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図書館の本を早く読み切らねば……(°∇°;)アセル

週末ビア旅行【安曇野ブルワリー(長野県安曇野市)】

先日(23日)、特急あずさに乗って安曇野市穂高まで出かけてきました。長野県内はSuicaが使えない路線が多くて不便だったんですが、こないだから大糸線の主要駅でも使えるようになったのでとっても便利(*^▽^*)

そんでもって、何をしに行ったのかというと、穂高駅前にある「安曇野ブルワリー」さんの醸造所を見学させてもらいに行ったのです。

azumino-brewery.com

実を言うと、当初の予定では、堀金にある安曇野ブルワリーさんのホップ圃場で、ホップの株開き(ホップの地下茎を整えて、新しい芽が出る準備をする作業)の体験会がある予定だったんですが、先日、ドカ雪が降ったために圃場がぐちゃぐちゃになってしまい、作業ができる状況ではなくなってしまったのだそうで、中止になったのです。その代わりに醸造所の見学会をしますよとのことだったので、じゃあ行かせてもらおう、と。

穂高駅で降りたら、醸造所併設レストランはすぐ目の前。

12~13人ぐらいの人が既に集まっていました。出迎えてくださった原田醸造長の後に続いて、レストランの奥の扉から醸造室にぞろぞろと入っていきます。

安曇野ブルワリーがモットーにしているのは【農家のビール】であるということ。ホップや二条大麦など、原材料をこの安曇野で栽培し、それをビール造りに活用した後、麦芽滓などを肥料として農場に戻したり、クッキーなどの原材料として活用する。こういった循環型農業を行っているのだと。ちなみに、安曇野といえば「わさび」の名産地として有名ですが、このブルワリーも元々はわさび工場だったそうで、現在もその同じ水を使ってビールを作っているのだそうですよ。

そして、ビール造りの概要と、それぞれの設備でどんな工程を行っているかの説明がありました。上の写真で原田醸造長が手を置いているのが糖化タンクで、ここで麦芽を煮込んで麦汁を作ります。一番麦汁がだいたい150リットルで、二番、三番と湯を追加して、500~550リットルぐらいになったら、隣の煮沸タンクに移します。

煮沸タンクで麦汁を煮ている間に、ホップや副材料を投入します。ホップは、その種類や投入するタイミングで香りと苦みが変わります。苦みを強く出したいときは高温でしっかり煮ますが、代わりに香りが飛んでしまうので、そのあたりの調整も難しいのだそうです。

安曇野ブルワリーさんのフラッグシップビールである「Sui」は、その日の朝に収穫したばかりのホップ(信州早生)をすぐ醸造所に運び、摘んだ毬花をそのままの形で煮沸タンクに投入するというものです。もちろん麦芽も、自分の農場で収穫した二条大麦(小春二条)をサントリー麦芽工場に委託して麦芽に加工してもらい、ビールに使用しているそうです。原材料の全てが安曇野産のビールですね。ちなみに、ホップをすぐに使わない時は、収穫してすぐに空気を抜いて冷凍しておき、必要なごとに粉砕して使うのだそうです。

sister-akiho.hatenablog.com

煮沸した麦汁は、20度ぐらいまで冷やしてから、発酵タンクに送ります。安曇野ブルワリーさんの室内には1~5までのナンバーが記されたタンクがあるのですが、発酵に使うのはそのうちの5番のタンク。5番タンクの下に置かれたバケツには、酵母が活発に動いている証拠として、ぽこぽこと泡が吐き出されています。

発酵が終わったら、1~4番のタンクに移して、1か月ぐらいじっくり熟成させます。

それが終わったらいよいよ瓶詰め。雑菌が入らないように注意しながら、一度に8本ずつ瓶に注入していきます。

さて、醸造所の見学が終わったら、隣のレストランに戻ってランチタイムです。

他の見学者の方と相席で、めいめい好きなビールとお食事を注文します。私が相席した方は、同じ諏訪地域からお越しの方で、しかも同じビア検2級持ち、行きつけの酒屋も同じということで、最初から話が盛り上がりました。

