つれづれぶらぶら

たびにでてます。

『百一』『SCRIBBLES ①』

久しぶりに、息子を連れて松本の丸善ビルまで行ってきました。

過敏性腸症候群(多分)とか、オミクロン株への不安とか、色々あって最近はうちに閉じこもりがちになってたんですよね、うちの息子。そりゃ感染するのは怖いけど、うちに引きこもってばかりっていうのも健康上どうなんだろうと思ってたんです。で、ちょうど息子が欲しがっていた本が丸善の在庫にあることを知ったので、思い切って連れ出してみた次第です。

松本駅前の丸善ビルは、丸善文教堂という2つの書店が入っていて、本はもちろんガンプラも売っている。息子にとってはパラダイスなわけです。なので、本人も「行きたい行きたい」と二つ返事。不織布マスクに携帯用消毒薬、腹痛の頓服薬を持って、空いた時間帯の電車を選んで松本に向かいました。なんだかんだで、やっぱりお出かけは心が浮き立つもんですね。

息子がガンプラをあーでもないこーでもないと長考の構えで物色している間、私はコミックスの新刊をあれこれ見て回っていました。ドラマ化した『ミステリと言う勿れ』のコーナーがレジの近くに出来ていたり、『SPY×FAMILY』のアニメ版トレイラーが流れていたり、懐かしい漫画の復刻版があったり、やっぱ大きい本屋さんはいいですね、ただ歩いているだけでも楽しいですよ。

 

こうの史代さんが『漫画ゴラク』の裏表紙で連載していた1コマ漫画『百一』が、ついに完結してコミックスになったと聞いたので、とりあえずそれを買いたいなと思って来たわけです。

百人一首の暗記法として「上の句の5文字と下の句の7文字」だけを合わせて覚える方法がありますが、その「十二文字だけ」で意味のある一コマ漫画を作ってみたらどうだろう?というアイディアから生まれたものだそうです。例えば、「み吉野の 山の秋風 小夜ふけて ふるさと寒く 衣うつなり」の歌なら「みよしののふるさとさむく」となりますが、これにつけられた一コマ漫画は、主人公のフクコの友人の「しの」ちゃんが、自分の故郷に寒波が到来したテレビのニュースを「見よ」とばかりに指さしているところ。

あるいは、「このたびは 幣も取りあへず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに」だと「このたびはもみぢのにしき」。これは、そのまんまズバリの、広島銘菓「にしき堂のもみじ饅頭」の箱を開けているところで、中に入っている小さな紙に「このたびはにしき堂のもみじ饅頭をお買い上げいただきまして……」という文字がちらっと見えるという、広島県民にとっては見慣れた光景のイラスト。まぁ、これっきゃないよね。

で、この漫画の主人公であるフクコは、古風な美女にしたいなということで「おたふくさん」をモデルにしたそうですが、そんな縁があって、ちょうどオタフクソースのCM用アニメーションの構想を練っていた片渕監督から、アニメーションの主役にと抜擢されたこともあります。そんな経緯もあって、『百一』の中でもフクコは両親が営んでいた広島風お好み焼き屋を継ぐことになります。


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なお、アニメでフクコの声を演じているのは、『この世界の片隅に』ですずさんの夫の姉である径子さんを演じた尾身美詞さん。ちょっと意地が悪そうな、でも実は人懐っこくて愛嬌のあるフクコを楽しく演じておられますよ。

 

それから、『エマ』や『乙嫁語り』の森薫さんの『SCRIBBLES』、すなわち「落書き」を集めた本が出ていたので、うーんうーんどうしよう、と悩んだ末にやっぱ我慢できなくなっちゃって買いました。

なんで悩んでたかっていうと、森薫さんの絵は好きすぎて――だって綺麗じゃない!あの流れるようなタッチ!あの密度!――いつまでも時間を忘れて読みふけってしまうから、というのが理由なのでした。最近、『乙嫁語り』のワイド版が出版されているのだけれども、あれ、めちゃめちゃ惹かれるんだけど、あんなん漫画というかほとんど画集と言っていいぐらいのレベルじゃないですか、ただでさえ普通のコミックスでもじっくり隅々まで読んでしまうのに、大型本だったら刺繍のひと目ひと目までさらにじっくり見てしまうこと必至じゃないの、ダメですよそんなの、時間がなんぼあっても溶けて消えてしまうわ、と自分を戒めておるところなのでございます。

というわけで、この『SCRIBBLES①』もワイド版と通常版の2種類が出ていたけど、ワイド版はグッと堪えて通常版を買いました。あああでもやっぱり美麗だあああ読みふけっちゃうううう。

森薫さんはどうしてこんなに絵が上手いんですかね。サラッと描き散らしたような鉛筆画なのに、線に勢いがあって、情景までもがすんごく分かる。ってかメイドさんかわいいー、ああドレスのひらひらが綺麗すぎるー、この肉感的なおみ足のラインたまんねぇっすハスハス、あああ眼鏡めがね眼鏡めがね眼鏡は正義だ!ジャスティース!!!

『エマ』や『乙嫁語り』に関連した落書きも素敵だけど、それ以外の現代風のイラストとか、和服の美女とか、そういうのもたくさんあってですね、た、たまらんとですよ、な、なんでこんなに絵が上手いんやぁ……(舐めるように見ている)。そんなわけで、つい先ほど、今月中旬に発売されるという『SCRIBBLES②』も楽天ブックスで予約してしまいましたよ。早く届かないかな。今から楽しみです。うきうき。