つれづれぶらぶら

今日一日頑張ったら3連休!お楽しみを用意しているのでめっちゃワクワク。おしごとがんばろ。

やっぱり図書館が好きだ

長野県はようやく6日に蔓延防止等重点措置が終わりまして(とはいえまだ感染者も多い状態ですから警戒は必要なんですが)、これまで休館していた図書館がようやく再開しました。まぁ、前にも申し上げたとおり、休館中も「すわずらー」を通じて予約図書の貸し借りはできていたので、休館中もほぼ毎週のように図書館には出向いていたのですけどね。

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とはいっても、やっぱり検索システム上で本を選ぶとなると、どうしたって、過去に読んで面白かった本をもう一度借りるとか、とりあえずハズレがないだろうと思える作家の作品(村上春樹あたり)とか、そういった「安全牌」ばかりを選んでしまう傾向になってしまって、いや、それはそれでいいんだけど、でも、本棚の間をぶらぶら巡って、なんとなく目についた本を手に取ってみるという「冒険」は、やっぱり図書館ならではの醍醐味だったりするんですよね。

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そんなわけで、久しぶりに開館した富士見町図書館へ出かけてきました。現時点では、館内の滞在時間は30分以内、学習席、ミーティングルーム、視聴覚ブースやインターネットパソコンなどの利用はできず、雑誌や新聞の閲覧もできないという制限が設けられていますので、手早く本棚を回って、なんとなく良さげだと思ったらとりあえず借りてみる、という感じです。

息子は、休館中はひたすら『トリコ』を借りていましたが、それもほぼ全部読んでしまったらしく、次は何を借りようかな~と漫画のコーナーをうろうろしていて、『夏目友人帳』を借りることにしました。

夏目友人帳』は白泉社の月刊LaLaに連載中の少女漫画ですが、最近の若い世代は、男の子向け/女の子向けという垣根を飛び越えるのに、我々の世代よりも抵抗が少ないようですね。いい時代になったもんですホントに。『夏目友人帳』はアニメ化もされていて、私も機会があれば読んでみたいと思っていたので、息子が読み終えたら読ませてもらおうと思っています。

 

私は、図書館に入ると、とりあえず「新刊図書コーナー」と「特集コーナー」は真っ先に見に行きます。特集コーナーは、それぞれの図書館の司書さんたちが、そのジャンルの本に目を向けてもらうために色々な知恵と工夫を凝らしていて、可愛い飾りつけがあったり、本の内容を紹介する手書きのポップがあったり、本のチョイスが面白かったりして、とても楽しいです。

現在は、もっか諏訪地域の最大関心事であるところの「御柱祭」に関するテーマの本を集めたコーナーが大きく設けられていて、中世の諏訪信仰に関する論文から現代の御柱祭のガイドブックまで、さまざまな種類の本を並べていました。その中には「館内閲覧のみ可」となっているガリ版刷りのかなり古い郷土資料なんかもあったりして、時間に余裕があれば椅子を借りてゆっくり読んでみたかったところなんですが、こういう状況下なので今回は断念しました。今度読んでみよっと。

それから、「ウクライナ」に関する本を集めたコーナーもありました。ロシアとのこれまでの関係を解説する本や、ウクライナ国内の情勢に関する本、原発問題の本など色々陳列された中に、可愛らしい絵本が何冊か並んでいました。緊張感に満ちたコーナーの中で、そこだけはふんわりとした優しい雰囲気が漂っていました。

『てぶくろ』という絵本が2冊並んでいます。息子がひょいとやってきて、「これ知ってる、保育園で劇をやったから」と指を差します。

その絵本は、私にも見覚えがありました。おじいさんが森で落とした片方の手袋の中に、森の動物たちがどんどん入っていく可愛らしいお話です。しかし、これがウクライナの民話であったことを初めて知りました。

この絵本と並んでいた、もうひとつの『てぶくろ』の絵本。こちらは私は初めて目にしましたが、表紙に描かれた可愛い男の子の姿がとっても気に入りました。

こちらの絵本は、先のラチョフの絵本を元にして、それをアメリカの子供向け雑誌の編集者がリアレンジしたものだそうです。なので、手袋を落としたのはおじいさんではなくて小さな男の子ですし、物語の終わり方も少々違います。でも、こちらも原作に負けず劣らず可愛くて面白いです。小さな手袋の中に後から後からむりやり大きな動物が入ってこようとするたびに手袋の中がてんやわんやの大騒ぎになるのが楽しく、息子が幼い頃に読み聞かせをしてやったならどんなにウケただろう、と思うと頬が緩みます。

こういう物語を、政治的な比喩として難しく読み解くこともできるのでしょうが、私はそんな無粋なことはしたくありません。楽しい物語は楽しい物語のままに、余計な色をつけずに、世界中の子供たちに届けてあげたいと願っています。今こうしている間にも、どこかで震えて泣いている子供たちに向かって、小さな声でこっそりとこの物語を読んであげている人がいるかもしれない。どんどん大きくなっていく手袋の愉快な光景に、一瞬でも笑顔を取り戻す子供がいるかもしれない。世界がどんなに混沌としていようとも、せめて絵本の世界は無垢なままでいてほしい、と心から願います。

 

30分という短い時間であっても、いや、だからこそというべきか、「どの本が私を呼んでいるのか」と強い集中力であちこちの本棚をぐるぐる歩いていると、やっぱり面白そうな本がいくつか目に飛び込んできますね。まだ読んでいませんが、今日、私を呼んでいたのは『終わっている臓器』という人体解剖学の教授がお書きになった本でした。

盲腸、親知らず、男の乳首などなど、人体の中に潜む「不要な臓器」について分かりやすく解説してくれる楽しい本のようです。これから読もうっと。楽しみ~。