以前から気になっていた、電気グルーヴのドキュメンタリー映画を観るために、はるばる新宿まで行って参りました。
旦那がようやく仕事納めしたのでね、息子の子守を任せて日帰り単身東京旅ですよ。ウテナ展以来だな。
前売り券は名古屋で買っていたので、まぁこれ持って新宿行きゃいーんだな、と気楽に構えていたところ、ふと新宿バルト9のサイトを確認したら、前売り券は劇場窓口であらかじめ座席指定券と交換してください、とあったんですよ。
へー、最近の都会のシアターはそうなんや、と思って更に眺めていると、オンラインでチケット購入が出来ます、とのこと。
ふーん、と思って電気グルーヴの映画のオンライン予約状況を確認したら…………うっそ!!!!!昼間の回のチケットはほぼ完売状態だとぉ?!!!!
つまりですよ、
①前売券を購入したら劇場まで行かないと座席が取れない
②オンラインチケット購入者は事前に座席を押さえることができる
………それって前売券購入者のほうが不利じゃーーーーん(´;ω;`)
旦那にも「じゃあなんで前売り買ったん」と聞かれたけど、だってだって、そんなシステムになってるなんて知らなかったんだもん(ノД`)・゜・。
泣いてる場合じゃないっす。とにかく座席を押さえにゃならんのです。
悠長に朝ごはん食べてる場合じゃないので、寝ている家人を置いて、早朝の特急あずさに飛び乗る。駅で買ったカロリーメイト(メープル味)を、もそもそと食って空腹をしのぎます。
その甲斐あって、なんとか「完売」になる寸前に間に合いました。しかしながら残っている席は最前列あたり、しかも端っこばっかり。最悪の鑑賞環境なり。
うーむ、しかし文句は言っておれぬ。昼間の回を逃すと日帰りは難しくなる。旦那は「いーよ泊まってきても」と言ってくれてはいたけれども、さすがに申し訳ないしなぁ。我慢しよう。
でも一応、チケットカウンターのお兄さんに文句は言っておこう。
「オンライン販売があるんじゃ、前売券購入者は不利ですよね」
「あ、でも座席引換もオンライン販売と同じく3日前からの受付なんですよ。なので、オンラインからというより、むしろ3日前に前売券を交換しに来られた方が多かったですね」
………イイよなァ、東京民はよォ………(やさぐれ)
ま、そんなこたどーでもいいのです。これで映画が見られるぞーヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪
ホッとしたところで、映画の公開を記念して、新宿バルト9に期間限定オープンした“Cafe de 鬼”にてしばし休憩。
『Cafe de 鬼』というのは電気のファーストアルバムに収められている楽曲のタイトルなんですが、店内ではそのPV(どっかで見た感じのアニメのパロディ)を延々と流してます。瀧さんの野太い「オニィーーーー!」が店内に響き渡ります。
店内には、映画の中でも重要な位置を占める「FUJI ROCK FESTIVAL '14」で着用した衣装なんかも飾られています。
テーブルは過去アルバムのジャケット仕様で、↑これは『YELLOW』。
ちなみに、このジャケットは「既存のキャラクターをどこまで抽象的に描いて分からせるか」というコンセプトの下にデザインされたものらしく、えーと、口もしっぽも描いてませんが、電気ビリビリが得意なアイツですね(;´∀`)
で、とりま座席は確保したので、次はこの空腹をなんとかせにゃならん。
というわけで、このブログではすっかりお馴染みの銀座TauへGo!
