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『殺意の道程』

息子の不調は自家中毒だと思っていたが、どうやらそうではないっぽい。

自家中毒なら1日放っときゃ治ると思っていたがなかなか体調が戻らないし、かかりつけ医に電話で尋ねたところ、13歳で自家中毒はあまり発症しないので別の病気を疑ったほうがいいのではないか、という助言を受けたので、諏訪中央病院で検査を受けてきた。その結果、とりあえず自家中毒ではないということははっきりしたのだが、明確な病名は提示されず、投薬治療して2週間後に再診しましょうということになった。レントゲンと尿検査の結果に異常数値は見られないということと、医師からストレスの有無をしきりに尋ねられたことと、処方された薬から見るに、おそらくは過敏性腸症候群だと診断されたのだと思う。リラックスして消化の良いものを食べて適度な運動をして過ごしていればそのうち治るし、症状が軽減すれば学校にも普通に通っていいという話なので、とりあえずは一安心。なんせ以前に川崎病を患ったことがあるもんで、また臓器に異常があったらどうしようとビビっていたのだ。

てなわけで、結局、今週は火曜日からずっと休んでいた。症状が強く出るのは朝夕で、昼間はめっちゃ元気なので、その間だけでも出勤しようかとも考えたけれど、もし両親が不在の間に何か起きたらと思うと不安だったので、私もずっとお休みをもらった。まぁ、上司から「急ぎの仕事は特にないよ、そばにいてあげなさい」と言ってもらえたので、今週は思い切って息子と一緒にいることを選択した。そもそもストレスが原因かもしんない病気だって話だし、たまにゃ安心してのんびりさせてやろう。中学生ってコドモだったりオトナだったり不安定な時期だもんな。

 

今月は、今まで見そびれていた映画やドラマの視聴月間って感じになっているけれども、こんな状況だもん、仕方ないよね。感染症も怖いしね。

息子がNetflixにない作品を観たいというので、久しぶりにレンタルビデオ屋に行ってビデオを借りてきた。ついでに色々と棚を覗いてみたら、ずっと観たかったやつがあったので、併せて借りてきた。

WOWOWオリジナルドラマ『殺意の道程』。全7話。


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バカリズム脚本、住田崇監督といえば『架空OL日記』のタッグである。実在しないOLのどうでもいい日常あるあるを、ひたすら重箱の隅をつつくような細かさで描写していくドラマ。

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この『殺意の道程』は、父親を自殺に追い込んだ人物を「完全犯罪」で殺害しようと企てる物語。公式サイトからあらすじを引用する。

ある日、小さな金属加工会社の社長・窪田貴樹(日野陽仁)が自ら命を絶った。貴樹は取引先の社長・室岡義之(鶴見辰吾)の口車に乗せられ、多額の負債を抱えてすべてを失い、絶望してビルの屋上から投身した。遺族たちの訴えもむなしく一切罪を問われずに、のうのうと裕福に暮らす室岡への復讐を心に誓う貴樹の息子・窪田一馬(井浦新)。一馬はいとこの吾妻満(バカリズム)とともに室岡殺害の完全犯罪を企てる。

WOWOW公式サイトより引用)

ここまで読むと、ものすごくシリアスでサスペンスフルなドラマに見える。ところが、これは第1話の前半部分で、1話の後半に突入すると、物語のテイストが思いがけない方向へと徐々にズレ始めていく。あらすじの続きはこれ。

しかし、人を殺すにも準備は必要。これまで一度も犯罪に手を染めたことのない2人は、一馬の親友・重盛隼人(河相我聞)や、重盛のなじみのキャバクラ嬢このは(堀田真由)、同じくキャバクラ嬢のゆずき(佐久間由衣)といった信頼する人々の協力を得て、悪戦苦闘しながら殺害方法を探っていく。「殺害計画の打ち合わせ」から「必要な物資の買い出し」、「殺害実行のシミュレーション」など。果たして、一馬と満は復讐を成し遂げられるのか。

WOWOW公式サイトより引用)

あいつを殺してやる!と決意したはいいものの、まず何から手をつけたらいいのか分かんない。ってことで、あーでもないこーでもないと言いながら、犯罪の素人(まぁ普通の人はそうですね)2人が、しばしば脱線しながらも殺害の準備に奮闘するという、こちらがドラマのメイン部分。バカリズム氏によると「普通のサスペンスドラマで省略されている部分を細かく描写したらどうなるだろう」というアイディアから生まれたとのことで、本当にクソどーでもいい重箱の隅っこの部分をひたすらやるドラマ。

このドラマの中でもその趣旨はさりげなく語られているのだった。張り込み中の一馬と満が「なんで刑事ドラマの張り込みシーンって途中でカットされちゃうんだろう、全部流せばいいのに」「それ観ててもつまんないからでしょ」という趣旨の会話があるんだけど、要するにこのドラマのやりたいことはその「つまんない」こと。張り込み中に食べたコンビニのチーズパンが超うまい、でも2個目から急速に飽きるね、とかそういうクソどーでもいい話を延々とやっているドラマ。ただ、このドラマにおいてはそれは「つまんない」ではなく「めちゃ笑える」に変換されていくのだが。

 

そもそも、サブタイトルの時点で、色々と間違っているのだ。

第1話 打ち合わせ
第2話 買い出し
第3話 本指名
第4話 張り込み
第5話 占い
第6話 最終確認
最終話 殺意の道程

「打ち合わせ」ったって「この殺害計画にプロジェクト名をつけよう」っていう打ち合わせだからね。最初に決めんのそれかい、というツッコミ待ち状態である。さらに、「本指名」と「占い」に至っては、もはや何がやりたいんだとしか言いようがない。どっからツッコんでいいのか分からないぐらいなのに、本人たちはひたすら大真面目。

 

一言で言い切ってしまうと、この作品もバカリズム氏の「コント」なんである。それを、井浦新さんがひたすら重々しく演じるというのが、このコントの肝となる部分。バカリズムさんだけだったらコントにしかならないんだろうけど、井浦さんのおかげで、軽妙さと重厚感の絶妙なバランスが保たれている。キャスティングの勝利。

 

「サスペンスコメディ」と銘打っていることから予想できると思うけど、復讐劇と言いつつも、決して暗い話にはならない。最終話が特に良い。ネタバレになるから話せないけど、ちゃんと復讐も遂げることができる。笑って、ドキドキして、気分爽快な、文字通りのサスペンスコメディとして成立している。

この連続ドラマを再編集した劇場版(実はそれを観に行こうとしていたんだけど緊急事態宣言にぶつかってしまって見逃してしまったのだよ)もあります。『架空OL日記』と併せて、是非どうぞ。重箱の隅をつつきたい人、必見ですよ。