つれづれぶらぶら

5月の反射炉ビヤ行きますよー!酔い蛍グループの皆さんにまた会えるかな?

鰻のタレと定宿と雨の黒部

2022年、これで3度目の「コロナ禍の夏休み」。過去2年のように行動に制約をつけられることはなくなったが、そうは言っても現在、過去最大の感染拡大中ゆえ、広島への帰省はもちろん、都市部との行き来も少し怖いところ。

となると、過去2年と同様に、近場でのんびり過ごすしかない。旦那とあれこれ検討してみたが、最終的には、過去2年間に行ったところへ再訪すりゃいいじゃん、となった。すなわち、大町市である。茅野から1時間半ほどで行ける近場リゾート。アクティビティの選択肢が多いのが嬉しい。

しかも、過去3度宿泊している「カナディアンビレッジ モントリオール」がとても使いやすくて気に入っている。広くて清潔感のあるコテージ。川沿いの東屋でBBQや手持ち花火もできる。大町温泉郷黒部ダム木崎湖などの観光地にも近い。大町市街地にも近いので買い物にも不自由しない。調理道具や食器などの備品類も揃っているので手ぶらで行っても大丈夫。BBQセットのレンタルもあるよ(有料)。

では大町市で何をしようか。鹿島槍ガーデンで魚釣りがしたいな。木崎湖でまたSUPもしてみたい。でもどうやら天気が悪そうだよ。うーむ。じゃあ、天気が良ければSUPで、雨が降ったら黒部ダムに行こう。けってーい。

 

というわけで、昨日(16日)の朝8時に車を出して、諏訪ICから安曇野ICまで高速で、そこからは下道で北上し、2年ぶりの鹿島槍ガーデンへと向かう。

sister-akiho.hatenablog.com

ブログを書いていると便利なもので、読み返すことで、以前どういうことがあったかを楽に思い出すことができる。そうそう、前回はでっかい魚が3匹も釣れて、3匹目を食べる頃にはちょっと飽きてたんだった。「調味料を持ってくれば良かったね」という会話をしていたことも思い出したので、今回は小さなバッグに各種の調味料を入れて持ってきてあるのだ。旅も進化する。えっへん。

10時ちょうどに鹿島槍ガーデンに到着。竹竿を借りて規定池へ。

前回ボウズだった私は、今回は幸先よく初っ端に2匹連続で釣り上げることができた。その後、息子に1匹、旦那に1匹と、計4匹連れたところで終了。

魚網をBBQ場に持っていき、下ごしらえをしてもらって、買い取る。小さめの魚3匹は串焼きにして、大きめの魚は切り身にしてもらった。

これを、自宅から持参した各種の調味料で食べ比べてみる。ハーブソルト、レモスコ、塩にんにくタレなど試してみたが、一番美味しかったのは、鰻のタレ+山椒の粉だった(ナスのかば焼きを作ったときの残り)。川魚の臭みが消えて、ほどよい甘さとコクでじゃんじゃん箸が進む。こりゃええわい。そんなこんなで、今回は飽きることなく4匹の魚をペロッと食べることができた。うふふ大満足。

 

鹿島槍ガーデンを出たのは11時半。まだモントリオールのチェックイン(15時)までには時間がある。空模様はかなり怪しい。さて、何をしよう。

そこで、大町市の北、白馬方面へと車を走らせた。白馬と言えば1998年の長野オリンピックのスキージャンプ競技の開催地として有名である。その白馬に、登山・アウトドア用品のメーカーであるスノーピークが、一昨年、複合型の店舗を作ったというニュースを見ていて、前々から気になっていたのだ。それが「Snow Peak LAND STATION HAKUBA」である。

www.snowpeak.co.jp

世界的な建築家・隈研吾氏のデザインした建物がとても美しい。建物内にはスノーピークのショップがあり、レストランとスターバックス・カフェが併設されている。また、敷地内にはコテージやテントで宿泊することのできるエリアもあるそうだ。

広い庭にはスノーピークのテントやタープ、椅子などが置いてあり、自由に使える。座り心地の良い椅子に腰かけて、ぐるりと周囲を見渡すと、ああ、あれに見えるはジャンプ台ではないか。

とか考えていると、いよいよ雨が降り始めた。天気が良ければジャンプ台のほうにも行ってみたかったが仕方ない。白馬を後にして南下し、ちょっと遠回りをして池田町のツルヤ(ショッピングセンター)へ行き、今夜のBBQのための肉や酒などを買い込む。

