新潮社のコミックサイト「くらげバンチ」でよく読んでいる『ミムムとシララ ~ドラゴンのちんちんを見に行こう~』のコミックス1巻が出たので、買いました。
サブタイトルがすごいけど、サブタイトルそのまんまの漫画です。
もともとは読み切りで発表されたものが、コミックスで第1話となっている「ドラゴンのちんちんを見に行こう」。発表時、あまりにも直球すぎるタイトルに、なんじゃこりゃと思って思わず読んでみたら、あまりにもそのまんまの内容で、オゥ……と衝撃を受けたのでした。
好評だったらしく、すぐに読み切りから連載に昇格。現在もくらげバンチにて、一話完結型の連載が続いております。連載昇格時についたタイトルが『ミムムとシララ』ってわけでね。さすがに「ちんちんを見に行こう」では色々と支障があったか(;^ω^)
えーと、あらすじ。って、もうサブタイトルで全部語ってるんだけどな。しょうがない、いつものようにカバー裏から引用させてもらおう。
魔法学校の優等生・ミムムとシララ。
ふたりは変身の授業でより好成績を獲得するため、変身対象の「すみずみまで」再現したいと考える。
ドラゴン、ユニコーン、インキュバス、クラーケン、悪魔、スライム…異世界には未知のちんちんが溢れている。
そうだ、彼らのちんちんを見に行こう!
(カバー裏より引用)
というわけで、魔法学校の女の子2人が、好奇心に突き動かされて、危険も顧みず、ひたすら魔物の「ちんちん」を見に行く、それだけのお話。それ以上でもそれ以下でもない、ただ本当にそれだけの物語。
森の中の樹木に残された傷跡からそれがドラゴンの自慰の跡であると見抜いたり、船を海底に引きずり込むほど強大なクラーケンのちんちんを見るために沈没船の中を捜索したり、悪魔のちんちんを知りたいがためにわざわざ召喚したりと、なぜ彼女たちはそこまで「ちんちん」に執着できるのか、召喚された悪魔も困惑するレベルでマジキチな2人。
ところが、この2人の目的は、あくまでも「見る」ことなので、それ以上のあれやこれやは全くない。ミムムがインキュバスの催淫(チャーム)の魔法を食らったり、シララが全身ちんちんの触手に捕まっちゃったりとかするけど、ええと、おっきいお友達が期待するような展開はこれっぽっちもございません。
何しろ、ミムムとシララは(変身の授業でより完璧な変身をしたいという)極めて純粋な知的好奇心だけで行動しているわけで、動物学者が研究対象を隅々まで調べ上げるのと同じような感覚で、危険な魔物を調査しているわけです。ドラゴンの男性器を見たものはいないとされていた、ならば私たちが見に行こう!という。
面白いんですよね。魔物の習性もリアリティがあって、「自慰行為をするドラゴンは繁殖期に番いを作れなかったクソ雑魚トカゲ」とか、「ガーゴイルの雌は繁殖期に雄に意地悪な課題を与える」とか、もちろん作り話(ファンタジー)なのは分かっているけれど、ついつい「へーそうなんだ」と納得してしまいそうになってしまう自分がいます。あと、スライムの繁殖期の森は私も見てみたい。無数のきらめくねじねじ。素敵。
コミックス版の描き下ろしは、植物「マンドレイク」のちんちんを見に行く話。変な形の大根とか、あんな感じなのかしら。
絵柄も個性的。洗練はされていないけれど、勢いがあって粗削りな描線が味があっていい感じです。ぜひ試し読みしてみてくださいな。