つれづれぶらぶら

たびにでてます。

大雑把な人間がスフレパンケーキを作るよ

中学校の図書室にはお料理の本も置いてあるようで、こないだ息子がスフレパンケーキのレシピ本を借りて帰ってきた。

「これめっちゃ美味しそ~!今度こういうの作ってみてよ」

と指差したページには、ホワイトチョコレートのソースをかけたパンケーキの写真が掲載されていた。確かに美味しそう。しかしレシピは、バターやらベーキングパウダーやらを使う本格的なやつで、そんなん、面倒くさがりのこの母が作るわけないやん。

昔からお菓子作りは苦手なのだ。なにせお菓子はレシピを厳格に守って作らねばならぬ。既定の分量よりも砂糖がちょっと少なかったり牛乳が多かったり、あるいはオーブンの予熱の時間を間違えただけで、出来上がりはまるっきり別のものになってしまうことも少なくない。子供の頃、姉とマシュマロを作ってみたことがあるが、完成したものは半透明のぶにゅぶにゅのゼラチンの塊であった。お菓子作りって難しいなぁ、と悲しい気持ちでその不細工なグミをぐにゅぐにゅ噛んだ記憶がある。

お菓子作りに向いているのは几帳面な性格の人である。例えば、『きのう何食べた?』に登場するタブチくんの彼女(逸見千波)は、料理の手際はものすごくいいのに、味付けが微妙に美味しくない。味見をしながら即興で味を整えるのが苦手なのだ。彼女は料理が下手なことにずっとコンプレックスを抱いていたが、ケンジのアドバイスを受けてお菓子を作ってみたら、几帳面な性格が功を奏して、とても美味しく出来上がった。以来、千波ちゃんはお菓子作りには自信を持つようになったのだ。

で、私はというとタブチくん側の人間である。計量スプーンは一応キッチンに常備してあるものの、使った形跡がほとんどない。オーブンレンジはあるがオーブンとして使ったのは過去にも数回程度しかない。クックパッドも『しにゃごはんブログ』もよく使わせていただいているが、分量は大雑把にしか確認しない。「大匙3」と書いてあれば「ダーッ」、「小匙1.5」なら「ちょろちょろ、ちょ」というイメージで覚え、さらに調理中に気が変わったら食材や調味料を平気で違うものに変えてしまう。ああ?バルサミコ酢?んなもんあるかいな、酢と中濃ソース混ぜたったらええやろ、あーでも気が変わった、いいや、めんつゆで仕上げちゃえ。結果、参考にしていたはずのレシピとは似ても似つかないものが錬成されてしまったりする。雑な人間が台所を預かるとこうなる。

さて、スフレパンケーキだ。

めんどくさい。

しかし、息子の期待には応えたい。かくなるうえは、ホットケーキミックスさんのお力添えをいただくしかあるまい。へぇぇ、ホットケーキミックスって日本で誕生したんだね、昭和6年(1931年)。ありがたやありがたや。

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卵2個を白身と黄身に分けて、黄身と牛乳100㏄とサラダ油少々をよく混ぜ、そこにホットケーキミックスを加えてさらによく混ぜる。白身には砂糖を少しずつ加えながらハンドミキサーで角が立つまでしっかり泡立てる。出来たメレンゲを黄身のほうのボウルに少しずつ加えて、泡をつぶさないよう切るように混ぜる。

さてさて、いつものホットケーキなら普通にフライパンに丸く広げて焼くところだけど、せっかくのスフレパンケーキだ、見た目にもちょっとこだわりたいじゃないの。レシピ本に載っていたような、背の高いふんわりケーキを作ってみたい。あれは専用の型(セルクル)が必要だということは知っているが、牛乳パックでセルクルを代用できるって聞いたことがある。よし。そこにあった空の牛乳パックを手に取り、適当にハサミでジャキジャキ切る。高さはどんぐらいがいいのか分かんなかったからテキトーに……きっと高いほうがいいんだよね、んじゃこんぐらいかな(8㎝ぐらい)。物差しなんて使わないから切り目もガタガタ。オッケーオッケー。内外をしっかり洗って、手でぐいぐいっと広げてなんとなーく丸い感じになったら、そのまんまフライパンにドンッと置いて、ホットケーキの生地を流し込んでいく。どぼどぼどぼ。途中で、あれ、8㎝って思った以上に分厚くなっちゃうぞ、大丈夫か私、と嫌な予感がしたけれど、もう今さら引き返せない。牛乳パックの切り口がいびつなせいで、底から生地がびろびろ溢れ出しているが、どうすることもできない。ええい、やっちゃえ!

フライパンを火にかけ、水を少し入れて蓋をして蒸し焼きにする。火力は極弱火。これでしばらく放っておく。底が固まったらひっくり返す。まだ内部にまで火が入っていないらしく、牛乳パックの側面を持つとぼよんぼよん震える。やっぱり8㎝は無茶だったんだなー、4㎝厚を2セット作って、食べるときに2枚重ねればよかったんじゃん、と気づくが後悔は先に立たぬもの。仕方がないので気長に待つ。水気がなくなったらまた水を足し、時たま箸を刺して様子を見る。

あ、そうだ。ホワイトチョコレートはどうすりゃいいんだっけ?

