つれづれぶらぶら

旅行記はちょっとずつ仕上げていきます。お楽しみに~。

舅直伝の山ウドきんぴら

最近のおうちごはんの備忘録でございます。

 

今日び、スーパーに行けば、たいていの野菜や果物はフルシーズンふつうに手に入って、ブロッコリーでも大根でもイチゴでもミカンでも当たり前のように売られているので、なかなか作物の「旬」を意識することはないんですけれども、そんななかで「ああ、春が来たな」と季節を感じさせてくれるのが「山菜」のたぐいでございます。

ふきのとう、たらの芽、こしあぶら、そして「山ウド」。

山ウドは3月上旬頃からスーパーの店頭に並び、4月中旬ぐらいまで販売されています。諏訪では寒さがようやく緩み、緩んだかと思うとまた寒さがぶり返し、という三寒四温を経て、桜の開花に向かっていく季節を象徴するような食材です。

山ウドを見ると、亡くなった舅を思い出します。

あれは、私が嫁いできて最初の御柱祭の「山出し」だから、2010年(平成22年)4月3日のことだったかな。舅の家は、茅野市の宮川安国寺地区の御柱屋敷の近くにあったから、4月の山出しの最後を飾る大一番の川越しを終え、ぐっしょり濡れた人々に対して、お風呂と料理を提供する「お宿」を務めていたのです。

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「お宿」は、本格的にやろうとすると、そりゃあもう大変でしてね。とりわけ、私は広島から嫁いできたばかりで、赤ん坊を背負いながらのお宿の接待準備だったので、「いやー、えらいとこに嫁いでしもうたわ」と冷や汗をかきながらも、舅の指示に従って、懸命におつとめしてました。

舅はというと、絵に描いたような職人かたぎで、頑固で気難しく、言葉遣いも荒っぽいので、しょっちゅう息子(私の旦那のことね)と喧嘩ばかりしていました。でも、根は優しい人で、初孫(私の息子のことね)のためにわざわざ仮面ライダーの玩具を買ってきてくれたり、慣れない土地に嫁いできた私のことを思いやるような言葉をかけてくださったりしました。

そんな不器用な舅が、私に教えてくれたのが「山ウドきんぴら」の作り方。

御柱祭の朝早く舅の家に行くと、縁側に大きな山ウドが10本、積み上げてありました。広島では見たことのない食材だったので、いったいこれをどうしたらよいのかさっぱり分かりません。すると、舅が調理の仕方を教えてくれました。

山ウドは、洗って汚れた部分を取り除いてから、先っぽの柔らかい緑色のところと、茎の白いところにまず切り分ける。緑色のところは後で天ぷらの具材にするので置いておいて、白い茎の部分を5㎝ぐらいの長さの千切りにする。千切りにしたものは酢水にさらしてから、大鍋に移し、ごま油で炒める。砂糖、みりん、醬油で味をつけて、山ウドがくったりしたら出来上がり。

レシピ自体は簡単なんだけど、それが10本もあるので、めちゃめちゃ大変。まだ肌寒い4月初めの早朝の縁側(台所では舅たちが別の料理を作っている)で、ひたすら山ウドの茎を刻む、刻む、刻む。爪にしみ込んだ山ウドのアクが黒く変色していく。ああもう面倒くさい、とは思うんだけど、実は前日にも舅が10本分の山ウドで大鍋一杯のきんぴらを作っていたと聞くと文句を言うわけにもいかない。要するに2日で20本分の山ウドきんぴらを作ったんだけど、これがお宿にいらした人たちに好評で、大皿に盛り付けて出したはしからどんどんなくなっていく。大鍋2つのきんぴらがあっという間に消えていく。でも、お客さんに「このきんぴら、美味いね!作り方を教えてくれよ」なんて言われると、舅もまんざらではないのか、嬉しそうに教えていたりしてね。山ウドを見ていると、そんな光景を思い出します。

というわけで、久しぶりに山ウドきんぴらを作ってみました。さすがに10本なんてやりませんよ、1本だけね。

山ウドは皮なんか剥かずにそのまんま千切りにします。今回は緑の部分も細くそぎ切りにして、一緒に炒めちゃいましょう。酢水に軽くさらしてから、小鍋にどさっと入れて、ごま油でじっくり炒めていきます。すぐにくたくたになって水分が出てくるので、砂糖とみりんと醤油を加えて、炒め煮みたいな感じで火を通します。仕上げにゴマを散らして、出来上がり。

山ウドのほろ苦さに甘じょっぱい味付けがよく馴染んでとっても美味しい。信州の春だなぁ、って感じの味です。

 

その他の、最近のおかずの覚え書きね。

新じゃがいもを使ってポテトサラダでも作ろうとしたんだけど、じゃがいもを茹でて皮を剥いて潰すの地味に面倒くさいなと思い、じゃあもうマッシュすんのやめやめ、皮を剥くのも面倒だからやめやめ。乱切りした皮つきの新じゃがいもをレンチンで柔らかくしてから、フライパンでソーセージと冷凍グリーンピースと一緒に炒めて、塩コショウとマヨネーズで和えて完成~。材料自体は普通のポテトサラダと同じだけど、サラダというよりはジャーマンポテト寄り。ま、旨きゃええんよ旨きゃ。

 

たまには茄子をいつもとは違う調理法で食べてみたいなぁと思い、レシピ動画をあれこれ検索していたら、この動画にたどり着きました。


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おお、カリカリ茄子、めちゃ美味しそうやん。片栗粉をまぶして揚げ焼きすればいいのね、簡単そうじゃん。と理解したものの、私はいつもの悪い癖で後先考えずに見切り発車で作り始めてしまう。冷蔵庫に残ってた茄子を全部使っちゃえ、とバッシバシ切り始めて、片栗粉をまぶし終わったところで気づく。あ、フライパンに入り切るのかこれ?

