つれづれぶらぶら

5月の反射炉ビヤ行きますよー!酔い蛍グループの皆さんにまた会えるかな?

クラフトビールを飲んでみた

漫画『琥珀の夢で酔いましょう』のWEB企画として「10月10日はみんなで乾杯!」があるんですね。10月10日の夜8時にTwitterInstagramで「#たそビール」というタグをつけてビールの写真を投稿しよう、ですって。

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でもアタシSNSやってない。今後もやるつもりがない。でも気持ちだけでも参加はしたい。というわけで、ざっくり言えば、最近飲んだビールの感想をまとめてブログの下書きに記録しておいて予約投稿しよう、という内容でございますよ。

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松本城ビアフェス以降、あっちこっちの酒屋を覗いてみるのが楽しくなりまして、ネットで「この酒屋はクラフトビールを取り扱っているよ」という噂を聞けばちょこっと立ち寄ってみたりしております。つーても元々が下戸のビール嫌いでしたから、なんぼ品揃えが良くたって買うのはせいぜい2本程度。売り上げにはほぼほぼ貢献できておりません、すみません。

そんでもって、晩酌の習慣もないもんで、連日アルコールを摂取するのは肉体的にしんどい。なので、飲むのはせいぜい2~3日に1本。そのぶん、その「1本」は贅沢に、お値段が高くても本当に飲みたいものを厳選して選ぼう、とね。いや、ほら、クラフトビールって、いつものビールに比べたらかなり値段が張るんですよ。私が毎晩カポカポ晩酌するタイプだったらお財布的にシビアなんだけど、下戸には下戸の利点がある。その「1本」に全てを賭けられるのですよ。ふふ。

ところで、もちろんそうやって飲んだものの中には、ぶっちゃけ好みじゃないものもいくつか混ざってきます。なんせクラフトビールは千差万別、香りも味も実際に飲んでみるまで分からないわけで、ネットの評判がいいから買ってみたけど、うがー、これ私は苦手だわー、ってものもあります、もちろん。で、このブログは私専用の備忘録だからそういう感想ももちろん記録として意味はあると思いつつも、そうは言ってもそのビールのファンの人が見たら良い気持ちにはならんよな、とも思うのですね。私もネット上で「水曜日のネコ」のネガティブなレビューを見たときにちょっとムッとしたもんね。もちろんそれが個人の感想であって評価はそれぞれ違っていい、というのは理性では分かっているけど、感情はどうもならん。そんなわけで、このブログでは「私が飲んでみて、美味しい・面白いと思ったビール」だけを記録することにします。

あ、あとね、私はまだクラフトビールの世界につい最近足を踏み入れたばかりの初心者、ずぶの素人でございますのでね、舌も鼻もまだ全然アレなもんですから、感想ったって語彙が赤ちゃんレベルですよ。だもんで、上級者の人がお読みになったら、てんで見当違いの言葉足らずの内容になっているかもしれん、そこは生温かい目でそっとスルーしていただけたら有難いなと……。そりゃね、私だってモルティーだホッピーだボディがどーたらアタックがなんちゃらだのと語ってみたい気持ちはありますけどね。でも正直、何のこっちゃら理解できてないもんね。ホッピーって言ったら「神山さんのこと?」ってな感じだもん、お察しください。

 

前置きが長くなったので、そろそろ本題。最近飲んだビールを紹介していきますよー。

 

1 奈良醸造「EIGHTY EIGHT」

(セゾン ABV6.0% IBU13)

narabrewing.com

商品名の後ろのかっこ書きは、ビアスタイル(種類)、ABV(アルコール度数)、IBU(苦みの単位)を表示しています。

さてさて、松本城ビアフェスで私を虜にした、あの「奈良醸造」さんですよ、うふふふふ。実はあの後で、近場で奈良醸造さんの商品を扱っている酒屋はないかと検索していたら、なんと松本城のすぐ近くにある「三代澤酒店」さんが取扱店であることを知りまして、後日、仕事のついでに立ち寄ってみたのですね。もちろん目当てはビアフェスで飲んだフルーツエール「MACGUFFIN」だったんですが、残念ながらそちらは売り切れ。お店の方によるとやっぱりビアフェスで相当売れたみたいで、奈良醸造さんのは元々の仕入れ数が少ないから保冷庫にあるのしか残ってないですよとのことで、なんとか手に入れたのがこちらの「EIGHTY EIGHT」(現在は出荷終了)