レシピ本にはチョコレートを溶かして何かのソースを作っていたけど、ホワイトチョコって扱いが難しくて、溶かしたら味が格段に落ちてしまうんだよねぇ(これも過去に姉貴と挑戦して失敗した)。めんどくさいなぁ。

お、じゃあフォンダンショコラっぽくしたらいいんじゃね?パンケーキにフォークを入れたら、中からとろっとチョコレートが溢れ出す。やだ素敵じゃない。そうしよそうしよ。割った板チョコをそのまんま、まだドロドロのパンケーキの中心部分に向かってズブッと差し込む。これでええやん!オッケーオッケー。

そしてまた長い時間が経過する。ようやく箸に生地がついてこなくなったので、蓋を開けて余分な水気を飛ばし、よーっし完成。

生地ははみ出してるし、チョコやら箸やら突っ込みまくったせいで裏面は見るに堪えないが、粗熱を取ってから牛乳パックをびりびり破いて外して皿に盛ると、おお?予想よりいい感じ?

見た目は喫茶店のスフレパンケーキっぽいじゃないの。これにジャムやらホイップクリームやらを添えたら見映えもよくなるんだろうけど、もうめんどい。いただきます。

肝心のお味はね、まぁ悪くはなかったんだけど、熱している間にホワイトチョコレートは完全に溶けて生地と一体化してしまったようで、フォンダンショコラにはならなかった。ほのかにカカオバターの香りがするかなってぐらい。喫茶店で食べるスフレパンケーキに比べると舌触りが粗く、ちょっとボソボソした感じになってしまった。生地にサラダ油かバターをもうちょっと足しておくべきだったかなぁ。

でもまぁ、いいや。とりあえずは出来た。息子もまた食べてみたいと言ってくれたので、母の面目は保たれたと思っていいだろう。オッケーオッケー。大雑把な人間が作る菓子なんてこんなもんじゃい。

 

***

 

ついでだから、最近の料理の備忘録をあげておこう。

いよいよ夏が近くなって、スーパーの店頭にも夏野菜が出回るようになってきた。夏野菜の定番といえば、ゴーヤーよね。

ゴーヤーチャンプルーは数少ない私の得意料理。大雑把に作ってもだいたい美味しくできる。ニンニクチューブと花かつおをたっぷり入れるのが私のレシピ。

ちなみに、ゴーヤーの内側のワタは、種を取り除いてから完熟トマトと一緒に煮込んで、中華だしと市販のキムチを足してスープにした。酸っぱくてかすかにほろ苦い夏のスープ。

 

高原野菜といえばセロリ。茅野市の隣の原村はセロリの名産地。そういえば、なぜか原村の人たちはセロリのことを「セルリー」と呼ぶんだよなぁ。葉っぱのついた太いセルリーが2本で180円だったので買ってきた。しかし息子はセロリが苦手ときた。

そういえば『何食べ』に牛肉とセロリのオイスターソース炒めのレシピがあったな、と思い出して作ってみた。めっちゃ簡単で美味しかった。

もう1本のほうは、葉ごと刻んできんぴらに。ごま油で炒めて、みりんと砂糖と醤油でササッと味付け。ほろ苦さと独特の香味が、ご飯によく合う。

 

今じゃ珍しくなくなったズッキーニ。何にでも使えるので冷蔵庫にあるととても便利。夕食を作り終わって、あれ、でも何か1品足りない気がするっていうときは、ズッキーニを適当な厚さにタンタンタンと切って、オーブントースターにアルミホイルを敷いてその上に並べ、オリーブオイルと塩コショウを上からちょろっとかけて、チーズをどっさり被せたら、あとはトースターにお任せじゃい。

火を通したズッキーニはじゅわっとジューシーで、チーズの塩気とよく合う。ご飯のおかずというよりは、ビールのアテによろしいんちゃいますか。簡単手抜き料理のくせに、我が家では取り合いになるぐらいの人気メニュー。

 

この「とりあえずチーズかけとけ」は私がよくやる手。こないだは大根とベーコンをアヒージョっぽくニンニクとオリーブオイルで炒め煮にしてみたんだけど、なんとなく仕上がりの味がぼんやりしていたので、ええい、こんなときはチーズじゃ!と皿の上にドサッとかけてレンチンして食卓に出した。

チーズはたいていなんとかしてくれる。ありがたやありがたや。

 

ピーマンも冷蔵庫に常備しときたい野菜よね。これはいわゆる無限ピーマンってやつ。

ツナ缶は缶の後始末が面倒だからあんまり買わなかったんだけど、最近、近所のスーパーでツナのレトルトパックが売られていることに気付いて、買い置きするようになった。ツナもあると便利よねー。

 

まぁ、全体的に見ていただけると一目瞭然なんだが、雑な人間が台所を預かるとこんな感じだ。それでもなんとか15年も兼業主婦やってきてるもんね、なんとかなるなる。オッケーオッケー。