つれづれぶらぶら

5月の反射炉ビヤ行きますよー!酔い蛍グループの皆さんにまた会えるかな?

『フラ・フラダンス』

休暇をもらったので、映画を観てきた。もとい、今日封切の映画を観たかったので、休暇をもらった。国道20号を富士山に向かってひた走り、山梨県イオンモール甲府昭和にある「TOHOシネマズ甲府」まで行ってきた。この映画館に来るのは久しぶりだな、と思ったら、コロナ禍直前の昨年2月ぶりだったっていうねー。

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ところで、何の映画を観てきたのかといえば、『フラ・フラダンス』というアニメーション映画なのである。

hula-fulladance.com

って、したり顔で公式サイトなんてリンクしちゃってるけど、実はろくに事前情報も持たずに出かけたのである。分かっているのは「スパリゾートハワイアンズフラガールの話らしい」ことと、そして「主題歌をフィロソフィーのダンスが歌っている」ことだけ。こないだフィロのス知ったばかりの超にわかファンだが、最近もうめっちゃ気に入って聴いてて、映画館のあの素晴らしい音響設備の中で聴いたら素敵だろうなぁ、っていうのが主たる動機なのである。

あと、『フラガール』の映画(2006年)が好きだったから、というのもある。寂れかけた炭鉱町にハワイを作ろうという実話を基にした実写ドラマ。その舞台となるのが常磐ハワイアンセンター、すなわち現在のスパリゾートハワイアンズである。


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で、そんな状態で公開初日の初回上映のチケットを買って上映館へ。さすがは平日というべきか、えーっとね、お客さんは私を含めて3人だった(;´・ω・)

感染症対策としては心配なくてイイねという見方もできるけど、いやいや、アニプレックスさん、もうちょっと宣伝ばんばん打ったほうが良かったんじゃないのかね。

 

物語は、スパリゾートハワイアンズフラガールの卵として入社した5人の女の子たちの汗と涙と友情を描く、おしごと奮闘ストーリー。彼女たちは入社早々のお披露目ステージで散々な失態をしでかしてしまい、「今までで一番ざんねんな新人たち」と呼ばれる始末。個性もバラバラで時に衝突もするけれども、お互いに支え合って、少しずつ一人前のフラガールに成長していく――という、極めて王道の青春ドラマだ。

ま、あらすじを説明するより、トレーラー見てもらったほうが早いかな。


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この予告でだいたいの話の方向は見えると思う。本当に王道中の王道というか、変にひねってないので、予想外の結末になったりもせず、安心して観ていられる。

 

また、本作は東日本大震災から10年の節目のプロジェクト「ずっとおうえん。プロジェクト2011+10…」の一環として制作された背景を持つ。主人公の日羽はソロダンサーの姉を震災で亡くしたという過去を持ち、華やかに見えるスパリゾートハワイアンズの施設内にも震災の痕跡は残っていることが作中で語られる。それでも、みんなに笑顔を届けたい――という願いをこめて、フラガールたちは明るく踊り、従業員たちは閉館後の施設で懸命に明日のお客様を迎える準備を続けるのだ。そういった、リゾート施設の裏側で働く人々の姿を、この映画は丁寧に伝えてくれる。

そういう意味でも、この映画は『フラガール』の正統な続編と位置付けても問題ないんじゃないかと思う。常磐ハワイアンセンターを懸命に作り上げた炭鉱の人々の熱意が、幾多の困難――炭鉱事故、震災、風評被害――を乗り越えて、今に繋がっている。

乗り越えられるよ。

ここは、あの時、だれもが乗り越えたんだ。

(鈴懸涼太の台詞より)

 

ところで、予告の雰囲気から「なんだか『アイカツ!』っぽくね?」と思わなかっただろうか。ぶっちゃけ、『アイカツ!』の舞台をスパリゾートハワイアンズにしたらこうなるかなって感じではあった。なんでだろうと思ったら、キャラクターデザインが同じ人なのね。やぐちひろこさん。そんでもって総監督の水島精二さんも『アイカツ!』のスーパーバイザー、監督の綿田慎也さんも『劇場版アイカツスターズ!』を手がけていらっしゃるとのことで、まぁ、そうなるわなというか。ダンスシーンの3DCGを手がけたのもサンライズだそうで、うん、『アイカツ!』のノウハウが存分に生かされてるね。

