「飲んだクラフトビールの感想をブログの下書きに書き溜めておこうシリーズ」、その第22回目でございます。前回の記事はこちら。
さてさて、今回は「週末ビア旅行」で訪問したブルワリーのビールのご紹介からスタートします。まずは、11/23に訪問したカマドブリュワリーさんのビール3本から。
1 カマドブリュワリー「Holy Smoke」
(ポーター ABV6.0% IBU?)
見学ツアーの最後に「お土産」として頂いた1本。黒ビール系が苦手だったこともあって、ポーターを飲むのは初めてです。しかも、このポーターは燻製仕立てだということで、さてさて、いったいどんな味がするのかしらとドキドキしながらグラスに注ぎます。
コーラのような漆黒の液体がグラスに満ちて、燻製特有の香りが漂います。見た目はいかにも苦そう。だけど、エイヤッと覚悟を決めて一口飲んでみると、あれっ?あんまり苦くない。口の中にじわっと広がる苦みこそあれど、喉越しはすっきりしていて飲みやすく、麦芽の甘さを感じます。燻製の香りと酵母の香りが入り交じって人懐っこい感じですね。ぬるくなるにつれて、それぞれの香りはさらに強くなってきます。
(IPA ABV6.0% IBU?)
「SMaSH」とは、シングルモルト&シングルホップの略。カマドさんではしばしばSMaSHをリリースしておられるそうですが、今回は、まだ名前のついていない最新のホップ品種「HBC638」を使用。
液色は濁ったオレンジ色で、ブラッドオレンジのような柑橘系の香りがします。口に含むと、爽やかな甘さを感じ、後から柔らかな苦みが広がってきます。ほんのり酵母の香りもしますね。ぬるくなるにつれて、味がどんどん濃くなってくる感じです。
3 カマドブリュワリー「窯焚物語 第四楽章 霞む稜線 ヘイジーIPA」
(Hazy IPA ABV6.0% IBU?)
茶色の瓶を透かしてみると、白い酵母の澱がゆらゆらと陽炎のように揺れています。栓を抜いた瞬間から一気に立ちのぼってくる、グレープフルーツやパイナップルのような甘いトロピカルな香りにうっとり。くるくると瓶を優しく回しながらグラスに注ぐと、ああ、なんて上品な白黄色のヘイジー(濁り)。
口に含むと、柑橘系の酸味がサッと駆け抜けていった後から、意外にもしっかりとした苦みが追いかけてきます。アルコールと苦みが口の中をじんわり痺れさせて、その余韻の奥から、ふわっと甘みだけが戻ってくる感じ。ううう美味いわー、これ。流行の華やかなヘイジーIPAではあるんだけど、品が良いというかバランスが良いというか。美味い以外の言葉が出てこない。うーんまた釜戸に行かなくちゃだわ。
さて、お次は、カマドブリュワリーの丹羽醸造長のお弟子さんの1人でもある、長野市のマリカブルーイングを12/3に訪問した際に購入した2本を。
4 Mallika Brewing「ネコノワインIPA」
(IPA ABV5.0% IBU?)
坂城葡萄酒醸造とのコラボビール。坂城町産のワイン用ブドウ品種「ツヴァイゲルトレーベ」や、赤ワインの搾りかすなどを使用したIPAだそうです。
グラスに注ぐとロゼワインのような可愛らしいピンク色。わー可愛い、と思って一口飲むと、意外にもしっかりIPA。甘さはなくてそこそこ苦い。ブドウの香りよりかは、どちらかというとホップの香りのほうが強め。でも、ほのかな酸味と渋みはワインっぽい。アルコール度数は5度で、普通のビールと変わらないんだけど、見た目のワインぽさに脳内が引きずられているのか酔いが回るのが早かった気がします。私だけ?
5 Mallika Brewing「めろめろめるろー」
(IPA ABV8.5% IBU?)
こちらは、長野市産のワイン用ブドウ品種「メルロー」を使用したIPA。
グラスに注いだ時の見た目は、ごく普通のビールと変わらない感じ。でも口に含むと、ほのかに甘みのある酸味が喉の奥へ滑り落ち、舌の上にはホップの苦みとともに、ブドウの渋みがじわっと広がっていきます。ビールとワインのいいとこ取りな感じですね、これは。心地よいハイアルコールに全身がゆったりと痺れていきます。
6 MANGOSTEEN BREWING LAB「BAD SENÕR」
(レッドエール ABV6.0% IBU43.8)
液色は深いボルドー。口に含むとまず酸味を感じ、続いて渋みがじんわりと広がっていきます。その中からバーレイワインに似た熟成された麦芽のふくよかさが顔を出し、ごくわずかに甘みも。焦がしたカラメルの香りが鼻腔に抜け、複雑な味わいを楽しめます。
ごくごくプッハーって感じのビールじゃなくて、これからの季節、コタツでちびちび、ゆっくりと味の変化を楽しみたいビールですね。冷蔵庫から出したばかりの冷え冷えよりも、飲み終わりのややぬるめぐらいのほうが味がまとまってて好み。
7 うちゅうブルーイング「PHOTON」
(スムージーサワーエール ABV5.0% IBU?)
