(→前記事から続く)
相手は2位の阪神タイガース、舞台は敵の本拠地・甲子園。
そういえば去年は2位のジャイアンツと東京ドームで戦って、敵地での胴上げを果たしたんだっけな。
そう思えば、ガチンコ対決でライバルを蹴落として勝ちを掴みに行く、それがカープらしい戦い方なんかな(-。-)…なんてことをつらつら考えながら、特急あずさで茅野へ向かう。
中央本線はトンネルが多い。
トンネルとトンネルの間に、Mさんからの実況メールが私の携帯に次々と飛び込んでくるわけです。
「1回表、本日誕生日のアンパンマン松山のバースデータイムリーヒットで1点を先取!」
「4回表、安部がふくらはぎ直撃のデッドボールを喰らう!しかし、覇気で試合続行!」
「4回表、ノムスケ(野村祐輔)のスクイズで、安部が全力疾走!2点目をもぎ取る!」
…余談ですが、この執念のスクイズを成功させた安部友裕と野村祐輔には、不思議な縁がありましてね。
なんと、2人は同い年で、しかも同じ誕生日。
しかも、生まれた病院も同じで、生まれた時刻もたったの30分違い。
つまり、同じ病院でほぼ同じ時刻に産声を上げた2人の赤ん坊が、同じように野球の道を進み、プロ野球選手になり、同じ球団に入ったという。
もうこの時点でどんだけ天文学的な確率かという話なんだけど、今や2人ともカープの1軍ばりばりのレギュラーとして同じ試合で活躍してんだもん。
野球ファンなら分かる話なんですが、野球が上手いだけじゃプロ野球選手にはなれない。プロになったからって1軍で活躍できるとは限らない。その中でスタメンの座を勝ち取るのはほんの一握り。
これはもう偶然でも奇跡でもなく、野球の神様が運んでくれた「運命」としか言いようがない話なのですよー。
その後、タイガースの中谷のソロホームランで1点を返されるものの、2対1のまま試合は7回の攻防へ。
その頃、ようやく特急あずさも茅野駅に滑り込み、迎えに来てくれた旦那の車に飛び乗って、とにかく急いで家に帰ってー!とお願い。
なにしろ、今日はNHKのBS1でテレビ中継があるのです。そりゃもう見ないわけにゃーいかないよ。
ダッシュで家に駆け込み、旅の荷物もそのままに、テレビの前に正座ッッッ!
すると、アタシが見始めた途端の7回裏、いっちー(一岡竜司)が同点に追いつかれてしまう(;゚Д゚)
えええええええ、まさかー、まさか今日も負けちゃうの?
この3連休、結局マジック1のまんまで終わっちゃうなんてイヤだよー(ノД`)・゜・。
とか思っていたら、携帯にメールが。
あ、Mさん、まだ実況メールやってくれてたんだ…と思いながら画面を見たら、あれ?Mさんからじゃないや。
兄貴からでした。
「甲子園来てまーす!胴上げ見に来たけど同点にされたわー。こっから点取ってー」
という、のんびりした口調の………んッッ?…い、今、なんつった兄貴?
甲 子 園 来 て ま ー す
なんじゃとおおおおおおおお??????Σ(・ω・ノ)ノ!
まさかの「身内が現地」にいるというこの事実!
クッソ う ら や ま し いいいいいいいい!(≧◇≦)
そして8回表、キク・マルが2者連続でフォアボールを選んで出塁すると、1アウトからの打席には、今年ブレイクしたバティスタ!
バティスタは、1990年にカープがドミニカ共和国に作った養成施設である「カープアカデミー」出身の選手。
いわゆる“助っ人”ではない、カープが海を越えて大切に育ててきた選手が、この大事な打席で、値千金のタイムリーヒットを放ちます!
やったぜバティスタ!ベンチで見ている通訳のクレート(クーちゃん)も嬉しそうだ!www
そして9回裏、3対2――カープが勝っているとはいえ、たったの1点差――この局面でマウンドに上がる守護神といったら、やっぱり!
兄貴が、その頼れる背中を写真に収めて、送ってくれました。すっごく良い写真でしょう?
カープの守護神、ザキどん(中﨑翔太)!お前に任せた!頼んだぞ!
