つれづれぶらぶら

さん♪さん♪さん♪太陽の光♪さん♪さん♪さん♪三連休♪

ナウマンゾウと北斎と柿の種、そして大雨

お盆休みでグランピングに行ったよの話、続き。  

sister-akiho.hatenablog.com

前記事ではロータスベルビレッジの最速級レビューをメインにお話ししてきたが、今回の記事ではそれ以外の旅行の内容を書く。いや、まぁ、結果的には色々と話題豊富な旅になってしまったので、1つの記事に収まりきらんかったのだわ(;^ω^)

 

1日目は朝9時に茅野の家を出て、高速道路で長野方面へ。既に雨が降り始めていて、しばしば霧に覆われたりもしながら、ちょこちょこ休憩を挟みつつ、安全運転で走る。

信州中野ICで降りて、飯綱町に入り、【サンクゼールの丘】を目指す。全国にある、ワインやジャムなどの食品を販売する「サンクゼール(St.Cousair)」、そして和風食材を販売する「久世福商店」の本店が、この飯綱町にあるのだ。

www.stcousair.co.jp

サンクゼールの丘には、ワイナリー、レストラン、チャペル、ショップなどがあり、美しい葡萄畑を眺めながらゆったりとした時間を過ごすことができる。

到着したのは11時半。レストランで、旦那と息子は信州鹿のハーブシチュー、私は和風カルボナーラなど色々と頂いた。ロメインレタスを焼いてドレッシングをかけたものが美味しくて、ショップで同じドレッシングを買った。

kuzefuku.com

ショップは、サンクゼール&久世福商店のワインや食品類、そして雑貨なども取り扱っていた。お菓子も調味料もどれも美味しそう。今夜のキャンプに備えて、小さめの白ワインとシードルのボトル、リンゴのサイダー、お菓子類をがさごそ買い込む。

その中でも、旦那が「これ買おう!買おう!」と指さしたのが【久世福のなかなか減らないやみつき柿の種】。駄菓子屋にあるような大きな容器の中に、大きめの柿の種とピーナッツがざくざく入っている。見ているだけでもウキウキするやつ。

kuzefuku.com

食事と買い物を終えてから、ロータスベルビレッジへ向かったのだが、先の記事に書いたような事情があって、さらに1~2時間ほど時間を潰す必要が生じた。さて、どうしよう、雨も降ってるしな、と夫婦で顔を見合わせて、じゃあ、【野尻湖ナウマンゾウ博物館】に行ってみるか、ということになった。前の晩に、周辺の観光施設をいくつか調べている時に見つけたのだが、家族全員、「うーん、ナウマンゾウ……ねぇ……」と鈍い反応だったのだ。正直、そんなに興味があるわけでもない。でも、ま、この際だ、行ってみよう。

nojiriko-museum.com

ロータスベルビレッジから野尻湖までは車で片道30分弱。

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野尻湖のほとりに立つその博物館は、予想していたよりも大きな建物で、意外と言っては失礼だけれども、なかなか興味深い展示内容で、見応えがあった。

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野尻湖におけるナウマンゾウの研究は、ある旅館の主人が拾ったナウマンゾウの臼歯(奥歯)の化石から始まった。その形から、その化石は「ゆたんぽ」と呼ばれている。ナウマンゾウの歯は一生で5回生えかわるらしい。

およそ3万年前まで、この野尻湖には巨大なナウマンゾウやオオツノジカなどが生息していて、旧石器時代野尻湖人たちはそれを倒さんとしてさまざまな石器を作り出していたのだという。

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それらの生き物の化石や、人々が作り出した石器の数々が並べられ、いくつかの展示物は触ることもできる。また、ナウマンゾウの骨のパズルや、模擬発掘などで遊べるエリアもあり、大人も子供も楽しんで学ぶことができる。随所に消毒薬が置かれており、来館者は、展示物に触った後は必ず手を消毒するよう指示されている。

いやいや、退屈しのぎにと思ったけれど、これは良い施設だったね。チェックインまでの時間を有意義に過ごすことができて良かった。

 

2日目。

朝9時半過ぎにロータスベルビレッジを出て、小布施町の【北斎】へ。

hokusai-kan.com

小布施町葛飾北斎が80代のときにアトリエを構えた場所で、この北斎館には、北斎が描いた肉筆画、東町祭屋台天井絵「龍図」及び「鳳凰図」上町祭屋台天井絵「男浪図」及び「女浪図」を中心として、たくさんの浮世絵や貴重な肉筆画を展示している。

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企画展は『あやしい浮世絵』。絵草紙や北斎漫画などに登場する幽霊やバケモノの絵にスポットライトを当てる楽しい企画。でも、怖い絵を集めているはずなのに、そこに並ぶオバケたちの姿の可愛らしいこと、滑稽なこと!

