つれづれぶらぶら

毎朝、鼻がつまって目が覚める。嗚呼この季節。

『しょうもないのうりょく』

漫画を衝動買いしてしまった。

私にしては珍しいことだ。普段はネットで試し読みして、図書館やレンタル店にあれば借りてきて、それで本当に手に入れたいと思ったものだけを買う。そうしないと本棚があっという間に溢れてしまうから。

ところが、今日たまたま本屋で見かけて、その表紙を見ただけで買ってしまった。

 

高野雀さんの『しょうもないのうりょく』。 

人々が「異能」という特殊能力を持っている世界の会社風景を描いたコメディ漫画。

異能といっても、このオフィスにいる人々の能力は、ほとんど取るに足らないものばかり。「誤字脱字がすぐわかる」とか「果物の食べ頃が分かる」とか「猫にめちゃくちゃ好かれる」とか「蚊を一撃で倒せる」とか。その異能を仕事に生かすわけでもなく、ごくフツーのオフィスは今日もまったり和気あいあいと、みんな楽しく働いている。

主人公のメガネOL・星野千里は「書類を崩さずに積める」という、ごくありふれたショボい異能を持っている。しかし彼女には、親友以外の誰にも言っていない、もう一つの異能がある。それは「他人の異能が分かる」というレアな能力(ただし精度は低い)。誰もが羨む凄い異能ではあるものの、目立ちたくない星野は「あくまでも趣味の範囲でいいや」と割り切って、今日も秘かに他人の異能を見分けている。

ところが、このオフィスには、星野以上の超レア異能を持っている人がいるのだ。

それはシステムエンジニアの藤原。ひょろひょろした風貌の病弱な青年だが、なんと「不老不死」なのである。しかも藤原自身はそのことに気付いていない様子。星野は彼の異能が他の人にバレてしまわないかと、秘かにいつも気にしているのだった。

 

――って、「気にしている」のは不老不死のことだけじゃないんだけどね。

 

星野と藤原の微妙な関係もありーの、なぜか経営にやたらと介入してくる社長の弟(当社の役員ではない)に仕事のペースを崩されたりーの、異能コンサルタントのうっとうしい査察がありーの、ドタバタしつつも何とか乗り越えちゃう仲間たち。しょうもない人々のしょうもない日々に、クスッと笑えるコメディなのである。

 

で、なんで私がこの漫画を衝動買いしたかというと、まさしく私もこういうものを書きたいなーと常々考えていたのだ。ショボい超能力とか、どうでもいい才能とかを持った人々のコミカルな群像劇とか面白そう、と思って考えてはみたものの、私にはいいネタがちょびっとしか浮かばなかったのだ。

そのうちのいっこだけ披露すると、「他人のおっぱいのサイズを自由に調整できる双子の兄弟」ってネタがあった。兄のほうは他人の胸に触れると一時的に胸の脂肪細胞を大きくする。反対に弟のほうは他人の胸に触れると一時的に胸の脂肪細胞を小さくする。兄のほうは夏の海水浴の前などに貧乳女子にひっぱりだこで、弟のほうはスポーツ大会の前などに巨乳女子にひっぱりだこで、ってネタを考えてはみたものの、そのネタをどう膨らませたらええもんやら、単なる「ラッキースケベもの」にしかなりそうもなくて、あっさり放棄した。あ、誰か使える人がいたら好きに持ってって。

てなわけで、この漫画のタイトルと楽しげなカバーイラストを見たときに、これは私が求めていたものだ、と閃いて、そんでそのままレジに持ってった。そして読んでみたらまさしく求めていたもの、そのものズバリであった。そうそう、こういうのが書きたかったの。ってか読みたかったの。絵柄も綺麗だし、飄々とした雰囲気も好きー。これ好きー。直感が的中すると嬉しいもんだね。いい買い物した、うっふっふ。

 

ちなみに、うちの旦那の異能は結婚する前から分かっている。

あやつは、動物園なり猫カフェなりに行くと、決まって動物たちに「掻いて掻いて」と摺り寄られるという不思議な才能を持っているのだ。猫は土下座して頭を差し出し、アルパカは背中を押し付け、羊たちはわらわらと集まってきてはモフモフのお腹を旦那の大きな手に擦り付けてくるのであった。なんでだろう。手が大きくて温いからだろうか。

なお、妻である私自身も、ガチガチに凝った肩を「揉んで揉んで」と旦那に押し付けては、「邪魔ッ」と旦那に冷たく払い除けられているのであるが(´・ω・`)

 

私の異能はなんだろね。誤字脱字を見つけるのは他人よりもちょっぴり速いけれど、精度はそんなに高くないのだな。精度が高けりゃ今ごろ新聞社あたりで校正の仕事ができていたであろうに。

あ、でもこないだ先輩が一所懸命作ったリストの中の数字の中に、たった一か所だけ「カンマじゃなくてピリオドになってる」部分があるのに気付いて指摘したときは、先輩から「お前……どんな目しとんねん」と不気味がられたけど(;^ω^)

なお、私が最近発見した誤字の中で気に入っているものは、近所のホームセンターのコーナー表示板にでっかく書かれていた「ツッッパリ棒」である。舌噛むぜ!(;'∀')