こんな時だからこそ、好きなものの話をしませんか。
誰にも理解されなくっても構わないから、自分の好きなものを語り尽くしませんか。
さて、私が語り尽くしたい愛すべきモノは、そりゃもう「木の実」です。
前の記事にも書いたけど、とにかく木の実が落ちていたら拾わずにはいられない。観察せずにはいられない。そんな性分ゆえ、うちにはせっせと集めた木の実がたくさんあります。旦那と息子には「また懲りもせず拾ってきた……」とジト目で睨まれるけど、でも好きなモノは好きだからしょうがないんだもん。
そんな私のコレクションの一部をお目にかけようと思います。願わくば「意外と可愛いね」と思う人が一人でも増えてくれますように。
まずは、大きさを比べてみましょう。
左下の一番大きいのがドイツトウヒ。その隣はストローブマツ。
その右にあるバラの花のようなものがシダーローズ(ヒマラヤスギ)。
その下にある小さなものはカラマツ、メタセコイヤ、ヤシャブシ、ヒノキ。
大きさが結構違うのがお分かりいただけると思います。リースなどの飾り物を作る時はこれらの大きさのバランスを考えながら組み合わせていきます。
それでは、個別に見ていきましょう。
まずは、何より、私をこの世界に引き込んだきっかけ、シダーローズから。
この2016年のブログにもあるとおり、これを最初に拾った時の驚きったらなかったですよ。木彫りの薔薇の花のようなものが足元に落ちていたんですもん。なんだこれは!と思って検索してみて、それが「ヒマラヤスギのまつぼっくり」であることを知り、今までまったく気に留めていなかった木の実の美しさにがぜん興味がわいて、今に至るわけです。
気に留めてみると、ヒマラヤスギはあちこちに結構たくさん植えてありました。我が町でいえば、茅野市運動公園にはかなりの本数があります。冬になるとまつぼっくり愛好家の方々がシダーローズを拾い歩いている姿をよく見かけます。なにしろシダーローズはこの美しい形がリースなどの飾りに最適なんですもの。
お次は、とにかくでっかい、ドイツトウヒ。
アンティークの柱時計についている錘とか、クリスマスツリーのオーナメントとかで見たことがありませんか、この形。あれはこのドイツトウヒの実をモチーフにしたものだそうですよ。
欲しいなーと思っていたら、茅野市運動公園にたくさん落ちていました(他にも諏訪市や原村の図書館の敷地内でも見かけました)。ただ、雨の日の翌朝などは鱗片が完全に閉じていて、黒っぽくて細長い何かの塊――パッと見はまるで犬のウン●――なので、拾い上げる際には注意力が必要となります( ̄▽ ̄;)
それと、茅野市運動公園には野生のリスが棲んでいるので、落ちている実はたいていリスに齧られています。仕方ありません、この公園ではリスのほうが先輩なのです。運よく食べられていない綺麗な実を見つけたら、「先輩、おこぼれいただきます」と心の中で挨拶をしてから頂戴します。
ところが、喜んでたくさん拾ってきたのはいいものの、なんせでかいし自己主張が強いもんで、リース飾りにするには使い勝手の悪い代物だというね……(;´・ω・)
お次は、コウヤマキ。
茅野市運動公園に1本、茅野市の金沢公園に数本あるコウヤマキの木のまつぼっくり。
コウヤマキの木自体をあまり見つけられていないことと、1本の木についているまつぼっくりが少ないらしく、あまり数は拾えていません。このぼってりとした肉厚の鱗片、ややいびつな形がなんとも愛おしくてお気に入りなんですけどね。
ただ、けっこう壊れやすいのと、他の実と並べた時の印象が弱いので、リース飾りには未だに使えていません。何かもっと魅力を引き出せるような使い方がないものかしら。
お次は、皆さんよくご存じの一般的なまつぼっくり。
あっちこっちで拾える、大きさもさまざまな、お馴染みの「まつぼっくり」。ところが、私には正直、どれがどの松の木のまつぼっくりなのか分かってません。
えーと、多分、クロマツかアカマツのどっちかだと思う。茅野市の植生から考えたらアカマツの可能性のほうが高いんだけど、この2種のまつぼっくりって図鑑を見てもよく似ていて、はっきりこれだと断言できないんですよ。あるいは別の種類の可能性も無きにしも非ず。というわけで、ご存知の方がいたら教えてほしいです。
それはさておき、まつぼっくりはどの角度から見ても本当に美しく、とりわけ真上から見た時の螺旋形は数学の世界ではお馴染みの「フィボナッチ数列」という神秘的な配置になっていて、どれだけ見ても見飽きるということがありません。
お次は、新入り!先日、奥蓼科で拾ってきたストローブマツでーす!
