つれづれぶらぶら

旅行記はちょっとずつ仕上げていきます。お楽しみに~。

ビアフェス信州2023クラフトビールフェスティバルin松本

────あれから、1年が経ちました。

sister-akiho.hatenablog.com

そしてこの週末、国宝・松本城に、あのイベントが戻ってきました!

そう、クラフトビールフェスティバルin松本でーすヾ(*´∀`*)ノ

beerfes-shinshu.com

去年の今頃、ビアスタイルもろくに知らない生まれたてのピヨピヨひよこ状態の私が、下戸のビール嫌いのくせに、何を思ったか単身でクラフトビールフェスティバルに乗り込み、そこで今までに味わったことのないビールの世界を覗き込んだことで、一気にクラフトビール沼にどぼっと両足を突っ込んでしまったのでした。

あれから1年。おそらく200本ぐらいのビールを飲み比べ、関連図書を読んで知識を深め、あっちこっちのビアパブを訪ね、ブルワリーで製造工程を見学し、農場でホップを摘み、行きつけの酒屋を作るなどして、クラフトビールの世界を楽しんできました。とても充実した1年でした。それでもまだまだ飽きる気配がないのは、クラフトビールの世界が毎日どんどん発展して、次から次へと新しいものが供給されているからなのですね。いやホントに楽しいです、毎日が。

そんなわけで、この松本城ビアフェスは、私にとってはとても思い入れのあるイベント。ずーっと前から楽しみに待っていたイベントなのです( *´艸`)

今年の開催は、9月15日(金)から18日(月・祝)までの4日間。昨年はまだ細かな制限がありましたが、今年は新型コロナ感染症感染症法上の5類に移行したことで、従来どおりのイベント内容で行われます、との公式アナウンスもあり、期待がどんどん高まります。

もうね、そうなったら我慢なんかしちゃいられないんですよ。初日の金曜日は松本城の近くで仕事をしていたので、アフター5に立ち寄ることにしました。ちょうど「クラフトビールってどんな感じなんですか?気になってます」という同僚がいたので、連れ立って夕暮れ時の松本城公園へGo!

とはいえ、イベントは夕方6時まで。時間は1時間弱しかないから、もたもたしてたら飲みっぱぐれるわね。さあさあ、3枚組チケット(2100円)をちゃっちゃと買って、あらかじめチェックしておいたビールからさっそく飲んでみよー!

ということで、最初の一杯は、このブログではお馴染みの、長野県野沢温泉村アングロジャパニーズブルーイングカンパニー(AJB Co.)さんのインペリアルゴーゼ、「狼、梅干しに出会う」です!

ws.anglojapanesebeer.com

このタイトルだけでも「いったい何ごと?!」って感じですよね。オーストラリアのブルワリーとのコラボビールですが、そのテーマが日本人の心のふるさとである「梅干し」だって言うんだからたまんない!そしてビアスタイルは私の大好きなゴーゼ!そりゃ飲まない理由がないでしょっ?!

色合いは明るくてやや濁りのあるオレンジ色。一口飲むと、おおっ、やっぱ酸っぱーーーーッッッ!そして、梅×紫蘇の味がめっちゃする。梅干しの漬け汁をビールにぶち込んでみましたと言わんばかりのマニアックなゴーゼ。サワー系はこれぐらい過激じゃないとね。いいぞリブシーさん、もっとやれ。

 

2杯目は何にしようかな。やっぱりサワーが飲みたいな、と見回していたら、秩父麦酒さんのブースにある「くまりん トマト」というタイトルが目に留まりました。

chichibubeer.shop-pro.jp

本当にたまたまなんですがね、ちょうどその日のお昼どきに「トマトをビールに入れたらどんな感じになるんだろう?」って考えてたんですよ。そしたら、目の前にその答えがあったので迷わずチョイスしました。サワーエールの酸っぱさにトマトの酸味が合わさって、ほんのり塩気(お醤油が入っているそうです)も感じ、そこにピリピリッと舌の上を駆け抜ける唐辛子の刺激が加わるという、楽しいビールです。ピザとめっちゃ合いそうだなー。

