つれづれぶらぶら

今日一日頑張ったら3連休!お楽しみを用意しているのでめっちゃワクワク。おしごとがんばろ。

『ギフト』のために自転車を必死で走らせたあの夜

今週のお題は「もう一度見たいドラマ」なんですが、私は普段ほとんどドラマを観ないんです。大河も朝ドラも逃げ恥も半沢も観てない。つか日曜の夜9時はBS12「ザ・カセットテープ・ミュージック」を観ましょう。ぼくらが熱狂した80年代のあんな歌こんな歌を、マキタスポーツとスージー鈴木がマニアックに語り明かすめっちゃ楽しい音楽番組だYO!(^_-)-☆

 

脱線した。

 

そんな私が一番ドラマをよく観ていた時期といえば、20年前だから2000年前後あたりになるのかな。あの頃のフジテレビは良かったね、なんて言ちゃうと年寄りじみてて嫌なんだけど、監督も脚本家も俳優も「旬」の人を揃えてた印象がある。フジといえば「トレンディドラマの月9」と言われ、非現実的な甘ったるい恋愛モノばっかやってたように語られがちだけど、必ずしもそればっかじゃなかったと思うのよね。

その頃、私は岡山市内に住んでいたんだけれども、近所にレンタルビデオ店(まだVHSの時代だ)がけっこうあったので、金曜の夜から日曜の夕方まで、やたらめったらあっちこっちの店からビデオを借りまくっては観まくっていた。名探偵コナンを第1巻から順に5巻ずつ借りて、翌日には返してまた次の5巻を借りて、またその翌日には、みたいなムチャなことをしょっちゅうやってた。あの頃は私も若かったから2日ぐらい徹夜してもへっちゃらだったし、他にとりたてて趣味もなかったという、あれ、これって寂しい話なのかな(;^_^A

 

で、「もう一度見たいドラマ」と言われると、真っ先に思い出すのが『ギフト』。 

ギフト Blu-ray BOX(特典なし)

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  • 発売日: 2019/01/09
  • メディア: Blu-ray
 

1997年のフジ「水9」枠ドラマ。主演は木村拓哉

これはリアルタイムでは視聴していなくて、飯田譲治さんの脚本だというので興味を持って、観てみようかねと思い、金曜の夜に近所のビデオ屋に行ったら、全4巻のうちの3巻と4巻しか置いてなくて、そしたら無性に「これ今すぐに観たいのに!!!」という気持ちになっちゃって、近くのビデオ店を回ってもどこも貸出中で、そのせいでさらに無駄にヒートアップしちゃって、うおおおおおおと叫びつつ岡山市内じゅうを自転車を走り回った記憶があります。こうやって文字にするとアレだね、当時の私は相当のアホだね(;^_^A

ドラマの内容はというと、記憶喪失の青年が「届け屋」の仕事を通じて出会う人々との中で少しずつ記憶を取り戻していく、というサスペンス。キムタク主演ではあるけれども、恋愛要素は少なめで、かなり骨っぽいクライム・ドラマ。「クローゼットを開けたら中から全裸で血まみれのキムタクが落ちてくる」という衝撃的なシーンからドラマは幕を開けるのがツカミは完璧って感じっす。

 

そんでもって、共演者がかーなーりー豪華なんですわ。

記憶喪失の青年(由紀夫)を保護する悪徳人材派遣会社の女ボスが室井滋で、その親友が小林聡美というゴールデンコンビ。由紀夫をサポートする情報屋が忌野清志郎。由紀夫に関する過去の事件を探っている刑事が倍賞美津子梶原善。そして由紀夫の過去に関わる重要人物に緒形拳鈴木京香

さらに各話のゲストも赤木春恵岸部一徳桃井かおり、宇崎竜童などなど、一癖も二癖もある超ベテランの個性派俳優がずらりと顔を揃え、一癖も二癖もある役柄を味わい深く演じ切っている。白衣のポケットに手をつっこんで気だるげに髪をかきあげる桃井かおりのセクシーさったらたまんねぇぞぉ。

その癖の強いベテラン勢に囲まれた状態で、印象に残る良い演技をしていたのが篠原涼子。今でこそ「頼れる姉御」の役柄が多い彼女だけれども、当時はまだダウンタウンのバラエティ番組「ごっつええ感じ」でのコントの印象が強くて、どっちかというと「ちょっと頭の足りない女の子」的なコメディリリーフとしての役柄が多かったように思う。

この『ギフト』でも、由紀夫にやたらとまとわりつく彼女気取りの女の子「千明」を演じていた。由紀夫の寝起きを襲おうとして振り払われても、えへへーと笑っている軽薄な女の子。ところが、あることがきっかけで、千明は由紀夫の記憶が一瞬だけ戻るのを目撃してしまう。別人のように変貌した由紀夫の態度、口調、目つき。このシーンでのキムタクの一瞬の演技がまず素晴らしいんだけど、それを受ける篠原涼子の表情や声が本気で怯えているようで、ほとんど動きのないシーンではあったものの、緊迫した印象に残るシーンだったと思う。

 

あと、主題歌もめちゃくちゃカッコイイ。ブライアン・フェリーの『Tokyo Joe』。これはもう聴いてもらったほうが早いや。


Tokyo Joe

久しぶりに聴いたけど今聴いても全然古びてなくてカッコイイ。

ウィキによると、「雑誌『ドラマ』に脚本が掲載された際、飯田譲治萩原健一の『傷だらけの天使』、松田優作の『探偵物語』に次ぐ男のドラマを目指すとコメントしている。」とのこと。なるほど、確かに『探偵物語』OPのSHOGUN『Bad City』を思い出す雰囲気ではある。男くさい、ハードボイルドな雰囲気ね。

 

この『ギフト』は本当によく出来た面白いドラマで、私もその後何度も何度もビデオを借りて繰り返し観ていたんだけれども、ところが、1998年に起きた「バタフライナイフ殺人事件」において、犯人の少年が、このドラマで主人公がバタフライナイフを振り回しているのを見てカッコイイと思ったと供述したことにより、この作品は封印されてしまうのです。

これは悲しかったなー。あの時、なんでこうなる前にVHS買っておかなかったんだ私のバカバカ!と思ったもんです。

で、今回、このはてなのお題を見て、『ギフト』のことを思い出し、でももう観れないんだもんなー、と思いながら調べてみたら、昨年、DVDとBlu-rayで再発売されてたんだね?!

うああああ。観たい。でも買うかどうかはまだ悩み中。ネットフリックスに上がってくれたらいいんだけどなー。ああー。でも観たいなー。うーん。