このブログではすっかりお馴染み、うちゅうさんのゴージャスあまあまスムージー。ここんとこ年末進行で心身ともに疲労が溜まってるから、週末ぐらいは自分にご馳走したいよね。
こちらはブラックベリー&ブルーベリーの組み合わせ。そんなん美味いに決まってるやーん、とワクワクしながら缶を開けます。グラスに注がれゆく濃紫色のどろんどろんの液体。むっふー、これこれ。口に含むと、甘酸っぱいベリー果汁が、とろとろりんと喉を滑り落ちていきます。鼻腔に抜けていくのは強いバニラの香り。なんかレアチーズケーキの上にかかってるフルーツソースをそのまんま飲んでる感じだな、これは。くーーーっと飲み干した後で、酔いが軽やかに回ってきます。これはもう、オトナのための飲むデザートだね。
8 inkhorn brewing「文鳥」
(West Coast IPA ABV7.0% IBU?)
見て見て!この可愛すぎる缶のラベルを!もうねぇ、見た瞬間、何も考えずにカゴに突っ込んでしまいました。完全なるジャケ買いです。とはいえ、酒屋さんによると、インクホーンさんのビールはとにかく競争率がとんでもなく高くてなかなか落札できないらしく、「これ昨日やっっっと落札できたやつだよ!あなた本当に運がいいよ!」とレジで店主さんに力説されてしまいました(笑)
液色はクリアな金色。缶を開けると、うっとりするような華やかなホップの香りがぶわっと溢れてきます。缶のラベルによると非常にたくさんのホップを使用しているみたいですね。口に含むと、さまざまなホップの香りと苦みが、まるで色とりどりの可愛らしい小鳥が口々にさえずっているかのように、一気に自己主張してきます。味わいはすっきりした酸味。「なにこれ美味しい」以外の言葉が出てこない。飲み始めから飲み終わりまでずっと美味しくて、口の中でじわっと酸味の余韻が続く。いやホンマなにこれ美味しい!
9 オラホビール 「ビエール・ド・雷電 冬仕込みポーター」
(ポーター ABV5.0% IBU?)
カマドさんのスモークポーターを美味しく飲めたので、もしかして私の黒ビール苦手意識を払拭する良い機会かしらと思っていたところ、オラホさんのシーズナルビールもポーター。これはチャレンジしてみる価値がありそうね。
パイントグラスに一気に注いでいきます。珈琲色の液体の上にベージュ色の泡がふっくら。いかにも苦そうな見た目にやっぱり怖気づきつつも、一口。お。やっぱり苦くないな。いや、苦いことは苦いんだけど、アイスコーヒーをのんでいるみたいな、酸味があって爽やかな苦さなんですよ。
私が黒ビールを苦手にしていた理由は、舌の上や喉の奥にしつこく絡みつくような苦みや渋みがしんどかったからなんだけど、これは全然苦みが残りませんね。口の入口でパッと酸味と苦みとカラメルの風味が広がって、でも喉の奥までには届かなくて、全然しんどくないです。わーお。ポーターって美味しいんだなあ。新しい扉が開いた予感。
10 OUTSIDER BREWING「DUCHESSE DE KOSYU」
(Strong Ale ABV8.0% IBU10)
山梨県甲州市勝沼産の、「幻の黒葡萄」とも呼ばれる貴重なワイン用のブドウ品種「アジロン」を使用したストロングエール。ところで、このネーミングは「ドゥシャス・デ・ブルゴーニュ」を意識しているのかしら?
液色は濁った薄赤紫。ほのかにロゼワインのような甘い香りがします。口に含むと、キュンと酸っぱくて美味しい。うっすらとワインっぽい渋みもあるけど、ワインというよりはサワーエール寄りかなぁ。これ好きー。飲んでいるうちに、強いアルコールがゆっくりと全身に回ってきます。休みの日の前の夜にゆったりと味わいたいビールですね。
今回はこんなラインナップになりました。やっぱり秋冬はコタツでレッドエールやストロングエールのようなハイアルコール系をちびちびやるのが最高っすね。それではまた次回をお楽しみに。
おまけ。
はてなさんの新機能で「AIがブログの記事を読んでタイトルをつけてくれる」ということで、おおー、ついにこの辺境ブログにも自動生成ツール革命がやってきたのかと思い、試しにこの記事(ビールを飲んだ感想だけをひたすら書き連ねた下書き)を読み込ませたらどうなるんだろうと思いまして、AIボタンをポチっと押してみましたところ、次のようなタイトルが出てきましたよっと。
「苦みと甘みが調和するビールの試飲レポート」
「燻製風味のポーターと酵母が香るビールの魅力」
「幻の黒葡萄を使用したストロングエールの味わい」
……う、……うーん………、いま……いち…………。1個目は箸にも棒にもひっ掛からん平べったーい感じだし、2個目と3個目は特定の銘柄の話しかしてねぇ。うーむ、まだまだじゃ、出直して来いッ(笑)