翌朝は早起きしてお風呂(今度は大浴場)に入って、身も心もすっきりしたところで、いよいよ「お伊勢さん参り」に出掛けます。
ホテルのすぐそば、名勝「夫婦岩」のある二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)は、古来より伊勢神宮にお参りする前に禊ぎをする場所とのこと。
では古の作法に則ってそちらからお参りしましょうかね。
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二見興玉神社は、猿田彦命をお祭りする神社です。三重県の土着の国つ神であったらしく、古事記では天孫降臨の際に道案内を務めたとされる神です。
昔は、この神社の浜辺で海の水を使って水垢離(みずごり)をしたそうなんだけど、さすがにそれはね(;^ω^)
その代わりとして、小さな輪注連縄(200円)で身体の悪い所をさすると、穢れが取れるのだそうで、やってみました。肩こりとむくみが取れますように…っ!(切実)
さて、穢れも(多分)落ちたので、JRで伊勢市駅に移動します。
この伊勢市駅から真っすぐに伸びる「外宮参道」の先にあるのが、伊勢神宮の「外宮(げくう)」です。
えーと、手元のパンフレットによりますと、伊勢神宮の正式名称は「神宮」であり、内宮・外宮の2つの正宮を中心にした125社の総称なんだそうです。
まぁ、諏訪大社の氏子としてはそのあたりはすんなり理解できるわね(諏訪大社は2社4宮の総称)。
で、お伊勢さん参りの順序は、まずは先に外宮からお参りし、その後に内宮にお参りするのがセオリー。
外宮にお祀りされているのは「豊受大神(とようけのおおみかみ)」。
内宮に祀られている「天照大神(あまてらすおおみかみ)」のお食事(御饌)を受け持つ役割があり、農業を始めとする産業全般と人々の生活を支える衣食住全般を守る神様です。
まずは正宮にお参りし、その後、その周りにある多賀宮、土宮、風宮にお参りしました。
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外宮を出て伊勢市駅までの街道を歩いていたら、小腹が空いてきました。すると、どこからともなくお醤油の良い香り。
そうそう、伊勢といったら「伊勢うどん」食べなきゃっしょ!
うどんといえば一般的には讃岐うどん。つるつるでコシがしっかり強いアレ。
ところが、伊勢うどんはまるっきり正反対。ぶっとくて、ふわふわのめっちゃ柔らかい麺に、濃い色のお醤油を垂らして食べるというものです。
良い匂いにつられて、「やとや」というお店に立ち寄ってみました。ここの伊勢うどんはさらに変わっていて、大きな巾着(お揚げ)の中にうどんを詰めた状態で茹でてるんです。
お揚げを箸で破くと、中から純白の極太麺がほわっと湯気をあげて出てきます。器の底にある濃茶色のタレとしっかり絡めて、いただきまーす。
ふわっふわでもちもち!感触としては、うどんよりはマシュマロにより近い。歯ごたえ皆無。そんでタレが、見た目より上品で、深い旨味があってとっても美味しい。飲み干しちゃったぜ。
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お腹も満ちたところで、バスに乗って内宮へ移動。五十鈴川にかかる宇治橋を越えると、もうそこは神域です。
巨大な神木の連なる中、真っ白な砂利道を歩いていきます。空気は澄んでいて清々しい気持ち。
正宮と荒祭宮にお参りして、旦那と姑のためにお守りを買ってから、内宮を後にしました。桜も綺麗だったな。
さて、お参りも済んだことだし、お楽しみの食べ歩きだぞーうヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪
内宮前に広がる「おはらい町・おかげ横丁」は、たくさんのお参り客で賑わっていました。あっちからもこっちからも美味しそうな匂いがしてきて目移りしちゃう。
でも、伊勢といったら、やっぱりアレでしょ!(二回目)
赤福のお店はおはらい町の中に3つあるけど、おはらい町の真ん中(おかげ横丁の入口前)にあるのが赤福本店です。昔、母と一緒に伊勢に来たときにも来たっけなぁ。
店の真ん中で、4人の女性が赤福を作っています。2人が餅を伸ばして千切って投げ、それを受け取った向かいの2人が漉し餡を被せていきます。
その手際の良いことといったら!息子が「速すぎて見えない!」と驚くほど、あっという間に赤福が作られていきます。道具は使わず、指先の動きだけであの独特の形ができていく。
赤福2つと焙じ茶で210円。お店の奥にある縁側で、目の前を流れる五十鈴川を眺めながら、作りたての赤福を食べます。春うららの素敵な光景に美味しい甘味、お値段も安い!尊い…っ!
色々と食べ歩きながら、おはらい町をぶらぶらしていたら、向こうから「新郎ー新婦のーーおとぉーーりぃぃぃーーー!」威勢のいい声が響いてきました。
見ると、街道の向こうから一台の人力車が走ってきて、その上には初々しいお婿さんとお嫁さん。多くの観光客からの祝福の声を浴びながら、ちょっと恥ずかしそう。
天気の良い日で良かったね。桜の花、美しい伊勢の風景の中で新たな人生を歩み始めた2人に幸あれかし。
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おはらい町の一番端まで歩いていくと、そこにあったのは「猿田彦神社(さるたひこじんじゃ)」。
猿田彦大神を祀る猿田彦神社は「みちひらき」のご利益ありとして、学業や就職など、人生の様々な節目を良い方向へみちびいてもらおうと人々が祈願しています。
さらにその隣にあるのは「佐瑠女神社(さるめじんじゃ)」。祀られているのは天宇受売命(あめのうずめのみこと)。
アメノウズメは天照大神が天岩戸に隠れたとき、岩戸の前で肌もあらわに踊ったことで有名な女神。
後にサルタヒコと夫婦になり、今の時代にも「天狗とおかめ」のカップルとして伝わっています。そんなわけで、縁結び&芸能の神として信仰されています。
その境内には多くの幟が立っていて、ふと見ると幟に書かれた奉納者の名前が「南海キャンディーズ山里亮太」だったり、吉本新喜劇の座長の「小籔千豊」であったり。
ああー、やっぱり芸能人って、神社にきちんとお参りしてるんだねー、と当たり前だけど思ったのでした。