 

金曜日最後の1杯は、島根県江津市からはるばる10時間以上かけてお越しになったという石見(いわみ)麦酒さん。前にもお話ししたことがありましたが、私はまだ駆け出しの頃に、島根県浜田市の営業所に勤務していたことがあって、そのお隣の江津市(ごうつし)。懐かしくなって思わず話しかけ、しばしローカルな話題で盛り上がってしまいました。選んだビールは「石見神楽麦酒 福舞」。

www.iwami-bakushu.com

「石見神楽」は石見地方のお祭りでは明け方まで一晩中演舞されるもので、あの独特の笛や太鼓の節回しがなんともいえず心躍らせます。お神楽の思い出話に花を咲かせていたら、サービスにとステッカーまで頂いちゃいました( *´艸`)

さて、この「福舞」は、地元の安納芋を加えたブラウンエール。濃いめのカラメルのようなコクの深いモルト感が美味しいです。癖は少なくてするする呑めます。収穫の秋にふさわしい、じっくり飲みたい1杯ですね。

ちなみに、頂いたリーフレットによると、石見麦酒さんは「石見式」と呼ばれる独特の醸造方法をお持ちなのだそう。大型の醸造タンクなどを使わず、醸造用ポリ袋と家庭用の冷凍庫で作る小ロットの醸造方法だそうです。

beeressay.com

資金と労力の問題で起業を断念する人も多いなかで、この手法はかなり画期的なのではないのかしら。小ロットだけに色んなチャレンジも自在にできそうだし、使い捨ての袋の中で作ればコンタミも起こりにくそう。機会があれば一度詳しくお話を聴いてみたいものですね。

ところで、Tシャツなどのオリジナルグッズを販売しているブルワリーさんも多かったのですが、この石見麦酒さんのブースで販売されていたのは、実に可愛らしいアクセサリー類!ビールや枝豆の形をしたピアスやキーチェーンなど、どれもこれも可愛らしくて目移りしてたんですが、ホップの毬花をかたどった陶器のペンダントトップがついたチョーカーを選びました。見て見て、かあいーっしょ( *´艸`)

そこで夕方6時を知らせる放送がかかって、金曜日のイベントはここでお終い。同僚も「いやー、本当に、色も味も全然違うんだねぇ」と面白がっていたので、連れてきてよかったかな。とはいえ、急ピッチでアルコール度数の高めのやつを立て続けに3杯も飲んだので、実はけっこう足にキテます。ふらふら~。茅野へ帰る電車の中では爆睡でした。寝過ごさなくて良かった……(;^_^A

 

もちろん、この私が、ずーっと楽しみにしてきたイベントに対して、ほんの1時間程度で満足して終わり、なーんて言うはずない。ねぇ。

てなわけで、翌日の土曜日も松本に出かけてきました!カンカン照りでめっちゃ暑い、最高のビール日和!

松本城公園は、去年にも増してたくさんの人で賑わっていました。外国人観光客の姿も多く見えます。お城の見学をする人はビールを飲む前にお願いします、という掲示があちこちに貼ってありました。

今日も3枚チケットを買って、場内をぶらぶら歩き回ります。時間に余裕があるので、立て続けに飲んだりはせず、フードの食べ歩きをしたり、木陰に座って寛いだりしながら、のんびりした時間を過ごします。

土曜日の最初の1杯は、志賀高原ビールさんの「信州事変」。

tamamura-honten.co.jp

ずばり「オトナのりんごジュース」。見た目はヘイジーっぽくてかなりニゴニゴ。口当たりはとろっとしていて、りんごジュースの甘い香りがまず最初に現れ、すぐその後からしっかり重めの苦みが追いかけてきます。飲み終わる頃に、かすかな酵母の香りがふわっと鼻先をかすめていきます。