奈良産の大和茶を贅沢に使ったグリーンティセゾン」という説明を読んでも味が想像できない。夏も近づく八十八夜、よいよい。って、え、ビールにお茶?日本茶が入ってるのこれ?と首をひねりながら栓を抜く。

色は、少し濁った黄緑色。泡の立った「綾鷹」みたいな感じ。香りはそんなに強くない。飲んでみると、ん?普通にビールだな、という感じ。もっとこう、日本茶の香りがぶわーっと来るのかと思いきや、それはあまり感じられず。

で、そこそこ苦い。IBUが13と低め(キリンラガーは25、一番搾りは21、スーパードライは16、水曜日のネコが11)だから、苦くないんだろうなーと勝手に想像していたんだけど。

ただ、その苦みが、なんというか「奥ゆかしい」のですよ。ガッとくる感じではなくて、落ち着いた静かな苦み。ん、もしかして、これはホップだけの苦みじゃなくて茶葉から来る苦みも入っているのかな。飲んでいる感じは普通のビールなんだけど、すごく品の良さを感じますね。私の舌がもうちょっと成熟していたらこの繊細な味を描写できるんだろうけど、ごめんなさいね。

で、まぁアルコール度数も6%ということで、ゆっくりゆっくり、読書しながら飲んでいたわけなんですが、そうするとね、驚いたことに「最後の一口」が一番美味しかったんですよ。ほら、ビールは最初の一口が一番美味しいとか言うじゃないですか、その固定観念を覆されちゃいましたね。説明にも「少し液温を上げてから飲むと、よりお茶の輪郭がくっきりと感じられるようになってくるでしょう」とあるけれど、いや、お茶っぽさは最後まで感じ取れなかったんだけど、常温のほうが味がまろやかになるような気がしました。とにかく上品なビールでございました。

 

 「Lindemans Framboise」

(フルーツランビック ABV2.5% IBU?)

ベルギー産のビール。ラガーでもエールでもなく、こちらはランビックという、麦汁に野生の酵母を取り込んで醗酵させ、長期間熟成させるというベルギーの伝統的な醸造方法で作られたもの。そこにフランボワーズ(ラズベリー)の果汁を加えてさらに熟成させたのがこちらの商品です。

飲んでみると、えっ?これジュースじゃん!めっちゃフランボワーズの炭酸入りジュースじゃん!えっっっっこれもビールなの?(ちなみに酒税法上は「発泡酒」扱い)

アルコール度数も2.5%なんでめっちゃ軽い。そんで甘酸っぱくてラズベリーのフルーティな香りがしてしゅわしゅわであまあまでめっちゃ美味しい~!これアルコール入りのラズベリージュースじゃん!これ絶対ケーキに合うやつ。ああ、レアチーズケーキかなんか買ってくりゃよかったわ。

「いつものビール」が苦手な甘党の人にオススメ。こういうのもビールって言っていいの?とビールの固定観念をひっくり返されること請け合い。IBUは不明ですが、私の舌に苦さはほぼ感じられなかったです。

いつものビールとは全然違うものと思ったほうが良いです。喉の奥のほうでうっすら麦芽の味を感じる程度かな。ってなわけで、いつものビールが好き!ビールはコクとキレ!俺は絶対IPA派、ホップの苦みがたまんねぇ!な方にはオススメしません。だってこれジュースだよ。

 

3 うちゅうブルーイング「GLUON」

(スムージーサワーエール ABV6.0% IBU?)

uchubrew.shop-pro.jp

クラフトビールについてネットであれこれ調べていると、あちこちで目にするのが「一度でいいから【宇宙】を飲んでみたい……」という呟き。そうやらそれは山梨県北杜市の「うちゅうブルーイング」という小さなブルワリーで製造されるビールのことであるらしい。醸造量が少ないので公式サイトで発売したら即完売となる幻のビールで、その公式サイトでの購入を巡る競争はクラフトビール愛好家の間で「宇宙戦争」と呼ばれているほどだそうな。そういえば『こは酔い』の5巻(第24話)にも「レアなビール」として「宇宙SENSEI」が紹介されていたっけな。

