つれづれぶらぶら

旅行記まとめ中。情報量が多いけん思い出すんが大変じゃわ。

自立と庇護の悩ましい匙加減

てなわけで、うちの息子もいよいよ高校デビューです。

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ホントもう、ここ2週間ぐらいの間に、お金がすさまじい勢いで飛んでいきましたよ。やれ教科書だのジャージだの制服だのカバンだの教材費だの、学年費だのPTA会費だの、スマホの新規契約だの通学定期券だの、そんでもって昨今は課題提出などがデジタルで行われるんだそうでタブレットを購入してくれだの、毎日毎日数万円単位でお金を支払っておりました。ついでに言うとその前の家族旅行の宿泊代や交通費や飲食費もまとめてクレジット一括にしてあるから、近いうちにごそっと引き落とされるんだろうし、あはははは、ふふふふふ、うん、うん、頑張って働こう。頑張って働いてこうな!(ノД`)・゜・。

まぁね、言うてまだ公立高校なんでね、金銭面では楽なほうだろうとは思いますよ。教育支援金の申請もしておいたしね。中学の卒業式の待ち時間に、他のお母さん方ともっぱらお金の話ばっかりしてたけど、甲子園常連の私立高校の野球部に息子さんを入れたおうちのお母さん、げっそりした顔してらっしゃったもの。きっとうちなんかとは桁が違うんでしょうねぇ( ̄▽ ̄;)

それに、お金はね、前々から覚悟してたし、息子が生まれた時から折々に親戚から頂戴したお祝い金なんかをこつこつ貯めておいたので、実際問題として家計にはほとんど響いてないんで、それはまぁ、いいんですよ。

問題は、義務教育が終わったこのタイミングで、どこまで「親離れ」させるか、言い換えればどこまで息子の自主性に委ねるかっていう、その匙加減の難しさです。

うちね、今までスマホ持たせてなかったんですよ。他のおうちのお子さんはスマホだのゲーム機だのパソコンだの、色々持っていらっしゃったようなんですが、そういうの一切持たせてこなかったんですね。ただもう単純に、うちの息子があまりにも勉強嫌いで、そんなん持たせた日にゃ絶対勉強せんやろうと確信していたからです。それと、小学校や中学校からも「スマホはなるべく持たせないように」って言われてましたからね。なんかね、毎年毎年何らかのトラブルが発生しちゃってその対応にてんてこ舞いするんですってよ。先生方も大変ね。

ところが、さすがに高校ともなると、言うことが変わりますな。オリエンテーションでのあれこれの説明も、生徒がスマホを持っている前提の話しぶりになっている。連絡網はスマホのアプリで行います、行事予定もアプリ内の共用スケジュール画面で確認させてください云々。さすがに授業中はスマホを没収するらしいんですが、登下校中やクラブ活動での使用については触れられなかった。生徒会自体がInstagramを活用しているらしいので、そこはもう、生徒の自主性に委ねているよということでしょう。

もちろん、私たち夫婦も前々から「高校に入ったらスマホ買ってやらんと」と話し合っていたわけで、そこはもう当たり前に受け止めていたんですが、よく分からんかったのが「フィルタリング」。テレビの教育番組などでは色々と話を聞くけれど、実際にはどんな感じなのか全然分かんないし、ここはもうお店の人に聞くしかないですな。

というわけで、家族3人でSoftbankのショップに行って、息子のスマホの新規契約の手続きについてあれこれ相談してみたんです。結果として「あんしんファミリースマホ」という初心者向けのスマホにして、高校生向けのフィルタリングを設定することにしました。スマホのスペック自体は普通のスマホとほとんど変わらないんですが、GoogleChromeなど一部のアプリを利用することができず、インターネットを利用する際には「あんしんフィルター」というアプリを経由しないといけないんですね。で、インターネットを閲覧している最中で、「ここから先はChromeにアクセスしちゃうからダメ」って感じで通せんぼされちゃったりするわけです。

そんで、いきなり息子に泣きつかれてしまったのが、マサチューセッツ工科大学がリリースしている学童向けプログラミング「scratch」。これ、息子は小学校高学年の頃から学校のパソコンなどを使ってたびたび利用していて(scratchが小学校の授業の教材だったのね)、いつかは自分自身の端末を手に入れて、アカウントを取って利用するんだーなんて夢を語ってました。scratch自体はすごく良い教材だし、私も息子に習っていくつかショートプログラムを作ったりしてその面白さと有用性は理解していたから、どうぞどうぞおやんなさい、と笑顔で勧めてたんだけどね、どうやら、そのアカウント作成のいくつかの場面でフィルタリングが通せんぼしてくるらしいんです。

