つれづれぶらぶら

さんれんきゅーさんれんきゅーヤッホーヤッホー♪

八ヶ岳の反対側へ行こう

正直、去年の今頃は、コロナ禍がここまで長く続くとは思ってもいなかった。来年のゴールデンウイークはまた水族館巡りしようね、なんて息子と話していたのに。

今年のゴールデンウイークは電車に乗って新潟に行こう、と目論んであれこれ計画していたものの、この状況を顧みて断念した。とはいえ、家の中に閉じこもっているのはさすがにもう精神的にしんどい。近場にドライブ旅行するぐらいは許してほしい、もちろん最大限の注意はするから、ねぇ。

というわけで、車で行ける近距離で、景色が良くて空気が綺麗なところ、といえば、すぐそこにあるじゃん、八ヶ岳八ヶ岳山麓をぐるっと半周した反対側には、野辺山や清里があるじゃん。そういや1年ぐらい行ってないや。以前はMachiko♫さんと一緒に清里のオルゴール博物館に行ったり、息子の夏休みの自由研究のネタ集めのために野辺山の国立天文台に行ったりしてたのにね。茅野から片道ほんの1時間ぐらいだから日帰りで充分っちゃ充分なんだけど、あーもう、ストレス溜まってんだよ、野辺山の日本一美しい満天の星空に癒されたいよ。えい、ホテル取っちゃえ。

そんなわけで、5月1日~2日の1泊2日で、野辺山まで息子と旅行することにしたのである。もちろん、かくなるうえは事前の体調チェックは確実に行い、立ち寄り先も少なめに計画して、何か違和感があればすぐに切り上げて帰ろうと約束し合った。もちろんマスクも用意おさおさ怠りなく。

ところが、5月1日朝の天気予報によると「今日と明日の天候は荒れ模様」とのこと。とほほ。こりゃ満天の星空は見れなそうだなぁ……(;´д`)

 

とにもかくにもお出かけだ。車を東に走らせて、富士見町のラーメン屋「国界」の交差点を八ヶ岳方面に曲がれば、すぐそこに山梨県との県境がある。久しぶりに県境をまたぐ。お久しぶりです山梨県北杜市。1年前までは毎週末のように信玄餅を買いに来ていた町が、ああ何だかとっても懐かしい。

レインボーラインを経由して一気に清里へ。まずは「萌木の村」に到着。ここは何が何でも来たかった、なぜなら私の大好きなオルゴール博物館【ホール・オブ・ホールズ】があるから。

hallofhalls.com

オルゴールと言っても、ここのオルゴールはお土産屋さんの片隅で売っている小さなアレとは桁が数倍も違う。一点一点が巨大で、そして半端なく骨董的・芸術的価値の高い代物ばかりをズラリと取り揃えている。その最たるものが、中央にそびえ立つ超巨大な自動演奏装置【リモネール1900】。かのパリ万博に出展され、その音色は周囲2キロに響き渡ったとされる、ここでしか聴けない至高の自動演奏装置である。

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なお、リモネール1900の下にある【アコーデオ・ボーイ】という名の自動人形は、アコーディオンを弾きながら、眉や視線や口角、顔の向きなどを実に微妙に動かして、聴衆に愛嬌を振りまくのである。渋沢栄一アンドロイドにも負けないぞ。

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他にも、3つのバイオリンを同時に演奏してみせるものや、ピアノと数種類の打楽器を同時に演奏するもの、コミカルな人形劇が楽しめるものなど、本当に見ごたえのある超貴重な名品揃いだ。1時間おきにスタッフさんの解説付きで解説付きで演奏会が開催されているから、お近くにお越しの際は是非とも立ち寄ってみてほしい。

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なお、博物館の入口前では「手回しオルガンチャレンジ」というイベントが開催されていた。1回300円で、このような手回しオルガンを演奏することができるという。

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数曲の中から好きな曲を選んで挑戦できる、ということだった。私の前に挑戦していた親子連れはジブリの『さんぽ』に挑戦していたが、曲が長く、またリズミカルに演奏するにはコツが必要とあって、3人がかりで悪戦苦闘しておられた。最初のうちはリズムが不安定だったが、最後のほうは上手に回していらっしゃった。

よーし、私も挑戦してみよう。曲はもちろん、RCCカープナイターでお馴染みの『ラデツキー行進曲』である。難易度は「やや高め」とのこと。頑張るぞぃ。本当は息子と交代でやりたかったが、息子はとっとと逃げてしまい、私ひとりで最後まで回した。長いのでかなり疲れた。しかも微妙にリズムが安定しなくて困った。Machiko♫さんのように正確なリズムで回すというのは、熟練の技能を要するものなのだなぁ。

 

