つれづれぶらぶら

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。プロ野球12球団のファンの皆さまへ。

もしかしたら既に「ホムペ管理人」という概念は消滅したのか

ここんとこ、はてなブログさんはあれこれと新しいサービスを提供なさっておられますな。こないだ「おとなり日記」を始められたと思ったら、今度は「グループ」とな。

グループは「共通の話題について書いているブログ同士が集まって交流できるコミュニティ」とのことだが、私のようなインターネット老人会の人間からすると、ついつい「懐かしの【同盟】……みたいなものかのぅ……」などと、古の言葉に翻訳してしまいたくなる。

【同盟】って。うひゃ、懐かしい。あの頃、そこのアナタも参加してたでしょ、【同盟】。ちっこいバナーを「Myホームページ」の下のほうにずらずらたくさん並べてたりさぁ、ねぇ、してたでしょぉ、ねぇ?イラストを描く人だったら「オリキャラ大好き同盟」とか「うちの子自由にお描きください同盟」とかさぁ。ああ、書いてるだけで懐かしくて変な汗が出るわ。そんでだいたいその隣に「毒吐きネットマナー」のバナーが貼ってあるんだよね、ふふふふふふふ(;^ω^)

 

それはさておき、はてなさんの「グループ」ですよ。まぁ、私もはてな村の端っこのほうに住まう者として、とりあえず試してみようと思い、公式グループの「邦画」と「読書」と「野球」に参加してみた。

邦画レビューの記事とかはよく読ませてもらってるんですよ。なんぼテレビで派手に宣伝を打っていても、実際に幕が開いてみるとなんじゃこりゃあってことがあるでしょう。そういうのは実際に観てきた人の意見が一番参考になるしね。ブログの書き手の好みによって評価が分かれるとはいっても、何人かのレビューを重ね合わせるとだいたいの傾向は分かるもんだし。そういうレビューの相見積もりみたいな作業に便利かなと思いましてね、グループ。

しかしながら、はたして使い勝手が良いのか否かは、今のところは未知数ですな。どのようなサービスであっても、だいたい最初のうちは混乱が生じるもので、そこを上手く乗り切れないサービスは急速に衰退の途を辿ることになる。端的に言えば、サービスの本来の趣旨を無視して活動する参加者が増えると、単純に「荒れる」。昔で言うと、チャットや掲示板の「荒らし(嵐)」とか。2ちゃんねるみたいにメンタルつよつよの連中が集まってる場所ならいいが、個人サイトでやられるとけっこう対処するのに骨が折れる。うまく対処しないと常連まで巻き込んで場の雰囲気を荒らされてしまう。

コミュニティ(同盟など)の場合は、ただ単に閲覧数を稼ぎたいだけの、コミュニティのテーマに沿っていない参加者(広告目的とか)が乱入してくると面倒だ。そういった手合いは他の参加者に無差別攻撃のように絡んでいく。「こんにちは!はじめまして!」と来られると、つい「どうぞよろしく」と返してしまうものだが、その後は延々と違う話を一方的にまくし立てられたりして、もう面倒なことこの上ない。相手にしないのが一番なんだが、去ってくれるまでずーっと待つのもしんどい。他のメンバーと遊びたいのになぁ、あいつまだ居座ってるよ、とイライラさせられてしまったりする。

そんなわけで、とりあえず参加はしてみたけれども、今後どうするかは成り行き次第。そもそもオンラインでもオフラインでも人付き合いはあんまり積極的にしないほうなんで、面倒になったらすぐに抜けるかもしんない。どうなることやら。

 

そんでね、ここ数ヶ月、ちょっとモヤってることがあるんだけどね。

うちの会社にも、そういうネット掲示板っていうか、よろず交流スレッドみたいなサービスが、半年前ぐらいにようやく出来たんですよ。以前は営業所同士の交流イベントみたいなのがちょこちょこあって、そういうイベントを通じて他の営業所の社員と仲良くなったりできてたんだけど、コロナ禍でそういうのがいっぺんになくなっちゃったもんだから、本社のほうで何か代替措置みたいなことをしなきゃって考えたんでしょうね。

私としては、ずっと昔から、うちの会社はどうしてネット上の交流の場を設けるのに消極的なのかなぁ(昭和体質なんすよね)って思ってたもんだから、そりゃ喜びましたよね。ようやく重い腰を上げてくれたか!じゃあさっそく賑わせねば!と、最初のスレッドを立てましたよ。もちろん文章は練って、あんまり重くなり過ぎないように配慮して、私はこれこれこんな感じの人間ですよ、皆さんよろしくね、同好の士がいらっしゃったら仲良くしましょう、って初心な感じで書き込みましたよ。書き上げた後も、おばさん構文になっていないか、無意識でハラスメント発言をしていないか、しっかりと確認してから送信ボタンを押しましたよ。こんな雑な性格の私ですが、TPOに合わせて文体を使い分けるぐらいの常識はありますよ、ええ。

そんで、スレッドを立ててみたはいいものの、まーーーーーーったく反応がない。びっくりするぐらい反応がない。もしかして私ひとりだけネット環境が違うんだろうかというぐらい、本当に何の反応もない。

うっそでしょう。え、これ、本社が作った新サービスだよね?それなりに費用も投入して、ちゃんと上層部の決裁も受けて開設したサービスだよね?え、なんでなんで?

