つれづれぶらぶら

カセットテープミュージックで久々に「レインダンスが聞こえる」を聴いた。こんなカッコいい曲だったかな。懐かしいな。

『北極百貨店のコンシェルジュさん』

今日は有給休暇を取って、TOHOシネマズ甲府まで映画を観に行ってきました。いやホラ、年末の繁忙期が始まっちゃったらなかなかお休みも取れなくなるしね。

上映スケジュールを眺めていたら、明日から上映作品ががらっと入れ替えになるようで「本日までの上映」と記載された作品の中に、前からちょっと気になっていた作品が2つもあったのです。今日は「TOHOウェンズデイ」で映画が1本1300円で見られる日だし、せっかくだから両方とも観ることにしました。

 

まず1本目は、『北極百貨店のコンシェルジュさん』。Production I.G制作のアニメ映画です。まずは予告編をご覧くださいな。


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hokkyoku-dept.com

新人コンシェルジュとして秋乃が働き始めた「北極百貨店」は、来店されるお客様が全て動物という不思議な百貨店。

一人前のコンシェルジュとなるべく、フロアマネージャーや先輩コンシェルジュに見守られながら日々奮闘する秋乃の前には、あらゆるお悩みを抱えたお客様が現れます。
中でも<絶滅種>である“V.I.A”(ベリー・インポータント・アニマル)のお客様は一癖も二癖もある個性派ぞろい。

長年連れ添う妻を喜ばせたいワライフクロウ
父親に贈るプレゼントを探すウミベミンク
恋人へのプロポーズに思い悩むニホンオオカミ・・・

自分のため、誰かのため、様々な理由で「北極百貨店」を訪れるお客様の想いに寄り添うために、秋乃は今日も元気に店内を駆け回ります。

(公式サイトより転載)

「♪な~んで~も、そ~ろ~う~♪ほっきょくひゃっかてん~♪」というテーマ曲が高らかに鳴り響く、見るからに高級感のある巨大デパート。淡いトーンで描かれた背景美術がまず目を惹きます。美しい飾り窓、広大な吹き抜けのエントランスホールには輝くシャンデリア、高く積み上げられた色とりどりの商品……。

映画の冒頭で、その美しい光景に興奮して思わず駆け出してしまった少女(幼い日の秋乃?)がいますが、私自身、幼い頃に両親に広島市内のデパートに連れていってもらった時の、あの走り出したくなるような胸の高まりを思い出しました。今では買い物っていうとテナントがいっぱい入った郊外型の大型ショッピングモールが主流ですけれども、やっぱね、デパートの思い出っていうのは格別なんですよね。食べるのがもったいないぐらいに綺麗に盛り付けられたプリン・ア・ラ・モードとか、子どもに対しても丁寧な敬語で応対してくれるコンシェルジュさんとか。

そんな「特別な空間」であるデパート、でもこの北極百貨店のお客様はなんと「動物」。しかもその多くが絶滅種あるいは絶滅危惧種なのだから、それはもう「とびっきりの特別な空間」なわけです!

物語自体は、よくある「お仕事ドラマ」の王道パターンを踏襲しており、そこ自体に目新しさはありません。やる気だけはあるが実力が伴わない新人が、とんでもない失敗をやらかして客や職場に迷惑をかけつつも周囲の助けを得て挽回し、少しずつ成長していく。周囲のメンバーも、時にはぶつかり合いながらも、新人の熱意に引っ張られるようにして次第に結束し、最終的には客に信頼される唯一無二のチームになる……という典型的なストーリーです。だもんで、この作品でも初っ端から盛大に秋乃は数々の失敗をやらかして凹みまくるのですが、結末はお約束のハッピーエンドです。ご安心ください。

でね、絵柄がとにかく可愛い。ふんわりほんわりした丸っこい人物や動物たちのタッチと、淡い色合いで描かれた背景美術との組み合わせが、なんともいえず目にも心にも優しい。癒されるゥゥ~。ここんとこ仕事が忙しくて気持ちがささくれてたから本当に癒されるゥゥゥゥ~~~( *´艸`)

コンシェルジュカウンターに持ち込まれる動物たちの相談ごとも、大切な相手に贈るためのプレゼント選びのお手伝いだったり、本の栞に残されたかすかな香りから香水を探し出すミッションだったり、プロポーズの演出だったりと、さまざま。お客様のしょんぼりする顔が見たくなくて、秋乃はついつい「お任せください!」と安請け合いしてしまって、そのたびに奔走する羽目になります。それでも、目的を達成できたお客様からの「ありがとう!」の笑顔が、いいんですよね~。

 

ところが、この映画、単なる「ほのぼの癒し系映画」に見せかけて、実のところ、その裏側には闇の部分を隠し持っているのです。

デパートとは、すなわちお客様の「物欲」を最大限に満たさんとする場所。そして、この百貨店で最大限のもてなしを受けるVIA(ベリー・インポータント・アニマル)は、その多くが、かつて人間の「物欲」によって乱獲され絶滅した種族。その絶滅種自身の物欲を満たさんと、人間がおもてなしするという、この皮肉めいた構造。

あれが欲しい、これも欲しい、あれは要らない、もっともっと欲しい……!過度に膨れ上がった欲望は、時として醜悪な一面をかいま見せます。「♪な~んで~も、そ~ろ~う~♪ほっきょくひゃっかてん~♪」という明るいテーマ曲にも矛盾が含まれています。そういった毒の部分があることで、この映画はただのほのぼの映画とは一線を画す深みを持っているのです。

 

とはいえ(イマドキあちこちで話題になっているような)、鼻につく説教くささや、過度なメッセージ性は抑えられています。観客に考える余地を残したまま、物語自体はあくまでも王道のお仕事ドラマとして、穏やかに流れていきます。そして、一時の物欲ではなく、本当の「満足」とはどういうことか、コンシェルジュたちだけでなく、スタッフも、客自身も、さまざまなトラブルを通じて、お互いの知恵を出し合って、補い合っていくのです。そんな素敵な「特別な空間」、それが北極百貨店。

 

心が癒される優しい映画です。お仕事ドラマがお好きな方、動物がお好きな方、デパートに憧れたことがある方々に特にオススメです。本日までの上映となっている映画館が多いですが、これから上映するという映画館もあるみたいですよ。なんと、我らが「岡谷スカラ座」では明日23日からの公開となっているようです!諏訪地域の皆さんも、ぜひぜひ、岡谷スカラ座に足を運んでみてくださいね!