つれづれぶらぶら

栗林くん早や6セーブ目。うふふ。

2016広島東洋カープ優勝パレード

――広島の子供は、必ず一度はカープが大嫌いになる時期がある。

 

好きなテレビアニメは、今日も野球中継に潰されて。

お父さんはカープが負けると決まって怒鳴り出すし。

そんな日の翌日は学校の先生だって機嫌が悪いんだ。

広島にカープがなかったらよかったのに、と心の中でこっそり願いながら。

 

それでも、休みの日にお父さんが「カープ見に行くか」と言えばついて行く。

紙屋町のバスセンターを出て、そごうから市民球場までの道すがら、「むすびのむさし」の弁当を買って。

当日券売り場でチケットを買って、ボロボロの薄暗い市民球場に入って行く。

堅いコンクリートの打ちっぱなしの狭い外野席に、身をすくめるように座る。

酒臭い息のおじいさんの野次る声がやけに大きく響いて。

 

お弁当の包みをほどいて、俵むすびを口に運ぼうとしたその瞬間に――

 

ぱっかぁん、

 

と鮮やかな音がして、大きなホームランが頭上を通り抜けていく。

 

球場中のお客さんが一斉に歓声を上げる。

その声の中を、ダイヤモンドを、大柄な外国人が悠然と回っている。

ほどよい塩加減のおむすびの味とともに、その外国人のことを一瞬で好きになる。

いつまでも、いつまでもその名前を憶えている。

頭上を通り抜けていった白球の記憶が、何年経っても胸の中に残っている。

 

カープが好きでも嫌いでも、広島の子供にとって、カープはやっぱり「特別」なのだ。

成長とともに、人生の色々な節目の中に、カープの記憶が混じっている。

だから、どんなに年月を経ても、忘れることはできない――

 

***

 

そんなことをぼんやり考えながら、金曜日の夜、はるばる広島に戻ってきました。

息子の小学校の下校後にすぐに電車に飛び乗って、乗り継ぎ乗り継ぎを繰り返して、実家に着いたのは夜の10時。まぁ我ながら無茶をしたもんです。

 

でもまぁ、しょうがないでしょう? カープの優勝パレードがあるんだもん。

 

なんつったって、41年ぶりだよ41年ぶり。優勝は25年ぶりなんだけど、パレードは41年前の初優勝の時に1回やったっきりで、今回が2回目なの。

もちろん私は前回のパレードは見てないし、たとえ来年カープがまた優勝したとしてもパレードが行われるかどうか分からないんだもん。

そらもうメイドの、じゃねぇよ、冥土の土産に見とかんといけんじゃろう!!!!!!(力説)

 

で、まぁ、約3か月ぶりに見た広島市内の情景は、以前にも増して、ますます真っ赤に染まってました。

広島駅にはあっちこっちに優勝時の写真が張り出され。

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銀行も、

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タリーズカフェも、

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PARCOも真っ赤っか。

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各企業のカープコラボはもはや止まる術を知らず暴走しており。

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どこもかしこも浮かれポンチな空気を醸し出しているのでありました( ̄▽ ̄;)

 

そうそう、広島には「うれし」っていう言葉がありましてね。 アクセントは「う」に付いて、う↑れ→し↓って感じで発音するんですけどね。

これ、あんまり良い意味じゃなくて、ちょっと他人をこき下ろす時に使う言葉なんですけど。「お調子者」とか「浮かれポンチ野郎」って感じの意味合いで使うんですね。使い方としては「わりゃあ『うれし』かァ?(お前、調子こいてンじゃねーぞ?)」って感じっすかね。

ま、要するに現在、広島市内は街じゅう「うれし」。 冷静に考えれば、25年ぶりの優勝なんて、ちょっと恥ずかしい話じゃないですか。どんだけ弱かったのって話じゃないですか。ジャイアンツやホークスのファンから見たら噴飯ものじゃないですか。

でも関係ないもんねー、ワシらのカープが優勝したんじゃけん、嬉しいんじゃけん「うれし」になって何が悪いんかーヾ(o´∀`o)ノオヒョヒョヒョヒョ

 

さて、とりあえず実家でぐっすり眠ったら、翌朝はいよいよパレードへお出かけです!

