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『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』

先日、図書館にて、何か面白そうな本ないかなぁと、カウンター前の「新刊図書」コーナーを物色していたところ、カウンターで若いお父さんらしき男性と司書さんとが会話をしているのが耳に入った。

どうやら、お父さんはカウンターに置いてある検索システムの使い方が分からないらしい。そこで司書さんが、検索窓にキーワードを入力してくださいね、的な声をかけたようだ。ところが、その直後、私の耳に、司書さんの困ったような声が飛び込んできた。

 

「……あのぅ……、その、『えほん』だけですと、候補が膨大になってしまいますので…、…あの、もうちょっと何かヒントのようなものは、ないでしょうか…?」

 

ああ、司書さんって大変なお仕事なんやなぁ、と背中で同情しながら、ふと見ると、目の前に、今まさにこの状況にうってつけの本が陳列してあったのだ。

この本は、福井県立図書館の職員間で、利用者から寄せられたレファレンス事例をまとめたものを書籍化したものである。レファレンス・サービスというのは、図書館の窓口で利用者から「こんな本を探している」などの照会があった際に、その利用者が探している情報にたどりつけるよう司書さんがお手伝いをしてくれるサービスのこと。

ところが、窓口に来る利用者は必ずしも正しい書名や著者名を伝えてくれるわけではなく、時として、うろ覚え、勘違い、おおまかなニュアンスで尋ねてくる。それに対して司書さんは質問を重ね、ようやく正解を導き出す。その司書さんの苦労の跡がにじむようなレファレンス事例集から、一部を抜粋して解説を加えて紹介したのが、この本だ。

実は、福井県立図書館の公式サイト上には、この本のもととなったレファレンス事例「覚え違いタイトル集」が公開されている。そして、日々新たな事例が追加されているのだ。

www.library-archives.pref.fukui.lg.jp

 

この図書のタイトルとなった『100万回死んだねこ』は、言うまでもなく、佐野洋子さんの名作絵本『100万回生きたねこ』の覚え違いである(レファレンス#321)。ちなみに『100日後に死んだ猫』という覚え違いのパターンもあったそうだ(#730)。ネコなのかワニなのかどっちなんだ。

 

他にも、『蚊にピアス』は、金原ひとみの『蛇にピアス』(#741)。リクエストカードの字面だけでは司書も間違いに気付かず、後になってカードを見直してみたら「蛇じゃなくて蚊って書いてあったわ!」と初めて気づくこともあるんだとか。

 

なんか色々と混ざっちゃうパターンも多い。

村上春樹の『とんでもなくクリスタル』」は、村上龍の『限りなく透明に近いブルー』、あるいは田中康夫の『なんとなく、クリスタル』(#506)。村上春樹村上龍との覚え違いはよく起こるらしい。そりゃいいとして、この「とんでもなく」はどっから湧いて出てきたのかw

 

村上春樹では、『そば屋再襲撃』という覚え違いが個人的にウケた。正解は『パン屋再襲撃』(#74)。本の解説にも「村上春樹にそば屋のイメージはあまりない」と書いてあるが、全く同感である。山本洋次監督、渥美清主演の映画のタイトルだったらありそう。男はつらいよ・寅次郎そば屋再襲撃。これなら面白そう。

 

うちの旦那と息子にめちゃくちゃウケていたのは、『人生が片付くときめきの魔法』。もちろん正解は、一時期ブームとなった『人生がときめく片づけの魔法』(#622)。ただ語順が違うだけで、意味がまったく別のものになってしまうのが面白い。こんまりさんが拳銃片手にときめきながらパァンしている映像を思い浮かべてしまったw

 

ヒントが大雑把すぎるのは、もうどうしようもない。

ウサギのできそこないが2匹出てくる絵本」って…………(#327)。

 

ところで、あのお父さんは結局どうなったんだろう。目当ての絵本は見つけられたんだろうか。司書さん、本当に、お疲れ様です……(;^_^A