マスクホルダーを作ろうと思い立ったことについては、前記事に書いたところ。
初号機を3日間オフィスで使ってみたが、まったく問題がなかった。一回だけIDカードと間違えかけたぐらいか(単に私がドジなだけ……)。
そして、こんなモノを3日間も胸元にぶら下げていることについて、上司や同僚からのツッコミは一度も入らず、行き交う人の視線を感じることもなかった。まぁ、IDカードだけじゃなく、スマホやら何やらをぶら下げている人はたくさんいるわけで、違和感がなかったということだと評価したい。
そんでもって、使い心地は、自画自賛にはなるけれども、正直なところ、予想以上に良かったのだ。マスクを使う時には上からシュッと抜けるというのが便利が良く、しまう時にマスクの表面に触れなくて済むというのも気持ち的に安心できた。何より他人様に汚れたマスクの裏側を見せずに常備できるというのがやはり良い。
初号機の自己評価に手応えを感じたので、今度は家族にモニターを依頼すべく、サンプル品の製造に着手した。
まずは、初号機を解体して、方眼紙を使って型紙を作る。
横幅はクリアファイルの幅と同じ22センチ。これを縦に4つに区切る。両側が5センチずつ、真ん中が6センチずつ。
縦の幅は18センチ。上の「耳」となる部分が2センチ、胴体部分が13センチ、下の「底」となる部分が3センチ。
クリアファイルの袋になっている部分をカッターナイフで割いて、プラスティックのシート2枚にする。そのシートをこの型紙の上に載せ、ペンで形を写し取り、ハサミ又はカッターナイフで太線に沿って切り抜く。
底の部分を谷折りにし、ヘラなどでしっかり折り目をつける。同様に、縦も全て谷折りにして、しっかり折り目をつける。上の耳の部分は折らない。
そして、底⇒両側⇒真ん中の順に折っていけば、土台は完成である。とんでもなく簡単である。めちゃくちゃシンプルである。なんせクリアファイルが透明なら、わざわざ1回ごとに採寸せずとも、型紙から直接写し取っていけばいいだけなので、型紙さえ出来ていれば、あとはもう1個作るのに5分とかからない。
ちなみに、この型紙の寸法も別にこの寸法でなきゃダメだっていうわけでもない。後に説明するが、真ん中6.5センチ、両側4.5センチでも成立する。縦の幅だって、単に私が持っているマスクの大きさに合わせただけの話であって、子供用のマスクならもうちょっと短くしても大丈夫だと思う。
さて、土台ができたところで、後はこれを自分好みにデコレーションして、閉じる装置とストラップなどの付属品をつければ完成だ。ここは色んなアイディアを盛り込める部分なので、工夫して楽しんでやっていきたい。
というわけで、百均ショップの「ダイソー」と「セリア」を回って、使えそうな素材を買い集め、とりあえずサンプル品を5つ作ってみた。
サンプルその1。
デコレーション素材:3Dタイルステッカー(ダイソー)
閉じる装置:超強力マグネット
吊り下げ部分:名札用ストラップ
マグネットはポリプロピレン用接着剤で付けようとしたがうまくいかず、結局「他人に見えない部分はこだわらなくていいや」と割り切り、セロハンテープでくっつけてある。タイルステッカーが余ったので耳の部分にも貼ってみた(他人に見える部分だけなので、この写真では裏向きになっている)。
趣味で集めているシールコレクションの中に、ぷくぷくの水玉シールがあったので、飾りにところどころ貼ってみた。お風呂のタイルに水滴が付いているように見えれば幸いである。
サンプルその2。
デコレーション素材:カラータイルシール(セリア)
閉じる装置:接着型ファスナーテープ
吊り下げ部分:名札用ストラップ
ほとんどサンプル1と同じだが、マグネットではなく面ファスナーを使っている。なぜかというと、ネオジム磁石だとスマホや心臓ペースメーカーなどの電子機器に影響が出る恐れがあること、万が一外れた時に小さいお子さんがいる家庭だと誤飲の可能性があることを考慮して、うちの家族にはその心配は無用ではあるものの、こうしてインターネット上に情報を公開して曲がりなりにも「気に入ったらお使いください」と言っている以上は、色々な場合を想定すべきだと考えたからである。
