つれづれぶらぶら

花粉症持ちにとっては例年以上につらい春です(主に精神的に、周囲の視線が)

広島2019④:この世界の片隅にスタンプラリー

漫画「この世界の片隅に」の舞台である呉(くれ)市で、スタンプラリーをやっていたので、息子を連れて行ってきた。

だって、景品がこうの史代先生がデザインしたクリアファイル2枚セットだっていうんだもん、欲しいじゃん。

 

事前に呉市公式ホームページのイベントページでスタンプ設置個所を確認。

全部で6か所。市街地の4か所は問題ないけど、山の手にある「鶴岡一人記念スポーツ会館」と「千福ギャラリー三宅屋商店」を効率よく回るのがカギかな。

 

というわけで、広島バスセンターから発着している高速バス「クレアライン線」を利用することにした。

バスは広島湾を横断する高速道路を突っ走り、30分ほどで呉市へ。

呉市役所の北側にあるバス停で降りて、市役所でチラシを貰い、「鶴岡一人記念スポーツ会館」への行き方を聞く。

スポーツ会館は北側の高台、呉二河球場の隣にある。市役所からは歩いて20分ほど。

登り坂で、夏の盛りの陽射しは暑く、息子がぶーぶー唇を尖らせるのをなだめつつ歩く。

ようやくスポーツ会館に到着。スタンプ台紙を2枚貰い、私と息子それぞれスタンプを押す。

すると、目の前のバス停に路線バスが入ってくるのが見えた。この辺りのバス停は1時間に1本しか来ないらしい。とりあえず飛び乗る、…が、…正直、このバスがどこへ向かうのか全然分からない。

ところが、運の良いことに、これが次の目的地の「千福ギャラリー三宅屋商店」の近くまで行く路線であった。ふう。良かったー。

 

本通6丁目のバス停で降りると、ちょうど小腹の空いたタイミングで、ちょうど良いお店が目に入った。

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呉といえば、名物「メロンパン」!

紡錘形のずっしり重いパンの中に、甘いカスタードクリームがぎっしり詰まっていて、おやつにはやや重い。

てなわけで1個買って、息子と半分こ。うん、美味しい。

 

そこから5分ほど歩いて、次のポイントである千福ギャラリーへ。

ちなみに「千福」は日本酒の銘柄。年配の人なら「♪千福一杯いかがです~♪」というテレビCMを覚えているかも。

店内は、昔の酒器や生活用具を並べた懐かしい雰囲気のギャラリー併設売店で、お酒や食品、ラムネなどを売っている。

息子がラムネ飲みたいと言うので、呉市のマスコットキャラクターである「呉氏」がデザインされた「呉氏のラムネ」を買い、店内のソファーで頂く。

これが美味しかった。塩味がキュッと利いた爽やかで夏らしいラムネ。

それにしてもパッケージのインパクトがすごいw

 

再び路線バスに乗って、市街地へ向かう。

3つめのスタンプポイント、中通り商店街にある「街かど市民ギャラリー90(くれ)」は、市民の芸術作品などを展示する無料の施設。

また、此処の3~4階には「宇宙戦艦ヤマト」の松本零士先生の貴重な原画や設定資料、模型などが展示されており、一見の価値あり。

 

中通り商店街から海のほうへと南下していくと、海上自衛隊呉集会所(旧呉海軍下士官兵集会所)の前へ出る。

今、その外壁はイラストやロケ地マップなどで彩られ、全国から集まる“このセカ”ファンの聖地巡礼に一役買っている。

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“このセカ”の作品内では、主人公のすずさんが、海軍に勤務する夫の周作さんとデートの待ち合わせをして「しみじみニヤニヤしとるんじゃ」と言った、思い出の場所。

すっかり老朽化した建物で、一時は解体されそうになったそうだが、映画のヒットによりその歴史的価値が見直され、一転して保存されることになったらしい。良かった。

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この集会所から美術館までの道には、“このセカ”ファンなら見て思わず笑ってしまう色々な仕掛けがある。歩きながらしみじみニヤニヤしてしまう。

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集会所のすぐ裏手に、4つめのスタンプポイント、呉市立美術館がある。

