「飲んだクラフトビールの感想をブログの下書きに書き溜めておこうシリーズ」も29回目となりました。けっこう続いてるなぁ。なお、前回の記事はこちらからどうぞ。
最近、嬉しいことがありました。茅野駅の近くに、日本のクラフトビールを扱う雑貨屋さんが新たにオープンしたんですね。けっこうアイテム数も多くて、チョイスもなかなか。ただ現状はIPA中心の品揃えだもんで、もうちょっと違うスタイルのものも増やしてほしいとリクエストしたところです。これから頻繁に足を運ぶことになりそう。うふふ。
さて、今回は6月中に飲んだビールを中心にご紹介しますね。どうぞー。
1 奈良醸造「BEER AFTER SAUNA」
(FRUIT GOSE ABV4.0% IBU6)
先月、奈良醸造さんで開催されたサウナイベント用に作られたゴーゼ。サウナの後に飲むビールというコンセプトだそうです。
液色は薄濁りの黄色で、フルーティな甘い香りを感じます。口に含むと、キウイジュースのような爽やかな酸っぱさが口の中に広がっていきます。苦みは全くありません。酸味が喉の奥に流れ落ちていった後で、余韻のように、舌の上にほんのりと塩気を感じます。
冷たいうちはキウイフルーツの味わいが優勢ですが、ぬるくなってくるにつれて、陰に隠れていたマンダリンの風味が少しずつ顔を出してきます。飲み終わる頃になると、キウイフルーツの酸味は後ろに退き、代わってマンダリンの人懐っこい甘酸っぱさが前に出てきます。サウナの後の火照った身体に一気に流し込んでしまいたくなる気持ちも分かるけれども、あえて時間をかけてこの味わいの変化を楽しんでみてほしいですね。
ちなみにこちらが、先日の松本PARCOの「Loppis」に来ていらした女性醸造家さんがお作りになったビールなのでした。フレーバーが、キウイからマンダリンへと切り替わっていくのは意図的なものですかとお尋ねしたところ、やはり計算されたものであるとのこと。ブルワーさんってすごいや。尊敬しかないっす。
2 奈良醸造「DEEP BREATH」
(COLD IPA ABV% IBU36)
缶ジャケットのデザインが、いつもとはちょっと違って文字まで全て手描きになっています。イラストレーターの「三嶋さつき」さんとのコラボレーションなんですって。
液色はクリアな金色で、ベリーっぽい甘い香りがふわっと漂います。そばを通りかかった息子も「なんかイチゴみたいな匂いがする」と言っておりました。喉越しはすごく軽くて、スーッとまっすぐ喉の奥に流れ込んでいく感じ。軽やかで癖がなく、苦みも少なめで、とにかくめちゃめちゃ良い香り。気持ちいいビールだなぁ。これ好き。
3 ヨロッコビール「Swing &Bop」
(Dark Lager ABV5.0% IBU?)
液色は深いセピア色。いかにも重めの見た目ながら、飲み口は意外とスッキリしています。まず最初に焦がした麦の苦みとスパイシーさを感じますが、その苦みはすぐに消えて、すんなりと喉に落ちていきます。後味が舌の上に残るようなことはなく、ラガービールらしい飲みやすさと滑らかさが印象的です。スパイシーさが相まって、甘くないクラフトコーラっぽさもあるなと感じたり。
4 ヨロッコビール「Stammtisch Helles」
(Helles Lager ABV5.0% IBU?)
液色はかすかに濁った山吹色で、蜂蜜っぽい甘い香りが漂います。口に含むと、ビールらしい酸味がパッと開き、その後に、麦汁のふくよかな甘みがゆっくりと口の中に広がっていきます。苦みは軽め。急いでごくごく飲んでしまわないで、舌の上に残る甘い味わいの余韻を楽しんでいたい、そう思わせてくれるビールです。
5 8Peaks BREWING「S8」
(Session Hazy Saison ABV4.5% IBU?)
こないだ蓼科湖にドライブしてきたのは、この新作ビールを買うためだったのでした。
でも後日、茅野駅のお土産屋さんを覗いてみたら、そっちでも売ってたわ。まぁいっか。諏訪湖エイトピークスミドルトライアスロン大会のために作られたセッションヘイジーセゾン。諏訪湖に注ぎ込む上川の源流・蓼科の水と、八ヶ岳産のカスケードホップを使用して作られた、諏訪のアイデンティティとなるビール。
液色はやや濁った白黄色。カスケードホップの柑橘っぽい良い香り。口当たりは穏やかで、オーツ麦に由来すると思われるとろみが少し。苦みはさほど強くなく、すっきりとした酸味の中に、セゾン酵母由来と思われる甘みとエステル香を感じます。アルコールも炭酸も弱めなので、暑い日のスポーツの後にちょいと一杯ってタイミングにいいんじゃないかしらん。ちなみにトライアスロンは降りしきる雨の中で開催されましたが、選手の皆さんは美味しいビールを飲めたのかしら。ちょっと寒かったのよね。
6 8Peaks BREWING「ムギクサエール」
(ペールエール? ABV6.0% IBU?)
