つれづれぶらぶら

旅行記はちょっとずつ仕上げていきます。お楽しみに~。

週末ビア旅行【Inkhorn Brewingテイスティングルーム(東京都豊島区)】

クラフトビールを、その作られた土地に行って飲みたいという【週末ビア旅行】。昨日の土曜日、1月6日にお邪魔したのは、東京都豊島区は目白にあります【Inkhorn Brewing】さんです。

inkhorn.jp

インクホーンさんのビールについては、過去にこのブログでも2銘柄(「Postsourism」と「文鳥」)ご紹介しましたが、とにかく味がすこぶる良い、そして缶のデザインもめっちゃ可愛い。

sister-akiho.hatenablog.com

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だがしかし、インクホーンさんのビールについてあちこちの酒屋さんが口を揃えて言うのは、とにかく「人気が高すぎて落札できない!」ということ。上に挙げた2本も、それぞれの店主さんが「よーーーーーーっやく入荷したの!今しかないよ!」と拳を握りしめてガチオススメしてくれたのが印象に残ってます。

で、私の行きつけの小さな酒屋さんは1回も落札できたことがなく、そもそも店主さん自身も飲めていないと溜息をつきながら、「もう、こうなったら、目白に直接行っちゃったほうが早いんじゃないかって思う」と呟く。

でーすーよーねー。

このような経緯で、新年1発目の週末ビア旅行の目的地が定まりました。茅野からだと特急あずさに飛び乗りゃ都内までは片道2時間ちょい。Suica片手にちょっくらビール飲みに行って来らぁ、ってな気軽さで出掛けてきました。

特急あずさで新宿へ、山手線に乗り換えたら3駅先はもう目白。

そういえば目白には降りたことがないなぁ。若い頃、早稲田のあたりには縁があってちょくちょく立ち寄っていたんだけど(50円ゲーセンとか天丼てんやとかよく通ったなぁ。今はどちらも閉店しているらしい……)、目白には縁がなかったのよね。

目白の駅を出ると、土曜日だというのに学生さんの姿が目立ちます。いかにも頭が良くて育ちも良さそうな感じのお坊ちゃんお嬢ちゃんの姿が。それもそのはず、目白といえば学習院大学を初めとする教育機関がずらりと並ぶ文教地区。街もシックで落ち着いています。広大な学習院大学の敷地を右手に眺めながら、目白通りを東南にまっすぐ歩いていくと、8分程度で目指すインクホーンさんのタップルームに到着しました。

到着したのが11時50分頃。扉は開いているけど、まだ店内ではスタッフさんが開店準備中。12時の開店までしばし待ちます。すると、全面ガラスの窓だと思っていた正面の壁がジャバラ折りに開け放たれて、店内がまるごと表の道路に剥き出しになりました。そしてスタッフさんの「いらっしゃいませー」の声とともに、私が本日最初の客となったわけです。やっほぅ!

まずは店内の撮影と個人ブログへの掲載がOKかどうか確認します。すると、個人ブログへの掲載はOKだけど、食べログへの掲載はNGとのことですよ。

店内は立ち飲み用のカウンターがあるだけで、決して大きくはありません。正面にはインクホーンさんの代名詞でもある鳥の絵が描かれ、窓の向こうには醸造施設が見えます。

タップは全部で9つありますが、本日繋がっているのはそのうちの5つで、全てインクホーンさんのオリジナルビールです。それとは別に、ゲストビールとしてベルギーのDen Herbergのランビックをグラスで提供しているとのこと。

ちなみに、こちらのお店はあくまでも「テイスティングルーム」なので、提供されるのはこれらのビールだけ。フードやソフトドリンク、お冷やの提供は一切ありません。その代わり、フードの持ち込みは可能(常識的な範囲で)らしいので、今回は新宿駅カシューナッツのスナックとペットボトルの水を買って持っていきました。

さーてと、それではさっそくビールを頂きましょうね。

最初はやっぱり軽めのものがいいのかなと思いつつ、タップリストを見ていたら、Neon Pilsnerという見慣れないスタイルのビールがありました。まずこちらから頂くことにしましょう。本日1杯目のビールは、新作の「Flocc Members 2024」です。アルコール度数は5.2%。

