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今だからこそ読もう『もやしもん』

私と息子が行きつけにしている隣町の富士見町図書館も、コロナウイルスの感染拡大防止のため、読書・自習用スペースを封鎖し、貸出と返却のみの対応ってことになりましてね。

あそこの図書館はとにかく快適なんで居座れないのが残念ではあるんですが、でもまぁ開館してくれてるだけ有難い。学校も行けない児童館も行けない、このうえ図書館にも行けないってことになったらウチの息子は耐えらんねぇっすわ。

それで、図書館側から「普段は貸出上限は1人10冊までだけど、20冊まで借りてっていーよ」とのお達しがあったので、それじゃあせっかくだから普段は読まない長編コミックを借りて行こうじゃないかと、息子は『ケロロ軍曹』を15巻まで、そんで私は『もやしもん』全13巻を一挙借りしてきたのでした。

 

もやしもん(1) (イブニングコミックス)

もやしもん(1) (イブニングコミックス)

 

 

アニメや実写ドラマにもなったので、ご存知の方も多いと思う。2004年から2014年にかけて講談社のイブニングなどに連載された、農業大学を舞台にしたコメディ漫画です。

農学部の中でも、主人公たちが関わることになる「樹(いつき)研究室」の専攻分野は菌類の働きについての研究、すなわち「醗酵」。醗酵といえば、世界中の人類、とりわけ日本人にとっては切っても切り離せないほど深く生活に関わっているモノですネ。

主人公の沢木直保は「種麹屋(もやし屋)」の次男坊で、なんと「菌やウイルスが肉眼で見え、会話もできる特殊能力を持っている」という点だけが漫画的なファンタジー設定だけど、基本的にはせっせと酒や醤油や味噌を作ったり、色んな発酵食品について考えたり食べたり阿鼻叫喚したりする、いたってマジメ(?)な農業漫画なわけであります。

 

登場人物の中に及川葉月という同級生の女の子がいる。彼女は当初、猛烈な潔癖症で、抗菌グッズで至るところを除菌して回る性格であった(結果として美里・川浜両先輩の金儲けの素を台無しにしてしまう)。

でも、直保たちから見ると及川の行動はまるっきり意味のない行動にしか思えない。だって、菌なんてどこにでも大量に存在してるんだもの。そして人間の身体にもたくさんの常在菌がいて、それらは人間の生体活動を支えているのだもの。

「何が除菌ブームや何が清潔なくらしや。人間一人がどれだけの菌持ってると思ってんだ!100兆だぞ!」「人間の顔には1㎠に3千万から1億の菌がいるんだ。頭皮にはカビだっているんだぞ。オマケに人間の顔には寄生虫がいるんだ。お前のまつげの根元にも尻尾突きさして棲んでんだ!」

 

そうそう、思い出した。つい最近、トレンドワードに「顔ダニ(ニキビダニ)」って上がってて、あらま、久しぶりに見たなこの言葉、と思ったら、やっぱりどっかのワイドショーが「恐怖の顔ダニ、ニキビの元凶!」みたいな感じで煽ってたらしいっすね。確か10年ぐらい前にも話題になって、「顔ダニ退治にはこの石鹸が効く!」みたいな感じで煽られた人々がまんまと高い石鹸を買わされたというね。

しかしながら、実際のところ、ニキビダニ(毛包虫、デモデックス)は哺乳類の分泌腺の中に必ず存在するモノで、確かに顕微鏡写真なんかを見ちゃうと非常にグロテスクな見た目なもんだから(画像検索しちゃダメよ)、気持ち悪ッ!退治しなきゃ!と思っちゃうのは仕方ないんだけど、実際には、余分な皮脂とかをキレイに食べてくれる皮膚のお掃除屋さん。お肌の状態が悪くなると異常発生してニキビの原因になったりもするけれど、そうでない限りにおいては、むしろアナタのお肌を健やかに保ってくれる共生生物なのでありマス。下手に除去なんかしちゃうとかえってお肌が荒れちゃうよー。

 

表皮常在菌もそう。人間の身体の表面に、たくさんの常在菌がバリアとなって存在することで、悪性の雑菌から我々を守ってくれているのデス。だもんで、最近は怪我をしても消毒するな、表皮常在菌が人の治癒力を助けてくれるのに、消毒するとその表皮常在菌まで殺してしまうから、っていう理論のほうが常識とされておりマス。

とはいえ、個人的には白癬菌とだけはどうしても共生したくないもんで(過去に痛い目に遭っているから)、今日もせっせと逆性石鹸で足を洗っているワケなのですが。 

sister-akiho.hatenablog.com

 そういえば、こないだ薬局で、いつものようにザルコニン液を買ってたんだけどさ、同じ棚にあるエタノール系消毒薬はことごとく売り切れになってたのね。コロナ対策でね。

で、私のすぐ後ろにいたおじいさんがさ、私の様子を見てかどうか知らんけど、ザルコニン液を持ってレジに走って行ったのね。おーい。おじいさーん。それ、ウイルスには効かないヤツやねんけどー、あーあ、知らんでー。

なお、カビは菌なのでよく効きます。うちでは足を洗った後で、お風呂場のカビがわいてる箇所に撒きます。カビ取り掃除がうんと楽になりましたん。

 

おっと、『もやしもん』の話からずいぶん脱線してしまった。

ともあれ、我々の身近な存在、そして美味しいお酒やパンやチーズなどの食べ物を拵えてくれる奇跡の存在である菌への理解がぐっと深まる漫画でありマス。かもすぞー。

そんでもって、読んでると無性に色んなものが食べ(飲み)たくなる。とりわけ「地ビール編」では、武藤さんじゃないけど、私自身も地ビールに対するちょっとした偏見があったもんで、目からウロコというか、そうだなぁ、飲みもしないでマズイはずだって決めつけちゃってたトコあるよなぁ、と少々反省して、さっそく近所のスーパーで地ビール買ってきた。 

水曜日のネコ 350ml×24本

水曜日のネコ 350ml×24本

  • メディア: 食品&飲料
 

 私も旦那も、実はビールがあんまり好きじゃない(球場で飲むビールは例外)。でも、このビールはものすっごく飲みやすかった。オレンジピールコリアンダーで風味付けしたホワイトエール。苦みが少なくて、めっちゃあっさりゴクゴク飲める。

逆に言うと、ビールは苦み!コクとキレ!って人には向いてないかな。少なくとも職場の忘年会で上司と一緒に呑むビールではない、と思う(偏見)。女子会とか、オシャレなパブで軽い食事のお供に呑むには良い感じ。少なくとも私は嫌いではないヨ。こういうビールもアリだと思うッス。

 

というわけで、目に見えないモノに対して、ただ脊髄反射的に恐れるのではなくて、ちゃんと知ろう?知って理解しよう?ウイルスだって菌だって寄生虫だって、今こうしている瞬間にも、すぐそばに、どこにでもいる。それが人間にとって有害な働きをすることもあれば、助けてくれることもある。有史以前からの長いお付き合い、ちょっと彼らのことを知ってもいいじゃありませんか。せっかくお部屋に閉じこもって読書できる機会があるわけだから、ね。