具体的に言うと、メールアドレスを登録して、これをscratchアカウントと連携させることで、自分の作ったプログラムを全世界のユーザーと共有できるようになるんだけど、そのメールアドレスとアカウントの連携の作業の中で行うメールによる認証がうまくいかない。まず認証用のメールがうまく届かないことがある。やっと届いたと思っても、そのメールに指示された画面に飛ぼうとすると、フィルタリングに通せんぼされちゃう。ううう。息子もパスワードを変えてみたりとかあれこれ手を尽くしたっぽいんだけど、やっぱりダメ。どーしたらいいんじゃーい。

1時間ぐらい格闘して、いったんは「もう作品を共有させることは諦めなさい」と言い聞かせたんだけど、やっぱり息子のしょんぼりした顔を見ると気の毒になってくるわけですよ。だって、小学生の頃からずーっと楽しみにしてたんだもんねぇ。しかたなく、ここはもう最後の手段、scratchに登録したメールアドレスを私のものに切り替えて、私のスマホから認証手続きを行ったら、まぁ早い早い。あっという間に認証完了、めでたく息子はscratch世界デビューを果たしたというわけです。「お母さんありがとう!本当にありがとう!」とめっちゃ嬉しそうな息子の顔を見つつ、あー、うん、うーん、これが本当に最適解だったのかなぁ……と内心忸怩たるところはありましたけどね。

 

ま、scratchアカウントの件はひとつの例としてですね、おそらくこれから先、こういった「どこまで手を貸すべきなのか」が問われる場面がちょいちょい出てくるんでしょうねぇ。どうやって向き合うべきかがその都度問われることになるんでしょうねぇ。悩ましいなぁ……。

言うて、この問題はうちだけの問題じゃないもんね。おそらく諸先輩方も、そして全国あるいは全世界の保護者の皆さんが、今こうしている間にも、同じ悩みを抱えて溜息をついていらっしゃるのだと思います。いや、人間だけじゃなくて、子育てをする生き物はみんな同じ悩みを抱えているんじゃないのかなぁ。ライオンのお母さんも、きょうだいでじゃれ合ってる仔ライオンたちを見ながら「そろそろ狩りを教えなきゃなぁ……」なんて考えてるんだろうなぁ。

巣立ち、親離れ、独立。それは裏返せば、親自身にとっても「子離れ」なわけで、ある種の覚悟を要求されるところですよね。どんぐらいの力加減で我が子を谷底に突き落とすのか。這い上がってくる力があるのかないのかのタイミングの見極めって、野生動物はどうやって判断してるんだろ。ね。

 

うちの息子の高校デビューの話に戻すと、うちね、そもそも今まで「おこづかい」も与えていなかったんですよね。なので、自分の欲しいタイミングでジュースやお菓子を買おうと思ったら、今までに貰ってきた、お年玉や誕生日祝い、たまに祖父母に貰うおこづかい、親の家事を手伝ってもらうお駄賃などをやりくりするしかなかったんですね。もちろん、家では菓子や飲料の買い置きなどはしていましたけど、必ずしも息子の欲しいものばっかり用意していたわけじゃないからね。今日はどうしてもファンタが飲みたい!って日もあったんでしょうよ。

で、高校生になったことで、これからは毎朝、自分でお弁当を作りなさい、と言うてあるわけです。もちろん食材は晩御飯の買い物と一緒に家計費で買ってくるし、麦茶も作って冷蔵庫に冷やしてあるのを水筒かなにかに入れて持っていけばいいので、作る手間はかかるとしても、金銭的な負担はないわけですよ。

でもね、そうは言っても食べ盛りの男子高校生。弁当と麦茶だけで身体が持つはずもないし、ダチと一緒にファンタ飲みながらダベる時間も必要でしょうよ。そこを賄うための費用として、「おこづかい」を与えることにしました。ネットで調べてみると平均的な高校生のおこづかいは5千円程度らしいんですが、最初っから飛ばしていくと、あとは値上げする一方なので、まずは様子見として、月3千円にしました。もちろん、この金額の意図も最初にちゃんと伝えておきます。