ツルヤの入口近くにあった丸山菓子舗のケーキのショーケースに、めちゃめちゃ可愛いカエル型のケーキがあったのに一目惚れして、迷わず購入。「バムとケロ」シリーズの絵本に出てくるケロちゃんに似てる。中身はバニラのムースに青リンゴのジュレ。甘さは控えめで食べやすく、爽やかな夏らしいデザートだった。

大町市に戻るとちょうど15時。モントリオールにチェックイン。もう何度も泊っているので、チェックインの諸手続きも手早く終わった。あらかじめ予約しておいたBBQコンロ等は既にコテージ裏にある東屋に運んであって、夕方まで特にすることもない。息子と2人で近くの大町温泉郷の「薬師の湯」へ行き、サウナなどでのんびり過ごした。その間にも、雨脚はどんどん強くなり、露天風呂の水面にたくさんの水の輪ができていく。

雨が少し穏やかになったところでモントリオールに戻り、東屋の中でBBQ。黒毛和牛めっちゃ旨ぇ。ビールはお気に入りの「水曜日のネコ」。旨ぇ。

食事を済ませてしまうと、もうやることがない。テレビも特に観たいものがないので早々と寝る。ああ、DAISOのカードゲームでも持ってくりゃよかったな。次回はそうしよう。

 

***

 

翌朝は6時に起床。外はやはり雨。やみそうもない。一応、水着の類も用意してあったけど、SUPは諦めよう。

となると、B案の黒部ダムだ。黒部ダムには一昨年の9月のシルバーウィークに訪れたが、なにしろ早朝からものすごい混雑ぶりで、駐車場と電気バスのチケット購入にたいへん苦労したことを覚えている。今回はどうだろう。

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昨日のチェックインの際に、モントリオールのスタッフさんに相談していたのだが、お盆も過ぎていて、平日で、天候も良くないことから、混雑はしないと思う、ただ、まだ夏休み期間中だから登山客の動向はちょっと読めない、不安なら朝7時ぐらいに着くようにしておくのが安全じゃないかなぁ、というアドバイスを貰っていた。そんなわけで、6時半に宿を後にして、扇沢駅へ向かう。

果たして、扇沢駅は――2020年の9月22日には早朝の5時半には既に100名以上の登山客でひしめき合っていたあの場所は――どうだったかというと、めっちゃ空いてた。並ぶことなくチケット売り場で黒部ダム行きの電気バスの往復チケットを買い、出発ロビーに上がってみても、そこは、がらーんとしていた。

そうは言っても始発の7時半のバスが出る頃には、それなりに観光客が集まってきていたんだけど、やっぱり天気が悪いせいか、登山姿の客は少なく、我々と同じような軽装の親子連れなどが多かった。

黒部ダムに上がってみると、そこは霧に包まれていた。

山々の稜線も、放水の水しぶきも、湖の色も、霧に包まれて、まるで水墨画のようにぼんやりと霞んでいる。

新展望広場の特設会場で、くろよん建設の記録映画を観る。前回は人の頭越しにしか観られなかったが、今回は座ってじっくり鑑賞できた。ダム建設の苦労――たくさんの男女が資材を背負って徒歩で運んだこと、断崖絶壁を歩きながら測量などの作業を行ったこと、そしてあの大町トンネルの大破砕帯との格闘の日々――などなど、気が遠くなるほどの過酷な建設であったことを、あらためて思い知る。今は便利な測量機器や、ドローンなどの無人機、膨大なデータを一瞬で解析できるコンピューターなどがあるが、その時代は職人の経験と勘、膨大な人力に頼るほかなかった。あらためて、よくもまぁ、これほどまでの大工事を成し遂げられたものだと深く感心したのだった。


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多くの犠牲もあった。それを忘れてはならない。

湖のほとりを散策する。

雨はやむどころかどんどん強くなり、風も吹き始めた。寒いので適当なところで切り上げて、レストハウスへ戻り、レストランの営業開始を待つ。

10時、ようやくレストランが開いた。もちろん私のお目当ては名物のグリーンカレー。ピリッと辛いが、コクがあって旨い。カツもサクサク。あっという間に完食してしまった。美味しかったぁ。

食事を済ませ、10時半のバスで扇沢駅へ降り、茅野に帰った(着いたのは13時半)。

天候が悪かったのが残念ではあったけれども、今年の夏も親子で楽しむ経験ができた。来年は息子も受験生だし、コロナ禍もどうなっているやら分からないけれど、またいつか、こんなふうに楽しく過ごせたらいいな――と思っている。