ただ、そういう「伝説の〇〇」って、実際に手にしたら意外とそれほどでも……、もの珍しさが先行してるだけじゃん……って感じのものも、まぁ、時としてありますわな。だもんで、興味は強く引かれつつも、まぁいつか縁があったら程度に考えていたんです。

ところが、ふと立ち寄った近くの酒屋さん(日本酒のセレクトショップ)で、あれ、珍しいビールもたくさん置いてあるんじゃん……と思って眺めていたら、うううう【宇宙】があああああるゥゥゥ!!!

しかし、缶の説明書きを読んでも、極めて特殊な文体で書かれているので、それがどんなビールなのかいまひとつ分からない……、しかもお値段がかなり高い……、ビール1缶が、安い吟醸酒の四合瓶ぐらいのお値段……。

おののきつつ、しかしこれがクラフトビール愛好家が一度は飲んでみたいと口を揃えて言う【宇宙】か、ぜひ試してみたい、失敗しても後悔はない……という思いが先に立ち、えーと、よく分かんないけど、とりあえず……これと、これかな?と、目についた商品を2つ購入しました。

そのうちのひとつが、この「GLUON」。お値段は1250円。高ッ!「グルーオンを表現するためにいちごとバナナをありえないほど大量に使用したとろとろ酸っぱうまいスムージー」……何を言っているのか分からないけど、なんかとにかくスゴそうって予感がびんびんしますぜ。

グラスに注ぐと、とろんとろ~んのピンク色の液体。見た目は完全に泡の立ったスムージー。甘い香りがぶわっと漂う。よしッ、飲んでみるぞ!

イチゴジャムだぁぁぁぁ~~~~、今、私はイチゴジャムを飲んでいるぅぅぅぅ~~~!!!めっちゃトロピカル!こりゃ確かに、濃厚なイチゴ入り完熟バナナとろとろ酸っぱうまいスムージーだよぅ!!!

色々と複雑な香りを感じるものの、この強烈な美味しさに語彙がなくなってしまう。しかもリンデマンスの時とは違って、アルコール度数が6%もあるから調子に乗って飲んでいるといきなりドカンと酔いが回ってくる。そんなわけで、飲んだ感想を言おうとしても「 ば な な 」という頭の悪い感想しか出てこない。ゴメン。

 

4 うちゅうブルーイング「TORUS Strata」

(DDH IPA ABV7.0% IBU?)

uchubrew.shop-pro.jp

もう1本の宇宙ビールがこちら。お値段は720円。GLUONの後だから感覚が麻痺してるけど、ビール1缶のお値段としてはやっぱりお高め。

そんでもって、やっぱり説明文を読んでも何を言っているのか分からない。「IPA」は例の苦いヤツだな、というのは分かったんだけど、その頭に謎の「DDH」がついている。怖いなぁ、苦いの苦手なんだけどなぁ。だけど、その酒屋にある品揃えを見る感じ、うちゅうブルーイングさんの得意分野はどうやらIPAらしい。うむ、せっかく出会えた【宇宙】だ、こっちも思い切ってIPAにチャレンジしてみよう!

びっくりしたのは、缶を開けた瞬間。ぶわっと溢れ出すパッションフルーツのようなトロピカルな香り。えっ、これフルーツビールじゃないよね?なんでなんで?と一瞬考えて、ああ!そうか!これがホップの「アロマ」なのかぁ!と悟ったのでした。

後になって気づいたのですが、『こは酔い』の「宇宙SENSEI」の解説文に「DDH」の説明があったのでした。

ダブルドライホップとは、ビールの主発酵が終わった後にホップを入れる「ドライホッピング」を2回行っているという意味です。通常は麦汁を煮沸するタイミングでホップを入れて苦味を引き出すのですが(中略)、それよりずっと後にホップを入れるのですね。煮込む時間と温度が低い分、苦味があまり抽出されないけれども、香りが失われないというメリットがあります。

(『琥珀の夢で酔いましょう』5巻 p131)

そうかー。なんとなくホップというと防腐・苦みの面しか考えていなかったけど、本来は香り(アロマ)をつけるハーブだもんなぁ。それにしたって、製造方法によってこれほど強い芳香を引き出せるとは……ビールって本当に奥が深いなぁ。

濁りのある明るい黄色のビールを飲んでみると、フルーティな香りが口の中いっぱいに広がって、あれ、意外と飲みやす――――苦ッ!!!

