つれづれぶらぶら

「予告先発」という単語を見て胸がトゥンク。ついに始まるのね……!

「My Favorite Things」という私の作品について

パティさん(私は勝手に「び~」と呼んでいる)から、たいへん熱の入った感想を頂戴いたしまして、ただいま歓喜に打ち震えているところでございます。

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この世の中に面白いものは無数に存在するってのに、わざわざ素人の書いた昔の作品に目を留めて読んでくださる、もうそれだけで有難いことだと心の底から思うのに、さらに時間を割いて感想まで書いてくれるっていうのがね、もう「生きてきてよかったー」という言葉しか出てこないぐらいに嬉しいんですよ本気でね。

 

生きてきてよかったーヾ(*´∀`*)ノ

び~、ありがとうー( *´艸`)

 

そんなわけで、コメント欄でお返事するぐらいじゃ感謝の気持ちは伝えきれないと思う気持ちと、そろそろはてなブログのほうでも自作の宣伝をしてみてもいいんじゃないかという下心とがない交ぜになった、今回の記事でございます。

 

とりあえず「My Favorite Things」とは何かと申しますと、私が魔法のⅰらんどさんで2010年から2014年にかけて執筆した恋愛小説のタイトルでございます。

ヒロインは「月刊ヤングAZUMAYA」というB級雑誌の編集長・東亜希子(あずまあきこ)、30代独身。あだなは「阿鬼」。性格は猪突猛進、こうと決めたら行く手を遮るものはことごとくなぎ倒し、なりふり構わず手段を選ばず。

親友の本田女史いわく「阿鬼ちゃんはまるで太陽のようね」と言うのは、彼女がおひさまのようにぽかぽかあったかいから、などという生易しい意味ではなく、彼女こそが太陽系の重力のど真ん中であり、うかつに近付いた人間は容赦なく巻き込まれてしまうから、という意味にほかならない。

そんな亜希子に、大手雑誌社「週刊汐潮」の副編集長・芹沢義久が、ある2つの依頼を持ちかけてきたことから物語が始まるわけです。

この芹沢という男性、年の頃はおそらく50歳前後、眼鏡でイヤミな堅物インテリおじさん、という雰囲気で登場してまいりまして、亜希子にとっちゃウザくてたまんない苦手な存在なんですが、まぁ、そうは言っても恋愛小説ということでね、この関係がちょっとずつ変化していくようすを楽しんでいただこうというのが本作の主題なのでございます。

 

……だがしかし、芹沢⇒亜希子へのベクトルは、初っ端から、っつーか、物語の始まる数年前から全く変わっていないっていうね。あのおじさん、ああ見えて実は純情一途なスイーツ(笑)男子だからね。

 

そして、本作の舞台のうち、亜希子が偶然立ち寄ることとなる喫茶店「カフェ・フォレスト」には、モデルとなった喫茶店(カフェ・プラトー)がありまして、その店はもう閉店されてしまったんですけれども、クマさんとリスさんのモデルとなったご夫婦は現在も長野県富士見町で「八ヶ岳珈琲工房テーブルランド」という自家焙煎珈琲豆の工房を営んでいらっしゃいます。

tableland-coffee.net

珈琲は言わずもがな美味しいんですけど、何よりご夫婦の優しくて穏やかな雰囲気がなんとも好きです。本作の執筆に当たっては、珈琲にまつわる基礎的な知識を教えていただきました。珈琲豆の種類をお米の品種に例えた説明はマスターの言葉をそのまま頂いたものです。

息子が幼かった頃、育児疲れを解消してくれたのは週に一度通ったこの店の「タンザニアの中煎り」でした。 そういう意味では、本作に登場する「ママさん」は、あの店に通っていた頃の私自身が投影された姿であると言えるでしょう。

 

本作は、それ以前に書いていた「梅の花、色は見えねど…」という陰鬱な心理ミステリのスピンオフとして書かれた背景もあって、とにかく明るく楽しく前向きに、読んだ人が元気になるような作品を書きたいと思って書いた作品であります。

だもんで、色んな人間関係に傷ついて落ち込んだり、とんでもない事故に巻き込まれたり、という展開はあるにせよ、最後は絶対に明るく終わろう、そしてこの作品を書き上げたら、私の愛する「ヤンあず」の皆とはお別れをしよう、だからこそ晴れ晴れとした気持ちで彼らを送り出そう、という気持ちで書いていました。

 

本当は、この先に続く「芹沢亜希子」が登場する物語として「散る楓、表裏の紅も鮮やかに…」というこれまた陰鬱なクライムミステリが途中まで書かれていました。しかしながら諸般の事情で現在はお蔵入りになっております。この作品のキャラクター達にも愛着があるので、いつかまた違う形で復活させてやりたい、とは思っているのですが…………。