最初に注文したビールは「森の星影IPA」。見学中に原田醸造長から「赤松とよもぎを使ったIPAなんだけど、今タップに繋がっているのが最後の1樽だよ」と言われたので、皆さん気になっていたようで、次々と注文が入っていました。

ホントだ!松の葉のとってもいい香り。口に含むと、松とよもぎの青々とした香りと苦みが鮮やかに広がっていき、まるで森の中を歩いているかのよう。すごく個性的な味わいで、皆さんも「こんなの初めて!」と驚いていましたが、でもすっごく飲みやすくて、すぐに次の一口が欲しくなる感じ。口当たりも優しくて美味しいです。

お料理は、刺身定食や焼き魚定食など、お魚系の料理が多いのが長野県民としては嬉しいですね。信州サーモンもあるよん。私は「焼きハラス定食」を注文しました。鮭皮がパリッパリで美味しい!ビールが進むぅ~!

次は何にしようかな。自社農園で作ったお米(風さやか)を使ったセゾン「安曇野爽風セゾン」にしようっと。

軽くてあっさりした味わいのセゾン。米を使っているので、どことなく日本酒っぽいキリッとした味わいもあります。こちらもとても飲みやすいですね。

そうこうしているうちに、食事を終えた見学者の皆さんは1組また1組とお帰りになり、相席の方も席を立って行かれました。あらら。いつの間にやらお客さんが少なくなってるぞ。どうしようかな。などと迷っているうちに、「相席よろしいですか」と声を掛けられ、あーハイどうぞーなんて気楽に答えていたら、ハッと気づくと、私の周りには醸造関係者がたくさん集まっていたのでした(;^ω^)

去年の松本城ビアフェスで飲んだ、山ノ内町湯田中ブルワリーの玉井醸造長に、和歌山県橋本市で自然農法で育てた作物と温泉水でビールを使っている「神野々(このの)麦酒醸造所」の醸造士さん、千葉県木更津市でオーガニックビールを作っている方、近いうちに北海道でブルワリーを起業する予定のご夫妻、そして安曇野ブルワリーの原田醸造長という、完全にプロの農家&ブルワーの会話のど真ん中に、なぜか完全にど素人のただの主婦が座っている、世にも奇妙な光景が出現してしまったのでした。うわぁどうしよう。ヤバくないこの状況?席を変わったほうがいいのかな。

原田醸造長「いいのいいの、気にしないで。ほら、これが乾燥ホップ。こっちが麦芽だよ。匂いを嗅いでいいよー」

私「わーい、いい匂いだーヾ(*´∀`*)ノ」

……いいのかな、こんなんで。ま、他の皆さんも気にしてないみたいだし、ま、いっか。私としてはプロの会話を公然と立ち聞きできる絶好のチャンスです。農業のこと、ホップや大麦の栽培に関する実務的なこと、町おこしのこと、農家やブルワリーの起業に際してのアドバイスなどなど、あれやこれや貴重な話を聞かせていただきました。皆さん本当に親切な方ばかりで、私の素人まる出しの質問にも快く答えてくださいました。これも何かの縁ですし、いつかはビア旅行で訪れてみたいです。

あまりにもお喋りが楽しかったので、あっという間に時間が過ぎて、帰りの電車の時間が来てしまいました。大糸線は本数が少ないので、1本逃すと次の電車はなかなか来ないのです。行きの電車内では、ついでに穂高神社にもお参りしていこうかな、なんて考えていましたが、その余裕もなさそうです。

原田醸造長は「また来てね。ホップの体験会もまたやるからね」と大きな手で握手してくださり、入口まで見送ってくださいました。近いうちにフキノトウのビールも発売されるそうなので、また花見がてら安曇野に遊びに来ようかな。安曇野ブルワリーの皆さん、お会いした皆さん、楽しい時間をありがとうございました!