やっぱ苦い。さすがはIPA。アルコール度数も7%だから、喉の奥のほうでガッと来る。水を飲む。ふー。ああ、でもイイ匂いだよなぁ、もう一口飲もう、うん、飲みやす――苦ッ!お水お水。ああ、でももう一口…………(以下、繰り返し)。

苦い苦いと騒ぎながら飲んでいたんだけど、でも苦み自体のキレが良くて、スッと消えていく感じなのね。なので、すぐ「また飲みたい」って気持ちにさせてくれるのです。私がIPAが苦手なせいで苦みを強く感じるけど、おそらくIBU自体はそれほど高くないんじゃないかな?なんだかんだ言いつつ飲み切ってしまったし。IPAに慣れている人なら、多分すごく飲みやすいと感じるはず。しかも飲んだ後の爽快感も良くて、満足感のあるビールです。

そんなわけで、たった2缶の「宇宙新人」ではありますが、私もすっかり宇宙ファンになっちゃいました。希少性だけで話題になっているわけじゃなかったね。こりゃ確かに多くの人がハマっちゃうはずだわ。納得。

 

5 京都醸造「週休6日」

(ベルジャンセッションIPA ABV4.5% IBU16)

kyotobrewing.com

立川に映画を観に行った帰りに、グリーンスプリングス1階にあるAMEKAZEで購入。京都醸造さんは『こは酔い』にも何度も取り上げられているブルワリーで、この『週休6日』も連載中の28話で紹介されていますね。

セッションIPA」というのはアルコール度数が低くて飲みやすいIPAだということで、これなら気楽に飲めそうかなと思って選びました。この「週休6日」は「肝臓にも優しいので週のうち6日飲んでも大丈夫かも」という意味でつけられた名前だそう。

だからって、味や香りが弱いわけじゃありません。スッキリとした柑橘系のフルーティーな香りがして、口に入れるとキリッとした苦みが自己主張してきます。でも苦すぎないから私にも飲みやすくていいですね。夏によく作ったゴーヤーチップスあたりと合わせたら良いかもな~なんて想像しながら飲みました。

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6 箕面ビール「KOMPAS」

(セゾン ABV5.0% IBU20)

store.minoh-beer.jp

こちらもAMEKAZEで購入したもの。大阪の箕面ビールさんが鎌倉のヨロッコビールさんとコラボレーションして出来たビール。フレッシュなスモモ250㎏を使用したとのことです。

飲んでみると、スモモの甘酸っぱい香りと酸味がまず口の中に広がって、喉越しにしっかりした苦みと麦芽の味がします。パッケージの可愛らしさからなんとなく甘くて優しめのビールかしらと思っていましたが、甘さはないです。見た目によらずけっこうドライでキレがありますよ。

 

そんなわけで、まずはこの6品目をご紹介させていただきました。まだ冷蔵庫にはいくつかの面白そうなビールが眠っているので、この続きはまた後日にということで。

最近は暇があるとネットで色々なブルワリーさんの情報を眺めていて、うわーっ美味しそう、ひゃーカッコいいデザイン、えーっこんなビールもあるの?などと、味や香りを想像して楽しんでおります。あれもこれも試してみたい……、下戸なのに……。

とりあえず、ホワイトエール、フルーツビール、サワーエールあたりが現在の射程範囲かな。でも、味の想像もつかないような変わり種のビールにも好奇心そそられちゃうんだよねぇ。ランビックももうちょっと飲んでみたいし、『こは酔い』で紹介されてたゴーゼも気になる……。ああ、本当にビールって色んな種類があって面白いなぁ。ビールは広大だわ……。