麦草峠にある麦草ヒュッテの井戸水を使用した八ヶ岳らしいエール。苔をイメージしたパッケージも雰囲気がありますね。こちらは茅野駅の売店では販売されておらず、麦草ヒュッテなど一部の場所でしか買えない様子。
瓶の底に酵母がたくさん沈んでいます。液色はやや濁った薄い黄色で、柑橘系の香りがふんわりと漂います。口に含むとすっきりした酸味があって、口当たりは柔らかめ。苦みはそれほど強くなくて優しいです。軟水の穏やかさが心地よい。ぬるくなってくると、次第に酵母の風味が強くなってきます。登山を終えた後の八ヶ岳の山小屋で、静かに霧が立ちこめていく様子を眺めながらゆったりと飲む、そんなイメージが浮かびますね。これを麦草ヒュッテで飲んだら最高なんやろうなぁ。
7 Far Yeast Brewing「とまちぇら」
(Field Beer with Spices ABV5.0% IBU?)
「山梨応援プロジェクト」として、山梨県産の生トマトをどっさり使用したビール。液色は薄く濁った橙色で、バジルの爽やかな香りと、ほんのり果物っぽい甘い香りがします。トマトジュースみたいなドロッとした感じを予想していたものの、口当たりはサラッとしていてとってもすっきり。めちゃめちゃ飲みやすくて、思わずゴクゴクいっちゃいますね。喉越しにフルーツトマトのような甘酸っぱさ、椎茸由来と思われる旨みを感じます。いやー、これはまさに飲むサラダですね。さっぱり感は終盤まで変わらず、気持ちよく飲めます。夏のリゾートのランチタイムに、ピザか何かと合わせて飲みたい感じ。
8 ひみつビール「CHERRY SOUR」
(sour ale with cherry ABV4.0% IBU?)
液色はダークレッド。グラスを光に透かすと鮮やかな紅色に輝きます。とても綺麗。飲んでみると、まず酸っぱさが口の中に広がり、赤い果実の甘酸っぱい香りが鼻腔に抜けていきます。苦みはほとんどなく、ほのかに渋みのようなものを感じます。
……っていうか、端的に言っちゃうと、これ、ビールっていうよりテーブルワインですよね?何も前情報なしでいきなり出されたなら、あれ、ワインってこんなに泡が出る飲み物だったっけ、って思うレベル。ピルスナーしか知らない人なら絶対にビールだとは思うまい。あ、飲み干した後に喉の奥から戻ってきた香りがほんのりホップだわ。
9 しまなみブルワリー × カマドブリュワリー 「しまなみニワジャンホワイト」
(Belgian White ABV6.0% IBU?)
缶のジャケットを見た瞬間に「あっ、丹羽さんだ!」と驚きました。似顔絵の入ったビールなんてそうそう見ないよね。しかもよく似てるし。しかも広島県尾道市のブルワリーが作ったビールだということで、これはもう買うっきゃないっすわ。
液色は濁った黄橙色で、滑らかな泡がふっくらと被さっています。鼻を近づけるとベルジャン酵母特有のバナナのような香りがして、ややヴァイツェンぽい感じ。口に含むと、爽やかな甘さとフルーティな酸味があって、思わずゴクゴク飲んでしまいたくなるほど飲みやすいです。
温度が上がるにつれて、金柑や八朔のような柑橘系の香りが前に出てきます。私の大好きな風景、瀬戸内海に島々が浮かぶのどかな光景を思い出させてくれます。ビールっぽい苦みはほとんどなく、わずかに八朔のような爽やかな苦みがありますね。ぬるくなるにつれてどんどん甘さが強くなり、まろやかなベルジャン酵母の香りを余韻に残してフィニッシュ。うーん美味しいっ!
今回はこのような顔ぶれになりました。ちなみに「BEER AFTER SAUNA」は、間違いなくこの夏の猛暑に活躍してくれそうだと思ったので、売り切れる前にもう1本確保してありまーす。暑くて辛抱たまらんのんじゃ!という日だって、だけどうちの冷蔵庫には奈良醸造のゴーゼがあるんだもん!と思えばなんとか乗り切れそう~!だけど、ビールには脱水作用があるので、くれぐれも熱中症には気をつけましょうね、皆さん!