つれづれぶらぶら

5月の反射炉ビヤ行きますよー!酔い蛍グループの皆さんにまた会えるかな?

『野球部に花束を』

こないだ『メタモルフォーゼの縁側』の映画を観に行った時に、開始前に『野球部に花束を』っていう映画の予告編が流れたんですね。ふーん、野球部もののコメディ映画か、とぼんやり眺めていたら、その途中で流れてきた音楽が……、

電気グルーヴの新曲キタァァァァァΣ(*゚д゚ノ)ノァァァァァ!!

キタキタキタキタ!!キタコレキタコレ!!としばし興奮状態で、座席から腰がぴょんぴょん浮いてましたよ(後ろの席の人ごめんね)。


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まぁそんなわけで、電気グルーヴの新曲を聴きに行こうという動機で、映画自体にはあんまり期待しないで観てきたわけなんですが、予想していたよりも面白かったですよ。

キャッチフレーズは【時代逆行型・野球部エンタメ】。このコンプライアンス厳しい令和の時代において、あえて前時代的な不条理スパルタものをやる、というこの冒険心。

映画の内容は、先ほど見ていただいたトレイラーで全部語っちゃっている感じなので、もはやネタバレもクソもない感じなんですが、仮入部の時までは優しかった2年生の先輩たちが本入部になった瞬間に鬼神のごとく豹変する、監督がわけのわからない根性論で無茶なことを要求してくる、1年生は奴隷の如くこき使われる、などの「野球部あるある」をふんだんに盛り込んだ映画です。

ただ、その不条理さに対するスタンスがちょうどいいんですよね。それらの「あるある」の「ありえなさ」に呆れ、その滑稽さを笑いものにしつつも、でも、その中でがむしゃらにやっている生徒や監督を否定はしていない。礼賛はしないが、批判もしない。これはこれとして青春の1ページだというスタンス。

ドラマチックなことはほとんど起こりません。「双子の弟が死んで兄貴が甲子園に出る」とか、「補欠の少年がキャプテンに選ばれて仲間と一緒に努力しながら成長していく」とか、「プロ野球選手の息子がメジャーリーガーを目指す」とかの、いわゆる、「この夏、日本中が涙する……!」みたいな展開はほぼほぼないです。この本予告の前半部分は詐欺です(断言)。


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強豪校でも弱小校でもない中途半端な公立高校の野球部で、地区予選のくじの運が良ければ3回戦ぐらいまでは行けるけど、強豪校に当たったら委縮してコールド負けしてしまう程度のレベル。監督や先輩の横暴に根負けしそうになりながらも必死で頑張っているけれども、3年間やってても日の目を見るかどうかは極めて怪しい、そんな彼らの日常のドタバタを描くコメディ。

奴隷のようにこき使われて不平不満を言っている1年生たちが、1年経つ頃にはしっかり野球部に染まっていくあたりが楽しい。序盤のシナリオがほぼそのまんま後半でもう一度繰り返されるあたり、思わず苦笑してしまいます。

 

それにしても、日本の野球部って特殊な組織だよね。令和の今はまだ多少は緩和されたんだろうけど、昭和の頃はホントにわけのわからないルールがいっぱいあったらしいですもんね。黒田博樹ヤンキースにいたときに、ニューヨーク・タイムスが黒田の高校時代の悲惨なエピソードの数々を聞いて「拷問か?」とドン引きしてたらしいですもんね。マエケン前田智徳も高校時代の思い出をたくさん語っているけど、内容がわけわからなすぎて引く。なんで一昔前の野球部って水を飲ませてくんなかったんだろうねぇ。


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映画の話に戻ると、監督役の高嶋政宏さんのぶちギレ演技が面白かったですね。ぶちギレる前に謎の「泳がせ」があるのとか、説教しながら体重をぐいぐいかけてくるのとか、恐怖の壁ドンとか、キックボードに乗って登場するのとか。見た瞬間に「こいつヤバいヤツ」っていうオーラをぷんぷん出していて、普段マジメな役柄が多い印象だったのが、いい意味で裏切られました。

部員で言うと、亀井くんがええ味出してましたね。デブでどう見てもおっさんぽいのに、俊足で彼女持ち。1年生の頃はおどおどしていたのに、2年生になった途端に……などなど、色んな意味で予想を覆すタイプのキャラ。ちなみに演じている駒木根さんは40歳なのに、なぜか高校1年生に見えてしまうんですよね。

 

そんでもって、映画の最後に流れる電気グルーヴの新曲『HOMEBASE』は、もうめっちゃ電気グルーヴっぽい、面白かっこいいナンバーでした!ウグイス嬢のアナウンスを用いたり、金属バットなどの音が盛り込まれていたり。瀧さん自身が元・高校球児だったからか、ありそうでなさそうな不思議な歌詞も面白いです!早くPV出ないかなぁ。めっちゃ楽しみ。わくわく。