もう今さら後戻りはできないので、フライパンにぎっちぎちに詰め込んでいく。このあたりで既に嫌な予感がしているが、案の定、火を入れているうちに片栗粉が粘って全部の茄子がばっちりくっついて巨大な茄子の塊と化す。やばい。必死で菜箸で切り離そうと奮闘するも、そうこうしているうちに火が通り過ぎてしまう。

てなわけで、仕上がったカリカリ茄子は、写真ではまぁまぁ良い感じに見えるけれども、実際には片栗粉の膜でがっちがちに固まったガリガリ茄子になってしまったのでありました。あ、でも食感が固すぎたのを除けば美味しかったよ。次に作るときには茄子の分量に気をつけて作り始めることにします。反省を次に生かす女だぜ。

 

こちらはまた別の日に買った茄子を使った和風パスタ。うちの冷蔵庫には常に茄子が常備されていると思ってください。だって好きなんだもん。

作り方はいつもの暗殺者スタイル。最初に茄子とツナとニンニクを炒めておいて、それを取り出したフライパンでそのままスパゲティを焼く。そこに水をどばっと入れて、あごだしとかめんつゆとかで適当な感じに味をつけて、ぐつぐつ煮込む。水気がなくなったら具材を戻して混ぜ合わせ、皿に盛る。大根おろしと大葉をトッピングして完成。暗殺者スタイルに失敗なし。どんなに雑に作ってもだいたい旨く仕上がるって最&高よ。

 

ある日、近所のスーパーで、長芋とマッシュルームが安かったんですよ。で、唐突に「長芋を焼いて食いたい」と思ったんですね。で、だったらマッシュルームも一緒に焼いちゃえ、でもそれだけだとメインのおかずとしてちょっと物足りない感じだからもう1品これに何かを合わせたいな、とか考えながらスーパーの棚を眺めていたら、私の目に飛び込んできたのがレトルトのミートボール。

マッシュルームは大きいものは4つ割り、小さいものは2つ割りにして、長芋もそれと大きさがだいたい同じぐらいになるようにカットして、焦げ目がつくまで焼いて、仕上げにミートボールをソースごと混ぜ込んで、塩コショウなどで味を調えて出来上がり。長芋のほくほく感が美味しい。既製品のミートボールを混ぜ込むというアイディアは我ながら便利で良いな。また今度何かに応用しよう。

 

ソラマメが出回る時期になりました。莢のまんまホットサンドメーカーに入れて、莢が焦げるまで両面をがっつり焼いちまいやしょう。焼き上がったら各自が莢を剥いて、軽く塩を振って、中の薄皮は取っても取らなくてもお好みで、ひょいぱくひょいぱく食べちまおう。莢の内側で蒸し焼きにされた豆はほくほくで、栄養価もそのままですよ。美味しいね。

と、息子が、剥いた莢の内側が溶けかかったゼリーのようなズルズルした感じになっているのを見て、「ああ、そらまめくんのふわふわベッドがこんなことに……」と呟いておりました。小さい頃に読んだ絵本の内容をよく覚えているもんだね、キミ。

 

なんとなく唐突にゴボウが食べたくなって、でも煮物って気分じゃないのよとレシピを検索していたら、フライパンで作れるごぼうチップスのレシピを見つけました。

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このレシピは斜め切りだけど、もっと薄くしたいなと思ったので、しっかり洗ったゴボウを皮ごとピーラーで削いでみた。片栗粉をまぶして揚げ焼き。茄子の失敗(↑)があったので半量ずつ、できるだけ重ならないように気をつけてフライパンに広げてみたけど、結局なんだかんだでくっついちゃう。これはもはや宿命なのだと割り切るのが精神衛生上よろしいのかしらね。

最初の1回目は引き上げるタイミングが分からなくてちょっと焦がして苦くなっちゃって、それを踏まえて2回目はほどよきタイミングで引き上げることができました。フライパンの中ではまだ少し柔らかめだったのが、油を切って冷ましているうちにパリパリになってきました。こいつはたいへんイイ感じ。仕上げに青のりと塩を振って、ごぼうチップスの完成でございまーす。

当たり前だけど、ビールのおつまみとして最高の出来でございました。パリパリ食感と青のりの香り、ゴボウの特徴である土くさい香り、おこげの苦みもあいまって、これはビールがビールがすすむくん♪

しかしこうやって並べてみると、私が作るものって、ホントに「とりあえず焼いとけ」なメニューが多いな……(;^ω^)