つれづれぶらぶら

ジャイアンツさんCS進出おめでとうございます。楽しかったけんええわ。

『映画大好きポンポさん』

ポンポさんが岡谷スカラ座に来ったぞー!

いやはや、待ってました待ってました。前評判が良くて、公開後のレビューをいくつか読んだらさらに興味を惹かれて、はてなブログでも特集を組まれてましたね、おおー、これは映画好きとしては観に行かねばの、と思ったものの、昨今の情勢を考えると、いつものように「ほんじゃ新宿行こ」と軽率に特急あずさに飛び乗るのも躊躇されたもんで、だから、ずっと、ずーーーーーっと、諏訪の地に、岡谷スカラ座に来てくれるのを首を長くして待っておりました。ついに、ついにッッ、ポンポさんが、来ったぞー!


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映画を観終わってからこの60秒ティザー観ると、これ、すごくいいな。ポンポさんとジーンとナタリーの3人にだけ焦点を絞ってあって、アランやマーティンなどの主要キャラについてはばっさりカットしてある。これ編集するの勇気いったろうな。私だったら映画の内容物をできる限り詰め込もうとして、全体的にボヤッとしたティザーになっちゃっただろう。でもこの3人の動きだけでこの映画が面白そうだってことは充分伝わってくるもんね。いやー、すごいもんだ、編集ってすごい。

 

既にご覧になった方も多いと思うんだけれども、まぁざっくり話すと、これは「映画作り」の物語。社会不適合だが映画への情熱だけは誰にも負けないジーンと、女優へのオーディションで落とされまくった田舎出のナタリーが、稀代の名プロデューサーであるポンポさんに導かれて、往年の名俳優や信頼できるスタッフたちとともに1本の映画を撮り、完成させる物語なわけです。

キャスティングにおける一瞬の閃き。撮影の中で生まれるさまざまなアイディア。自分の理想通りの画面が作れた時の興奮。そうやって撮り溜めた膨大な映像素材の中から、真に監督の意図を観客に伝えるものだけを選び出し、それ以外のものを勇気をもって削り落とす編集作業。そして、お金の問題。映画は多くの人々の情熱に支えられてようやく完成するものであるということが、この映画の中で語られていきます。

 

「映画」の映画なんだから、これは絶対に映画館で観なきゃいけないと思ったんですよね。これをスマホの小さい画面で観るというのはちょっと違うと思ってて、だからこそようやく地元の映画館に来てくれたのは本当に嬉しいのですよ。

で、その期待を裏切らない、本当に「映画らしい映画」だったのでした!

何かの授賞式のオープニングアクトと思われる華麗なミュージカルシーンから幕を開け、その所々に挟み込まれる意味ありげなインタビュー映像、ジーンが初めてナタリーを目撃する雨上がりのシーン、B級映画の撮影風景……と、目まぐるしいスピードで物語は展開していきますが、その疾走感がとても心地よい。無駄なシーンを0コンマ何秒の単位まで刻んだんだろうなぁ。前半パートは、とにかくこのテンポの速さが気持ち良かったです。

それに比べると、ジーンが追加撮影を要求し、アランが融資の獲得に一芝居打つ後半パートは、テンポという面ではやや遅くなります。こちらは、その大半が原作にない映画オリジナルのストーリーになるため(そもそも原作では撮影後すぐに授賞式のシーンに飛ぶので、編集や資金繰りの問題にはほとんど触れていない)、映画製作者側の「思い」、訴えたいことを丁寧に丹念に語っていたという印象です。

この後半の展開については、他の人のレビューを見ても賛否が分かれるところですが、でも、映画監督は自分自身を映画に投影させるものだという話ではないですか。だからきっと、平尾監督自身がジーンやアランを通じてどうしても訴えたいことなんでしょうね。それは尊重されるべきだと思います。

「編集」という、実際にはすごく地味で動きのない作業に対して、まるでアクション映画のように見せたのは、とても映画的で面白かったです。『バクマン。』の映画を思い出しました。あれも執筆という地味な作業をアクションで見せてましたね。

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銀行の会議のシーンは「ちょっと長くない?もっとテンポアップすればいいのに」と思っていたら、まさかのどんでん返しがあって驚きました。アランの作戦がまさに「今」ならではで、「なるほど、そう来たか!」とニヤリ。まー、ちょっと出来すぎな気もするけどね、……いっか!映画だし!

 

映画作りの裏側が見られるのも、この映画の楽しいところです。

例えば、30秒予告を作る際の観客の関心を掴む仕掛けとか、同じシーンでも素材をどのように繋ぐかによって印象がガラッと変わってしまうことを実際に見比べて見せることとか。勉強になるなぁ!これから先、ドラマや予告編を見るとき、カット割りとかが気になっちゃいそう!

また、この映画の感想としては、色彩がとても美しかったということを挙げておきたいです。水溜りのしぶきの光とか、スイスの広大な風景とか、ヴァーチャル世界で切断・接着されるフィルムたちの光の帯とか。こういう色遣いは最近のアニメやネットイラストなどによく見られる雰囲気ですね。ストーリーや音楽も含めて、とにかく「今」を強く感じました。

 

そういえば、音楽の点については、ちょっと心配していたんですけどね。

冒頭に挙げた60秒ティザーで使われている挿入歌が、どちらかといえば私の苦手なタイプで……最近のネット楽曲によくある、息が苦しい感じの歌い方っていうか、心拍数が高い感じの歌ですね、この手の歌は聴いていて息苦しくなっちゃうんだけどなぁ……と懸念しながらも映画を観ていたら、この映画の中で最も息が詰まる、最も心拍数が高いシーンに被せてあったので、ほとんど気にならなかった。ああ、ここで使うんだ、そりゃ納得だわ。うん、いいタイミングで被せてきた。これは効果的っすわ。

 

他にも語りたいことは色々あるんだけど、ま、まだ未見の方もいらっしゃいますでしょうし、レビューは他の方々も書いていらっしゃいますので、私からは以上です。あ、言い忘れてた、巨大タコに襲われるミスティアさんのおっぱいは良かったですね。画面いっぱいのお尻も眼福でしたわい。やっぱり映画は女の子が可愛く撮れてりゃそれでいいってなもんですね、ポンポさん!

 

あ、そうそう、もうひとつ思い出した。ナタリー役の声優さんが、うちの息子が毎週日曜の朝に観ている「ポケモンの家あつまる?」に出演している「りんかちゃん」だったことに、今、パンフレットを読んで気づいたとこ。いやー、どっかで聞いた声だなーとは思ってたんだ。納得納得。