TOHOシネマズ甲府で『劇映画 孤独のグルメ』を観てきました。
いや、ね、この年末年始ね、なんとなくテレビをつけたら、ずーーーーっと『孤独のグルメ』の再放送をひたすらやってたじゃないですか。テレビ東京でやってて、BSテレ東でもやってて。なんかずーーーーっと観ちゃうんですよね。同じ放送回を2度ぐらい繰り返し観ちゃったりもしたんだけど、全然飽きない。井之頭五郎がひたすら旨そうにもぐもぐしているだけのドラマなんだけど、なんかね、すごく癒されるんですよね。
だもんで、再放送の合間に流れる映画の予告CMにすっかり洗脳されちゃったというか、観るのが当たり前だよねっていう空気感になってました。テレビ東京の思うツボです。ふふっ、チョロいチョロい(^▽^;)
しかも、今日はたまたまTOHOシネマズ甲府で、息子が観たがっていた『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の上映が朝8時25分から、『劇映画 孤独のグルメ』の上映が朝8時15分からと、都合よく被っています。ってことは、朝8時までにイオンモール甲府昭和に着いて、映画のチケットを発券できれば、息子も私もそれぞれ別々に好きな映画を楽しめるってことじゃん。よし早起きして映画を観に行こう。朝6時過ぎに茅野を出て、朝焼けの富士山を眺めながら甲府に向かって車を走らせ、開店直後の劇場でチケットを発券して、息子と別れてそれぞれのシアターに向かいました。
さて、『劇映画 孤独のグルメ』ですが、今回は主演の井之頭五郎を演じる松重豊さんが監督と脚本も務めています。「『孤独のグルメ』最大のアンチ」と呼ばれる松重さんですが(笑)、つまるところ「最大の理解者」ということなんでしょうね。映画は、そうそう、これだよこれ、っていう納得の仕上がりになっていました。
上に貼った本予告を見ればだいたいの話は見えると思うんですが、五郎さんがいつものように「雑な依頼」を押しつけられて、そのためにあちこちを奔走する羽目になる物語。いつも災難に次々と見舞われる五郎さんだけど、今回はさらに輪をかけて、遭難するわ死にかけるわ逮捕されかけるわで大変な目に遭遇しちゃいます。
でも、このドラマの良いところは、奇人変人はたくさんいるくせに、悪人はひとりもいないんですよね。縁あって出会った人々が、五郎さんの幸せそうな食べっぷりに見惚れ、その人柄に魅了されて、手を貸してあげようとする。そこがいいんです。
今回の映画は、パリから始まります。昔の恋人の父親から「幼い頃、五島列島に住んでいた頃に、母親が作ってくれたスープを飲みたい」という依頼を受けるのですが、名前も材料もなーんの手掛かりもないという、ムチャ振りにも程がある依頼です。それを断れないのが五郎さんなんだなぁ。さっそく五島列島に行って聞き込みを開始しますが、折しも台風が島を襲い……というお話。
お話自体は荒唐無稽で、展開もご都合主義の連続。ツッコミを入れようとしたらなんぼでもツッコめる内容です。でも、五郎さんの食べっぷりを観ていたら、そんなことはまったく気にならなくなる。どんなピンチの時だって、五郎さんはしっかり腹が減る。腹が減ったら他の何ごとも差し置いて、五郎さんは食堂をめざす。そういうお約束の展開がいいんですよねぇ。そして、映画の後半では、伊丹十三監督の『タンポポ』を思い出す感じの人情コメディに。これまでの伏線がぱたぱたと繋がっていくのが楽しいです。
ところで、今回の映画では、食事シーンが割と「孤独」じゃなかったりします。多くの女性たちに見守られながら食べたり、入国管理官にじーっと監視されながら食べたり、同じ志を持った男たちと並んでラーメンを食べたりします。食べたいのに食べられない入国管理官(ユ・ジェミョン)のモノローグがめっちゃ笑えますのでお楽しみに。あと、一見怖そうだけど実はあれこれ気遣いしてくれるダニエル(マイケル・キダ)がお気に入り。ちゃっかり最後まで一緒にいるしね。
しかしながら、この映画の一番の難点は、とにかく腹が減る!朝6時に起きて、運転中にコンビニのブリトーを1つ頬張っただけなんですよ。ああ、やっぱりポップコーンか何か買っておけばよかったなぁ。映画館を飛び出した私の頭に浮かぶモノローグは、もちろん……、
腹が、減っ、た、……ッ!
急いで息子と合流して、早めの昼食を取りにレストランに飛び込んだのは言うまでもありません。そんでもって、やっぱりスープが飲みたくなっているから、スープも注文しましたよ。うんうん、これなんだよなぁ……、なんて呟きながら(笑)