いいかい、3千円なんてね、コンビニや駅の自販機で好きなものを買いまくったなら、あっという間に消えてしまうよ。そうなったとしても、補助はしてやらないよ。だから、自分でよくよく考えるんだよ。スーパーでお買い物の手伝いをするときに、どの商品がだいたいどれぐらいか、コンビニと比べてどれぐらい安いか、頭に入れておくんだよ。そうして、どうやったら一番安くあがるか、それを工夫してやりくりしてみなさい。

いいかい、お父さんやお母さんはね、決してケチでそういうことを言っているんじゃないんだよ。君にお金をあげるのが惜しいわけじゃない。だけど君に、そういうことを通じて、まともな金銭感覚を身に着けてほしいから、あえてこの金額に決めたんだ。最近はゲームの課金やら動画の投げ銭やらで、あっという間に大金を使ってしまう若者が増えているって、こないだニュースで言ってたよね。10連ガチャのボタンを押した一瞬で、3千円ぐらい軽く使っちゃう。でもその結果、求めているレアが手に入らなかったら……思わずもう一度同じボタンを押したくなるだろう。そうやって、気がついたら何万円もお金を使ってしまっている。そのお金でジュースが何本買えるか、購買のパンがいくつ買えるか。そういう計算を、常に頭の隅でできるようにしておいてほしいんだ。もちろん、無駄遣いが全部ダメってことはないよ。たまには友達とカフェでお茶する、そんな日もあっていいだろう。でもそのためには日頃からなるべく余分な出費を控えるようにしないといけないね。そういう判断も、親に頼らずに自分でできるようになってほしい。さあ、このお金は君のものだ。受け取りなさい。

 

子どもの成長って、危なっかしくてハラハラすることばかりだったけど、これからはなるべく先に手を出さないように気をつけて、……適度に失敗もさせて、少しずつ自立させなきゃいけないですね。いつか来る巣立ちの日を無事に迎えられるように、そして親も子離れをして、自分自身の残りの人生を自立して歩んでいけるように、日々あれこれ考えて悩んでいかなくちゃいけませんね。頑張ろ。

少なくとも、私はそろそろ、すぐにあれこれガミガミ言う癖を直さなきゃなぁ……(;^_^A

舅直伝の山ウドきんぴら

最近のおうちごはんの備忘録でございます。

 

今日び、スーパーに行けば、たいていの野菜や果物はフルシーズンふつうに手に入って、ブロッコリーでも大根でもイチゴでもミカンでも当たり前のように売られているので、なかなか作物の「旬」を意識することはないんですけれども、そんななかで「ああ、春が来たな」と季節を感じさせてくれるのが「山菜」のたぐいでございます。

ふきのとう、たらの芽、こしあぶら、そして「山ウド」。

山ウドは3月上旬頃からスーパーの店頭に並び、4月中旬ぐらいまで販売されています。諏訪では寒さがようやく緩み、緩んだかと思うとまた寒さがぶり返し、という三寒四温を経て、桜の開花に向かっていく季節を象徴するような食材です。

山ウドを見ると、亡くなった舅を思い出します。

あれは、私が嫁いできて最初の御柱祭の「山出し」だから、2010年(平成22年)4月3日のことだったかな。舅の家は、茅野市の宮川安国寺地区の御柱屋敷の近くにあったから、4月の山出しの最後を飾る大一番の川越しを終え、ぐっしょり濡れた人々に対して、お風呂と料理を提供する「お宿」を務めていたのです。

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「お宿」は、本格的にやろうとすると、そりゃあもう大変でしてね。とりわけ、私は広島から嫁いできたばかりで、赤ん坊を背負いながらのお宿の接待準備だったので、「いやー、えらいとこに嫁いでしもうたわ」と冷や汗をかきながらも、舅の指示に従って、懸命におつとめしてました。

舅はというと、絵に描いたような職人かたぎで、頑固で気難しく、言葉遣いも荒っぽいので、しょっちゅう息子(私の旦那のことね)と喧嘩ばかりしていました。でも、根は優しい人で、初孫(私の息子のことね)のためにわざわざ仮面ライダーの玩具を買ってきてくれたり、慣れない土地に嫁いできた私のことを思いやるような言葉をかけてくださったりしました。

そんな不器用な舅が、私に教えてくれたのが「山ウドきんぴら」の作り方。

御柱祭の朝早く舅の家に行くと、縁側に大きな山ウドが10本、積み上げてありました。広島では見たことのない食材だったので、いったいこれをどうしたらよいのかさっぱり分かりません。すると、舅が調理の仕方を教えてくれました。

