こないだ、息子(小学5年生)と、松本駅からイオンモールに向かう道をわちゃわちゃふざけながら歩いていたんです。
そしたら、息子がとーとつに始めたんです。
「ポーン。100m先、右折です」
「あはは、伊豆旅行のレンタカーのカーナビの物真似ね。似てる似てる」
「急停車を感知しました。安全運転を心がけてください」
「よう覚えてるなぁ。確かにそんなん言うてた言うてた。あはは」
私が面白がっていると、さらに調子に乗ってふざける息子。そのとき、道の先に、ファミリーレストラン「COCO'S」の看板が見えていたんです。
「ポーン。500m先、ココスです」
「待て。目的地はココスじゃねぇし」
「ポーン。ココスのサーロインステーキ890円、海鮮丼は990円です」
「メニューまでナビるんかい」
「ポーン。ココスはただいまパート・アルバイト募集中」
「求人募集までするんかい」
ココスを回避しようとしても、
「ルート検索をやり直します。右折してください」
速足で駆け抜けても、
「目的地を通り過ぎました。戻ってください」
と、かたくなにココスに戻そうとするわ、
『近くのレストラン』で検索したら、ココス以外のレストランはことごとくマップから消去されてるわ、
「特にガストやデニーズはどんなに近くにあっても表示しないのね。意地でも」
しかも厄介なことに、このナビには音声認識機能までついているらしく、
「そういや、腹へったな」
「ポーン!!!近くのココスを検索します!!!」
「要らん!即反応すんな!……あ、バスだ」
「パスタランチは800円です!」
「違ぇし!」
たとえ近場にココスが無くても、
「最寄りのココスを検出しました!ココス横浜店までおよそ250kmです」
「えーっと、“最寄り”って言葉の意味を説明してくれるかな」
そして、運転を終了した際には、
「運転、お疲れ様でした。本日のココスのおすすめメニューはふわふわクリームのイチゴパフェでした」
と、最後までしつこくココスのメニューを推してくるココスナビなのでありました。
ココスさん、このナビのアイディアどうっすか。今ならアイディア料、ハンバーグランチとイチゴパフェで譲るそうでっせ。うちの息子が。