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北斎は、その軽妙なタッチと斬新なレイアウトから、日本の漫画のルーツのひとつともされている。絵草紙の見開きいっぱいに、バーンと大胆な放射線を描いたものなんか、現代の週刊少年ジャンプに載っていても違和感ないんじゃないかってぐらいにモダンだった。しかも線が細かいんだよね。息子が「線が細かいね!」と驚いているのに、「これ版画だよ。これ彫った人がいるってことだよ」と答えたら、ギャアと叫んだきり黙りこくってしまった。彫刻刀でスクリーントーン並みの線を刻んだ人間がいるという事実に圧倒されたらしい。いやはや、本当に日本人の技術はすごいもんだ。

そうそう、春画も1枚だけあったよ。他のエリアは撮影OK(フラッシュ不可)なのに、その絵だけは撮影不可で、絵の周囲が衝立で囲んであって、18歳未満立入禁止の表示がされていた。ドレドレ、どの絵かな、とニヤニヤしながら覗き込んでみたら、かの有名な「蛸と海女」ではありませんか。PNは「鉄棒ぬらぬら」。うっふっふ。なんて素晴らしいセンスなんだ北斎センセ。そんで、絵のエロさもいいけど、絵の周囲に細かくビッチリ描かれた台詞や擬音もまたエロい!さすがにここでは書かないけれど、興味がある18歳以上のオトナはお調べになるとよろしい。エロいエロい。らめぇ。現代のエロコミックの源流を見た気がするね。時代を先取りし過ぎです北斎先生。

 

北斎館を出て、昼食を済ませ、それから小布施といえば名産品の「栗」を食べなあかんやろ、とマロンパフェを食べて、さて、茅野に帰りましょう、と信州中野ICから高速に乗りこんだ。

すると、どんどん雨が激しくなってきた。激しく打ちつけてくる雨。周囲は白く煙って視界も悪い。無理をせず、こまめに休憩を挟みつつ進んでいくが、ついに「塩尻北IC~諏訪IC通行止め」という文字が道路上に表示されてしまった。しかも、そのあおりで松本ICから塩尻北ICの間にも猛烈な渋滞が発生しているという。

松本IC手前の梓川SAでしばらく様子を見ていたが、雨は治まる気配がなく、むしろ勢いを増していくばかりなので、旦那が意を決して「松本ICで降りる」と判断して、一般道へ。松本市街地はただでさえ渋滞が激しいのに今日はなおさら。それでもようやく塩尻の塩嶺峠下まで辿り着いたが、その時点(午後3時半)で既に塩嶺峠は高速から締め出された車の列で完全に麻痺していた。

このままでは塩嶺峠に閉じ込められて動けなくなってしまう。そうなるとトイレ休憩もできなくなると判断した旦那は、早々に塩嶺峠ルートを見限って、辰野方面へと車を進める。遠回りにはなるが、辰野から岡谷の川岸地区に回るルートか、あるいは辰野市街地まで行って有賀峠を越えて諏訪へ入るルートかどちらかにする、という。

辰野方面へは、多少ノロノロ運転にはなったが、渋滞で動けないほどのこともなく、コンビニや駅でトイレ休憩を挟む余裕もあった。岡谷川岸ルートのほうが距離的には短いが、旦那の直感が「なんか有賀峠ルートのほうが良いような気がする」と囁いたらしく、大回りして有賀峠へ。距離的には長いが、辰野市街地からは渋滞もなく、雨もやや小降りになったタイミングも重なって、何事もなく諏訪の地に戻ってきた。時刻は夕方の5時ちょっと前。もしも松本ICで降りていなかったら、あるいは我慢して塩嶺峠を越えようとしていたなら、いったい何時に帰ってこれたのだろう?

余談ではあるが、翌朝のニュースを見てゾッとしたことに、早朝、岡谷の川岸地区で土石流による災害が発生したらしい。重軽傷者も出たそうだ。昨日の夕方の時点でどうだったかは分からないが、天竜川の支流が決壊して辰野駅前も浸水被害が出たとのことだから、もしあのまま天竜川沿いに進んでいたらどうなったかと思うと背筋が凍る。いや、辰野市街地で消防のポンプ車とすれ違ったのだ、既にあの時点でいくらかの兆候は出ていたのだろう。よく何事もなく帰ってこれたなと思うのと同時に、旦那の直感の正しさに感謝するばかりである。「有賀峠って、遠回りし過ぎじゃない?」と、あのとき私は言ったのだ。それを押し切った旦那エライ

しかし、未だに雨は続いているのだ。広島の実家も気になるが、うちであれ、どこであれ、被害がこれ以上拡大しないことを祈るばかりだ。毎年毎年こんなに災害ばっかり続いて、イヤになっちゃうね、もう。

 

ところで、あの柿の種はどうなったかというと。

テントで漫画を読みながらボリボリ。朝5時に目が覚めてボリボリ。半分以下になったところでミックスナッツを足して、またボリボリ。うちに帰って、戸棚の中の余ったお菓子をさらに足してボリボリ。うめえうめえ。やめらんねぇぜコレ。なかなか減らないやみつき柿の種のはずなのに、あっという間に食べ尽くしてしまった。なかなか減らないどころじゃないよ。もっと喰いたい。ウウウ。うめえ。

亀田の柿の種と比べると、一粒が大きくて厚みもあるんだよね。だもんで、バリン、ボリンって感じの歯応えがまさに「やみつき」になる。ミックスナッツを足すとさらに味の奥行きが深まってたまんなくなる。ウウウ。また買いに行こう……。