つれづれぶらぶら

さん♪さん♪さん♪太陽の光♪さん♪さん♪さん♪三連休♪

猿に信仰心はあるか

諏訪信仰に関する話、続き。

あ、記事数が増えてきたので、新たに「諏訪にまつわる事柄」というカテゴリを作成しました。諏訪信仰に関する話のみならず、諏訪6市町村に関するご当地ネタはこちらのカテゴリにまとめていきますね。

併せて、諏訪信仰に関する話は「諏訪DeepTrip」タグのほうでも管理していきますので、どちらでも使い勝手のよいほうをご利用くださいませ。

 

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それにつけても本当に、ミシャグジとは何なのか、分からない。

ま、分からないものは分からない、でいいんじゃないかなと思う。だって、誰も「正解」になんて辿りつけやしないし、仮に正解に辿りついたとしてもそれを証明する手だてもない。でも、それじゃあ考えたって意味ないじゃないの、と言うアナタは心の潤いが少々不足していらっしゃるのではなくて?

分からない、だからこそ、面白いのだ。

今井野菊さんのように人生を賭けてひたすらミシャグジ信仰を探し集める旅に出るもよし、世界中の類似信仰と比較検討するもよし、トンデモ理論で自由に発想を飛躍させるもよし、スピリチュアルな旅で神秘のパワーを頂くもよし、ゲームのキャラクターの元ネタにするもよし。答えなんかないから、それぞれの考え方で楽しめばよいのだ。

では、私はどんなふうに向き合っているのかというと、「令和のこの時代に生きる日本人のひとりとして、自分自身の中にある「信仰」とは何か」ということについて、ぼんやりと考え続けている。

日本人は無宗教だと、よく言われている。

確かに、これほど無節操な民族もそうそういないだろう。

お正月には神社に初詣に行き、バレンタインデーには義理チョコを配り、お盆にはお墓参りしてお線香を供え、ハロウィンには仮装して街に繰り出し、クリスマスにぼっちとかイヤだわーとか言い、年末には面倒くさいなとか言いながらせっせと掃除をする。

教会で結婚式を挙げたけど、カトリックプロテスタントの違いも知らない。お寺に親戚のお葬式に行くけど、自分ちの宗派も知らないし、お経も読めない。そういや、神社とお寺ってさぁ、パンパンって手を打つのどっちだったっけぇ?なんてことを平気で言う。

そのくせ、神話や伝説のたぐいは大好きなのだ。メガテンシリーズにFGO、聖おにいさん鬼灯の冷徹、おかげさまで神々の名前にはめっちゃ詳しい。やっぱクー・フーリンが最高よね!頼れる兄貴って感じでかっこいいもん!……何の話だそれ。

では、やはり、現代の日本人の多くは無宗教なのか信仰心を持たない民族なのか

そんなことはない。

日本人は信仰心を持っている。ただ、この心の中にあるものが何なのか、自分にさえ理解できておらず、どう説明していいか分からないのだ。

 

これほどまでに宗教とは無縁に暮らしている現代の日本人でさえ、なぜか信じていることがある。

祟り」である。

「たたりじゃ~」と言えば昭和世代には懐かしい横溝正史の『八つ墓村』のキャッチフレーズだけれども、そこまで大袈裟でなくとも、我々は日常的にこの「祟り」を気にしていると思うのだ。

「食べ物を粗末にするとバチがあたるよ」とか、「朝に蜘蛛を殺すのは縁起が悪いんだって」とか、「悪いことをしたから天罰が下ったんだ」とか。わりと普通に言ったり聞いたりしていると思う。『学校の怪談』とかでも鉄板ネタよね。

先日ご紹介した、天竜川の藤の木を刈ったために天罰が当たったというエピソードもしかり。科学的に考えれば根拠などない。けれど、それを聞いた人々は「ああ、諏訪明神の藤を切るだなんて何とバチ当たりなことをしたものだ」と納得したのだ。 

sister-akiho.hatenablog.com

 

でも、この「バチ(天罰・神罰・仏罰・祟り・悪縁)」って、いったい何だろう。 

 