パレードの開始時刻は朝10時半。 郊外にある実家から市街地までは普段なら約30分ちょい。

というわけで朝9時過ぎに実家近くのバス停に向かったのだけれども、あっちゃー、やっぱり混んでるじゃん。

すし詰めのバスに揺られて、ようやく紙屋町のバスセンターに到着したら既に10時。やべやべッ!大急ぎで平和大通りに向かいます。

平和大通りは通称「100メートル道路」とも言い、広島市街地を東西に貫く幅100メートルの主要幹線道路。広島の大動脈とも言えるその幹線道路を完全封鎖してのパレードなわけですよ。

開始間際ということで、我々が到着した頃には既に大通りの周囲は超大混雑。道路を挟んで人垣が十重二十重に出来ておりました。

ま、しゃーないか。道路沿いは諦めて、人垣から一歩下がった位置で開始を待ちます。

上空からはひっきりなしにテレビ局のヘリコプターの旋回音。数えてみたら7機も飛んでた。すげえ。さすが「11月5日の広島のテレビ欄が異常すぎる」と他県民を唖然とさせてるだけのことはあるぜ(;´∀`)

 

やがて、沿道のスピーカーから「只今よりパレード開始です!」というアナウンスが流れ、『それ行けカープ』が延々とループで流れ始めました。

うわーい。始まった始まったーヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪

とはいえ、出発地点はめっちゃ混雑してると聞いたので、終点に近い場所に陣地を取ったのです。だもんで、しばらくはヒマです。

気持ちの良い秋晴れの日で、まさにパレード日和。街路樹の葉は明るい黄色に染まり、沿道の人々は赤い旗や手作りのプラカードを持って、早く選手の姿が見たいなぁとニコニコしているのでした。

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沿道の注意書きが素敵だった。人がよじ登りそうな場所にさりげなく貼ってあるのね。柔らかい広島弁がええよね。

 

しばらくして、ヘリコプターの音が近づき、道路沿いに並んだ人々が歓声を上げる。来た来た!全然見えないけど(;´∀`)

スラィリー、監督とオーナー、小窪と鈴木本部長、黒田と新井はオープンカーに乗って先頭を走っているので、人垣の向こうになって見えない。

「クロダー!」「アライー!」という人々の声で、ああ、今そこを走り抜けていったんだな、って分かるぐらい。うーん見たかったな。まぁ仕方ないか。

 

その後に、2階建てバスが5台ほど連なって走り、この上に他の選手達が並んで立っている。こちらはよく見えました。 あわててガラケーのシャッターをバシャバシャ押したけど、ほとんどピンボケだったというね。それでもちょっとだけ撮れたよ。

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 今季エース級の活躍を見せてくれたノムスケに、カピバラ長男ことタケル、その隣のサンタクロースみたいなお爺さんは往年の名投手・安仁屋宗八さん。

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沢村賞投手のジョンソンと奥さんのカーリンさん、通訳の西村さんと一緒にいる女の子はエルドレッドの長女のエイブリーちゃん、いつもニコニコ笑顔のジャクソン。

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ルーキーながら安定して先発ローテーションを守った岡田くん、アンパンマン松山、すっかりパパの顔になったプリンス堂林。

にこにこ笑いながら手を振る選手たちに、沿道のファンも手を振り返しながら「おめでとうー!」とか「ありがとうー!」とか精一杯の声を届けました。

 

バスはあっという間に過ぎ去ってしまい、パレード観賞はこれでお終い。まだバスを追っかけて走ってる強者もいたけど、まぁいいや、とりあえず見るものは見れたんだしさ。

なんていうかね、もうちょっとエキサイトした雰囲気になるのかな?って予想してたけど、そんなことは全然なくて、終始、穏やかな雰囲気でしたね。

ファンはマナーを守って整然と沿道に並んでたし、見渡す限りの全ての人が、大人も子供もホントにみんな、優しい笑顔を浮かべていたんですよね。

秋晴れの陽光の下で、それは本当に、平和そのものの光景だったんですよ。

 

さて、まだ少し風邪気味の息子はそろそろ飽きて帰りたい様子。

とりあえず近くの家電量販店に入って、欲しかったベイブレードの玩具をお祖父ちゃんにおねだりして、2個も買ってもらって、ご機嫌で息子は祖父母と一緒に郊外の家に帰って行きました。

 

………え、私ですか?

