つれづれぶらぶら

5月の反射炉ビヤ行きますよー!酔い蛍グループの皆さんにまた会えるかな?

唐沢鉱泉に行ってきたよ

図書館で目についた本を立ち読みしていたら「武田信玄は温泉好き」という言葉が目に入って、そういえば、あそこ、まだ行ってなかったな、と思い出したのでした。

茅野市豊平にある名湯「唐沢鉱泉です。

www.karasawakousen.com

唐沢鉱泉の湯は信玄の隠し湯とも言われる八ヶ岳山麓の秘湯です。

泉質は日本でも珍しい二酸化炭素鉱泉です。

宿から数十メートルの敷地より豊富な湯量が自然湧出しています。

(公式ホームページより抜粋)

天狗岳の登山口(標高1870m)に建つその温泉宿は、多くの登山客に親しまれており、私も茅野市に嫁いできた15年前からずっと気にはなっていたんです。でも、公共交通機関はなく、一番近いバス停からでも徒歩60分だとか。

ただ、自家用車を使えば、茅野市街地からは40分程度で着くということでしたが、姑に尋ねてみると「三井の森のゴルフ場のさらに先んとこから、でこぼこの山道をひたすらぐねぐね登っていくだよ」とのことで、それは私の華麗なるドライビングテクニック(笑)では難しそうだなぁ、と諦めていたのでした。

そのことを、ふと今日思い出したのでした。私も茅野に15年住んで、あちこち峠道も経験して、結婚当初よりは多少ドライビングテクニックがマシになってきているし、とりあえず調べるだけ調べてみっか、と。

あれ、でも、唐沢鉱泉って冬の間は休業してるんじゃなかったっけ?

そう思いながら公式サイトを開いてみると、おや、なんと今日から営業再開ですってよ。なんというグッド・タイミング。山の神様に呼ばれているのかしら。

さらに、例の山道に関して、たいへん分かりやすい全行程車載動画を見つけたので、これをまず確認することにしました。


www.youtube.com

動画で見ていただいたとおり、未舗装の山道とはいえそこそこの道幅もあって見通しも悪くなく、普通車でも全然大丈夫とのこと。これなら私の華麗なるドライビングテクニックでもイケそうだという確証を得たので、いつもの入浴セットを持ってさっそく出かけました。

茅野市街地からまず尖石縄文考古館を目指して進みます。考古館の前を通り過ぎると「三井の森」という別荘地エリアに入ります。すると、すぐに「唐沢鉱泉」と書かれた大きな木製の看板が現れますが、実際の目的地はその看板からさらに10キロほど先です。ずんずん進みましょう。基本的に一本道なので迷うことはないです。山桜や花桃が綺麗に咲き誇っています。いい季節ですね。

フォレストカントリークラブ三井の森を通り過ぎてしばらく進むと、先の動画の冒頭にあった唐沢鉱泉・桜平分岐の看板のところに出ます。ここからいよいよ砂利道に入るわけです。多少でこぼこしていて砂利が跳ねる音がしますが、速度を落としてハンドルをしっかり握っていればさほど問題なく走れます。よく整備されていて見通しがよく対向車の存在にもすぐに気付くことができ、トラブルなく登れました。ただ、そうは言っても山道なので、日没後は真っ暗でしょうし、雨の日や雪の日は四駆でもかなり大変そう。私が来れるのは夏の晴天時の昼間だけのようです。

そんなことを考えていたら、あっさり着きました。駐車場も空いててすんなり停められました。ラッキー。

先ほど、何のトラブルもなかったと申しましたが、車を降りてびっくり。細かい砂埃で、車のボディが真っ白に覆われてしまっています。バックミラーモニターが途中から白くなって何も見えなくなったのはこのせいだったのね。いやはや、こりゃ後で洗車しに行かねばだわ。

それはさておき、こちらが唐沢鉱泉です。

日帰り入浴は税込990円です。

受付の指示に従って、館内をずんずん進んでいくと、突き当たりに浴室がありました。

ちょうど誰もおらず、1人でのんびり入浴することができました。

浴室内はさほど広くなく、洗い場も3つだけです(この他にシャワールームもあります)。露天風呂ではありませんが、浴室の大きな天窓から入ってくる日の光が浴室内を明るく照らしています。浴槽は2つで、小さなほうはぬるめ、大きなほうは適温です。白い湯の花がちらちらと浮かんでいます。炭酸泉ということでシュワシュワしているのかと思いましたが、そういう感じはありません。うっすらと鉄のような匂いがします。

浴室の壁面には大きな岩が埋め込まれていて、苔やシダがところどころに生えています。ちょっとした露天風呂気分を味わえますね。反射した水面の光が岩肌のでこぼこに反射して、ゆらゆらと揺れる不思議な光の模様を描いています。そのさまが美しくて、飽きずに眺めていました。

浴室内の端には、天井から細い滝のように落ちる「打たせ湯」もあります。手で受けてみると、ひんやりと冷たいです。これが源泉そのもので、泉温は10度しかありません。これを温めて浴槽に入れているのですね。

さて、充分に温まったので、そろそろ帰りましょうかね。

館内の廊下を歩いていると、「裏庭にヒカリゴケの群生地があります」との掲示がありました。せっかくだから見ていくことにします。

玄関を出て、ぐるりと建物の裏側に回り、崖に沿った小路を進んでいくと、ちょうど崖の上から降りてこようとしている登山者風のおじさんがいました。おじさんは私の姿を見て、すぐにヒカリゴケを見にきたのだと察し、「まだだよ」と私のほうに呼びかけてくれました。

「まだ生えていませんか」と尋ねると、「生えてはいるけど、芽吹いてないね。まだ光っていない」と答えながら、岩場の陰を指差します。私もおじさんの横へ行って、同じ岩場を覗き込みます。

辺りはコケやシダ、地衣類などがびっしりと生えていて、どれがヒカリゴケなのかさっぱり見分けがつきません。おじさんの話では、この岩の一番奥の窪みのあたりに生えているのがヒカリゴケだということですが、うーん、どれだろう。何にせよ発芽しないと光らないのだそうで、まだちょっと早かったかな。

その後は、山道を下り(急カーブの下り坂が続く箇所ではギアを低速にすると走りやすいよ)、40分ほどで茅野市街地に戻ってきました。そのまままっすぐに洗車場に行き、私の愛車も綺麗さっぱり洗い流しましたよ。まぁ、最近は花粉や黄砂でただでさえ汚くなってたんで、ちょうど良いタイミングだったんじゃないっすかね(笑)