ところで、私の旦那である現観くんは、前宮のお膝元である茅野市宮川安国寺生まれであるにもかかわらず、御柱祭にも諏訪信仰にも一切興味が無いと断言する人物なのだが(本人曰く「子供の頃から御柱祭のたびに我が家に知らない人がたくさん来て、べろんべろんに酔っぱらって散らかしていくのを見ていたから、もう御柱祭はこりごり」とのことらしい)、そんな現観くんですら、子供の頃から「ミシャグジ」について教えられてきたそうだ。

曰く、「ミシャグジは祟る神」だと。

ミシャグジさまは蛇神である。悪いことをしたらミシャグジさまの祟りがある。とりわけ、水を汚すなど、水に関して悪いことをしたら恐ろしい目に遭うぞ、と。

誰に言われたのかも覚えてないけど、とにかく幼い頃から、何かいたずらをすると「ミシャグジさまが祟りに来るぞ」と言われ、でも、良い子にしていればミシャグジさまが守ってくださるよ、と言われて育ってきたらしい。

資料を読んでいると、確かにミシャグジは「子供の守護神」としての側面も持つ存在であるらしい。仏教で言えば、閻魔(地蔵菩薩)や鬼子母神などといったところに似ているのかな。恐ろしい存在でありながら、他方、慈愛に満ちた存在であるという。

 

さて、ではこの「祟り」とは何であるか。

それはすなわち、恐怖に根ざし、全ての人類に共通する感覚であると思う。

その最も強いものはすなわち「死への恐れ」であり、これは生きとし生けるもの全ての根源にある感情であると思う。天変地異、天敵に捕食される恐怖、餓死、毒のある生き物への警戒、事故、病気、などなど。

これらの多くは、自分ではどうにもコントロールできないものであって、自分よりも大きなチカラによってもたらされる、予測できない・目に見えない・逃げようがない物事に対して、もしそうなったらどうしよう、と不安に思うのは致し方ない。

だったら、少しでもその不安を解消しよう。自分たちでコントロールできない大きなチカラに対して、何らかの働きかけをしよう。と、ひ弱な生き物である「人間」は考え、その恐ろしいもの=大いなるものを「畏れ(おそれ)」るようになった、と思うのです。

だから、その大いなるものを怒らせてはいけない。その機嫌を損ねることがあれば、ひ弱な我々はまた怯えて暮らさなければならなくなる。人間はそう考え、何らかの約束事を決めて、そのグループに属する人々に共通のルールを課した。それが明文化されたものが教典・経典であるが、多くは民話や伝説、言い伝えなどに形を変えた。

意味不明の言い伝えにも、きっと何かの源流がある。それは積み重ねられた先人の記憶であり、あるいは哺乳類、あるいは生物としての記憶の残滓である。ヤギもシマリスも蛇を怖がる。いったい、蛇と哺乳類の過去に何があったのだろうか。 

sister-akiho.hatenablog.com

ならば、人間以外の動物も、あるいは「信仰心」を持っているのだろうか。我々には分からない方法で、我々には伝わらない言葉で、何かを畏れ、何かに祈っているのだろうか。

人間はいつから信仰心を持つようになったのだろうか。母親の胸に抱かれ、優しく毛づくろいをされている子猿も、「悪いことをするとバチが当たるよ」という、あの言葉を聞かされているのだろうか――。

 

そんなことを考えながら、今日は茅野市宮川の西茅野にある「御頭御社宮司社」を訪ねてきた。メリーパークの角から高速道路下の道に入って東に進み、坂室バイパスとクロスする点のすぐ先にある。割と新しい神社で、これまた高速道路の整備によって移設されたものらしい。

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諏訪大社の上社における重要祭事のひとつ「御社山祭」では、前宮を出発した御神体が最初に立ち寄る神社とされている。

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ちなみに、「御頭(おとう・おんとう)郷」というのは、諏訪大社の神事を受け持つ1年単位の担当地区のことで、毎年お正月に行われる「御頭御占神事(おとうみうらしんじ)」によって、その年の御頭郷がどこかが決定される。