甲子園の半分を真っ赤に染めるカープファンの声援を背中に受けて、いつものように、我らのザキどんはきっちりと、自分の仕事を成し遂げてくれました。
2年連続、カープ優勝!
ヾ(o´∀`o)ノこいほーーーーーーーーーーーーーーー♪
嬉しそうにベンチから駆け出してくる選手達。
その中には、胃ガンからの戦線復帰を目指す赤松選手や、怪我により無念の戦線離脱をした鈴木誠也の姿も。
嬉し泣きの緒方監督を胴上げするカープナイン達。歩けない誠也をおんぶしてあげるエルドレッド。その誠也のお尻に容赦なくカンチョーをかます菊池。
その光景は、去年の「25年ぶりの悲願の優勝」よりは余裕に溢れた感じがするんだけど、でも緒方は「苦しかった1年」と言う。
優勝チームは当然他のチームから徹底的にマークされるわけだし、プレッシャーもハンパないだろうし、きっと、ファンが思うよりもしんどかったんだろうな。
確かに、危なっかしい部分も時々あった。あのGWの悲惨な甲子園、8月の悪夢のハマスタ。でも、その苦い記憶を経験値に代えて、しっかりと克服してきた1年でもあったと思う。
だからこそ、今年のカープは強かったんだと思う。
開幕前、評論家は言った。
「エースにして精神的支柱の黒田博樹を失ったカープは、その穴を到底埋めることなどできやしない」と。
いやいや、そんなことはなかった。
むしろ、黒田の残した“黒田イズム”みたいなものが、それぞれの選手の中で大きく育っていったよ。
開幕直後、評論家はまた言った。
「去年の勝ち頭、ジョンソンと野村祐輔が開幕早々に体調不良で離脱。このエース2人の抜けた穴は大きい」と。
いやいや、その穴はみんなで埋めたよ。
まだ若い薮田や岡田、大瀬良や九里、そして「投手の穴は野手が埋めてやる!」とばかりに打線が活発に動いてくれた。
シーズン終盤、評論家はまた天を仰いで言った。
「四番打者、鈴木誠也が怪我で離脱。今度こそもう終わりだ」と。
いやいや、いやいや。
誠也がいなくなっても、松山が、岩本が、西川が、バティスタが、新井さんが、俺の出番が来たなとばかりに大活躍。
なんだろう、もう、普通に強いんですけど。カープさん。
これがほんの5年前までは「万年5位」で「球界のお荷物」と呼ばれていたチームですかね。
だって、アメトーークでカープ芸人が取り上げられたのだって、「こんなに弱くてこんなに貧乏なカープを必死で応援してる俺達」という、いわゆるネタ扱いだったわけでしょ。
それが今じゃもう笑いのネタにすらならない。普通に強くて、東京の街だってユニフォームを着て歩く人がいる時代なんだもん。
ああーーーー、幸せじゃあーーーー。
そりゃもう嬉しいですよ。チケットが買いにくくなったなぁ、っていう文句は言いたいけど、でもやっぱり贔屓のチームが強いのは嬉しいよ。
それこそ、私がうんと小さい頃、年の離れた兄貴の膝の上でテレビ観戦していた頃のカープは、いわゆる黄金時代だった。浩二、衣笠、大野、津田、達川……と、名だたる名選手の名前がスラスラと挙がる。
その黄金時代と同じぐらい――もしかしたらそれ以上の――強さを感じさせるチームになっているんだもの。ウキウキするに決まってるじゃない!
とりあえず、根っからのカープファンである兄貴がこの素晴らしい胴上げの風景を現地で見られたことに、良かったな、と思う。
兄貴も兄貴で、過去に大病を患ったこともあるからね。でも、元気で生きてりゃ良いこともあるよ、ってことかなぁ。
でも、いつか、私もこんな光景に立ち会いたァーーーーい!
今年は歓喜の渦に加わることはできなかったけど(でも少なくとも行動は起こしたので後悔はしていない)、とりあえずまだ今年はクライマックスシリーズと、日本シリーズが残ってるぞ!!!
まだまだ頑張れ、カープ!
全員野球で、気を抜かずに進んでいけ!我らのカープ!!!\(^o^)/