そう思いながら観ていたら、映画の中にもアイドルグループが登場したので驚いた。あ、もちろんこちらはアイカツとは関係なく、この映画オリジナルのアイドルなんだけどね。でもロゴデザインとかにめっちゃ既視感ある…(;^ω^)


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ただ、ここで唐突にアイドルグループを登場させるのにはちゃんと意味があって、その理由は物語の終盤になって分かる。そちらは観てのお楽しみってことで。

 

印象に残ったのは、中盤の「いわき回廊美術館」のシーン。優しい夕焼けの中で、5人が友情を深めるダンスを踊る。それぞれの個性が緩やかに混ざり合って、しみじみとした美しい映像になっていたと思う。あと、そのシーンのイントロ部分に当たる「日羽の運転」のシーンを「ファイヤーダンス」とオーバーラップさせた演出は面白かった。スリリングで(;^_^A

あと、フラガールたちがひたすら可愛い。舞台用のお化粧をした顔が華やかでチャーミングで、チークのほんのりとしたピンク、口紅の艶やかさなど、思わず触れたくなる可愛らしさ。衣装もどれも可愛くてねぇ。この映画を観てフラガールに憧れる女の子もいるんじゃないかしらん。

 

余計なお世話ではあるんだけど、あえて気になった点も少々挙げておこうか。

主役を演じた福原遥ちゃんがすごく上手くて、そういえば遥ちゃんはデビュー当時からアニメ声優だったなということ(言わずもがな、『クッキンアイドルアイ!マイ!まいん!』の柊まいん役である)を思い出したのだが、そのせいで、相手役の鈴懸を演じたディーン・フジオカさんの声優としての演技力にちょっと物足りなさを感じてしまった。とりわけ、2人の掛け合いの台詞になると力量の差が歴然としてしまう。まぁ、フジオカさんは今回が声優初挑戦ということだから仕方ないかな。

脚本に関しては、吉田玲子さんだからそつなくまとめてるけど、ちょっと色々エピソードを盛り込み過ぎてるかなって気もした。どれも素敵なエピソードではあるんだけど、そこを少し整理して、主人公たちそれぞれの心の動きをもう少し掘り下げてほしかった気はする。環奈ちゃんの両親との確執とか、オハナの家族のこととか、しおんちゃんが笑顔を掴むまでの心の動きとか。蘭子ちゃんなんてダイエットしてることしか描かれてない、せっかく素敵なキャラクターなのに勿体ない。

重箱の隅をほじくるようなことを言えば、終盤で登場される「早坂先生」って、もしかしてカレイナニ早川先生のこと?フラガールの生みの親の?『フラガール』で松雪泰子さんが演じたモデルとなった日本のフラダンスの先駆者の?その先生に話しかけられている最中に、彼女たちが知り合いと長々お喋りしたり、あまつさえ先生そっちのけで人探しに駆け出したりするのは、さすがにナイわー。新入社員でしょ、君たち。それは大変に失礼なふるまい。これは脚本家の責任、お喋りを始める前に先生を退場させておけば済んだ話。細かいとこだけど、そういうのって意外と気になるもんよ。

あと、こんだけ劇中でスパリゾートハワイアンズの素晴らしさを紹介しているのだから、公式パンフレットにも施設の紹介ページ(広告)のページを割いたらいいのにと思った。だって、この映画を観終わったら、絶対に行きたくなるでしょう、スパリゾートハワイアンズ。あとアクアマリンふくしまにも。せめて交通アクセスだけでもさぁ、ちゃんと載せてあげてほしいなぁ。

 

と、まぁ、ごちゃごちゃ言いましたが、総評としては、とても気持ちの良い爽やかな青春映画でした。スパリゾートハワイアンズにめちゃくちゃ行きたくなるね。アクアマリンふくしまにも行きたいねって、ずっと息子と話してたんだよなぁ。

で、エンディングはお待ちかねのフィロソフィーのダンスの新曲「サンフラワー」!これめっちゃイイ曲!映画にすごく合ってる!明るくてパワフルな曲調と、映画の内容を反映した歌詞が素敵!

そんでもって、これを映画館のサラウンドスピーカーで聴いたら、ほんっと最高!やっぱ観に来て良かったー!やっぱり映画は映画館で観るのが一番ね!
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