つれづれぶらぶら

5月の反射炉ビヤ行きますよー!酔い蛍グループの皆さんにまた会えるかな?

諏訪神仏プロジェクト・照光寺

現在、諏訪6市町村で開催されている「諏訪神仏プロジェクト」。

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これまで、公開シンポジウムを聴講した話や、上社神宮寺と関わりの深い佛法紹隆寺にお参りした話などをお伝えしてまいりました。

sister-akiho.hatenablog.com

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そして今日は、岡谷市照光寺にお参りしてまいりました。

照光寺は、諏訪大社下社神宮寺との関わりが深く、明治時代の廃仏毀釈で下社神宮寺が廃寺となった際に、千手観音菩薩立像及び両脇侍立像、信玄不動像、聖徳太子像、仁王像など、貴重な仏像・仏具を引き受けた寺院です。

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岡谷市街地にある大きなお寺で、岡谷駅からも歩いて4分程度で行けます。優美な塔が見えてきたら、そこが照光寺です。この塔は「蚕霊供養塔」。養蚕・製糸業の町である岡谷市らしい建造物ですね。

階段を上って山門をくぐると、こちらのお寺にも大銀杏の木が真っ黄色に色づいていました。絶え間なくハラハラと散り落ちる銀杏の葉で、境内は黄色のじゅうたんを敷いたよう。

本堂の脇の入口から入り、拝観順路に沿って本堂内部へ。内部の写真撮影は行っておりませんので詳細は上にリンクを貼った照光寺公式ホームページをご覧ください。

 

まず、最初に拝観するのは、この「諏訪神仏プロジェクト」で公開されている仏像仏具中でもレア中のレアといえる「千手観音菩薩立像及び両脇侍立像」です。なぜかというと、本来なら60年に1度しか御開帳されないはずの秘仏だからです。それを今回のイベントに合わせて特別に御開帳するということで、こんなチャンスはまたとありませんよね。ちなみに写真撮影は禁止、公式ホームページにも写真は掲載されておりません(御影にて紹介)。

千手観音は下社諏訪大明神本地仏とされ、この千手観音像は下社神宮寺の千手堂で本尊として祀られていたもの。武田勝頼の念持仏であると伝えられています。高さ9センチほどの小さな仏像で、中央に千手観音、両脇に不動明王毘沙門天を従えています。小さくても非常に精緻な作りで、手の一本一本、衣装の模様や襞、飾りのひとつひとつに至るまで丁寧に作られた、とても美しい仏像です。畏れ多いとは思いながらも、ついついにじり寄ってしげしげと眺めてしまいました……。

さらに、この秘仏の両脇にあるのが、カラフルな着色が施された聖徳太子像と信玄不動像です。信玄不動というのは、武田信玄不動明王の化身として作られた仏像で、とても珍しいものだそうです。

さらに、照光寺の御本尊を取り囲むように、等身大の弘法大師像と興教大師像、不動明王像、大日如来像などが、天蓋の下にずらりと並んでいます。

その隣の間にある一対の大きな仁王像には、興味深い言い伝えが残されています。元々、これらの仁王像は、茅野市宮川の安国寺のものであったのが、文明14年(1472年)の大洪水の際に流出し、諏訪湖を漂流した後、下諏訪に打ち上げられ、下社神宮寺の千手堂に安置されたものだというのです。茅野市宮川安国寺といえば上社前宮のお膝元、そこから下社まではかなりの距離ですが、溢れかえる宮川の中をこの仁王様たちがどんぶらこどんぶらこと流れてお行きになったと思うと、どんだけ洪水すごかったんやろうと唖然とするところです。そして、明治時代になって下社神宮寺を追われ、さらにこの岡谷の照光寺に辿り着いたと思うと、仏像に歴史ありというか、仏像を通してかつての諏訪の出来事のあれこれを知れるのが面白いですね。

 

とても良い経験になりました。これらの貴重な仏像を無料拝観できるチャンスは今月27日までですよー!皆さんもぜひ諏訪に足を運んでみてください。とりわけ、こちらの千手観音像に至っては、この機会を逃すと次の御開帳は……いつなんだろう?生きているうちにまた見れるのかな?ってぐらいのレジェンドレア仏像ですので、お見逃しなきよう!

 

追記:明日11月13日朝9時からのNHK-Eテレ「日曜美術館」で、この諏訪神仏プロジェクトの特集をやるそうです!このプロジェクト、あるいは仏像に興味をお持ちの方はぜひぜひご覧ください!

www.nhk.jp