つれづれぶらぶら

旅行記はちょっとずつ仕上げていきます。お楽しみに~。

Outsider Brewingさん12周年おめでとうございます

今週末は嬉しい3連休。金曜日の朝だけど早起きしなくていいんだもんねと、布団の中でゴロゴロしていたら、窓の外から聞き覚えのある重低音がごうんごうんと近づいてくるのでした。あああああ。こりゃあれだ、雪国の皆様にはお馴染みの、除雪車の音ですわよ。あーあ、外はいったいどうなってんだか。しぶしぶ布団を抜け出してカーテンを開けてみると、外は一面の雪景色。うげぇ。

だがしかし、えっへっへっへ、今日は楽しみな予定があるので、この程度の雪ではへこたれないのでありますよ、えっへっへ。

このブログでもちょいちょいご紹介している、私が大好きな甲府クラフトビール醸造所の【Outsider Brewing】さんがですね、この連休中は12周年イベントを開催するのです。先月お邪魔した際に「今年はイベントやるんですか?」と尋ねたら、「やりますよ。2月下旬の3連休は予定を空けておいてくださいね」と言われたので、その時点でスケジュール帳に書き込んであったのです、うふふふふ。

outsiderbrewing.com

そもそも、私がクラフトビール沼に本格的に足を突っ込んだきっかけのひとつが、去年のまさに今日、アウトサイダーさんでクラフトビールの公開仕込みを見学させていただいたからなのです。その時に書いた記事は「今日のはてなブログ」の先頭に取り上げられて、この零細ブログが一時的に注目を集めてしまったというオマケも込みで、忘れがたい貴重な思い出になりました。

sister-akiho.hatenablog.com

今年のイベント告知では、公開仕込みのような見学イベントは行わないそうですが、昨年と同じように周年記念の新作ビールが3本リリースされるとのことで、そりゃもう飲みに行かない手はないでしょうよ、ねぇ!

 

ところで、うちの息子はといいますと、受験も無事に終わってちょっと早めの春休みモード。岡谷スカラ座に「映画を観に行きたい」と言い出すので、何を観に行くのかと尋ねたところ、『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』だと言う。うーん。私ゃSEEDに何の思い入れもないんだよなぁ。どうしたもんか……と一瞬考えて、ふと、「だったら1人で観に行ってきんさい」と提案してみると、「うん、そうする」と即答する息子。

おお、初のソロ映画鑑賞か。いやまぁ、もうじき高校生になるんだし、そろそろ映画ぐらい好きなのを自分で選んで観ればいいお年頃よ。そういや私も高校生ぐらいの頃には鷹野橋のサロンシネマさんに通いつめとったもんじゃなぁ。懐かしいなぁ。

 

というわけで、今朝は積もった雪をざっくざっく踏みながら、息子と一緒に茅野駅へ。改札を抜けたところで分かれて、息子は松本行きの普通電車に乗って岡谷へ、私は甲府行きの普通電車に乗って甲府へと、それぞれの目的地に向かいました。

さて、甲府駅に到着。うん、さすがにこちらでは雪は降ってないな。小雨の降りしきる中、まっすぐに【Hops And Herbs】へ向かいます。以前もお話ししたとおり、Outsider Brewingさんの醸造所の2階にある直営のブルーパブがHops And Herbs。アウトサイダーさんの醸造所で完成したばかりのフレッシュなビールを樽生で飲める、そして美味しいお料理も一緒に楽しめる、大好きなお店なのです。

12時ちょっと過ぎに到着したら、既に何人かの常連さんたちが楽しく飲んでいました。私もカウンターに座って、オーナーのマークさんや醸造長の小林桃子さん、馴染みのスタッフさんに「12周年おめでとうございます」とご挨拶をしてから、さてさて、飲むぞ食べるぞーっと。

今年の記念ビールはこの3つ。

どれも美味しそうだけど、まずは一番軽そうなのからにしようかな。おつまみは、いつものスパイシーカシューナッツに、マルガリータピザで。

BUGS(バグズ)

