つれづれぶらぶら

「予告先発」という単語を見て胸がトゥンク。ついに始まるのね……!

電卓で遊ぼう「あられ数」

久々にお題にも参加してみようかな。今週のお題は「何して遊ぶ?」です。

 

前にもお話ししたとおり、学生時代、広島市中央図書館に毎週末のように通い詰めていて、書架の「368」から「380」へとずんずん横滑りしていた頃のことなんですけど、たまには気分転換をしようと思って、全然違う書架を覗いたりすることもあったんですね。

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当時も今も、私は「数学」が大の苦手で(国語にしか興味なかったんだもん)、数式を見ると頭が痛くなるタイプの人間だったんですね。ところがその日、たまたま見つけたのが「すうじであそぼう」みたいな感じの古い子ども向けの本で、パラパラっとめくったところ、数字当てマジックのたねあかしなどの肩の凝らない内容だったんで、面白そうだなと思って借りて読んだんです。

その本の中で紹介されていたのが「あられ数」という暇つぶし用の遊びでした。そのルールは極めてシンプルです。

「ある数(0以外)」が、2で割り切れるときは2で割って、割り切れないときは3をかけて更に1を足す。この計算で出た数を使って、また同じ計算を繰り返す。

すると、どんな数から始めても、必ず最後は「4→2→1→4→2→1……」の繰り返しになるよ、電卓で試してごらん、という内容でした。

さらにその本では「方眼紙などを使って出た数字を折れ線グラフにしてみよう。【27】から始めてみると、びっくりするようなグラフが描けるよ。まるで天から降る霰(あられ)が激しく飛び跳ねているように見えるだろう?」と呼びかけていました。

さっそく、退屈な数学の授業中(おい)、熱心に計算をしているふりをして、電卓に27を打ち込んで、計算を始めてみました。するとどうでしょう、あっという間に数字が大きくなり、一気に減ったり増えたりを繰り返しながら、なんと77ターン目で最大値9232へ到達。しかしその直後、急速に勢いを失い、109ターン以降は例の4→2→1のループに陥ったではありませんか。

極めて単純な計算でありながら、どの数から始めたらもっと大きな数字になるだろうと予測しながら計算するのが楽しくて、ちょいちょい眠気覚ましの頭と指の体操がてらやっていました。

ちなみにこれ、Excel上で遊ぼうと思ったら、めっちゃ簡単な数式で書けます。任意のセル(例えばA1)に最初の数を入れて、A2に「=IF(MOD(A1,2)=0,A1/2,A1*3+1)」という数式を書いて、そのままA2のセルをオートフィルでガーッと一気に下へ写しちゃえばいいんです。電卓を叩かずとも計算は瞬時にExcelがやってくれるし、グラフもすぐに作ってくれます。27でグラフを作るとこんな感じ。

そんなわけで、私にとっては「子ども向けの本で読んだ暇つぶしの遊び」程度の認識だったんですね。で、今回のお題であられ数のことを思い出して、そういえばそんなんあったよなぁ、懐かしいなぁ、なんて思いつつ、Googleで「あられ数」を検索してみたところ、あれ?なんか違う名称が出てきたぞ?

ja.wikipedia.org

なんかね、あられ数の本当の呼び名は「コラッツの問題」と言うらしくて、どうやら世界中の多くの数学者を悩ませている、有名な「数論の未解決問題」のひとつなんだそうですよ。というのも、本当にどの数字も例の4→2→1のループに陥るのかどうかは実証されていないらしく、その真偽を立証できたら1億2千万円もの懸賞金が支払われるのだそうですよ。おおおお。なんか急に話がでっかくなってきた。詳しくは上に貼ったWikipediaを読んでみてください。私は序盤辺りでもうなにをいっているのかわけがわからないよ。

そんなわけで、数学の授業中の眠気覚ましに、あたかも問題を解いているふりをしながら電卓叩いてやっていた他愛もない遊びが、実はとんでもない数学の超絶難問だったという、びっくりしたなぁもう、というお話なのでした。


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