「ネオンピルスナー」って何ですか?と尋ねてみたところ、インクホーンさんが新たに創り出したオリジナルのビアスタイルだそう。「いつものピルスナーに比べると、よりホッピー(ホップ感が強い)、だけどIPAまではいかない感じ」とのこと。

グラスに注がれた淡いレモン色の液体の、なんと美しいこと!鼻を近づけると、ホップ畑で嗅いだフレッシュなホップの毬花の爽やかな香りがスーッとして、とっても気持ちいい!口に含むと、クリアな酸味が柔らかく口腔内を刺激して、飲み口はめっちゃ軽い!思わずぐびぐび行きたくなるけど、せっかくのビールだからゆっくり堪能しましょ。後味として、じわりじわりと広がってくる苦みがいいですね。ピルスナーの軽さでIPAの満足感があると言ったら伝わりやすいかな。これ好きだなー!

 

2杯目は、こちらも新作の「Java Finch 2024」。スタイルはWest Coast IPA、アルコール度数は7.0%です。

薄黄色の濁った液体がグラスの縁ひたひたに注がれています。香りは重めの松脂臭。いかにも重たそうだなぁと思いつつ口に含むと、意外にもサラッとした軽い感触。おお、これなら……と油断した瞬間、グレープフルーツのとびきり苦いやつを食べたような重たい苦みがガッとやってきます。ぬるくなればなるほど苦みが増す。目がバキッと開いちゃう感じ。でもフルーティーで美味しいのーん。

 

2杯飲んで、下戸ゆえに、ふんわり酔いも回りかけているので、そろそろ退出するタイミングかもしれないなと思いつつも、タップリストを見た時から気になっていたアレがどうしても引っ掛かるので、もう1杯だけいっときますかね。

 

最後の1杯は、Den Herbergさんの「Herberg Lambiek」。そう、ベルギーのランビックです。アルコール度数は6.0%。

なんせ、ストレート・ランビックが飲めるチャンスはめったにないんだもん、飲むしかないっしょ。

ちなみに、ランビックと名乗れるのは、ベルギーのブリュッセル南西部にあるパヨッテンラント地域の醸造所で造られたものだけ。その地域に生息する野生酵母で醸され、長い時間をかけて樽熟成されたものです。今回頂いたランビックは5か月間オーク樽で寝かせ、2019年に詰めた、何も混ぜられていない生のランビックだそうです。

美しい澄んだ琥珀色。グラスに鼻を近づけると、ツーンとする酸っぱい香りに、ブルーチーズやら田舎のおばあちゃんちの台所の隅っこを想像させる湿った感じの香りやらが複雑に入り混じったような感覚があります。さらに言うと、生のランビックには炭酸は入っていないので、ビールと聞いてイメージされるものとは大きくかけ離れていて、ほとんどの人が「これ黒酢?」と思うんじゃないかしら。

口に含むと、ツーンとする酸っぱさ、うん、そうだね、ビールじゃなくて黒酢ドリンクだねという感じの味わいがあるものの、それだけでは語りつくせない熟成された円熟味、何とも言いがたい魅力があります。あー、ほんまランビックって説明しにくいな!サワーエール好きなら一度は手を出してみてほしい一品ではあります。思ったよりは飲みやすくて喉に絡まない、後口も悪くないランビックでございました。

 

すっかり満足したので、ここで退出。いやー、どのビールも美味しかったなぁ。やっぱ目白まで来た甲斐があったなぁ。このテイスティングルームには、常連さんと思しきお客さんたちが入れ替わり立ち替わりやってきて、1杯か2杯ひっかけたらサッと出ていきます。東京の人はインクホーンさんのビールが飲みたいと思ったら山手線ですぐに飲みに来れるんだもん、羨ましいよなぁ。

店内で缶ビールを1種類だけ販売していたので、自宅で飲む用にそれを購入して帰りました。このビールについてはまた今後の記事でご紹介しましょうね。でもやっぱり近所の酒屋さんで入手できるようになってほしいなぁ……。