つれづれぶらぶら

「予告先発」という単語を見て胸がトゥンク。ついに始まるのね……!

劇場版『金の国 水の国』

岡谷スカラ座に『金の国 水の国』を観に行ってきました。

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原作漫画は「このマンガがすごい!」で1位を獲った作品。3ヶ月ぐらい前に図書館で見つけて、確かによくできた漫画だなぁと感心しながら読んでいたのでした。それが(信頼と実績の)マッドハウス制作で映画になるというので、楽しみにしていたんですよね。

昨日から全国一斉公開。まずはこちらの本予告をご覧ください。


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公開されたばかりの作品なので、あらすじの紹介やネタバレはしませんが、原作漫画に何も足さず何も引かずそのまんま2時間の映画にしたという感じでした。漫画の1コマ1コマを丁寧に映像に変換したというぐらいに。国の名前が、原作ではA国とB国という名称だったのが、アルハミトとバイカリという名称になっていたぐらいかな。

 

とにかく映像が素晴らしく綺麗。背景や草花、衣装や小道具に至るまで丁寧に描かれていて、色彩もとても鮮やか。どのシーンを切り取っても絵画になりそう。中盤の月のシーンの美しさなんてたまらなかったですね。

 

声優も良かったです。主演のナランバヤル役の賀来賢人さん、サーラ役の浜辺美波さんも役柄のイメージに合っていましたね。ナランバヤルの飄々とした雰囲気、シリアスなシーンでのキリッとしたカッコ良さ。サーラのおっとりした口調からの、要所要所できちんと言うべきことを言う芯の強さ。

また、レオポルディーネ役の戸田恵子さん、ライララ役の沢城みゆきさんは、さすがベテランと言いましょうか、台詞も少ないのに、印象に残る存在感でした。

 

全体的にクオリティの高い映画だったのですが、ちょっとだけ気になったのは、あまりにも原作を忠実に再現しているというか、なるべく取りこぼしたくないという気持ちがすごく伝わってきて、それが好印象でもあるんだけど、単独の映画としては、もうちょっとテンポのメリハリが欲しかったかなという気はしました。原作の台詞やモノローグもほぼそのまま再現されてたんだけど、絵やお芝居のチカラで表現できる部分もあったかなと。

まぁ、このへんは個人の好みの部分ですし、原作を読んでいるかどうかでも違うと思うので、あくまでも私の意見ということで。これがポンポさんの意見だったら90分以内におさめなさいよと言うところなんでしょうが(笑)

 

あ、でも、映画本編には全く不満がないんだけれども、ひとつだけどうしても気に入らないのは、この映画のTVスポット。


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こういう、キャストや観客の「最高でした」「感動しました」「泣きました」みたいなコメントを並べた映画の広告手法って、どうにも好きになれないんですよね。それってアナタの感想ですよねと思って興ざめしてしまう。あと、「最高純度」とか「初泣き」とかのキャッチコピーもダサくないすか。

やっぱり、映画は映画の素材だけで勝負してほしいんですよ。どのシーンを切り取っても絵になる美しさだっただけに、それをテレビで流せばちゃんと伝わるのに、なんで誰かの「感動しました」が必要になるのかしらねぇ。

 

いや、でも、映画は良かったです、ホントに。ストーリーも優しくて、小さなお子さまから大人まで楽しめる良作でした。エンドロールがとても可愛らしいので、最後まで席を立たずに観てほしいですね。ぜひ皆さん映画館でご覧ください。