去年も餃子を食べたけど、今年もやっぱり最初のペアリングは餃子。売り子さんたちがカープのユニフォームを着ていたので、どうしてもスルーできませんでした(社長さんが熱心なカープファンだそうです)。普通の餃子も美味しそうだったけど、「わさビーフギョーザ」という文字のインパクトにどうしても勝てず、これにしました。ああ、うん、わさビーフの味だ、これ。思った以上にワサビの風味が強かったのもイイですね。

www.sinei-foods.co.jp

 

お次は、昨日、同僚が飲んでいた安曇野ブルワリーさんの「Sui」。

azumino-brewery.stores.jp

安曇野で自社生産した麦(モルト)とホップ(信州早生)だけを使い、安曇野の水で作ったビール。シングルモルト&シングルホップのいわゆる「SMaSH」ビール。

液色は鮮やかなオレンジ色。口に含むと、舌がじぃんと痺れるほどの苦みがぶわっと広がります。本体に雑味がなく澄んだ味わいなので、純粋なホップの苦みだけがまっすぐに喉の奥まで駆け抜けていきます。にっがーっ。これは去年の私だったら飲めなかったビールかもなぁ。私も成長したってことでしょうかね、えへへ。

松本名物の「山賊焼き」とペアリングしました。揚げ物の脂っこさを苦みがスパッと切ってくれます。いや、それにしても目が覚めるぐらいの苦さね。

 

チケット的にも体力的にも、次が最後の1杯かなぁ、どれにしようかなぁ、と迷いながらうろうろしていたら、JBさんの樽がチェンジしています。おっ、次は何かな?と思って見てみたら、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !バレルエイジドだッッッ!

Dry Hopped Foeder Saison (2022ver.)」というスペシャルなビールこそ、今回のイベントの〆にふさわしい1杯。いただきまーす!

ws.anglojapanesebeer.com

醸造所の空気中に存在する野生酵母を取り込み、フーダー(木製タンク)でじっくり時間をかけて樽熟成させたセゾン。そういえば去年もリブシーのバレルエイジドを飲んだんだったなぁ、一周回ってここに還ってきたんだなぁ、と、しみじみ思います。

鼻腔に抜ける、野生酵母が醸し出す複雑な香り──言葉を選ばずに言えば、納豆や漬物などを想像させる「くさみ」──が何とも言えず奥深くて良いです。しかしまぁ、今にして思えば、初心者がチョイスするビールとしてはちょいと難易度が高かったかなぁと苦笑しつつも、それでも最初にバレルエイジドというマニアックな世界に好奇心を刺激されてしまったことで、今の私があるのだと思います。舌の上に残る渋み、品の良い酸っぱさが作り出す、奥行きのあるリッチな1杯。

もちろん、こういったものはグイグイがぶがぶ飲んだりしちゃ勿体ない。木陰に腰を下ろし、チェロの心地よい演奏に身を委ねながら、これまでの日々を思い出しながらゆったりと飲みます。

こんなステージでも何でもない場所でもクラシック音楽に出会えるというのは、さすが「楽都・松本」。チェロの音色っていいよね。

というわけで、2回目の松本城ビアフェスでした。イベントは明日(18日)の17時まで続いておりますので、お近くの方はもちろん、せっかくの祝日だから特急電車にでもフラッと飛び乗って日帰り旅行でもしてみようか、とお考えの方にもオススメのイベントですよ!ただし、くれぐれも飲酒されてからの本丸庭園及び天守閣への入場は厳禁ですよ!松本城を先にご覧いただいてから、その後でゆっくりとビールをお楽しみください。来年以降もずーっとこのイベントが続くように、参加者ひとりひとりが節度を持って楽しみたいですね。

私はどうしよっかなー。本音を言えば初日と2日目に出ていなかったあのブルワリーも気になるところだけど、創作の〆切も迫ってきているしなー。うーん。もし会場内でヤッホーさんのTシャツを着てうろうろしているおばちゃんがいたら、ああ、誘惑に勝てなかったんだな、と冷ややかな目で遠くから眺めてください(;^_^A