スレッドの内容が良くなかったのか。あるいは単に私が嫌われているとかさ。まぁ、それはあるかもしれん。だけど、それなら別のスレッドが立つはずだ。それなら、その賑わっている別のスレッドに対して、自分のスレッドのどこが悪かったのか検証することもできる。それはそれで自分にとっては有益なことだと思うのに、いつまで経ってもスレッドは「1件」のまま。私の、無邪気を装った白々しい書き込みが、まるで河原の晒し首のように、いつまでも晒し上げられたまま放置されている。消そうにも管理者権限がないから消すに消せない。か、悲しい……。

 

そんで、ようやく気づいたのだ。

もしかして、本社の連中は、インターネットの交流サービスというものは、その「場」を提供しさえすれば、後は勝手に盛り上がってくれるもんだと、そう思ってるんじゃないのか?

もし、そうだとすれば、考えが甘い。甘すぎる。あまあまのあまおう1粒1500円である。インターネットの交流ってもんを舐めてんじゃないよ。

何の手入れもしないで、ただ種をまいただけで大きく美味しく育つ野菜があるなら持って来いというのだ。土を耕し、肥料を混ぜ込んでならし、水と日光を適切に与え、病害虫獣や日照り干ばつ水害と戦いながら、ようやく美味しい野菜をスーパーの店頭に並べることができるってんだ。

インターネットの世界も同じなのだ。はてなの運営さんを見てみろ。毎日あんなに膨大な個人ブログを読み込み、人気ブログのランキングとは別に、こういう弱小ブログにもちゃんと陽が当たるように適宜ピックアップしてくださったりする。本文の中で使えそうな一文を切り抜いたり、要約コメントをつけたりして、他のブロガーの興味を引くように色々創意工夫をしてくださっている。おとなり日記やグループもその一環だ。ついでに言うと、公式ブログの最上部に表示されている呟きみたいな一言が更新されているとすごく嬉しいんですよ運営さん。中の人が透けて見える感じでね。

そういうことを、うちの本社の連中はどうやら気づいていないみたいだ。サービスを提供してくれたのは嬉しかったが、その後がガッカリである。

 

そんでそんで、また、気づいたのだ。

もしかして、これを運営している本社の連中は、ひょっとして若いやつらばかりなのか……?

あの「個人ホムペ」全盛期の、00年代を経験していないメンバーなのだろうか?

インターネットといえば、TwitterInstagramTikTokあたりのSNSしか経験していないんだろうか。アカウントを取って、何か書きこんだり写真を上げたりすれば、誰かがイイネを押してくれたりフォローしてくれたりする。たまに気に入らん人がいたらブロックするか、あるいは非公開にする。SNS時代にあっては、管理するのは自分のアカウントであって、「場」ではない。

個人でホームページを作って運営していた時代の感覚は、もう通じないのか。HTMLもスタイルシートCGIも、正直なんのこっちゃ全然分かってなかったけど、他人のホームページを見よう見真似で何かそれっぽい感じに仕上げて、気合い入れてイラスト描いてTOPに飾って、文字をキラキラ点滅させたり、右から左に流したりして、調子に乗ってページをめくるアニメーションやらオルゴールのBGMやらつけたら参加者に「重い」って文句を言われて大慌てで外したりして、キリ番を踏んでくれたらTOPにお礼の文章を書いたり特別な何かをプレゼントしたりして、とにかくもう、参加者に居ついてもらうために、やれることは何でもやったよね。無駄に必死だったっつーか、全然スマートじゃなかった。でもあの頃、ほんま皆それやってたよねぇ。

で、最初の話に戻るんだけど、掲示板とかチャットの管理っていうのが、これまたけっこう神経を使うもので。基本的には参加者に自由に喋ってもらうんだけど、盛り上がっていなかったらちょこっと顔を出して、それとなく話題を変えたり、あるいはオフラインで連絡が取れる人気があるメンバーにメールでヘルプを出して、「ちょこっとでいいから、あそこの掲示板に入って盛り上げてくんない?」って頼んだりもして。

あるいはメンバー同士で口論になったり、はたまた荒らしが来たり、そういう時なんかはもう管理人はすんごく大変で、下手に介入すると逆に炎上したりするから、またまたメンバーにメールを出して、とりあえずこの場は退出してくれって頼んだり、他のメンバーが口論に加わらないように警告を出したり、最悪の場合は一時的に非表示にしたり閉鎖したりして、とにかくこのホームページは私の「場」なんだから、私が全責任を負って平穏を維持するんだみたいな、そういう…………今になって思い返すと、よくもまぁあんな面倒くさいことを毎日やってたね私ら。パケット代もアホみたいに高価かったのにね。

そういう「ホムペ管理人」的な概念って、もしかしたらもうこの令和の時代には存在していないのかもしれないなと、ハッと気づいたのだった。今の若い子たちにとって、「管理人」って言われたら、ひろゆきあたりのイメージしかないんじゃなかろうか。あのね、ひろゆきはね、管理人っつっても、創造主に近いレベルの人だからね、ああいう天上の人と一緒にしないでね。あなたの隣の席でぼんやり電卓叩いてるその冴えないおじさんおばさんたちがね、ほんの20年ほど前、自分のホームページを作って管理してたんだよ。ネチケットを守りましょうってね、必死で叫んでたんだよ。ううん、コンプライアンスとかリテラシーなんて言葉は、なかったんだよ。その時代にね、たくさんの黒歴史が生まれてね、その中から、これやったら自滅するぞっていう経験則をまとめたものがね、今の時代のネットリテラシーの源流になってるんだよ。おじさんおばさんたちが血反吐はくような恥ずかしい思いをして作り上げてきたんだよ。ね。

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