山ウドは、洗って汚れた部分を取り除いてから、先っぽの柔らかい緑色のところと、茎の白いところにまず切り分ける。緑色のところは後で天ぷらの具材にするので置いておいて、白い茎の部分を5㎝ぐらいの長さの千切りにする。千切りにしたものは酢水にさらしてから、大鍋に移し、ごま油で炒める。砂糖、みりん、醬油で味をつけて、山ウドがくったりしたら出来上がり。

レシピ自体は簡単なんだけど、それが10本もあるので、めちゃめちゃ大変。まだ肌寒い4月初めの早朝の縁側(台所では舅たちが別の料理を作っている)で、ひたすら山ウドの茎を刻む、刻む、刻む。爪にしみ込んだ山ウドのアクが黒く変色していく。ああもう面倒くさい、とは思うんだけど、実は前日にも舅が10本分の山ウドで大鍋一杯のきんぴらを作っていたと聞くと文句を言うわけにもいかない。要するに2日で20本分の山ウドきんぴらを作ったんだけど、これがお宿にいらした人たちに好評で、大皿に盛り付けて出したはしからどんどんなくなっていく。大鍋2つのきんぴらがあっという間に消えていく。でも、お客さんに「このきんぴら、美味いね!作り方を教えてくれよ」なんて言われると、舅もまんざらではないのか、嬉しそうに教えていたりしてね。山ウドを見ていると、そんな光景を思い出します。

というわけで、久しぶりに山ウドきんぴらを作ってみました。さすがに10本なんてやりませんよ、1本だけね。

山ウドは皮なんか剥かずにそのまんま千切りにします。今回は緑の部分も細くそぎ切りにして、一緒に炒めちゃいましょう。酢水に軽くさらしてから、小鍋にどさっと入れて、ごま油でじっくり炒めていきます。すぐにくたくたになって水分が出てくるので、砂糖とみりんと醤油を加えて、炒め煮みたいな感じで火を通します。仕上げにゴマを散らして、出来上がり。

山ウドのほろ苦さに甘じょっぱい味付けがよく馴染んでとっても美味しい。信州の春だなぁ、って感じの味です。

 

その他の、最近のおかずの覚え書きね。

新じゃがいもを使ってポテトサラダでも作ろうとしたんだけど、じゃがいもを茹でて皮を剥いて潰すの地味に面倒くさいなと思い、じゃあもうマッシュすんのやめやめ、皮を剥くのも面倒だからやめやめ。乱切りした皮つきの新じゃがいもをレンチンで柔らかくしてから、フライパンでソーセージと冷凍グリーンピースと一緒に炒めて、塩コショウとマヨネーズで和えて完成~。材料自体は普通のポテトサラダと同じだけど、サラダというよりはジャーマンポテト寄り。ま、旨きゃええんよ旨きゃ。

 

たまには茄子をいつもとは違う調理法で食べてみたいなぁと思い、レシピ動画をあれこれ検索していたら、この動画にたどり着きました。


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おお、カリカリ茄子、めちゃ美味しそうやん。片栗粉をまぶして揚げ焼きすればいいのね、簡単そうじゃん。と理解したものの、私はいつもの悪い癖で後先考えずに見切り発車で作り始めてしまう。冷蔵庫に残ってた茄子を全部使っちゃえ、とバッシバシ切り始めて、片栗粉をまぶし終わったところで気づく。あ、フライパンに入り切るのかこれ?

もう今さら後戻りはできないので、フライパンにぎっちぎちに詰め込んでいく。このあたりで既に嫌な予感がしているが、案の定、火を入れているうちに片栗粉が粘って全部の茄子がばっちりくっついて巨大な茄子の塊と化す。やばい。必死で菜箸で切り離そうと奮闘するも、そうこうしているうちに火が通り過ぎてしまう。

てなわけで、仕上がったカリカリ茄子は、写真ではまぁまぁ良い感じに見えるけれども、実際には片栗粉の膜でがっちがちに固まったガリガリ茄子になってしまったのでありました。あ、でも食感が固すぎたのを除けば美味しかったよ。次に作るときには茄子の分量に気をつけて作り始めることにします。反省を次に生かす女だぜ。

 

