オフィスで使えるマスクホルダーを作る、という目的は、前回の記事において一応の成果を得て完結、ということになっていた。
ところが、私がモニターをお願いしていた広島のMさんから追加のオファーが届いたのである。
そもそも私は「布マスク用のホルダー」を作っていたのだが、Mさんは不織布マスク(いわゆる紙マスク)をお使いになっているのであった。にもかかわらず、モニター用のサンプル(初号機・改)に紙マスクを収納して使ってくれていたのだ。
ところが、紙マスクを四つ折りして収納すると、ノーズワイヤーの部分をかなり折り曲げなければならず、何回か出し入れするとよれよれになってしまう。そこでMさんは紙マスクを縦に長細く2つ折りして収納していたのだが、それでは当然ながらホルダーからマスクがはみ出してしまうのであった。
紙マスク対応のホルダーを作ってもらえまいか、と遠慮がちに仰るMさん。
いやいやいや!そんなご不自由をおかけしていたともつゆ知らず、のんきに「完結」なんて豪語して申し訳ない!もっと早く言ってくれても良かったのに!
すぐやります!
まずは、我が家に1枚だけ残っていた紙マスク(ふつうサイズ)を計測。9.5センチ×17.5センチ。「縦2つ折り」ということは、ホルダーのサイズは幅が5センチで高さが18センチぐらい必要になるわけね。
考慮すべき点は2つ。
衛生的であること、そして出し入れが簡単であること。
衛生面から考えると、素材はやっぱりクリアファイル。マスクの表・裏が当たる箇所はサッと除菌シートで拭き取れるように、何も加工しない状態に保っておかなきゃいけない。
出し入れについては、Mさんは「マスクの紐を引っ張ったらシュッと取り出せるのがいい」という意向だった。ということは、マスクの紐は外側にはみ出しているほうが使い勝手がいいのかな。
とりあえず、3つ折りにしたプラスチックシートの中に紙マスクを挟み、マスクの紐を両側にはみ出させてみた(マスクに「腹巻き」をした状態)。その状態で一方の紐を引っ張ってみたが……むむ、出ない。そうか、内側に巻き込んだシートの底に紐が引っかかってしまうのか。困ったな……(゚^ ゚ ;)
…………ん?
いや待て待て、これは逆に使えるぞ。つまり、紐がひっかかっていれば、ホルダーからマスクが落っこちてしまう心配がない、ということじゃないか。
だとすると、初号機にある「底の爪」は不要だ。
あとは、底側になる紐が内側のシートの底に引っかからなくなる仕掛けを作ればいい。そうだ、内側のシートに切れ込みを入れて、そこに紐を引っかけたらどうだろう……。
こんな試行錯誤の末に完成した、不織布マスク用縦型ホルダー【参号機】の設計図が、こちら。
本体部分の高さは18センチ。それプラス、「耳」の高さが2センチ。
幅は、両側4センチずつ、中央2面は5センチずつのトータル18センチ。
この設計図に沿ってクリアファイルに転写し、カッターナイフで切り出す(切れ込み部分が難しければハサミでも)。縦に折り目をつけ、マグネットをセロハンテープで仮留め。
中央部分に紙マスクを載せ、左側のシートを覆い被せながら、下側の紐を内側から引っかける。そして左側のシートを畳んでマスクを2つ折りにしたら、最後に右側のシートで全体をくるむ。
マグネットを閉じて、ストラップをつけたら完成。上の紐は出しておく。
出す時は、上の紐を引っ張る。シュッと気持ちよく抜けるぞ。
反対に、下の紐を無理やり引っ張っても抜けない(ぐいぐい引っ張ればマスク自体はちょっと出るけど、すっぽ抜けるまではいかない)。
よしよし、それじゃこのままこれをモニター用のサンプル品として作ってしまおう。
前回同様、デコレーションに使うのはダイソーの「貼れる布」。
左側のシートは表裏ともマスクに直接触れるので何も貼らない。
中央のシートは外側だけに貼って、中央左側の外面にマグネットを閉じ込める。
右側のシートは両面とも布を貼って、内面にマグネットを閉じ込める。
できたーヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪
Mさん、こんな感じでどうでしょうか~?近日中に郵送しますので使ってみて頂いて、改善点など、忌憚のないご意見を頂けますと幸いです~(。-人-。)
オフィスでスタイリッシュに紙マスクを引っ張り出してみてくださいね(*´ω`*)
なお、今回の記事に掲載している設計図等につきましても、もしも「作ってみようかな?」と思った方がいらっしゃいましたら、遠慮なくご利用くださいませ。許可も連絡も一切不要でございますゆえ(^_-)-☆
※追記※
紙マスクの種類によっては「マスクの紐を引っ張っても抜けない・紐が切れる」という現象があるとの報告を受けたため、一部デザインを変更しました。その場合は左下の部分を丸くカットしてください(;^_^A
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