今年最後の唐麺焼を食べて、カープ&サンフレ応援誌『月刊アスリート』と、カープのロゴが入った綺麗めのイヤークリップと、あとはいくつかお土産を購入して、またまた新宿3丁目へとんぼ返り。
シアターに入ると、うわ、本当に満席になってる。
最前列の端っこまで全部ぎっちぎち。電気グルーヴの映画なんてマニアックなものによくこれだけ客が集まったもんだ、って、お前が言うなって話ですか。そうっすね。はい。
えーと、まずは総括からね。
「大根仁監督」で「電気グルーヴ」というからには、なんか色々アングラっぽい感じで仕掛けてくるのかと思いきや、意外にもマトモ(;´∀`)な「これまでの活動をまとめた正攻法のドキュメンタリー」でした。
そのあたりは大根監督自身がパンフレットで語ってらっしゃるけどね。マニア向けのコアな作品だったら映画じゃなくて個室ビデオかなんかで見るモンにすればいい、ってことで、あえてマニア向けではなくビギナー向けの内容に。
あと、大根監督の言葉で印象的なのは、直前まで『バクマン。』を撮っていて、男子高校生2人を中心とした「友情・努力・勝利」の青春ドラマだったわけだけれど、次の作品はまったく正反対のものになると思ったら、作っていくうちに「あれ、同じだ」ってことに気づいたというね。
石野卓球とピエール瀧は高校時代に友人を介して知り合って、なんか楽しいことやろうぜ、って感じで音楽活動を始めて、少しずつ注目されて、どんどんステージを昇っていって、でも途中でいくつかの挫折も経験して、それでも「見返してやる」という気持ちで苦難を乗り越えてきた、…うん、確かに同じですね。
映画自体は、「FUJI ROCK FESTIVAL '14」の映像を軸にして、その合間に過去のライブ映像を織り込み、当時を知る人々の証言を重ね、デビューからここまでの道のりをきっちりと時系列に並べていきます。
はっきり言って、マニアの方々にとっては物足りない作品なのではなかろうか。古くからのコアなファン層にとっては「はい、存じております」という感じだったんじゃないかなぁ。
かと言ってまったく電気グルーヴのことを知らない人々に対して親切な作りであったとも思えない。砂原良徳氏の愛称が「まりん」だとかね。そこらへんの電気ファンには当たり前の事項については割とスルッと流していく感じ。
つまるところ、この作品のターゲットは「電気グルーヴ?うん、知ってるよ。ピエール瀧の本業だってことも知ってるよ。でもそんなに詳しいわけじゃないけどね」っていう感じの客層なのではないかと………あ、あたしドンピシャだ!そうか!あたしのために作ってくれたのか大根監督!(違う)
でも、この映画の中で印象的なのは、意識的に2人のオフショットを多く盛り込んであること。
フェスの控室で、車の中で、空港で、リハーサル中にと、色んな場所で「楽しげにじゃれ合う」石野卓球とピエール瀧の姿が見られます。
おそらくはこの部分が大根監督の狙っている「仕掛け」の部分なんだろうな。
本当にね、その様子が微笑ましいんです。エンドロールで、瀧のある仕草がツボに入って笑いが止まんなくなっちゃってる卓球の姿とか、見てるだけで「ああ、いい関係だなー」と羨ましくなっちゃう。
関係者の証言映像に割と多めの時間が配分されていて、そこらへんはどうなのかなぁ、もうちょっとこのへん少な目にして、過去の貴重なライブ映像をたくさん見たかったなぁ、という気はする。
あと、後半にはPV映像が多く流れていたけれど、このへんはYouTube公式で見られるものが多いからなぁ。あえて映画の中で時間を割かなくてもよかった気も、正直、します。
それだけ過去のライブ映像が貴重なんだよね。もっともっと見たかった。
そもそもが今回の映画制作の理由が、卓球からの「家に段ボール3箱分の過去のライブ撮影ビデオがあるんだけど、VHSテープでデッキがなくて見られなくなったから、デジタルアーカイブ化しといてくれ」という依頼からスタートしたものだったし。
そこから考えると、きっとカットされた部分には貴重なライブ映像がたくさんあるんだろうし。…いや、まぁ、どうせ後でディレクターズカット版と称してDVD販売するんだろうけど。それ買っちゃうんだろうけど。
今回の映画の中での笑いドコロは、レコード会社社長の道下さんの「ラルクが売れたから」発言ですかね。あとスチャダラANIの「やることないから、瀧とホットヨガとかしてた」発言も面白かったですね。
まりんの証言はやっぱり興味深かったです。特に『Shangri-La』が生まれた瞬間、まりんの手が汗でキラキラ光ってた、というあたりには、その瞬間の3人の興奮が伝わってくるようでね、目の奥がじんわり熱くなりましたね。
映画のエンドロールが終わって、画面が真っ暗になって、劇場の明かりが点るまでの時間の客席の沈黙が印象に残りました。なんて表現したらいいのか、…祭りの後、みたいな。
面白かったです。万人にオススメしたいかと言われたら違うけれども、でも見て良かったです。そのために東京まで出てきた甲斐はありましたね。
さーて、ディレクターズカット版の発売を待つことにしようかなぁ、っと(;´∀`)