ナニ言ってんの、まだ帰るわきゃないでしょーが。何のためにはるばる長野県から来たと思ってんだッ。

街には真っ赤なユニフォームに身を包んだ人達がたくさん(31万人)、私と同じように「まだ燃えたりない…」という顔をしてフラフラと歩いている。

目指す先は、そう、マツダスタジアム

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パレード後に、そこで行われているのは、『優勝報告会』!

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ですがッ、ですがねッ、この優勝報告会は事前に行われた抽選で、入場整理券を手に入れた人しか入れないのです(´;ω;`)

私ゃもちろんハズレましたがな。整理券もってまへん。入口を固める警備員のお姉さんに「整理券を持ってない人はどいてください!」と怒鳴られながらも、ゲートの隅っこのほうでせめて音漏れだけでも聴きたいと粘ってましたがな。

この優勝報告会、後半はほぼ「黒田お別れ会」だったわけですが、もちろん何にも見えなかったけれど、黒田の生声で最後の挨拶が聴けただけでも、とりあえず行った甲斐がありました。

やっぱ寂しいじゃん。せめて最後に拍手ぐらいは送りたいじゃん。もちろんグラウンドには届かない音だけど、それでもゲート外に立っている人もみんな精一杯の拍手を送りましたよ。

だってみんな、黒田のことが大好きなんだもの。カープに帰ってきてくれてありがとう、の気持ちを伝えたいのだものね。

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さて、せっかくマツダスタジアムに来たから、そういえば前から気になってたんだよなー、とスタジアムのすぐ横にある「パティスリー菓凛」さんでティータイム。

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ぎゅうひの中にカスタードクリームと苺クリームを詰めてカープ女子ふうに飾りつけたお菓子に一目惚れして、店先のベンチで頂きました。美味しかった~♪

そうこうしているうちに、優勝報告会が終わったらしく、大勢の人々がスタジアムから溢れ出してくるのが見えました。 やばい。しまった。もっと早く脱出してれば良かったかもしれんのぅ…?

と思った時には時すでに遅く、スタジアム周辺の道はカープファンでとんでもなく大渋滞。見渡す限りの真っ赤な人の群れ。

もうこうなったらしょうがない。人々に押し流されるように歩きながら、市街地へ戻ります。

カープグッズを買おうと思って、駅前のフタバ書店とか福屋百貨店とかに立ち寄ってみるけど、31万人のカープファンの考えることは同じらしくて、どこのお店も超混み混み。レジの前には長い行列。

おっ、そうじゃ、カルピオ(カープベースボールギャラリー)はどうじゃろうか。あそこは分かりにくい場所にあるけぇ、広島市民でも知らん人が多い穴場じゃけ。

そう思って、とっとことっとこ、駅前から幟町まで歩いて行ったんだけど、うぐぐ、やっぱダメか。長い行列が店の外にまで伸びているのを見て(入場制限がかかっていた模様)、さっさと諦めて八丁堀へ。

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東京銀座の代名詞である高級百貨店の、あの三越さまですらこの有様ですよ(;´∀`)

店内にはカープの応援歌が無限ループ状態でガンガン流れ続け、店員さんもカープのユニフォーム着用で接客中。

(天下の三越さまがねぇ…)と半ば呆れつつも店内をぶらついていたら、なんとカープとコラボした女性用のボクサーショーツを売っていた。

なにこれ超かわいいじゃん(*'ω'*)と、思わず衝動買い(赤)。お値段だけはさすがに三越ショーツ1枚2400円。お財布にはかわいくなかったけど、まぁいっか。

 

それにしても、ホントにどこもかしこもカープだらけ。

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日本一にはなれなかったけど、でも本当に楽しい1年だったね。 たくさんたくさん心を揺さぶられて、野球がこんなに面白いと思えるのは久しぶりだったんだ。

やっぱり広島にカープがあって良かったよね。やっぱりカープがない毎日はつまんないよ。ホントだよ?広島にいると気づかないけどさ。好きなアニメが潰される悔しさも全部ひっくるめて、それが“地元(ホーム)”なんだよね。

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 ***

 

というわけで、今回の広島旅行での戦利品はこんな感じでした!

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今回も散財じゃあああーーーー!