食事を済ませたら、次は清里駅近くにある「清泉寮」へ向かう。

www.seisenryo.jp

清泉寮の名物といったら、そりゃ「ソフトクリーム」である。ジャージーミルクの甘い香りと濃厚な味わいがたまらない、清里を代表するグルメのひとつだ。いつものGWなら長蛇の列が出来ているところだが、今年は観光客の数も少なめで、待つことなくすぐに買えた。外のテラスの柵にもたれて、雄大な風景を楽しみながら食べたのだが、既に空は荒れ始めていて、冷たい風がひっきりなしに吹きつけてゆく。ささささぶい。テラスに設置された足湯でしばし身体を温める。

ふと見ると、「ヘイライド」なるアクティビティのポスターが貼ってある。トラクターの荷台に乗って、牧草地を1周ぐるっとドライブできるらしい。料金は1人当たり1回500円。息子が、面白そうじゃん、と喰いついてきたので体験してみることにした。

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荷台には、しっかりと固められた牧草のブロックが積んである。それを椅子代わりにして荷台に座ると、トラクターがゆっくりと動き出す。

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大きなタイヤがぬかるみを踏みしめながら進むと、荷台もごっとんごっとん揺れる。そのリズムが心地よい。八ヶ岳雄大な姿と、強風に乗って走る雲を眺めながら、のんびりのどかな牧草地のひとときが過ぎていく。面白かったヾ(*´∀`*)ノ

 

天候が怪しくなってきたので、早々に野辺山に移動。清里と野辺山は車で10分ぐらいの目と鼻の先の近所だが、その間に県境がある。というわけで、ただいま、長野県。

まだホテルのチェックイン開始時刻までには時間があるので、「国立天文台 野辺山宇宙電波観測所」へ立ち寄る。

www.nro.nao.ac.jp

世界最大級の「45mミリ波電波望遠鏡」を中心として、たくさんの電波望遠鏡が遥か天空の彼方へとその顔(アンテナ)を向け、宇宙から届けられる無数の電波を絶えずキャッチし、解析している。

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なぜ野辺山高原にこの天文台があるかというと、天体からの電波はとても弱いものであり大気中の水蒸気に吸収されてしまうため、標高1,350mで水蒸気量が少ない(カラッと晴れている)場所であり、なおかつ、周りを山に囲まれて都会からの電波を遮る環境であったことから選ばれたのだそう。

そのため、この施設を見学する場合は、携帯電話などの電波を発する機器は電源をOFFにしなきゃいけない。でなわけで、お写真はここまで。この道をずっと進むと、一番奥に巨大な45mミリ波電波望遠鏡が見えてくるのだ。

ところで、3年ほど前に息子の自由研究のためにお邪魔した際には、中央にある展示室が開いていて、4次元デジタル宇宙シアターで研究員さんの解説を聞きながら宇宙の果てまで疑似旅行できたり、あるいは45mミリ波電波望遠鏡のすぐそばにある観測棟で研究員さんが実際に観測している様子を眺めたりできたものだが、コロナウイルスの影響で昨年の2月末以降はそれらの公開を中止しているらしい。そんなわけで、構内の屋外見学コースをごく少数のグループで散策するのはOKだが、それ以外は現状できないということだ。残念だが仕方がない。しかし、見学コースにはたくさんの説明看板が設置されているので、それをじっくり読んで歩くだけでも勉強になる。

 

それから、ホテルにチェックイン。今回お世話になるホテルは「八ヶ岳グレイスホテル」さん。

www.y-grace.com

毎晩、星空観賞会を実施しているということで選んだのだが、おそらくこの天候では今夜は星空を拝むことはできまい。しかし心配ご無用、もし実際の星空が鑑賞できなくても、屋内プラネタリウムによる鑑賞会は実施されるとのこと。受付で鑑賞会の申し込みを済ませ、あとはお部屋でのんびり過ごした。なるべく外食の機会を少なくしたかったので、夕食は近隣のコンビニのお弁当で済ませた。のんびり本を読んだり昼寝をしたり、ホテルの周囲をぶらぶら散策して過ごすうち、いよいよ本格的に雨が強く降り始めた。

星空観賞会の時刻にロビーに降りていくと、薄暗い広間に通され、充分な間隔を取って円になって座る。そしてホームプラネタリウム機器で天井に「今夜の野辺山の星空」を映し出すと、星ソムリエの資格を持つ星空案内人さんの解説によって、今夜(本来なら)見える星の位置、それぞれの星の特徴や星座の解説などが穏やかな口調で語られ、最後は太陽系を飛び出し、天の川銀河、さらに宇宙の果てまで一気に飛んでいく疑似宇宙ツアーで楽しませてくれた。野辺山名物の圧巻の星空が見られなかったのは残念だが、それでも参加して良かったな、と思える良い鑑賞会だった。息子も「面白かったね」と楽しそうにしていたし。雨音を聞きながら眠りにつく。