 

私は、気持ちの悪いことに、自分の書いた作品の登場人物がとても大好きなのです。それはもう、ちょっと登場するだけの端役であっても、その人生をつらつらと空想してしまうぐらいに愛着を持っているのです。泥水喫茶のおばちゃんとか、古賀編集長とか、戦場カメラマンの丸山さんとか、最後にメールを覗き込みに来るだけの巨漢の大窪次長ですら、「もうちょっと描写していたいなぁ」という気持ちで書いていました。

 

そういえば思い出したけど、実は例の泥水喫茶は他の作品にも登場している。阿鬼ちゃんは編集部の中ではできない打ち合わせをするのに、アーケード街の中に一軒しかない喫茶店を使うということで、例えば「梅」の183~185ページ、「おひさまのこのみ」の39ページの背景は、どこにも描写してないけど、あのおんぼろ喫茶なのであった。おそらくまたおばちゃんはパチンコに行ってくれてるんだろうなァ。

 

もちろん、松田くんは「梅」の頃からのお気に入りキャラクターであったから、ようやくあのコミュ障の気難しい青年にも人を愛し愛されるという平穏が訪れてくれたかと、ラストでホッとしたのは作者である自分自身であったのですよ。

ああー、豊田くんのバリバリ伝説(笑)を書けなかったことだけが心残りだなぁ。田舎のど天然ヤンキーが「太陽系の中心」に出会ってしまう物語。そもそも豊田くんの母ちゃん姉ちゃんも阿鬼ちゃんによく似た性格で、生まれついての振り回され人生だというね、ああー、豊田くんも可愛いヤツなんだよなー。書きたかったなー。

  

ま、それ以上に、本作は何を置いても芹沢氏が可愛くて、このおじさんをどれだけ描写できるか、執筆中はそればっかり考えて書いてましたね。

表向きは堅物なんだけど裏はかなりの情熱家で、脱いだらスゴイんです系のおじさん。腹筋がちゃんと割れてるタフネスおじさん。2人きりになったら燃えちゃうおじさん。実は甘えん坊のお姉ちゃんっ子で、夢見るスイーツ(笑)おじさん。時差をきっちり計算してメールを書きまくる生真面目デレまくりおじさん。

古賀さんと大窪さんと芹沢さんの新入社員時代の話とかも考えてみればよかったかもしんない。いや、もう書かないけど。そもそも会話が成立しそうにない、この同期トリオ。

 

さてさて、嬉しい感想をいただいたので調子に乗ってぐだぐだ書きまくってしまったけれど、改めて、び~、もとい、パティさん、ありがとうございます。

野球のシーズンが始まってしまったらやっぱり筆が止まってしまった遅筆にもほどがある私ではありますが、「これからも頑張って書いていこう」と思える原動力になりました。本当に嬉しいです。今後ともどうぞお付き合いください。

ああ、そうそう、誤字ね、多分まだ残ってると思う。だいぶ直したんだけど、こないだトンネルの中で読み返してて、どっかに誤字を見つけたような気が……ダイ王のほうだったかな……ともかくどっかに何かあったのよ。でも電波状態悪くて接続できなくて、そのまま直してなかった気がする。だもんで見つけたら教えてください。

そうそうそうそう。誤字があると流れが止まるよね。私も誤字脱字はかなり気がついちゃうほうなんで、そこはまったく同感ですわ。やっぱそこは創作家としての基礎の基礎というか、他人様にモノを見て頂く上での最低限のマナーだと思うのよね。いや、だもんで見つけたらホント教えてください。よろしくです。

 

 

 

んでね、えっとね、カタストロフィ、時々通勤中とかに読んでてね、前に更新まで追いついて、おっ、そろそろレビュー書こうかなと思ってたらね、また更新が先に進んじゃってね、そんなんを繰り返しててね、レビューを書くタイミングを完全に逸してしまっています。それはまるで大縄跳びに入りそびれた小学生のごとくに。

や、でもちゃんと書く。書くので、気長に待っててください。だってキッド好きなんだもん。かっこいいんだもん。私はやっぱりアレンよりキッド派。でも付き合いたいのはセシィかな(*^▽^*)

そんなパティさんのお書きになっている吸血鬼伝奇ロマン「Catastorophe」はこちらからどうぞ!自らの運命に逆らうように生きる王女ファルトと、彼女を支える仲間たちの熱い旅路の物語!本格派のファンタジーノベルが好きな方に超オススメです!

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