚を故障するまではノーマン・ライアン風のフォームでした。太股をキュッと高く引き上げてね。かっこよかったんだけど、故障後は全然違うフォームに変えておられます。いや、今もかっこいいけどね。

 

さて、試合はというと、スタジアムを真っ赤に染める3万人ものカープファンを失望させる展開でした。

九里くんの制球は定まる様子がなく、フォアボールで自らピンチを招き入れると、ヤクルト打線を牽引する絶好調の山田哲人選手にホームランを打たれ、さらに大引選手にもトドメの3ランホームラン。うーん、こりゃいけん(-_-;)

ピッチャー交代。仕方ないね。九里くん、もういっぺん2軍でコントロール磨いてきんさい。佐々岡コーチにしごいてもらいんさい(-_-)/~~~

 

その後を受けた戸田、江草両投手は無失点で切り抜けてくれ、試合が少し落ち着いたのだけれども、肝心要のバッター陣がまるっきり打てないんでやんの。途中までヒットの1本もなし。

母は「こんなにたくさんのお客さんが来ているのにカープの選手は甘えてるんじゃないの?」と手厳しい意見を(雨に打たれながら)言い、父も「ヤクルトの選手は打席でよく粘って甘い球が来るのを待てているが、カープの選手はろくに見極めもせず簡単に打ち上げてしまう。これでは小川投手の思うつぼだ」と渋い顔で(雨に打たれながら)言う。

んで、ようやくヒットが出た!3塁まで進んだ!逆転は無理でもせめて1点でも返してくれよと祈っていたら………ギャー\(>_<)/まさかの走塁ミスでアウト………(ノД`)・゜・。

なにやっとんじゃあ、ふざけるなぁ、と野次が飛ぶ。雨もまた強くなる。ぞろぞろと観客が帰り始める。

外野席の兄貴から『もうあかん。帰る』とのメール。息子も帰ろうよぅ、と言い出す。両親がどうする?と言う。

 

いや、最後まで見る。

 

たとえ雨の中であろうとも、もはや勝ち目がなかろうとも、そこに選手がいる限りファンが帰るわけにゃいかんのじゃ。

 

とりあえず母の提案で、コンコースの屋根の下に退避。立ち見で9回の試合展開を見守る。

カープのピッチャーは一岡くん。ううう、いっちーに敗戦処理なんてさせたくないんだけどなぁ。仕方ないな。頑張れ。

いっちーは無失点でしのぎ、いちるの望みを9回裏に託す。…が、ヒット1本出たのがやっとで、あっさり負けました。うわーん(ノД`)・゜・。

 

時刻は既に10時半を回り、相変わらず雨はビトビトと降り続く。マツダスタジアムから広島駅に向かう3万人の赤い集団の足は一様に重苦しい。

しょんぼりしながらも、なんとなく不思議な感覚を覚える私。

 

(こんなに多くの人々が同じ感情を共有している…やっぱカープって凄いな)

 

原子爆弾で壊滅した広島にとって、カープは唯一夢中になれる希望の光。それゆえに広島市民はまるで自分の身内のように喜び、怒り、悲しむ。それをもう65年も続けてきたんだよな、と思う。

……いや、そろそろまたイイ気分にさせてくれよな、とやっぱり悔しい気持ちにはなるけれども。でもそれも野球なんだよな。

電車の中でぐっすり眠り込んでしまった息子と母の顔を眺めながら、やっぱり明日もカープを応援しよ、と思うのでありました。

  

 

…んで、その翌日の試合はですね、天気も良くてね、んでカープがガンガン打ってね、新井さんの満塁ホームランまで飛び出してね、現地観戦した人達はめっちゃ嬉しくて楽しくてビール美味しかったそうですよ!!!!!

くっそおおおおおおお!!!!!!!!くやしいいいいいいい!!!!