 

翌朝は、雲はまだ残っているものの気持ちよく晴れていた。朝早く目が覚めたのでひとっ風呂あびて、息子を起こし、昨日コンビニで買っておいたパンを食べたら、ホテルの敷地内にある「名前のない散歩道」の探検に出掛ける。これはホテルスタッフが作った手作りの散歩道だそうだ。

ホテルを出てすぐの細い小路に入り、枯葉やウッドチップを踏みしめながら雑木林の中を歩いていくと、朝の澄んだ空気の中に、ウグイスなどの鳥たちの囀りが響いている。散歩道の途中には手作りのブランコや枯枝を組んで作った休憩所などがある。

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散歩道には誰もいない。時たまに、小海線を走る電車の音がする以外は、鳥の囀りと小川のせせらぎ、そして私たちの足音しか聞こえない。散歩道は思いのほか広く、あちこちに分かれ道があって、息子が私の先に立って、笹の葉の茂る中を気の向くままにどんどん歩いて行く。以前は私の後ろをこわごわ歩いていたというのに、もう親の前を歩くようになったのだなぁ。私が遅れると、時おり息子は振り返って立ち止まり、私が追いつくのを見るとまた黙って先を行く。小川のせせらぐ音、笹の葉のカサカサ鳴る音、息子の足音、静寂を破るように、ウグイスが時おり高らかに歌う。

ホテル前に戻ってくると、そこには大きな石碑があった。

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このホテル横を通るJR小海線の線路が、全国のJRにおいて最も標高が高いらしい。

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石碑の横には「幸せの鐘」なるものも設置されていたので、鳴らしてみる。祈るのはもちろん、カープ優勝&日本一、である。

 

ホテルをチェックアウトしたら、再び清里へと戻る。こんにちは山梨県

「サンメドウズ清里」というスキー場に、標高1900mの絶景を楽しめる「清里テラス」という人気の観光スポットがあると以前から聞いてきたので、ぜひ行ってみたいと思っていたのだ。

www.sunmeadows.co.jp

GWは混むと聞いていたのでリフト運行開始時刻の15分前(8時45分)に着いたのだが、さほど混んでおらず、私たちの前には10組ほど並んでいるだけだった。しかしながら、係員さんからの「ただいま、リフト頂上は気温4℃、吹雪いておりまーす。防寒対策は万全にお願いいたしまーす」という声に、あわてて車のトランクからダウンコートを引っ張り出して着る。そういえば、この駐車場にもさっきからちらほらと氷の粒のようなものが舞っているなぁ。

9時になり、いざ、リフトに乗り込んで標高1900mへ。

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って、いきなり寒いィィィィ!顔面に細かい氷の粒がチリチリ当たって痛い、おお、さぶさぶさぶさぶ。

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リフト頂上からの眺めはこんな感じ。とても雄大な景色だが、全体に白く靄がかかっているのは、今まさに我々が雲の中にいるからなんだな。

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絶景を見下ろせる大型ソファにはカップルやファミリーが並んで座り(この写真は記念撮影用のものなので景色を背にしている)、カフェの下にも階段状のソファが並んでいる。寒いが、しかしせっかくここに来たのだもの、インスタ女子に大人気だというアレを食べておかねば心残りになる……ッ!

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天空パフェ~(*´ω`*)

すっごく映えるし、味もすっごく美味しい。このひとときだけはインスタ女子を気取って、お洒落なひとときを過ごしていたい。「お母さん寒い」うるさい、黙っとれ。

寒さに打ち勝ち、パフェを完食したら、すぐ上にある展望台へ。ここで吹雪はさらに強くなり、しばし展望室に避難する。山を吹き抜ける風がごうごうと鳴り、次から次へと雲を送り込んでくる。雲が砕けて氷の粒が飛ぶ。誰かの帽子も飛んでいく。

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風が穏やかになったところで、リフトを下る。

まだ10時半なので、もうちょっとどこか寄りたいなぁと思うものの、「お母さん、今回は寄り道しないんでしょ。目当ての場所は全部見たんだから、もう帰ろうよ」と息子が言う。うん、息子のほうが正しい。その約束で旅に出ようと決めたのだから。

というわけで、車を走らせ、1時間ほどでうちに着いた。八ヶ岳をくるっと半周、長野県と山梨県の県境を縫うような旅だった。こういう状況下でどんなもんかしらと思ったものの、トラブルにも見舞われず(天気は悪かったけど)、行く先々の施設の皆さんがとても細かい部分にまで配慮をして、大変な苦心をしながら営業していらっしゃることがよく分かった。一日も早く、何の心配もせず、楽しくお喋りをしながら旅ができたらいいんだけどな。その暁には、また遊びに来よう。どうもありがとう。いつの日か、また。