アルコール度数4度のホッピーラガー。液色はクリアな黄金色で純白の泡。グラスに注がれている時点から香ってくる、アマリロホップのかぐわしい香り。一口飲むと、キレッキレのドライ感とともに、ドシンと来る感じの気持ち良い苦み。そして鼻腔に抜けていくホップのいい香り!ビール自体は軽めだけど、苦みとホップ感が豊かで満足感ありまくりです。「うっま~い!」と思わず声を挙げたら、小林さんが「いいでしょ?キレッキレに作ったのよ~」とニコニコ笑っておっしゃいました。うん、いいっすね、これ!

 

WILD CHILD(ワイルドチャイルド)

こちらは、なんと「干し柿」から取った酵母で醸したゴールデンエール。アルコール度数はちょい高めの7度。液色は薄濁りの黄色。グラスに鼻を近づけると、パイナップルみたいな甘~い香りがめっちゃします。口に含むと、私の大好きな「Drunk Monk Tripel」によく似た、甘美なハイアルコールの陶酔感が口の中いっぱいに広がっていきます。そして、パイナップルのシロップ漬けのような甘酸っぱさと、それを引き締めるようなしっかりした苦みが共存して、うわぁ、これ大好きなやつや!

オーナーのマークさんに「めちゃめちゃ美味しいです!これ大好き!」とお伝えしたところ、「冬場で、Drunk Monk Tripelに使っている桃の酵母が弱っているので、干し柿から酵母を取ってみたら、とても良かったんだよ」とのこと。それにしても、酵母の力でパイナップルっぽいトロピカルな香りが表現できるなんて不思議だなぁ。

 

そういえば、ずっと創業者のマークさんに訊いてみたいことがあったんだった。

「どうして【outsider】という名称にしたのですか?」

すると、マークさんはスッと親指で自分自身の胸を指して、「ボクのこと。【外人】だから」と答えて、ニヤッと笑みを浮かべられました。なるほど、outsider、部外者、余所者、か。

そんなふうに言うマークさんは、しかし、英語教師として来日した甲府の街に惚れこみ、かつての賑わいを失くしてしまった甲府の街を元気にしようと、私財をはたいてパブを経営し、甲府に人を集めるためにクラフトビール事業を始めたのです。部外者というには、甲府の街を誰よりも深く愛しているマークさん。でも、客観的な目を持っている部外者だからこそ、安易に現状に流されてしまわずに、色々な挑戦ができる。そういう思いがこの【outsider】という言葉に込められているのではないでしょうか。

 

うん、いいお話が聞けました。それはそうと、酔っぱらわないように、お水をちょくちょく注いでもらい、お料理もたくさんいただいていたのですが、酔うよりも先にお腹いっぱいになってきちゃいました。てへ。ということで、3本目のビールは瓶で買って帰ることにしましょう。

 

甲府駅から普通電車に乗りこむと、窓の外の光景がじょじょに冬景色に変わっていきます。夕方4時に茅野駅に着くと、ちょうど同じタイミングで上り電車も到着していて、改札を抜ける人々の背の中に、息子の姿が見えました。声をかけて、また一緒に家路につきます。

「映画どうだった」

「面白かったよ。でもお母さんに言っても分かんないでしょ」

「そりゃそうだ」

「あーあ、パンフレットが欲しかったのに売り切れだったんだ。残念」

「そっかそっか」

ぶつくさ言いながら歩く息子ですが、自分のお金で電車に乗り、自分で座席を選んで映画のチケットを買い、途中で席を立つこともなく2時間しっかり映画を楽しみ、1人で昼食(モスバーガーだったらしい)を買って食べて、ショッピングセンターで本やプラモデルを物色して、1人の時間を満喫したもよう。良かったね。こうやってどんどん自分でできることが増えていく。親に押しつけられたもの以外を選択できるようになっていく。そうやって大人に近づいていく。いつか大人になったときに、俺が最初に1人で観た映画は『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』だった、って思い出すんだろうなぁ……。