こちらはまた別の日に買った茄子を使った和風パスタ。うちの冷蔵庫には常に茄子が常備されていると思ってください。だって好きなんだもん。

作り方はいつもの暗殺者スタイル。最初に茄子とツナとニンニクを炒めておいて、それを取り出したフライパンでそのままスパゲティを焼く。そこに水をどばっと入れて、あごだしとかめんつゆとかで適当な感じに味をつけて、ぐつぐつ煮込む。水気がなくなったら具材を戻して混ぜ合わせ、皿に盛る。大根おろしと大葉をトッピングして完成。暗殺者スタイルに失敗なし。どんなに雑に作ってもだいたい旨く仕上がるって最&高よ。

 

ある日、近所のスーパーで、長芋とマッシュルームが安かったんですよ。で、唐突に「長芋を焼いて食いたい」と思ったんですね。で、だったらマッシュルームも一緒に焼いちゃえ、でもそれだけだとメインのおかずとしてちょっと物足りない感じだからもう1品これに何かを合わせたいな、とか考えながらスーパーの棚を眺めていたら、私の目に飛び込んできたのがレトルトのミートボール。

マッシュルームは大きいものは4つ割り、小さいものは2つ割りにして、長芋もそれと大きさがだいたい同じぐらいになるようにカットして、焦げ目がつくまで焼いて、仕上げにミートボールをソースごと混ぜ込んで、塩コショウなどで味を調えて出来上がり。長芋のほくほく感が美味しい。既製品のミートボールを混ぜ込むというアイディアは我ながら便利で良いな。また今度何かに応用しよう。

 

ソラマメが出回る時期になりました。莢のまんまホットサンドメーカーに入れて、莢が焦げるまで両面をがっつり焼いちまいやしょう。焼き上がったら各自が莢を剥いて、軽く塩を振って、中の薄皮は取っても取らなくてもお好みで、ひょいぱくひょいぱく食べちまおう。莢の内側で蒸し焼きにされた豆はほくほくで、栄養価もそのままですよ。美味しいね。

と、息子が、剥いた莢の内側が溶けかかったゼリーのようなズルズルした感じになっているのを見て、「ああ、そらまめくんのふわふわベッドがこんなことに……」と呟いておりました。小さい頃に読んだ絵本の内容をよく覚えているもんだね、キミ。

 

なんとなく唐突にゴボウが食べたくなって、でも煮物って気分じゃないのよとレシピを検索していたら、フライパンで作れるごぼうチップスのレシピを見つけました。

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このレシピは斜め切りだけど、もっと薄くしたいなと思ったので、しっかり洗ったゴボウを皮ごとピーラーで削いでみた。片栗粉をまぶして揚げ焼き。茄子の失敗(↑)があったので半量ずつ、できるだけ重ならないように気をつけてフライパンに広げてみたけど、結局なんだかんだでくっついちゃう。これはもはや宿命なのだと割り切るのが精神衛生上よろしいのかしらね。

最初の1回目は引き上げるタイミングが分からなくてちょっと焦がして苦くなっちゃって、それを踏まえて2回目はほどよきタイミングで引き上げることができました。フライパンの中ではまだ少し柔らかめだったのが、油を切って冷ましているうちにパリパリになってきました。こいつはたいへんイイ感じ。仕上げに青のりと塩を振って、ごぼうチップスの完成でございまーす。

当たり前だけど、ビールのおつまみとして最高の出来でございました。パリパリ食感と青のりの香り、ゴボウの特徴である土くさい香り、おこげの苦みもあいまって、これはビールがビールがすすむくん♪

しかしこうやって並べてみると、私が作るものって、ホントに「とりあえず焼いとけ」なメニューが多いな……(;^ω^)

クラフトビールを飲んでみた・その25

「飲んだクラフトビールの感想をブログの下書きに書き溜めておこうシリーズ」も25回目になりました。飽きっぽい私にしては珍しく続いてますな。善き哉。

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ちょっと更新の間が開いてしまいました。ビールの感想はブログの下書きにちまちま書き溜めてるんだけど、写真を撮ったり清書したりする余裕がなくて。なんせ、息子の高校進学準備にバタバタしてるのと(お金に翼が生えて飛んでいくというのはマジだったんすね……)、家族旅行の後でちょっと風邪気味だった(ただでさえこの時期は花粉症で体調がヒドイ……)のもあって、身体も心もちょいすり減ってたっていうね。