個人的にはマグネットのほうが、閉じた時の「ぱっちん」という感触が気持ちいいので好きではある。あと、実際にこれを使ってもらった姑の意見によると、「面ファスナーはこんなに長くなくていいわ、短いのを上下に2つずつ付けるぐらいで充分じゃないかな」とのこと、参考までに。
サンプルその3。
デコレーション素材:シール
閉じる装置:接着型ファスナーテープ
吊り下げ部分:カラビナ
これは息子用に作ってみたもの。青色のクリアファイルを使い、手持ちのシールコレクションの中から、息子の好きな熱帯魚のシールと水玉シールを適当に散りばめてみた。
息子のカバン、もしくはズボンのベルト通しに付けることを想定し、ストラップではなくカラビナを使ってみた。「耳」の部分は小さくして、閉じる側の端にパンチ穴を開けた。ただ、息子の使っているところをモニタリングしたところ、カラビナの脱着に手間取っている様子だったので、カラビナではなくもっと簡単に開け閉めできるクリップのようなもののほうが良いかなぁと思っている。今度また探してみよう。
サンプルその4。
デコレーション素材:メタルタイルシール(ダイソー)
閉じる装置:超強力マグネット
吊り下げ部分:カラビナ
前記事で、「高級感を演出するにはレザーかアルミがいい」と考えておったところ、すごい時代になりましたね、ダイソーに本当にアルミ製のタイルシールが100円で売っていたんですよ。びっくりだね。というわけで、一番小さな1センチ角のものを買ってきた。しかし予想以上にぶ厚くて、最初の型紙どおりに作るとうまくいかない。というわけで、このサンプルでは真ん中6.5センチ、両側4.5センチずつで作ってある。
制作前は「大人のビジネスマンにふさわしい重厚感かつ高級感あふれるグッズ」というイメージだったはずなのだが、出来たものを見てみると、どう見ても、
渋谷あたりで中学生男子が買いがちな安物の厨二病グッズ
である(;^ω^)
しかも、その得体の知れない厨二病グッズの中から出てくるのが、
おかんが作ってくれた布マスク
だというね。ギャグだよね(;^ω^)
もちろん、これは旦那のカバンに勝手に装着させてもらった(;^ω^)
サンプルその5。
デコレーション素材:フェイクレザーカットクロス(セリア)
閉じる装置:接着型ファスナーテープ
吊り下げ部分:名札用ストラップ
「高級感を演出するにはレザーかアルミ」その2。レザーのカットクロスを切って、ポリプロピレン用接着剤で土台に貼り付け。そして閉じる部分はマグネットを…と思ってレザーにマグネットを埋め込むための穴まで開けたものの、やっぱりマグネットがうまく台座に貼り付いてくれない。さんざん悪戦苦闘したが根負けし、仕方なくファスナーテープに切り替えた。写真でかすかにレザーに穴が開いているように見えるのはその名残である。
これは私が実際に職場で使うことを想定して、当初、シンプルに仕上げた。
が、出来上がりを見た旦那から「あまりにも地味すぎない?」と言われたので、アルミタイルの残りを使って、旦那と一緒にデコってみた。すると、旦那がタイルを十字架の形に並べてしまい、もう逃げも隠れもできないぐらいの完璧なる厨二病の匂いぷんぷんの、
「その命、神に返しなさい」
とでも言ってそうな雰囲気になってしまったので、こらあかんあかん、と並べ替えて、最終的に「意味がありそうで意味がない」という形に仕上げた。なんにせよオフィスでは悪目立ちしそうなので、仕事中は裏返しておこう(;^ω^)
なお、これを半日使っていたら、耳の部分が早々に破れてしまった。どうやらカッターで切り抜いた際に小さな切れ目が入ってしまっていたらしい。仕方ないので現在は耳の部分をセロハンテープで補修した上から、レザーを被せて補強してある。
以上、サンプル5品、現在うちの家族でモニター中である。ここからさらに得られた意見を基に、近いうちに量産化体制に入っていきたいと思っているところである。
個人的には、もっと思いっきりデコレーションして、女性向けの可愛らしいバッグチャーム兼用のマスクホルダーとか面白いんじゃないかと考えているところである。どうせこの先しばらくはマスクとの長い付き合いが続くのだ。「仕方ないからマスク」ではなく「オシャレアイテムとしてのマスク」への発想の切り替えをしていくべきじゃないかと姑と話し合っているところである。ネクタイやリボンを選ぶように、マスクやマスク周辺グッズを選ぶ日が、もう目の前に来ているのかもしれない。