かつては御頭郷に決まった郷は莫大な資金と労役を提供しなければならなかったそうだが、現在はそれほどでもないようだ。参考までに今年の正月の長野日報の記事を紹介しておく――、おや、今日って境じめ神事があったのか。どこらへんに「境」(結界)があるのかなぁ。今度探してみようっと。

www.nagano-np.co.jp

♪と~ろくと~ろく♪

火曜日です。

好きな動画を貼り付けるだけの簡単なお仕事の日です(ちょ、言い方)。

というわけで今週も『おしゃべり唐あげ あげ太くん』を一緒に観ましょう。


おしゃべり唐あげあげ太くん 「発売?出しゃばり唐あげあげ太くん弁当」

いや、胃もたれするわ。

 

そういえばだ、『モモウメ』がこないだからエンディングのとこが可愛くなったんすよ。本編も面白いので、最後まで飛ばさずに一緒に観ましょ。ね。


【意味わからん】ビジネスで使う敬語って難しすぎる。<【SNSアニメ】モモウメOL編>

♪と~ろくと~ろく♪ちゃんねると~ろく♪

♪と~ろくと~ろく♪ぺっぺ~~~~~~♪

ご指導ご鞭撻を「口当たりがいいから使ってるだけ」てwww

 

そうそう、『モモウメ』の監督さんが新作シリーズをTwitter上で公開されていますね。

twitter.com

タイトルは『スナックあいまい』。今日時点で既に3話公開されてますので、監督さんのツイートからご覧ください。

ってか、ぶっちゃけ、

ノリがモモウメとほとんど一緒www

 

話は変わりますが~、春キャンプも始まりまして、野球ファンとしてはそろそろ開幕が待ち遠しい季節になってまいりましたね~( *´艸`)

そしてセ・リーグの魅力といえば、あの自由過ぎるマスコットたちの姿を見るのも楽しみです。そんなセ・リーグ6球団のマスコットたちがリモート会議をするということで……いや……もう既に悪い予感しかしないんだけど……(;^ω^)


【第1回】JERAセ・リーグ6球団マスコットによる「セ界を変える!裏セ・リーグ会議」


【第2回】JERAセ・リーグ6球団マスコットによる「セ界を変える!裏セ・リーグ会議」

ほらな!絶対こうなるよな!!!

このメンツでまともに会議なんかできるわけないって。いつもなら常識人のジャビットもシーズン前のせいかボケが激しいwww

つばちゃんとドアラは通常営業だし、うちのスラ様とコミュニケーションが取れないのはいつものことです。スラさまはいつもあんな感じです。マスコットとは(哲学)

 

あ、あと、今ちょうどこんな動画を見つけました。プロ野球ファンの方は、こちらを見てワクワクを高めておきましょうね。


Google Earthで見るプロ野球二軍本拠地

ええ、あれが、

NPB最後の秘境【由宇練習場】です。

周りなーーーーんもない…………。山しかない…………。 

sister-akiho.hatenablog.com

 こうやって見ると埼玉には2軍球場が思ったよりあるのね。ロッテが浦和とは知らなんだ。そしてナゴ球の立地の良さよ。嗚呼やっぱり球場に行きたいのぅ…………。

藤の枝と鉄の輪

諏訪信仰にまつわる話、続き。 

sister-akiho.hatenablog.com

 

諏訪明神タケミナカタ)が諏訪の地に初めて降臨されたのはどこかという点については、2つの説がある。

ひとつは「橋原」であるという。これは、諏訪湖の釜口水門から天竜川が流れ出すあたり、現在の岡谷市川岸東の橋原区(旧橋原村)のこと。天竜川を挟んで、タケミナカタは藤の枝、洩矢神は鉄輪をもって戦った末に、タケミナカタが勝った、という伝説があるそうだ。

この伝説を裏付けるかのように、橋原区には「洩矢神社」が存在する。釜口水門から天竜川の東岸を進み、高速道路の高架橋をくぐってさらに辰野方面に進んでいくと、小高い山の上にうっそうとした森が見えてくる。それが洩矢神社である。

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現在では、ゲーム『東方Project』の聖地としての知名度が高いようで、奉納されている絵馬のほとんどに、ゲームに登場するキャラクター「洩矢諏訪子」のイラストが描かれていた。また、私が訪れた時には、東方ファンとおぼしき若い人がいて、熱心に絵馬を眺めていた。