はぁー、可愛い。このちょっと曲がった形とか鱗片の反り返りとか、まるで樹木の妖精のドレスのようだと私は思うんですけど、どうでしょう。
前記事でもお話ししたとおり、拾った時点では白い松脂が鱗片の先にポツポツついていて、それがアクセントになって見映えが良いんですけど、ここではかなり洗い落としてしまいました。それでもまだ先っちょに白いものが見えますね。
これをどういう形でリース飾りなどに使おうか、ただいま考え中。あんまりゴテゴテ飾らずにナチュラルな感じで……うーん、どうしようかなー。
そのほかの木の実もご紹介。
枝のついているもの2種、カラマツ(上)とヒノキ(下)。
どちらも、割とどこにでも植えてあって手に入れやすい木の実。
カラマツはたいていこんなふうに小枝ごと落ちているので、リースの土台にそのまま枝を這わせて使うことが多いです。実は小さいけれども、シダーローズにも引けを取らない綺麗な花の形なので、何と組み合わせてもバッチリ映えて、使いやすいです。
このヒノキの枝は、息子が通学路で拾ってきてくれたもの。こんなふうに枝の先に群れて小さな実がつきます。これ単品ではあまり使えないけれど、他の実と実を組み合わせたときにちょっとバランスが悪い時とか、隙間が空いてしまった時とかに使うと良い働きをしてくれます。
お次は、上からユリノキ、ヒメシャラ、メタセコイヤ、ヤシャブシ。
このユリノキは吉祥寺の井の頭恩賜公園で拾ったもの。いや、ユリノキの木は茅野にもあるんですけど、壊れずに綺麗な形で実が落ちているのが珍しくて、旅先だというのに夢中になって拾い集めてしまいました。
ヒメシャラは庭木として人気があって、あっちこっちの公園や店の花壇でよく見かける木。均整の取れた五角形、ツンと尖ってやや反り返った先、色の美しさなど本当に美しい。だのにあまり注目されていないのが不思議。リース飾りにはアクセントとしてちょっと使うと凛とした印象で全体を引き締めてくれます。
メタセコイヤも割とよく見かける木ですね。たいてい柄がついた形で落ちています。これもヒノキ同様、全体のバランス調整で使うといい仕事をしてくれる頼れる木の実です。ワイヤーをひっかけやすい形なのも使い勝手◎。
ヤシャブシは……これは多分ヤシャブシだよね、ええと、よく似た実で「ハンノキ」っていうのがあるので紛らわしいのですが。どちらもタンニンを多く含むので古来から染色に使われてきたそうです。小さな種がびっしりとくっついて1個の実を形成しているので、拾ってきたまま放置してしまうと、気がつくとバラバラに壊れていることがよくあります。そんなわけで、私は拾って帰ったらすぐに赤いラッカーを噴き付けて実を固着して、リースのアクセント用に使うことが多いです。
以上、私のコレクションの一部ですが、愛すべき木の実をご紹介させて頂きました。こんなに可愛い子たちがアナタの足元にも落ちているんですよ……どうか目を向けてあげてね……(*´ω`*)