いやー、やっぱね、若い頃のようにエンジン全開でずっとカッ飛ばしてくってのはムリですわ。もうおばちゃんなんだもん。とかなんとかかんとか言いながらも、好奇心だけは未だにまったく衰えていないらしい。そんなわけで今日もスケジュール帳に新しいスケジュールを容赦なくぶち込んでいく私。この貧弱な身体でどこまで走っていけるのかしら、さて。

 

前置きはさておき、今回は2月下旬から3月中旬ぐらいにかけて飲んだ銘柄のご紹介でございます。ちょっとずつ「春」を感じるビールが出始めてきましたね。

出だしは、先月訪問したKUNITACHI BREWERYさんとOutsider Brewingさんのビールから。訪問した際の記事もあわせてご覧いただけますと幸いです。

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1 KUNITACHI BREWERY「1926」

(Kölsch Style ABV4.5% IBU?)

kunitachibrewery.com

くにぶるさんのフラッグシップビールは、正統派のケルシュ。「1926」というのは、国立駅の旧駅舎の竣工年にちなんでいるのだそうですよ。

液色はすっきりと澄んだ黄色。飲んだ瞬間、ああ、ビールだ、と感じる王道の味わい。派手さはないけどすっきりしていて、毎日飲んでも飲み飽きない雰囲気のビールですね。私はいつも個性的すぎるビールばかりを追い求めてしまうので、たまにこういった王道系のビールを飲むと、そうだった、ビールってこういう飲み物だった、と我にかえりますね。癖が少なくて飲みやすいので、飲む人を選ばないし、どんな食事にも合わせやすそうです。

 

2 KUNITACHI BREWERY「Aperitivo」

(Fruited Ale w/Blood Orange ABV5.0% IBU?)

kunitachibrewery.com

ブラッドオレンジを使ったフルーツエール。アペリティーボというのはイタリア語で食前酒という意味なんだそうです。

液色は明るいオレンジ色。グラスに鼻を近づけるとほのかに甘酸っぱい香りがするものの、香り自体はさほど強くないので、こんなもんかなと思いながら、一口。すると、口の中から鼻腔に抜ける、強く華やかなオレンジリキュールの香り。おおっ。ほんのり甘いが、甘ったるさはなくて飲み口すっきり。苦みはほとんどない。ぬるくなってくると、酵母独特の甘いエステル香が次第に強くなってきますね。

 

3 OUTSIDER BREWING「COLD WAR」

(Red IPA ABV6.5% IBU55)

outsiderbrewing.com

アウトサイダーさん12周年記念ビールのうちの3本目。栓を抜いた瞬間から香る、ホップの爽やかなアロマ。液色はやや濁った赤茶色。口に含んだ第一印象は「あ、軽い」で、その直後に苦みがパーッと口の中に広がっていきます。だけどその苦みもまったく重たくなくて、心地よい香りを楽しみながらするすると飲めちゃいますね。遅れてやってくる麦芽のカラメルのようなコクがしみじみ美味しいです。

 

4 inkhorn brewing「MEJIRO」

(Hazy IPA ABV7.0% IBU?)

151l.shop

行きつけの酒屋さんのSNSに入荷情報が載って、おおっ、ついに落札できたのね!と急いで酒屋さんに走っていきました。ようやく諏訪の地に可愛い小鳥ちゃんが飛んできたぞ~!

濁った薄黄色の液体の上に、めちゃくちゃいい香りのする泡がふっくら被さります。口に含むと、ジューシーな舌触りとともに、グレープフルーツの搾りたての果汁を飲んでいるかのような鮮やかな酸味とほろ苦さが口いっぱいに広がります。苦みはすぐに消えて、その後にフルーツっぽい甘みが広がり、それもまた静かに消えていきます。めっちゃうっまーい!じっくり味の変化を味わいたいのに、美味すぎてゴクゴク一気に飲んでしまいたくなります。でも、これは冷えているうちのほうが美味しい気がするから、それでいっか。

 

5 反射炉ビヤ「Natural Yeast Beer ~COCOFARM&WINERY~オレンジ」

(自然酵母ビール ABV5.0% IBU12)

kuraya-narusawa.co.jp

色々な酵母を使ってビールを醸造するのが得意な反射炉ビヤさん。今回は、ワイン醸造に使用した葡萄の果皮を用いて、その葡萄に付着した自然酵母のみで発酵したビールなのだそう。