境内は広く、拝殿の周囲にはたくさんのお社が祀られていた。

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この洩矢神社は、元からこの場所にあったのではなく、かつては天竜川のほとりにあったという。そして天竜川を挟んで向かい合う場所に「藤島社」があり、その2社を繋ぐように、大きな藤の木が天竜川を覆っていたという。あるとき、藩主がこの藤が邪魔だと思い、村人を雇って刈らせたところ、その村人は発狂してしまい、藩主にも祟りがあったという。この藤の木こそ、タケミナカタがかつてモレヤ神に勝利した際、その地に投げつけたものであったのだと。

 

では、その藤島社とは、どこにあるのか。

これもまた、かつては天竜川の西岸に祀られていたというが、現在は別の場所に移されているという。

その現在の藤島社を探して、釜口水門から今度は天竜川の西岸沿いを下って探してみたが、それらしき神社が見当たらない。こちらの道路は交通量も多く、きょろきょろ探しながら車を走らせるわけにもいかない。何度か往復しているうちに、中央印刷の建物の横、小さな鳥居とお社が見えた。

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まぁ、会社の敷地内にお社を建てるのは珍しくもないから、これもきっと中央印刷さんのものだろう。しかし藤島社が見つからないなぁ、とその日はスルーして帰ったものの、後で調べてみると、やっぱりそれが目指す藤島社であった。

というわけで、もう一度その場所を訪ねてみた。

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鳥居の横に建てられた柱に、小さい字で由来が書いてあった。もうちょっと大きな字で書いてくれると嬉しいんじゃがのぅ(老眼)。

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あらためて見ても、やっぱり小さい。後ろにある中央印刷の建物(日本を代表する製糸業者である片倉組の旧社屋であり、登録有形文化財である)のほうが目立っていて、こちらが諏訪明神のお社ですよと言われてもちょっとピンとこない。

 

なんやったら、釜口水門のすぐ横にある「御社宮司神社」のほうがよっぽど威厳がある。その名からして、こちらはミシャグジをお祀りしている神社であるようだ。 

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洩矢神ミシャグジの関係はいまだに謎ではあるものの、洩矢神の子孫である守矢神長官が祀っている神がミシャグジであることから、おそらくはタケミナカタが諏訪に入る前から広く信仰されていた神なのであろう。この神社の境内には御社宮司神社と刻まれた祠がたくさん祀られていた。

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さて、諏訪明神入諏伝説のもうひとつの場所は、守屋山麓である。要するに諏訪大社の上社付近ということだ。

そしてこの地にも「藤島社」が存在する。諏訪市中洲神宮寺の、高速道路のわきにある。これまたかつては異なる場所にあったそうだが、高速道路の整備によって今の場所に移されたそうだ。

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この地においても、諏訪明神は藤の枝(あるいは藤鎰)、洩矢(守矢大臣)は鉄輪(あるいは鉄鎰)を持って戦ったとされる。そして諏訪明神が投げた藤の枝から根が生え葉が茂り花が咲いたという。

もちろん、今ここにある藤の木は、現代の人が植えたものだろう。でもきっと、花の季節は綺麗だろうね。それに免じて、高速道路の騒音がちょいとやかましいのは大目に見て頂けますかしらん。

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それにつけても謎なのは、なぜタケミナカタが藤の枝で、洩矢神が鉄の輪なのかということだ。藤と鉄でどうやって戦うんだろうねぇ。これは物理的な力比べではなく呪術合戦だったのではないかとか、いやそもそも戦闘などなかったのではないかとか、研究家の方々でさまざまな解釈がなされているそうだが、いまだによく分かっていないらしい。

それと、私としてはやはり、岡谷の橋原も糸魚川静岡構造線の断層上にあることがやや気になっている。もちろん直接的に関係があるわけではないだろうし、そもそも諏訪はほとんどの要所が断層上にあると言っても過言じゃないから、たまたまだよ~とも思うんだけれども、ちょいと引っかかる、という程度に付け加えておくね。

諏訪はこの週末は気温が高く、春の息吹を感じる陽気だった。藤の花が咲く頃に、またぶらぶらと諏訪大社のあたりを散策してみようっと。古代の息吹を感じながら。