つれづれぶらぶら

旅行記まとめ中。情報量が多いけん思い出すんが大変じゃわ。

私の頭の中の釜爺の引き出し

こないだ、朝8時半の始業の鐘を聞いたとたんに、私の頭の中にトートツにこんな歌が流れ始めた。

 

♪はは~ん♪はは~ん♪はちじはん~♪

♪はは~ん♪はは~ん♪はちじはん~♪

♪同じ時間を分け合って~♪違うあなたと♪お~なじ~あ~さ~♪

 

…………なんだっけ、コレ。

それが何の曲かは分からないのに、いったん回り始めると止まらなくなるのがイヤーワームの恐ろしさ。集計表の検算をしている間も、延々流れ続ける。うるさい。

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気が散って仕方がないので、こっそりスマホで歌詞を検索したところ、昭和の昔に放送していた『モーニングジャンボ奥さま8時半です』というTBS系列のワイドショーのテーマソングであることが分かった。

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そういえば、私がめっちゃ幼かった頃に、母親が朝にテレビを見ていたような気がする。うちの母親は昔からずっとNHKの連ドラを欠かさず見ている人だから、おそらくそれが終わった直後にチャンネルを切り替えていたのだろう。もちろん私は何も覚えているはずがない。

だがしかし、確実にこのテーマソングが私の脳内メモリーに刻まれていたわけだ。しかもメロディはフルで覚えていたし、歌詞もおぼろげだがそこそこ覚えていた。怖。

 

最近、物忘れがとみに多くなった。

老化現象なんだか、あるいは何かの病気の先触れなのかは分からないけれど、とにかく色々な言葉をぽろぽろ度忘れしてしまう。同世代の同僚と喋っていると「あの、アレがアレしちゃったでしょ」「あー、うん、アレね、困るよね」という感じの謎の会話になっているが、しかし、なぜこれで会話が成立しているんだろうなぁ。不思議だなぁ。

 

特に覚えられないのが「人の名前」。

ただ、これに関しては老化は関係なく、私はうんと若い頃から人の顔と名前を一致させるのがめちゃくちゃ苦手だった。似たような背格好のクラスメイトが2人以上でつるんでいると、どっちがユキちゃんでどっちがマキちゃんかが分からなくなってしまう。

いつも一緒に仕事をしているチーム仲間の名前ですらパッと出てこない。新人の頃、転勤していく先輩に「たいへんお世話になりました。色々と教えてくださったことは忘れません」とご挨拶したら、苦笑しながら「そんなこと言うけどさ、何年か後に再会したら、キミ、絶対『はじめまして』って言うよね」と言われた。図星である。

 

なんでこんな大事な物事を記憶していられないのだろう。私の頭の中はいったいどうなっておるのだろう。

そんなふうに考えるとき、私が決まってイメージするのは『千と千尋の神隠し』に登場する「釜爺の部屋」である。四方の壁が天井までびっしりと小さな引き出しになっていて、薬草や何やかやがその一つ一つの引き出しにしまわれている。何か必要なものがあれば、釜爺はその蜘蛛のような手を伸ばして、あやまたずその必要なものが納められた引き出しを開けるのだ。

私の脳内にも、びっしりと引き出しが並んでいる。

しかしながら、その引き出しはいくぶん立て付けが悪く、時に理由もなくすっぽ抜けて落ちてきたりする。その中に入っている有象無象のあれこれが、何の脈絡もなく脳のど真ん中にぽとりと落ちてくるのだ。

例えば、検算をしている最中に「ガスクロマトグラフィー」という謎の単語が急に転がり落ちてきたりする。えっ。これ何だっけ。どっかで聞いたような気がするけど、何だっけ。何だっけ。集中力が削がれて仕事にならないので、すぐに調べる。

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気化しやすい化合物の同定・定量に用いられる機器分析の手法。へえ、なるほどね、……って、何でこんな単語が急に落ちてきた?どこの引き出しにしまってあったんや⁈

一事が万事この調子である。仕事上の必要な情報は記憶できないくせに、どこで覚えたのかも分からない、知る必要のないガラクタの情報ばかりが、引き出しのあっちこっちに無造作に放り込まれているらしい。

もちろん引き出しの数は無限ではない。ひとつ新しい情報を入れようとしたら、どこかの引き出しの中身をポイしなければならぬ。じゃあ、そういったガラクタの記憶をポイして必要な情報を入れれば良いではないか。そうだそうだ。そうしよう。

……そんなふうに上手くいけば、何の問題もないんだけどなぁ。

年々ガラクタの数は増える一方で、ポイされるのは必要な情報のほうなのである。嗚呼。

 

その話を聞いて、ニヤニヤしている人がいる。旦那だ。こやつこそ、私の脳内の引き出しにガラクタをじゃんじゃん詰め込む犯人のひとりだ。面白がっては、昔のテレビでやっていたギャグなんかを私の耳に吹き込んでいく。


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ああ、また、こうして要らない記憶が引き出しを圧迫していく。そして、また誰かの名前が消えていく。ああ、釜爺の部屋がどんどんゴミ屋敷と化していく。ああ。

 

そういえば、今日は久しぶりに「火曜日」だ。


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また不要な情報が増えていく、増えていく、増えていく………………。