液色は濁った柿色。鼻を近づけると酵母エステル香がふわり。口に含むと、強めの酸味とアルコール感、そしてカラメルのような甘みが少し。苦みはほぼ感じません。ぬるくなってくると、酸味はそのままで、葡萄のフレーバーが前面に出てきます。後味として、じわーっと喉に残るフルーティーな甘みがありますね。

 

6 ヤッホーブルーイング「軽井沢高原ビール2024年限定」

(Session Red Ale ABV4.5% IBU?)

yohobrewing.com

ツルヤ茅野店に買い物に行ったら、軽井沢高原ビールの新作が出ておりました。長野県内限定販売。こういう時だけは「長野県民で良かった」と思うんですけどねぇ。

缶のプルタブを引いた瞬間に、甘いカラメルのような香りがふわりと漂います。液色は紅茶や琥珀のような澄んだブラウンで、泡がふっくら。口に含むと、麦芽の甘い香りが鼻腔に抜けていき、スッキリとした酸味や膨よかな旨みを感じます。最後に一瞬だけ、苦みがくっきりと表れて終わる感じです。全体的なバランスが良くて、誰にでも好かれそうなビールだなという印象。アルコール度数も低めなので下戸にはありがたいですね。

 

7 オラホビール 「ビエール・ド・雷電 春仕込みホワイトエール」

(ホワイトエール ABV5.0% IBU?)

ohlahobeer.com

このブログではすっかりお馴染みの、オラホさんの「季節仕込み」シリーズ。春らしいピンク色のパッケージのこちらは、柔らかな味わいの小麦ビール

液色はごくわずかに濁りのある綺麗な黄色。口に含むと、とても軽やかでスッキリとした味わいです。酸味や苦みもほどよくあって、とにかく軽くて気持ち良くごくごく飲めちゃう。ホップの香りがとっても心地よいです。オラホさんのビールは、本当にホップの香りがフレッシュで良いですね。癖もないので、誰からも好かれそうな感じ。春のハイキングのお供にぴったり。

 

8 霧島酒造 「KIRISHIMA 日向夏

(フルーツビール ABV5.0% IBU?)

www.kirishima.co.jp

芋焼酎の「黒霧島」でお馴染みの、宮崎県の霧島酒造さん。クラフトビールも作っておられたんですねぇ。こちらは宮崎県の名産品、私も大好きな柑橘「日向夏」を使ったフルーツビールです。

液色はほんのり濁った白黄色。日向夏の爽やかな香りがふわんと漂ってきます。飲んでみると、甘酸っぱくてほんのり苦く、ビール自体の味わいは控えめで、まさしく日向夏のフルーツビール。苦みも、ビールの苦みというよりは、日向夏の白い果肉の苦みを思わせる優しさです。甘さは控えめで酸味がすっきりしてて、いいですね。

 

9 Kankiku Brewery 「酒粕スムージー 桜バニラアイス」

(Sake style sour smoothie ABV5.0% IBU?)

sanka-iwate.stores.jp

千葉の寒菊銘醸という日本酒の醸造元が作った、廃棄される予定の酒粕を有効活用したスムージー。そういえば、前に飲んだU.B.P BREWERYの「わにわにピニャッコ」も寒菊さんの酒粕を使ったサワーでしたね。

こちらは、えーっと……、メインの原材料がバニラアイスクリームで、そこにさくらんぼピューレと桜パウダーを加えた酒粕スムージー、……って、ラベルを読んでいても「な、なんだって?」って感じ、しますよね?オラこーゆーのわくわくすっぞ。よっしゃー飲んでみよー!

瓶の外側から透かして見た時点で、既に中身がめっちゃニゴニゴな液体であることが分かります。グラスに注ぐと、液色は完全に濁ったベビーピンクで、酒粕だか酵母だかバニラアイスだかよく分からない白っぽい塊がたくさん浮かんでおります。そしてこの甘~~~い香り……、うん、さくらんぼ風味のバニラアイスの香りじゃん。そして一口飲むと……、うん、バニラとさくらんぼの甘~~~いスムージーじゃん。うん。これをビールと呼んでいいのかしら。だってスイーツだよこれ。

バニラとさくらんぼの強い個性に遅れるように、後味として酒粕のまったりとした味わいと香りが口の中に余韻として残ります。春らしくて面白くてとってもいいですね。好き好き。

 

今回はこんな顔ぶれになりました。次回はもうちょっと早めに更新したいなぁ。頑張りまーす。ではでは、心躍る春宵のひととき、ビールとともにお楽しみくださいませ。