さらにその隣には、すずさんと晴美さんが円太郎さんのお見舞いに行った病院の階段がある。思わず切なくなる。

美術館から集会所のほうに戻り、入船山公園の松並木の道を、南にずんずん進んで行く。

すると、松の木のほかに椿の木もあるようで、路上には椿の実(外皮)がたくさん落ちていた。これはリースの材料にすると見映えがとても良くなるので、夢中になって拾う。

 

思わぬ収穫物をビニール袋に提げて、海上自衛隊の基地の間の道を西に進むと、その先に5つめのスタンプポイントである「大和(やまと)ミュージアム」が見えてきた。

呉市海事歴史科学館 大和ミュージアム」は、第二次世界大戦において「東洋一の軍艦」と呼ばれた戦艦大和を通じて、呉の歴史と戦争の記録を伝える資料館。

入場料は、常設展のみだと大人500円、小学生200円。さらにJAF会員割引で100円引き。(特別展とのセット券は不可)

館内に入ると、まず目を引くのが、勇壮にして優美な戦艦大和の10分の1模型。10分の1だけどめちゃくちゃでっかい。本物はこの10倍かぁ…すっげぇなぁ。

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 しかし、この東洋一の軍艦と呼ばれた大和は、沖縄へ特攻戦に向かう途中の鹿児島沖で空爆を受け、わずか2時間ほどで沈没し、3000人もの乗組員の命とともに、海の底に散ってしまう。

大和ミュージアムでは過去に3度行われた海底調査の記録を資料映像として放映しており、海の底でバラバラになった大和の今の姿を知ることができる。

それは本当に切ない映像であり、私はそこに散った人々の命を想い、息子は「大和がかわいそうだよ」と哀しい顔をする。

そうなんだよ。人々も哀しいけれど、生み出された多くのモノたちも哀しいんだ。

もし違う時代に、巨大タンカーとして、この麗しい船が生み出されていたならば。きっと多くの商品と富を積み、世界中の海を駆け巡っていただろう。

「戦争」は「技術力」を向上させる大きな原動力となる。その事実自体は否定しない。

けれど、戦争そのものは「破壊行為」なのだ。破壊のための創造。それってやっぱりおかしくないか。

海底からサルベージされた乗組員の遺品や、戦死した兵士たちの遺書などを読むにつけ、やっぱり戦争はおかしいと改めて思う。少年兵なんて、うちの息子とそんなに年は変わらんのだよ。

 

胸を締め付けられるような気持ちで展示物を見て歩いていたが、3階に至って、いきなり雰囲気が変わる。

ここは「船をつくる技術」を子供向けに説明する体験型学習エリア。

船を効率的に作る製法とか、過去から現代までの材料の違いなど、身体を使って楽しく学べる。 多くの子供たちがキャーキャーはしゃぎながら楽しく駆け回って実験している姿を眺めながら、平和っていいわーとつくづく思うのだった。

 

大和ミュージアムを出たら、向かいにある「てつのくじら館」へ。ここへは3年ぶりの訪問になる。 sister-akiho.hatenablog.com

  “てつくじ”は何といっても本物の潜水艦の内部に入れるというのが魅力。

入場無料で、かつ展示内容も豊富で、我々の知らない海の特殊任務のことを学べる。戦艦好きの方々以外にもぜひ訪れてほしい施設。

また、自衛隊グッズが買える売店や、海軍カレーなどのメニューが並ぶカフェもあるので、そういう点でも楽しめるよ。

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さて、最後のスタンプポイントにして景品の引換場所である「くれ観光情報プラザ」で、今回の旅を締めくくることにしよう。

最後のスタンプを押し、カウンターでアンケートを書いたら、景品のクリアファイルを貰える。こうの史代先生が描いた呉市の観光ポスターの絵柄を流用したもので、そのうちの1枚は“このセカ”に登場する北條家の姉弟の幼い頃を描いたもの。周作さん超かわいい。

 

さて、情報プラザの中に掲げられたモニターテレビでは、延々と「呉氏ダンスビデオ」が流れており、ノリノリの音楽に合わせて四角い身体の呉氏がキレッキレのダンスを披露し続けていた。

そのおかげで、その後しばらく、うちの息子の頭の中で延々とその音楽が流れ続けたらしく……呉氏おそるべし( ̄▽ ̄;)